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第8章 魔王国編
第214話 激突
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勝っても負けても大変な事となる戦い。
勝った後の被害は”また勝手に嫁を増やした”と妻達からのお仕置きで、4人目の妻を迎え入れる事で毎日がより厳しい監視と過酷な性奴隷生活となる可能性が高いのだ。
負けた被害はシーラ嬢の奴隷だそうだ。
負ける事は有りえないがエルヴィーノにとっては自由と言う天国が遠のいていく戦いだ。
出来る事ならば逃げ出したいのだが、折角見つかった同朋を無視出来ないのだ。
魔王城に泊まったエルヴィーノは城内を見学したかったが、兎に角女性から睨みつける視線を感じるので自粛していた。
城下街はオリゾンと言う名で、宴会で聞いていた限りではイグレシアの様に大きな街だと言っていたが今度ゆっくりと見学しよう。
今動いて女性達を敵に回す事は無い。
いや、既に敵として見られているのだから。
ノタルム国にも闘技場が有る。
朝起きてからの男達だけで移動だ。
対戦者は部下を引き連れて先に向ったらしい。
エルヴィーノ達が到着すると10数人で稽古をしていた。
普段からの鍛練で武術に置いては三兄弟からも一目置かれていた。
すると「遅いっ!」遠くから御叱りの言葉をもらいました。
闘技場の中で審判はブスカドールが務めるそうだ。
他の者は全員観客席での観覧となる。
「2人共良いか? これは殺し合いでは無い。
相手が降参するか気絶したら終わりだ。解かったな?」
全身甲冑を着こんでいるが怒気が溢れているのが解る。
無言のシーラと「ああ、解かったよ」と答えて離れるエルヴィーノだ。
(困った。相手は殺る気だ。やっぱ最初から打撃で行くか)
2人の距離は約30m。
(シーラ嬢も俺の事は解らないはずだが、俺と同様にいきなり必殺系の魔法を使って来る可能性が有るなぁ。どちらが早いか勝負か?)
(殺す。私の秘密を見た者は殺してやる!)
シーラの秘密をエルヴィーノが見た訳では無いし自覚も無い。
シーラが一方的にそう思っているのだ。
その秘密とは!?
(瞬殺だ。一瞬で首を取る)
「では両者、始めっ!」
シーラは右手にエルヴィーノが使うよりも大きなオスクロ・エスパーダを持ち、左手に全身が隠れるほどのオスクロ・エスクードを顕現させて凄まじい速さで走って来た。
(勝った)
ニヤリと微笑み。
ぼそっと魔法を唱えるエルヴィーノだ。
それはオスクロ・ゴーレムだ。
エルヴィーノの後ろに立つようにスッと顕現して「散っ」と言って一瞬で消えたのは、地下金庫に配置した球体で10数個ある黒い球のゴーレムだ。
そして「剣、盾、腿、腕、腹、下から顎」と発すると順番に攻撃して行く。
全てが一瞬の出来事だった。
折れるはずの無い魔法剣を折られ、同じく盾を割られ、四肢を鎧越しに撃たれる激しい衝撃。
そして腹に衝撃が来ると地面が近くなるが必死で耐えた所に下方から顎への衝撃で意識が飛びそうになる。
全てが一瞬だが(この程度の打撃で私を)と思った矢さき「ゥガッ!」意識を失うシーラだった。
観客席で見ていた者は何が起こったのか良く解らなかったらしいが、ブスカドールを呼んでエルヴィーノが抱きかかえるシーラの意識が無いが呼吸は有る事を確認し「勝負有り」と告げた。
ジャンドール王や男達は喜んでいるがシーラのお抱え女戦士達は納得いかない様だった。
気絶して倒れる瞬間抱きかかえたシーラにマキシモ・クラールを使って打撲などを癒してあげた。
それを見ていた目ざといブスカドールだ。
「全回復の魔法ですか」
「見てたの」
「一体どのようにして倒したのですか?」
「見てたなら解るだろ?」
「いやいや、あっと言うまで解かりませんでしたよ。まさか、こんなに呆気無く終わるとは思っても無かったからさぁ」
「まぁでも勝ったからね」
「そうですね義兄弟」
「まだだよ」
「何でですか」
「義兄弟って結婚式上げて子供が出来てだろ」
「まぁ硬い事は良いじゃないですか」
2人で話しながら歩いていると女戦士達が飛び出してきた。
「姫様ぁ!」
「「「姫様ぁ!」」」
奪うように引き離された2人。
「気絶しているだけだ。怪我は既に直してある」
「ブスカドール様が直して下さったのですか?」
「いや、彼が直してくれたよ」
兄であるブスカドールと配下の女戦士が話すと、一斉にエルヴィーノを睨みつけて無言のまま連れ去ってしまった。
「見事だった」
「うむ。一体どのようにしたのかは解らんが、たいしたものだ。あのシーラに戦いをさせないのだからな」
長兄と次兄からお褒めの言葉を頂きました。
「ホントだよ。俺なんか側で見ていても見えなかったもんな」
ブスカドールは嘘くさいと思っていたエルヴィーノだ。
「是非どのようにして倒したのか教えてくれないか」
ジャンドール王から丁寧に言われたので少しだけ教える事にした。
「俺は剣技が全く駄目なので、普通に魔法で攻撃しました」
「一体どのような魔法なのだ」
「一種の召喚魔法陣ですよ」
「馬鹿な! 召喚魔法を剣士より早く出すなど聞いた事も無いぞ」
長兄からクレームが入りました。
「そんな事言ったって」
「それはどんな魔法陣ですか? もし良ければ教えて頂きたいのですが」
次兄が丁寧に訊ねた。
「一般的なゴーレムですよ」
「ゴーレムだとおぉ!」
またもや長兄だ。
「ゴーレムとはあのゴーレムか?」
「そのゴーレムですが、思っているゴーレムとは違いますよ」
「ふ~む。解らん」
全員が首を傾げるので聞いて見た。
「ノタルム国でゴーレムは使いますか?」
「ほとんど使わないな」
(なるほど)
仕方が無いとあきらめて教える事にした。
「じゃお見せしますよ」
「「「おおおっ」」」
全員で闘技場に出て、そして先ほどと同様に顕現させる。
「これがゴーレムだとぉ!?」
「ハイ。俺の考えた”最強の門番”です」
全員の口元が笑っていた。
フラフラと揺れる黒い球体で繋がった人型が立って居たのだ。
仕方が無いので実践させる事にした。
そこに立てとゴーレムに指示して三兄弟に問いかけた。
「では誰か切ってください」
するとやる気満々の長兄が前に出た。
長兄が出したオスクロ・エスパーダは見事な長身で禍々しい装飾が施されていた。
「では、参る」
その切込みは剣が見えない速さで何回切ったのか全く見えなかった。
「ふ~む。良く考えて有る。一つ一つの球体自体が頑強で重くゆらゆらと動いて斬撃を反らしてしまうのだ。これでは剣戟では破壊出来ないだろう」
長兄デセオの分析が終わる。
「では魔法剣は折れないと一般的に言われていますが」
「うむ、シーラの剣が居られたな」
「構えてもらえますか」
両手で前方に構える長兄。
少し念じて「剣、連撃」と唱えると
「バゴオオンッ」
大きな音を立てて砕け散った。
「馬鹿なっ!」
一番驚いたのは目の前で砕けた長兄本人だろうが、そこに居た全員が驚いていた。
「魔法剣が砕けないのは、その刃の練度と強固さですが横方向は意外と弱いです。まぁ何度でも再生できますから問題は無いですがねぇ」
「一体どうやったのだ」
長兄からの疑問だ。
「左右から挟み撃ちしただけですよ。ちょっと焦点をずらしてですがデセオさんの剣は強そうだったので連撃にしました」
「一体何を連撃したのだ」
「アレですよ」
そう言ってゴーレムを指した。
「何だとぉ!」
「このゴーレムは宝物殿の門番用として作った物ですが普段はこのようにしています」
パチンッと指を鳴らすと大地を転がりだした。
「そして扉を開けようとしたら」
パチンッ
「このように人型となり、先程の斬撃をもらうと」
パチンッ
「今は俺の周りをゆっくり回転していますが、高速飛行させて視界から消す事も可能です」
「「「おおおっ」」」
実演すると絶賛された。
「宝物庫って暗いでしょ、黒くて重い球体が高速で侵入者に体当たり攻撃しますが、一個50kは有りますから死ぬかもね」
