14 / 23
14
しおりを挟む
◇
「しばらく街には戻って来られないから、しっかり食べてね」
「は、はい」
街のレストランで昼食のポークソテーをナイフで切り分けて、フォークに刺して口に運ぶ。
厚みがあって噛みごたえのあるお肉を咀嚼しながら、この後のことを考えた。
ダンジョンに行き、攻略する。
言葉にすれば簡単だけど、魔物と戦うし、階段を探してダンジョン内を彷徨うことになるのだろう。
経験のないのことだからドキドキする。
逃げ出したくならないだろうかと思って、でもイーサンとグレンがいるから頑張ろうと思い直す。
何事もなく攻略出来るといいな。
ボスもあまり強くないといいな。
でも怖くなるから、あんまり考えないようにしよう。
そう決めて、ポークソテーに向き合いなおした。
◇
「スバルは力が弱いから、素早さを上げて連撃を狙った方が良さそうだ。身体も小さいから、間合いにも気を付けなければいけないか」
「はあはぁはぁ……」
物凄く手加減してくれているであろうイーサンと打ち合いをして、自分の至らなさに盛大に凹んだ。
「俺、見込み、ありますか……?」
「それはまだわからないかな」
苦笑するイーサンに食いつきたいけど、疲労が凄くて、膝に両手を置きながら息を整えることが優先された。
「まあ、ゆっくりやろう。鍛錬は継続することが大事だからな」
「はい……」
日は落ちかけて、周囲をオレンジ色に染めている。
平原の片隅でテントを張って、明日から挑むダンジョンに向けて、今日はもうゆっくりするらしい。
グレンはテントの中で魔術書を読んでるみたいで、外には出てきていない。
イーサンの手合わせの前に、グレンの魔術講座も受けていた。
魔術は座学からで、実技はまだ。
だから、俺はちゃんと魔術が使えるかまだ分からない。
ダンジョンでは完全にお荷物になりそうだ。
早く二人の力になりたいのにそれはまだ先になりそうで、俺は無力感に苛まれた。
「しばらく街には戻って来られないから、しっかり食べてね」
「は、はい」
街のレストランで昼食のポークソテーをナイフで切り分けて、フォークに刺して口に運ぶ。
厚みがあって噛みごたえのあるお肉を咀嚼しながら、この後のことを考えた。
ダンジョンに行き、攻略する。
言葉にすれば簡単だけど、魔物と戦うし、階段を探してダンジョン内を彷徨うことになるのだろう。
経験のないのことだからドキドキする。
逃げ出したくならないだろうかと思って、でもイーサンとグレンがいるから頑張ろうと思い直す。
何事もなく攻略出来るといいな。
ボスもあまり強くないといいな。
でも怖くなるから、あんまり考えないようにしよう。
そう決めて、ポークソテーに向き合いなおした。
◇
「スバルは力が弱いから、素早さを上げて連撃を狙った方が良さそうだ。身体も小さいから、間合いにも気を付けなければいけないか」
「はあはぁはぁ……」
物凄く手加減してくれているであろうイーサンと打ち合いをして、自分の至らなさに盛大に凹んだ。
「俺、見込み、ありますか……?」
「それはまだわからないかな」
苦笑するイーサンに食いつきたいけど、疲労が凄くて、膝に両手を置きながら息を整えることが優先された。
「まあ、ゆっくりやろう。鍛錬は継続することが大事だからな」
「はい……」
日は落ちかけて、周囲をオレンジ色に染めている。
平原の片隅でテントを張って、明日から挑むダンジョンに向けて、今日はもうゆっくりするらしい。
グレンはテントの中で魔術書を読んでるみたいで、外には出てきていない。
イーサンの手合わせの前に、グレンの魔術講座も受けていた。
魔術は座学からで、実技はまだ。
だから、俺はちゃんと魔術が使えるかまだ分からない。
ダンジョンでは完全にお荷物になりそうだ。
早く二人の力になりたいのにそれはまだ先になりそうで、俺は無力感に苛まれた。
41
お気に入りに追加
87
あなたにおすすめの小説
ボクのことが嫌いな彼らは、10年後の僕を溺愛する
面
BL
母親の再婚により、幼いアンリの生活は一変した。
十年間、最悪を受け入れ、諦め、死んだように生きていたアンリの周りは最近なんだかおかしい。
