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第6章 棘城編2
第150話 魔石と龍騎士隊
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魔石。
それは魔物を倒すと稀に体内に宿している場合がある魔素の塊だ。
獣王国にはその魔石が産出する場所が有る。
大昔から何故地下から出て来るのかは誰も知らないし解らなかった。
魔石が出土するのは広大なバリアンテ国内でも限られている。
そして魔石には種類が有り、魔素の濃度が違うのだ。
赤、緑、青、白、黒と五色の魔石が存在する。
同じ大きさの魔石で有れば黒い魔石の魔素が強く価格も高い。
そして、一番魔素が強烈で高価な物は、五色以外に存在する。
産出量は稀で全て国が没収している為、他国には出回らないのだ。
”黒曜金剛石”と名付けられた通常の黒い魔石よりも遥かに多くの魔素を含み硬さと輝きが違うのだ。
以前であれば採取した魔石は国で管理され諸外国にも輸出されていたが、黒龍王がカスティリオ・エスピナや城下街ペンタガラマに従事する者や国民の認識札に取り付けたり、獣人族がブエロ・マシルベーゴォの運転時に使ったりと、最近では国内専用に使用されていた。
多少輸出が少なくなった為、魔石の価格が上がっている状態だ。
城の重臣達からの要望も有り採掘場所は今まで以上の警備を固める事になった。
”龍騎士隊”の飛行ルートも変更されて採掘場所も追加されている。
従来は馬車で運ばれていた採掘した魔石も龍騎士隊によって運ぶ事が出来るようになったので、高価な種類と大きな魔石は優先して”空輸”する事になっていた。
そこで様々な協力を得る為に龍騎士隊隊長であるネル殿は定期的に国内の部族を訪れていた。
以前は来訪する部族長を城で待っているだけだったが、自らがプテオサウラに騎乗して見せびらかしたいのが大きな要因だ。
(黒龍王は”人族”に変化しているダークエルフなので同じ獣人同士が、過去に無い親密な関係を持ってほしい)
と黒龍王がアンドレアと相談して決めた事だ。
兎に角バリアンテは広大な領土だ。
一度の飛行計画は最低でも3日。
通常7~10日の日程だ。
だから10騎しかいない為、3騎で1組とし隊長はどれかの組と一緒に行動する事となる。
そして、ネル殿がまず最初に訪れたのはアベス族が多く住む地域だ。
アベスと言っても見た目は人族と変わらず、背中に大きな翼が有り、ひざ下が鳥そのモノなのだ。
その鋭い爪で掴まれたら、さぞかし痛いだろう。
勿論、アベス族の長達は魅力でキッチリ配下にしてある。
だからこそ城壁の守りに様々なアベス族が昼夜問わず警備しているのだ。
城のアベス族から伝言してあったが、途中からアベス族達が飛んで出迎えてくれた。
龍騎士隊は隊長含め4騎で訪れたのだが、出迎えのアベス族が50人程一緒に飛んでいる。
バリアンテには生息しないプテオサウラが間近で飛んでいる所をジロジロと眺めているアベス族達だった。
アベス族の中では一番大きな街に着き、集まっていた種族の長老達と話し合う事となった。
ネル殿が訪れたのは、”見せびらかしたい”のが一番大きな理由だがそれは言わず、過去の溝を少しでも埋める為の表敬訪問が大義名分だった。
迎え入れられた一行はネル殿が長老達と屋敷に入って行き、残りの3人の隊員はプテオサウラと外で待機だが、長老達が見えなくなると他のアベス族達に質問責めになった。
怖く無いのか? 咬まないのか? どの位飛べるのか? 火を吐くのか? 手なずけているのか? 何を食べるのか? 話せるのか? 落ちた事は無いのか? 何匹居るのか? 強いのか? どの位大きくなる? などなど。
一度に多くの質問が飛び交うので、龍騎士隊の副隊長カニーチェが場を制した。
「ちっ、ちょっと待ってください。順番にお願いします。我々が知っている事であれば話せますが、龍騎士隊は国の秘密部隊なのでその辺もご配慮ください」
静かになってから1人のアベス族が名乗り出た。
「俺はアギラ族のアベントゥラと言う者だが、訊ねたい事が有る」
体格の良い猛禽類の一族だ。
「龍達は魔法を使えるのか?」
アベントゥラが知りたかったのは、噂で聞く棘の森を消滅させた広域殲滅魔法の事だったが、目の前に居るプテオサウラは使えないと言う。
「では敵対する時はどのように攻撃するのだ?」
それならば話せるとカニーチェは思った。
「私は龍騎士隊の副隊長カニーチェと申します。ご質問の答えは、炎のブレス攻撃です。凄いですよ! 」
「「「おおおっ」」」
回りのアベス族がどよめく。
「一体どのようにして飼いならしているのだ?」
副隊長カニーチェは冷たい表情で答えた。
「我々は飼って居るのではなく、共存しているのです」
一部のアベス族が笑っている。
「クククッ、言葉も通じないのにどうやって共存すると言うのだ」
「グルルルルッ」
プテオサウラが唸った。
「ぷっクククッ」
吹きだしてしまった別の隊員が答えた。
「あなた達の無知さは今の質問で理解しました」
「なにぃ!」
違うアベス族が声を上げるがアベントゥラが制した。
「あなた達の知っている事など、わずかな事。現にあなた達の言葉を聞いてプテオサウラ達は”同じ空を友とする者として恥ずかしい”と言っていますよ」
「なにぃ! 言葉が解るのか!」
副隊長カニーチェが答える。
「勿論です。我らはこの国の中から選び抜かれた精鋭ですが、空は飛べないし、強くも有りません。ですが、心を開いて異種族を受け入れたので会話をする事も可能になりました。これも全て黒龍王様のお蔭ですけどね」
小さなペロ族の隊員に言われたバリアンテの空の覇者アギラ族の若者達だ。
一方屋敷では
「よくぞ参られたモンドラゴン様」
アベス族の種族長が数人いる中で説明するネル殿。
「城を守っている皆の種族から来てもらった者達には感謝しているぞ」
「滅相もございません。我らは獣王、いえ黒龍王様の指示通りにしているだけですから」
「そう言ってくれると助かる。今回訪れたのは2つ理由が有る」
わざわざ伝える為に来たのなら無理難題に決まっていると考えた長老達。
「1つは我の時代にお前達と真の和解が出来なかった事を詫びると同時に、黒龍王の為に新しい獣王国として力を貸して欲しいのだ」
ネル殿はそう言って、両膝と両手に頭を床に付けた。
「モッ、モンドラゴン様!」
それは驚いた長老に種族長達だ。
先代とはいえ自分たちの国の王だった男が目の前で完敗の姿勢を取っている。
自尊心の強いアベス族はこの瞬間ネル殿を受け入れてしまった。
元々魅力が効いているので、エルヴィーノの義父になる訳だから問題は無かったのだが、目の前の出来事に勝る物は無いようだ。
(“あの”自尊心の強い先代国王が、黒龍王と獣王国の未来の為に自分達アベス族に完敗の姿勢を取るとは!)