「それでシーラを攻撃したと」
「あっ、さっきは凄く軽くした物ですよ」
一同が納得したので確認した。
「宜しいですか?」
全員の理解を得られたのでホッとしたエルヴィーノだ。
実の所、顎を撃った瞬間に後ろに転移して抱きかかえる前に、最近密かに考えた電撃の魔法を首筋に放ったのだ。
それはパウリナの広域電撃魔法で2人の義父が気絶したのを見てディオス・マヒアを参考にピリッと来る魔法を考えたのだった。
その魔法はシスパと言って弱い電撃を指先から放ち、シーラが感電して気を失ったのだ。
しかし、この事は内緒にしようと思ったエルヴィーノだ。
親子とアルコンはオスクロ・ゴーレムを検討していた。
無論宝物殿が有るからだ。
「ところで、このゴーレムはモンドリアンが考えたのか?」
ジャンドール王からの質問だ。
「はい、我が国の宝物庫と迷宮に備えるゴーレムを考えた時の物ですよ」
「宝物庫と迷宮だとおぉ?」
「あっ」
余計な事を言ったと後悔したエルヴィーノだ。
「それは昨夜話した迷宮か?」
長兄からだ。
「そうです。国の兵士を鍛える為に作ったけど、今では試練の部屋と変わってますよ」
「全くモンドリアンは、たいしたものだ」
魔王からお褒めの言葉を頂きました。
長兄次兄から依頼された。
「是非我が国にも頼む」
(と言われてしまったけど何をだろう。試練の部屋かな? 考えても仕方ない。後は成る様に成れだ)
「ところでアルコンさん、俺と戦ってください。俺が負ければアルコンさんに全て説明します。そして俺が勝てば何も聞かず全て俺に従ってください」
「何! 何故俺達が闘うのだ」
「余り話したく無い事も有りますし、話しても理解してもらえない部分も出て来ます。だからっ」
その時
「待て、アルコンでは無く儂と戦え」
「はあ?」
「何を言われる国王」
「「そうだ」」
「何故国王が闘うのだ」
エルヴィーノは驚きアルコンが問いただし次兄と末弟が同意して長兄が不満だった。
☆
やばいヤバイやばい魔王だぁ!
ん、シーラの秘密? 何だろう?
勝った後の被害は”また勝手に嫁を増やした”と妻達からのお仕置きで、4人目の妻を迎え入れる事で毎日がより厳しい監視と過酷な性奴隷生活となる可能性が高いのだ。
負けた被害はシーラ嬢の奴隷だそうだ。
負ける事は有りえないがエルヴィーノにとっては自由と言う天国が遠のいていく戦いだ。
出来る事ならば逃げ出したいのだが、折角見つかった同朋を無視出来ないのだ。
魔王城に泊まったエルヴィーノは城内を見学したかったが、兎に角女性から睨みつける視線を感じるので自粛していた。
城下街はオリゾンと言う名で、宴会で聞いていた限りではイグレシアの様に大きな街だと言っていたが今度ゆっくりと見学しよう。
今動いて女性達を敵に回す事は無い。
いや、既に敵として見られているのだから。
ノタルム国にも闘技場が有る。
朝起きてからの男達だけで移動だ。
対戦者は部下を引き連れて先に向ったらしい。
エルヴィーノ達が到着すると10数人で稽古をしていた。
普段からの鍛練で武術に置いては三兄弟からも一目置かれていた。
すると「遅いっ!」遠くから御叱りの言葉をもらいました。
闘技場の中で審判はブスカドールが務めるそうだ。
他の者は全員観客席での観覧となる。
「2人共良いか? これは殺し合いでは無い。
相手が降参するか気絶したら終わりだ。解かったな?」
全身甲冑を着こんでいるが怒気が溢れているのが解る。
無言のシーラと「ああ、解かったよ」と答えて離れるエルヴィーノだ。
(困った。相手は殺る気だ。やっぱ最初から打撃で行くか)
2人の距離は約30m。
(シーラ嬢も俺の事は解らないはずだが、俺と同様にいきなり必殺系の魔法を使って来る可能性が有るなぁ。どちらが早いか勝負か?)
(殺す。私の秘密を見た者は殺してやる!)
シーラの秘密をエルヴィーノが見た訳では無いし自覚も無い。
シーラが一方的にそう思っているのだ。
その秘密とは!?