!! 暴力表現は*
R18表現は**
という感じで作者判断で一応印をつけようと思いますが、印がなくても色々あると理解した上でご覧ください。
※すべては見切り発車です。
※R18は保険です。サラッと描写するかもしれないし、がっつりにするかもしれないし。いずれにしてもある程度話が進まないとそういうシーンは出てこないと思います。がっつりになったら印つけます。
※女性との絡み、暴力、犯罪描写あります。
※主人公重度のマザコン
小さいエルフの男の娘は♡愛する人を寝取られて♡永遠に生き恥を晒す♡淫紋性奴隷に成り下がってしまう♡
ジャスミンティー
BL
多くのエルフが住む国で、王国の騎士として常に剣を振り、戦いに身を注ぐシャルル。
だが、そんな彼の思いは人間によって踏みにじられていく。
愛する姫を寝取られて、自分の体も騎士としては戦えないような無様な物になる。
エルフの長い寿命を死ぬまで、美しく男の為に生きるマゾ奴隷として生きる事になる。
時代が進んでも、自分の体を人間の…別種族の男達に使われ続けることシャルルの人生は不幸でもあり、幸せでもある。
総受けなんか、なりたくない!!
はる
BL
ある日、王道学園に入学することになった柳瀬 晴人(主人公)。
イケメン達のホモ活を見守るべく、目立たないように専念するがー…?
どきどき!ハラハラ!!王道学園のBLが
今ここに!!
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
兄たちが弟を可愛がりすぎです~こんなに大きくなりました~
クロユキ
BL
ベルスタ王国に第五王子として転生した坂田春人は第五ウィル王子として城での生活をしていた。
いつものようにメイドのマリアに足のマッサージをして貰い、いつものように寝たはずなのに……目が覚めたら大きく成っていた。
本編の兄たちのお話しが違いますが、短編集として読んで下さい。
誤字に脱字が多い作品ですが、読んで貰えたら嬉しいです。
俺は成人してるんだが!?~長命種たちが赤子扱いしてくるが本当に勘弁してほしい~
アイミノ
BL
ブラック企業に務める社畜である鹿野は、ある日突然異世界転移してしまう。転移した先は森のなか、食べる物もなく空腹で途方に暮れているところをエルフの青年に助けられる。
これは長命種ばかりの異世界で、主人公が行く先々「まだ赤子じゃないか!」と言われるのがお決まりになる、少し変わった異世界物語です。
※BLですがR指定のエッチなシーンはありません、ただ主人公が過剰なくらい可愛がられ、尚且つ主人公や他の登場人物にもカップリングが含まれるため、念の為R15としました。
初投稿ですので至らぬ点が多かったら申し訳ないです。
投稿頻度は亀並です。
無自覚美少年のチート劇~ぼくってそんなにスゴいんですか??~
白ねこ
BL
ぼくはクラスメイトにも、先生にも、親にも嫌われていて、暴言や暴力は当たり前、ご飯もろくに与えられない日々を過ごしていた。
そんなぼくは気づいたら神さま(仮)の部屋にいて、呆気なく死んでしまったことを告げられる。そして、どういうわけかその神さま(仮)から異世界転生をしないかと提案をされて―――!?
前世は嫌われもの。今世は愛されもの。
自己評価が低すぎる無自覚チート美少年、爆誕!!!
****************
というようなものを書こうと思っています。
初めて書くので誤字脱字はもちろんのこと、文章構成ミスや設定崩壊など、至らぬ点がありすぎると思いますがその都度指摘していただけると幸いです。
暇なときにちょっと書く程度の不定期更新となりますので、更新速度は物凄く遅いと思います。予めご了承ください。
なんの予告もなしに突然連載休止になってしまうかもしれません。
この物語はBL作品となっておりますので、そういうことが苦手な方は本作はおすすめいたしません。
R15は保険です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる