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第13章 建国
第379話 お見合い?
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悶々と考えていると更なる難問を投げかけられた。
「あと私の親衛隊だけど、結婚相手を探してほしいの」
「・・・ああ。ええっ!? 何で俺がぁ!?」
「あなたの国に嫁ぐのよぉ、あなたが考えてよぉ」
「自国だって近いし転移して探せばいいだろう。それに、あいつら角無しは嫌いだろ?」
「それがねぇ・・・トゥルボが生まれて、あの子たちの考えが変わってきたようなの」
女心の何がどう変わったのか理解できないエルヴィーノだ。
「ど、どう変わったんだ?」
「自分たちの相手も角無しでも構わないと。むしろダークエルフを紹介して欲しいと言ってるのよ」
「・・・」
自分たちの主の行動を真似たがるのだろうが、都合よく男が十人もいるのか疑問だった。
同朋のダークエルフに人数は把握しているが、既婚未婚や関係性までは知らないからだ。
戻り次第アルコンに相談する事をシーラに告げた。
これは後から執拗に問いただしたシーラがエマスコで教えてくれたが、既に成人となった自分たち親衛隊が身ごもりトゥルボの嫁を生む計画らしい。
ダークエルフのトゥルボには同じくダークエルフの嫁が望ましいと忠義の上に成り立っている妄想だ。
エルヴィーノは一旦”自城”に戻り家族に説明した。
「あらシーラちゃんと赤ちゃんの部屋は用意してあるわよ」
以外にもリーゼロッテからの返事だった。
「あなたの話を聞いて勝手に用意したけど駄目だった?」
妊娠中の妻に反する愚行はしないのだ。
「ありがとうメルヴィ、助かるよ。ただシーラ親衛隊の十人も一緒に移住するらしいんだ」
親衛隊の真意を説明すると、オリビアとメルヴィにリーゼロッテも微笑んで受け入れてくれた。
ただし、流石に十人の受け入れは出来ないから、城内に一部屋用意して誰が務めるかは任せる方法をとる。
そうなると城下町に部屋の確保だ。
アルコンに連絡して会いに行った。
アルコンにはシーラ親衛隊の計画を伏せて説明した。
今からの部屋の手配に難色を示したが、同族の結婚相手の募集を依頼すると目が輝いた。
「モンドリアン!! すまん、殿下。それは何人募集なのだ?」
「シーラ親衛隊は全員似たような年齢で成人しているから十人だ」
「よし!!」
鼻息も荒くコブシを作るアルコン。
「言っとくけど未婚の男だぞ」
「勿論だ」
「あと、なるべく若い方が良いな」
「未婚となると300歳以上だが大丈夫だろう?」
「もっと若いのは居ないのか?」
「若い奴は勝手に”出来た”からな、あとは未成年だ」
未成年は絶対にダメだ。と経験者は心で叫んだ。
「じゃシーラ達がこっちに来てから会う事にしようか?」
「それはいつ頃だ?」
「親衛隊の住む場所が決まらないと呼べないなぁ」
「解った、すぐに手配しよう」
数日後、準備を済ませシーラ達を連れてサルクロスの自城に転移してきた。
トゥルボを抱いてシーラが家族に挨拶する。
「お義母様、不束者ですがよろしくお願いします」
「シーラさん、同族を生んでくれて本当にありがとう。もう家族だから遠慮はいらないのよ」
全員が挨拶を済ませるとメルヴィが率先して声をかけた。
「シーラちゃん、まずは貴女の部屋に行きましょうか」
「はい、お姉さま」
シーラの自室に案内されると、親衛隊の半数を引き連れてメルヴィが城内を案内し、残りの半数をエルヴィーノが城下町に用意した住まいに案内する。
シーラとトゥルボにはリーゼロッテとオリビアが付き添っている。
エルヴィーノは親衛隊に与える部屋で問いかけた。
「お前たち本当にダークエルフと結婚するつもりなのか?」
「はい。私たちはシーラ姫様とトゥルボ様の為に存在する者。しかるに将来のトゥルボ様に相応しい相手を用意するのも我らが使命です」