(瞬殺だ。一瞬で首を取る)
「では両者、始めっ!」
シーラは右手にエルヴィーノが使うよりも大きなオスクロ・エスパーダを持ち、左手に全身が隠れるほどのオスクロ・エスクードを顕現させて凄まじい速さで走って来た。
(勝った)
ニヤリと微笑み。
ぼそっと魔法を唱えるエルヴィーノだ。
それはオスクロ・ゴーレムだ。
エルヴィーノの後ろに立つようにスッと顕現して「散っ」と言って一瞬で消えたのは、地下金庫に配置した球体で10数個ある黒い球のゴーレムだ。
そして「剣、盾、腿、腕、腹、下から顎」と発すると順番に攻撃して行く。
全てが一瞬の出来事だった。
折れるはずの無い魔法剣を折られ、同じく盾を割られ、四肢を鎧越しに撃たれる激しい衝撃。
そして腹に衝撃が来ると地面が近くなるが必死で耐えた所に下方から顎への衝撃で意識が飛びそうになる。
全てが一瞬だが(この程度の打撃で私を)と思った矢さき「ゥガッ!」意識を失うシーラだった。
観客席で見ていた者は何が起こったのか良く解らなかったらしいが、ブスカドールを呼んでエルヴィーノが抱きかかえるシーラの意識が無いが呼吸は有る事を確認し「勝負有り」と告げた。
ジャンドール王や男達は喜んでいるがシーラのお抱え女戦士達は納得いかない様だった。
気絶して倒れる瞬間抱きかかえたシーラにマキシモ・クラールを使って打撲などを癒してあげた。
それを見ていた目ざといブスカドールだ。
「全回復の魔法ですか」
「見てたの」
「一体どのようにして倒したのですか?」
「見てたなら解るだろ?」
「いやいや、あっと言うまで解かりませんでしたよ。まさか、こんなに呆気無く終わるとは思っても無かったからさぁ」
「まぁでも勝ったからね」
「そうですね義兄弟」
「まだだよ」
「何でですか」
「義兄弟って結婚式上げて子供が出来てだろ」
「まぁ硬い事は良いじゃないですか」
2人で話しながら歩いていると女戦士達が飛び出してきた。
「姫様ぁ!」
「「「姫様ぁ!」」」
奪うように引き離された2人。
「気絶しているだけだ。怪我は既に直してある」
「ブスカドール様が直して下さったのですか?」
「いや、彼が直してくれたよ」
兄であるブスカドールと配下の女戦士が話すと、一斉にエルヴィーノを睨みつけて無言のまま連れ去ってしまった。
「見事だった」
「うむ。一体どのようにしたのかは解らんが、たいしたものだ。あのシーラに戦いをさせないのだからな」
長兄と次兄からお褒めの言葉を頂きました。
「ホントだよ。俺なんか側で見ていても見えなかったもんな」
ブスカドールは嘘くさいと思っていたエルヴィーノだ。
「是非どのようにして倒したのか教えてくれないか」
ジャンドール王から丁寧に言われたので少しだけ教える事にした。
「俺は剣技が全く駄目なので、普通に魔法で攻撃しました」
「一体どのような魔法なのだ」
「一種の召喚魔法陣ですよ」
「馬鹿な! 召喚魔法を剣士より早く出すなど聞いた事も無いぞ」
長兄からクレームが入りました。
「そんな事言ったって」
「それはどんな魔法陣ですか? もし良ければ教えて頂きたいのですが」
次兄が丁寧に訊ねた。
「一般的なゴーレムですよ」
「ゴーレムだとおぉ!」
またもや長兄だ。
「ゴーレムとはあのゴーレムか?」
「そのゴーレムですが、思っているゴーレムとは違いますよ」
「ふ~む。解らん」
全員が首を傾げるので聞いて見た。
「ノタルム国でゴーレムは使いますか?」
「ほとんど使わないな」
(なるほど)
仕方が無いとあきらめて教える事にした。
「じゃお見せしますよ」
「「「おおおっ」」」
全員で闘技場に出て、そして先ほどと同様に顕現させる。
「これがゴーレムだとぉ!?」
「ハイ。俺の考えた”最強の門番”です」
全員の口元が笑っていた。
フラフラと揺れる黒い球体で繋がった人型が立って居たのだ。
仕方が無いので実践させる事にした。
そこに立てとゴーレムに指示して三兄弟に問いかけた。
「では誰か切ってください」