「ど、どうか、お立ちください」
衝撃の光景を見た族長達に両脇から支えられて立ち上がるネル殿だ。
リアム殿から対エルヴィーノ用の必殺技をここでも披露したネル殿は、既に経験済みなので悪びれもせずこの姿勢が取れるのだ。
「モンドラゴン様のお気持ちは十分に解りました。我々も今後の獣王国の事を優先して参りましょう」
なんとか和解の感触をつかんだネル殿は次のお願いを説明した。
「では2つ目のお願いだが、我ら龍騎士隊と随行してくれるアベス族を募集したいのだ」
これは国内警備として巡回する龍騎士隊と随行してもらう為だ。
広大なバリアンテを龍騎士隊が見回る事で脅威となるのだが、問題が起こった時や王城以外への連絡が有った場合の手段として数名の随行を考えていた。
エマスコも可能だが、この案はネル殿の立案なのでエルヴィーノは口出ししない事にした。
もっとも、ちょっと前までは城から出向く事も無かったのだから、地方とのやり取りは劇的に進歩したと言える。
「分かりました。我らも種族は違うといえ、獣王国民として参加させて頂きます。良いな皆の衆」
代表してアギラ族の長が答えた。
「ありがとう、アギラ族の協力を得たなら我らの国を網羅したも同然だな」
一同が笑顔になる。
「しかし、今は随行だがいずれは龍騎士隊の一員として龍騎士隊と名乗っても構わないが、お前達は空を飛べるからなぁ龍に乗る必要が無い者を乗せる訳にはいかんしなぁ」
(ザワザワ)
動揺する族長達。
「モンドラゴン様、お訊ねしたい事が有ります。我らアベス族から龍騎士隊の一員として、龍に乗る者をお探しですか?」
「フム、実は極秘だが国中を回って候補者を探している所だ。今は小柄で弓使いのペロ族ばかりだが、いずれ龍も繁殖して数を増やせば、この国全土を網羅する事になり、各部族から勇者として龍騎士隊に所属させようと思っていたのだ」
「「「おおおっ!」」」」
黒龍王が用意した龍族に跨り空を飛びたいと全ての長老たちが胸を躍らせていた。
「ただし、イロイロと条件もあるがな」
「条件とは!?」
ドキドキしながら聞く族長達。
「黒竜王からの具体的な条件は、体重が軽い者で力が有り品行方正で、国の代表及び種族の代表として適切な者、弓など遠距離攻撃が得意な者だ」
う~むと腕組みし悩んでいる族長達だ。
まず体重が軽い者だが、アベス族は他の種族と比べると同じ体格でも3割ほど軽いので問題無い。
次に力だが、程度による。
そして品行方正で代表として適切な者だが、アベス族は例外なく自尊心が強いので悩む所だ。
最後に遠距離攻撃が得意な者だが普通のアベス族は弓も使うが剣の方が良く使う。
唯一弓使いと言われる足の速い種族が居る。
そう、飛べないアベス族だ。
国王を退いてからの方が忙しくなったネル殿は、龍騎士隊隊長として国内の見回りと隊員の発掘に魔物役としての戦闘訓練に明け暮れるのだった。
あとがき
隊員発掘の旅
それは魔物を倒すと稀に体内に宿している場合がある魔素の塊だ。
獣王国にはその魔石が産出する場所が有る。
大昔から何故地下から出て来るのかは誰も知らないし解らなかった。
魔石が出土するのは広大なバリアンテ国内でも限られている。
そして魔石には種類が有り、魔素の濃度が違うのだ。
赤、緑、青、白、黒と五色の魔石が存在する。
同じ大きさの魔石で有れば黒い魔石の魔素が強く価格も高い。
そして、一番魔素が強烈で高価な物は、五色以外に存在する。
産出量は稀で全て国が没収している為、他国には出回らないのだ。
”黒曜金剛石”と名付けられた通常の黒い魔石よりも遥かに多くの魔素を含み硬さと輝きが違うのだ。
以前であれば採取した魔石は国で管理され諸外国にも輸出されていたが、黒龍王がカスティリオ・エスピナや城下街ペンタガラマに従事する者や国民の認識札に取り付けたり、獣人族がブエロ・マシルベーゴォの運転時に使ったりと、最近では国内専用に使用されていた。
多少輸出が少なくなった為、魔石の価格が上がっている状態だ。
城の重臣達からの要望も有り採掘場所は今まで以上の警備を固める事になった。
”龍騎士隊”の飛行ルートも変更されて採掘場所も追加されている。
従来は馬車で運ばれていた採掘した魔石も龍騎士隊によって運ぶ事が出来るようになったので、高価な種類と大きな魔石は優先して”空輸”する事になっていた。
そこで様々な協力を得る為に龍騎士隊隊長であるネル殿は定期的に国内の部族を訪れていた。
以前は来訪する部族長を城で待っているだけだったが、自らがプテオサウラに騎乗して見せびらかしたいのが大きな要因だ。
(黒龍王は”人族”に変化しているダークエルフなので同じ獣人同士が、過去に無い親密な関係を持ってほしい)
と黒龍王がアンドレアと相談して決めた事だ。