「だけどさぁ、都合よく女の子が生まれるか? クエルノ族が生まれる可能性も有るぞ」
「もっともなご意見です」
同意すると別の親衛隊が語りだす。
「我らは考えました。産まれる可能性はどちらの種族だとしても男女共に一人ずつ。ならば全員でダークエルフの女児を身ごもるように努力すれば良いと」
「確かにな。アロンソも男、トゥルボも男、今後生まれる子はまだ解らないけど女児が居た方が助かる」
「大魔王様が承認されましたのでお相手を紹介して頂きたいのですが・・・」
「その事だが、相手の年齢は高くても良いのか?」
「どのくらい高齢の方でしょうか? 出来れば未婚の方を要望します・・・」
「ジャンドール王よりもはるかに年下だが、デセオよりも上でも良いか?」
「はい、その程度であれば全く問題有りません」
(全く問題無いのかよ・・・)
「解った。準備するから待っててほしい」
一方でシーラたちは。
「本当にエルヴィーノの産まれた時とそっくりだわ」
「本当ですか? お義母さま」
「ええ、そうよ」
「あのぉ、オリビア様の事は何とお呼びすれば良いですか?」
「様はいらないわよ。呼び捨てにして構わないわ」
「そんな事は出来ません」
ふぅぅとため息をついて説明するオリビア。
「私たち家族はずっとそのように生活してきたの。様を付けるのは一族の長であるリーゼロッテ様だけよ。だから貴女も、親衛隊でしたっけ? あの子たちもそのようにしてほしいわ」
「・・・わかりました。でもあの子たちは命令しても従わないです」
「あらあら、どうしてかしら」
「上下関係だけはきっちりとしていますから、私と旦那様とお姉さまの親族には全て敬称を付けるはずです」
確かにシーラだけならば説得も容易だろうが、十人の召使となれば統一した方が良いし、城内に召使は居なかったからだ。
手伝いをしている獣人女性は見かけるが、城内の勤務は獣人の兵士だけなのだ。
「シーラさん、お願いが有るのだけど、親衛隊の皆さんに交代制で城内の管理もお願いできないかしら」
「大丈夫です、お義母様。任せてください」
☆
城内の入居完了。
「あと私の親衛隊だけど、結婚相手を探してほしいの」
「・・・ああ。ええっ!? 何で俺がぁ!?」
「あなたの国に嫁ぐのよぉ、あなたが考えてよぉ」
「自国だって近いし転移して探せばいいだろう。それに、あいつら角無しは嫌いだろ?」
「それがねぇ・・・トゥルボが生まれて、あの子たちの考えが変わってきたようなの」
女心の何がどう変わったのか理解できないエルヴィーノだ。
「ど、どう変わったんだ?」
「自分たちの相手も角無しでも構わないと。むしろダークエルフを紹介して欲しいと言ってるのよ」
「・・・」
自分たちの主の行動を真似たがるのだろうが、都合よく男が十人もいるのか疑問だった。
同朋のダークエルフに人数は把握しているが、既婚未婚や関係性までは知らないからだ。
戻り次第アルコンに相談する事をシーラに告げた。
これは後から執拗に問いただしたシーラがエマスコで教えてくれたが、既に成人となった自分たち親衛隊が身ごもりトゥルボの嫁を生む計画らしい。
ダークエルフのトゥルボには同じくダークエルフの嫁が望ましいと忠義の上に成り立っている妄想だ。
エルヴィーノは一旦”自城”に戻り家族に説明した。
「あらシーラちゃんと赤ちゃんの部屋は用意してあるわよ」
以外にもリーゼロッテからの返事だった。
「あなたの話を聞いて勝手に用意したけど駄目だった?」
妊娠中の妻に反する愚行はしないのだ。
「ありがとうメルヴィ、助かるよ。ただシーラ親衛隊の十人も一緒に移住するらしいんだ」
親衛隊の真意を説明すると、オリビアとメルヴィにリーゼロッテも微笑んで受け入れてくれた。
ただし、流石に十人の受け入れは出来ないから、城内に一部屋用意して誰が務めるかは任せる方法をとる。
そうなると城下町に部屋の確保だ。
アルコンに連絡して会いに行った。
アルコンにはシーラ親衛隊の計画を伏せて説明した。