するとやる気満々の長兄が前に出た。
長兄が出したオスクロ・エスパーダは見事な長身で禍々しい装飾が施されていた。
「では、参る」
その切込みは剣が見えない速さで何回切ったのか全く見えなかった。
「ふ~む。良く考えて有る。一つ一つの球体自体が頑強で重くゆらゆらと動いて斬撃を反らしてしまうのだ。これでは剣戟では破壊出来ないだろう」
長兄デセオの分析が終わる。
「では魔法剣は折れないと一般的に言われていますが」
「うむ、シーラの剣が居られたな」
「構えてもらえますか」
両手で前方に構える長兄。
少し念じて「剣、連撃」と唱えると
「バゴオオンッ」
大きな音を立てて砕け散った。
「馬鹿なっ!」
一番驚いたのは目の前で砕けた長兄本人だろうが、そこに居た全員が驚いていた。
「魔法剣が砕けないのは、その刃の練度と強固さですが横方向は意外と弱いです。まぁ何度でも再生できますから問題は無いですがねぇ」
「一体どうやったのだ」
長兄からの疑問だ。
「左右から挟み撃ちしただけですよ。ちょっと焦点をずらしてですがデセオさんの剣は強そうだったので連撃にしました」
「一体何を連撃したのだ」
「アレですよ」
そう言ってゴーレムを指した。
「何だとぉ!」
「このゴーレムは宝物殿の門番用として作った物ですが普段はこのようにしています」
パチンッと指を鳴らすと大地を転がりだした。
「そして扉を開けようとしたら」
パチンッ
「このように人型となり、先程の斬撃をもらうと」
パチンッ
「今は俺の周りをゆっくり回転していますが、高速飛行させて視界から消す事も可能です」
「「「おおおっ」」」
実演すると絶賛された。
「宝物庫って暗いでしょ、黒くて重い球体が高速で侵入者に体当たり攻撃しますが、一個50kは有りますから死ぬかもね」
「それでシーラを攻撃したと」
「あっ、さっきは凄く軽くした物ですよ」
一同が納得したので確認した。
「宜しいですか?」
全員の理解を得られたのでホッとしたエルヴィーノだ。
実の所、顎を撃った瞬間に後ろに転移して抱きかかえる前に、最近密かに考えた電撃の魔法を首筋に放ったのだ。
それはパウリナの広域電撃魔法で2人の義父が気絶したのを見てディオス・マヒアを参考にピリッと来る魔法を考えたのだった。
その魔法はシスパと言って弱い電撃を指先から放ち、シーラが感電して気を失ったのだ。
しかし、この事は内緒にしようと思ったエルヴィーノだ。
親子とアルコンはオスクロ・ゴーレムを検討していた。
無論宝物殿が有るからだ。
「ところで、このゴーレムはモンドリアンが考えたのか?」
ジャンドール王からの質問だ。
「はい、我が国の宝物庫と迷宮に備えるゴーレムを考えた時の物ですよ」
「宝物庫と迷宮だとおぉ?」
「あっ」
余計な事を言ったと後悔したエルヴィーノだ。
「それは昨夜話した迷宮か?」
長兄からだ。
「そうです。国の兵士を鍛える為に作ったけど、今では試練の部屋と変わってますよ」
「全くモンドリアンは、たいしたものだ」
魔王からお褒めの言葉を頂きました。
長兄次兄から依頼された。
「是非我が国にも頼む」
(と言われてしまったけど何をだろう。試練の部屋かな? 考えても仕方ない。後は成る様に成れだ)
「ところでアルコンさん、俺と戦ってください。俺が負ければアルコンさんに全て説明します。そして俺が勝てば何も聞かず全て俺に従ってください」
「何! 何故俺達が闘うのだ」
「余り話したく無い事も有りますし、話しても理解してもらえない部分も出て来ます。だからっ」
その時
「待て、アルコンでは無く儂と戦え」
「はあ?」
「何を言われる国王」
「「そうだ」」
「何故国王が闘うのだ」
エルヴィーノは驚きアルコンが問いただし次兄と末弟が同意して長兄が不満だった。
☆
やばいヤバイやばい魔王だぁ!
ん、シーラの秘密? 何だろう?
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