兎に角バリアンテは広大な領土だ。
一度の飛行計画は最低でも3日。
通常7~10日の日程だ。
だから10騎しかいない為、3騎で1組とし隊長はどれかの組と一緒に行動する事となる。
そして、ネル殿がまず最初に訪れたのはアベス族が多く住む地域だ。
アベスと言っても見た目は人族と変わらず、背中に大きな翼が有り、ひざ下が鳥そのモノなのだ。
その鋭い爪で掴まれたら、さぞかし痛いだろう。
勿論、アベス族の長達は魅力でキッチリ配下にしてある。
だからこそ城壁の守りに様々なアベス族が昼夜問わず警備しているのだ。
城のアベス族から伝言してあったが、途中からアベス族達が飛んで出迎えてくれた。
龍騎士隊は隊長含め4騎で訪れたのだが、出迎えのアベス族が50人程一緒に飛んでいる。
バリアンテには生息しないプテオサウラが間近で飛んでいる所をジロジロと眺めているアベス族達だった。
アベス族の中では一番大きな街に着き、集まっていた種族の長老達と話し合う事となった。
ネル殿が訪れたのは、”見せびらかしたい”のが一番大きな理由だがそれは言わず、過去の溝を少しでも埋める為の表敬訪問が大義名分だった。
迎え入れられた一行はネル殿が長老達と屋敷に入って行き、残りの3人の隊員はプテオサウラと外で待機だが、長老達が見えなくなると他のアベス族達に質問責めになった。
怖く無いのか? 咬まないのか? どの位飛べるのか? 火を吐くのか? 手なずけているのか? 何を食べるのか? 話せるのか? 落ちた事は無いのか? 何匹居るのか? 強いのか? どの位大きくなる? などなど。
一度に多くの質問が飛び交うので、龍騎士隊の副隊長カニーチェが場を制した。
「ちっ、ちょっと待ってください。順番にお願いします。我々が知っている事であれば話せますが、龍騎士隊は国の秘密部隊なのでその辺もご配慮ください」
静かになってから1人のアベス族が名乗り出た。
「俺はアギラ族のアベントゥラと言う者だが、訊ねたい事が有る」
体格の良い猛禽類の一族だ。
「龍達は魔法を使えるのか?」
アベントゥラが知りたかったのは、噂で聞く棘の森を消滅させた広域殲滅魔法の事だったが、目の前に居るプテオサウラは使えないと言う。
「では敵対する時はどのように攻撃するのだ?」
それならば話せるとカニーチェは思った。
「私は龍騎士隊の副隊長カニーチェと申します。ご質問の答えは、炎のブレス攻撃です。凄いですよ! 」
「「「おおおっ」」」
回りのアベス族がどよめく。
「一体どのようにして飼いならしているのだ?」
副隊長カニーチェは冷たい表情で答えた。
「我々は飼って居るのではなく、共存しているのです」
一部のアベス族が笑っている。
「クククッ、言葉も通じないのにどうやって共存すると言うのだ」
「グルルルルッ」
プテオサウラが唸った。
「ぷっクククッ」
吹きだしてしまった別の隊員が答えた。
「あなた達の無知さは今の質問で理解しました」
「なにぃ!」
違うアベス族が声を上げるがアベントゥラが制した。
「あなた達の知っている事など、わずかな事。現にあなた達の言葉を聞いてプテオサウラ達は”同じ空を友とする者として恥ずかしい”と言っていますよ」
「なにぃ! 言葉が解るのか!」
副隊長カニーチェが答える。
「勿論です。我らはこの国の中から選び抜かれた精鋭ですが、空は飛べないし、強くも有りません。ですが、心を開いて異種族を受け入れたので会話をする事も可能になりました。これも全て黒龍王様のお蔭ですけどね」
小さなペロ族の隊員に言われたバリアンテの空の覇者アギラ族の若者達だ。
一方屋敷では
「よくぞ参られたモンドラゴン様」
アベス族の種族長が数人いる中で説明するネル殿。
「城を守っている皆の種族から来てもらった者達には感謝しているぞ」
「滅相もございません。我らは獣王、いえ黒龍王様の指示通りにしているだけですから」
「そう言ってくれると助かる。今回訪れたのは2つ理由が有る」
わざわざ伝える為に来たのなら無理難題に決まっていると考えた長老達。
「1つは我の時代にお前達と真の和解が出来なかった事を詫びると同時に、黒龍王の為に新しい獣王国として力を貸して欲しいのだ」
ネル殿はそう言って、両膝と両手に頭を床に付けた。
「モッ、モンドラゴン様!」
それは驚いた長老に種族長達だ。
先代とはいえ自分たちの国の王だった男が目の前で完敗の姿勢を取っている。
自尊心の強いアベス族はこの瞬間ネル殿を受け入れてしまった。
元々魅力が効いているので、エルヴィーノの義父になる訳だから問題は無かったのだが、目の前の出来事に勝る物は無いようだ。
(“あの”自尊心の強い先代国王が、黒龍王と獣王国の未来の為に自分達アベス族に完敗の姿勢を取るとは!)