今からの部屋の手配に難色を示したが、同族の結婚相手の募集を依頼すると目が輝いた。
「モンドリアン!! すまん、殿下。それは何人募集なのだ?」
「シーラ親衛隊は全員似たような年齢で成人しているから十人だ」
「よし!!」
鼻息も荒くコブシを作るアルコン。
「言っとくけど未婚の男だぞ」
「勿論だ」
「あと、なるべく若い方が良いな」
「未婚となると300歳以上だが大丈夫だろう?」
「もっと若いのは居ないのか?」
「若い奴は勝手に”出来た”からな、あとは未成年だ」
未成年は絶対にダメだ。と経験者は心で叫んだ。
「じゃシーラ達がこっちに来てから会う事にしようか?」
「それはいつ頃だ?」
「親衛隊の住む場所が決まらないと呼べないなぁ」
「解った、すぐに手配しよう」
数日後、準備を済ませシーラ達を連れてサルクロスの自城に転移してきた。
トゥルボを抱いてシーラが家族に挨拶する。
「お義母様、不束者ですがよろしくお願いします」
「シーラさん、同族を生んでくれて本当にありがとう。もう家族だから遠慮はいらないのよ」
全員が挨拶を済ませるとメルヴィが率先して声をかけた。
「シーラちゃん、まずは貴女の部屋に行きましょうか」
「はい、お姉さま」
シーラの自室に案内されると、親衛隊の半数を引き連れてメルヴィが城内を案内し、残りの半数をエルヴィーノが城下町に用意した住まいに案内する。
シーラとトゥルボにはリーゼロッテとオリビアが付き添っている。
エルヴィーノは親衛隊に与える部屋で問いかけた。
「お前たち本当にダークエルフと結婚するつもりなのか?」
「はい。私たちはシーラ姫様とトゥルボ様の為に存在する者。しかるに将来のトゥルボ様に相応しい相手を用意するのも我らが使命です」
「だけどさぁ、都合よく女の子が生まれるか? クエルノ族が生まれる可能性も有るぞ」
「もっともなご意見です」
同意すると別の親衛隊が語りだす。
「我らは考えました。産まれる可能性はどちらの種族だとしても男女共に一人ずつ。ならば全員でダークエルフの女児を身ごもるように努力すれば良いと」
「確かにな。アロンソも男、トゥルボも男、今後生まれる子はまだ解らないけど女児が居た方が助かる」
「大魔王様が承認されましたのでお相手を紹介して頂きたいのですが・・・」
「その事だが、相手の年齢は高くても良いのか?」
「どのくらい高齢の方でしょうか? 出来れば未婚の方を要望します・・・」
「ジャンドール王よりもはるかに年下だが、デセオよりも上でも良いか?」
「はい、その程度であれば全く問題有りません」
(全く問題無いのかよ・・・)
「解った。準備するから待っててほしい」
一方でシーラたちは。
「本当にエルヴィーノの産まれた時とそっくりだわ」
「本当ですか? お義母さま」
「ええ、そうよ」
「あのぉ、オリビア様の事は何とお呼びすれば良いですか?」
「様はいらないわよ。呼び捨てにして構わないわ」
「そんな事は出来ません」
ふぅぅとため息をついて説明するオリビア。
「私たち家族はずっとそのように生活してきたの。様を付けるのは一族の長であるリーゼロッテ様だけよ。だから貴女も、親衛隊でしたっけ? あの子たちもそのようにしてほしいわ」
「・・・わかりました。でもあの子たちは命令しても従わないです」
「あらあら、どうしてかしら」
「上下関係だけはきっちりとしていますから、私と旦那様とお姉さまの親族には全て敬称を付けるはずです」
確かにシーラだけならば説得も容易だろうが、十人の召使となれば統一した方が良いし、城内に召使は居なかったからだ。
手伝いをしている獣人女性は見かけるが、城内の勤務は獣人の兵士だけなのだ。
「シーラさん、お願いが有るのだけど、親衛隊の皆さんに交代制で城内の管理もお願いできないかしら」
「大丈夫です、お義母様。任せてください」
☆
城内の入居完了。
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