「ど、どうか、お立ちください」
衝撃の光景を見た族長達に両脇から支えられて立ち上がるネル殿だ。
リアム殿から対エルヴィーノ用の必殺技をここでも披露したネル殿は、既に経験済みなので悪びれもせずこの姿勢が取れるのだ。
「モンドラゴン様のお気持ちは十分に解りました。我々も今後の獣王国の事を優先して参りましょう」
なんとか和解の感触をつかんだネル殿は次のお願いを説明した。
「では2つ目のお願いだが、我ら龍騎士隊と随行してくれるアベス族を募集したいのだ」
これは国内警備として巡回する龍騎士隊と随行してもらう為だ。
広大なバリアンテを龍騎士隊が見回る事で脅威となるのだが、問題が起こった時や王城以外への連絡が有った場合の手段として数名の随行を考えていた。
エマスコも可能だが、この案はネル殿の立案なのでエルヴィーノは口出ししない事にした。
もっとも、ちょっと前までは城から出向く事も無かったのだから、地方とのやり取りは劇的に進歩したと言える。
「分かりました。我らも種族は違うといえ、獣王国民として参加させて頂きます。良いな皆の衆」
代表してアギラ族の長が答えた。
「ありがとう、アギラ族の協力を得たなら我らの国を網羅したも同然だな」
一同が笑顔になる。
「しかし、今は随行だがいずれは龍騎士隊の一員として龍騎士隊と名乗っても構わないが、お前達は空を飛べるからなぁ龍に乗る必要が無い者を乗せる訳にはいかんしなぁ」
(ザワザワ)
動揺する族長達。
「モンドラゴン様、お訊ねしたい事が有ります。我らアベス族から龍騎士隊の一員として、龍に乗る者をお探しですか?」
「フム、実は極秘だが国中を回って候補者を探している所だ。今は小柄で弓使いのペロ族ばかりだが、いずれ龍も繁殖して数を増やせば、この国全土を網羅する事になり、各部族から勇者として龍騎士隊に所属させようと思っていたのだ」
「「「おおおっ!」」」」
黒龍王が用意した龍族に跨り空を飛びたいと全ての長老たちが胸を躍らせていた。
「ただし、イロイロと条件もあるがな」
「条件とは!?」
ドキドキしながら聞く族長達。
「黒竜王からの具体的な条件は、体重が軽い者で力が有り品行方正で、国の代表及び種族の代表として適切な者、弓など遠距離攻撃が得意な者だ」
う~むと腕組みし悩んでいる族長達だ。
まず体重が軽い者だが、アベス族は他の種族と比べると同じ体格でも3割ほど軽いので問題無い。
次に力だが、程度による。
そして品行方正で代表として適切な者だが、アベス族は例外なく自尊心が強いので悩む所だ。
最後に遠距離攻撃が得意な者だが普通のアベス族は弓も使うが剣の方が良く使う。
唯一弓使いと言われる足の速い種族が居る。
そう、飛べないアベス族だ。
国王を退いてからの方が忙しくなったネル殿は、龍騎士隊隊長として国内の見回りと隊員の発掘に魔物役としての戦闘訓練に明け暮れるのだった。
あとがき
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