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第3章 獣王国編
第96話 ノチェ・デル・インペリオ
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「ノチェ・デル・インペリオ(夜の帝國)と正式に名前を付けようと思うのだがどう思う?」
「素晴らしいです。流石は陛下!」
「いいんじゃない?」
「では ノチェ・デル・インペリオの組織をゲレミオ(組合)とする。そして、ゲレミオには部門有り、1つ目はコメルベビーダ(飲食関係)、2つ目はビエネス(グッズ関係)、3つ目はブルデール(娼館関係)で、新たに4つ目のセゴリダッド(警備関係)を作ろうと思う」
「それはどのような部門でしょうか?」
「本来ギルドでやっているような人の管理と斡旋だ。ただし夜のな」
「と、言うと?」
「報告書を見る限りでは、各部門で客との問題が多少有るらしいから、事前にもしくは事が起こってから速やかに対応対処する対人部門だ」
「ただ問題なのは人で、冒険者崩れを纏めて管理出来る力の有る者が欲しい。誰か居ないか?」
「冒険者崩れは居ますが、やつらを纏めてとなると・・・難しいですな」
エルヴィーノはリカルドと、フォーレ、ガンソを呼んでティールーム・カラコルに来ていた。
意見は出るが今1つピンと来ないので話題を変えた。
「そう言えばあいつ等はどうだ? トバラオンとコンシャだ」
「ハイ。1から娼館の隅々まで調べてから改善点を出して、やっているようですよ」
「それは良かった」
まだ娼館夫婦には会っていないが、いずれその時が来るだろう。
エルヴィーノの配下に各国の大使が居るがそんな事はさせれないし、リカルドは論外、グラナダとリリオもダメ。フォーレはしないよなぁ。
「もう1人外部の者が欲しいなぁ・・・。強くて顔も広くて荒くれ共を纏めてくれるヤツ」
(フッまるでギルドマスターみたいだなぁ)
「どっかにギルマスみたいなの居ないかなぁ、引退したのは駄目だけどさぁ」
「分かった、一応仲間に聞いてみるよ」
すると後日、あっけなく連絡があった。
フォーレがダメもとで話したトバラオンが紹介したいヤツが居ると。
そして、フォーレとトバラオンに勧誘しに行ってもらった。
“とあるギルド”の受付で声をかけるラゴスタ。
「よぉギルマスは居るか?」
「ハイ、いらっしゃいます」
「じゃ二階に行くぜ」
既に顔見知りのトラバオンはフォーレを連れて二階にあるギルマスの執務室に向った。
コンコン
「俺だ、トバラオンだ」
「入れ」
執務室の中に入ると暇そうにしていたラゴスタが居た。
「よぉ元気か?」
「あぁ、お前は元気そうだなトバラオン。こっちの店は部下にまかせてお前は王都で何してやがる」
小さい町の事は筒抜けだった。
「まぁ待てよ、今日はお前に話したい事が有って来たんだ。俺はな、今夫婦で王都に有る娼館を5つ仕切っている」
「はぁ? 5つだと?」
「そうだ。俺はある組織に雇われてな、そこで成功させれば幹部に成れるんだ」
「それで?」
「その組織が凄ぇんだよ」
「だからなんだ?」
「では言うぞ、お前ギルド辞めてうちの組織に来ないか?」
「はぁ? 何言ってんだ!」
「こんな片田舎で燻ってるだけか? いつか言ってたよな、強い組織を作りたいってよぉ」
「昔の話だ。もう夢は見ねぇよ」
「それで、今は退屈で暇そうしてるようにしか見ないが?」
「てめぇ!」
「図星だろうに」
「まあまあ、2人共その辺で」
2人を諌めるフォーレ。
「すみませんフォーレさん」
トラバオンが素直に頭を下げて謝った事にラゴスタは驚いた。
「それで、こちらの方は?」
「この方はフォーレさんと言って組織の一部門を任されていて、今回”俺がお前を”紹介するのにワザワザ御足労頂いたのさ」
「初めまして”フォーレ”です」
「一応ギルドの認識票も有りますが見ますか?」
「是非お願いします」
フォーレは認識票を取り出した。
「一応通り名は”フォーレ”なのでお願いしますね」
「分かりました」
そう言って認識票に魔素を送ると光出し確認したラゴスタ頷いた。
「グラドス(等級)はアウルム(金)の魔法剣士ですか! お若いのに大したものだ」
「いえいえ私など組織の支配者に比べれば天と地ほどの差が有りますよ」
「またまた、ご冗談を!」
「いえいえ本当ですよ。油断していると”死んだ事”にさえ気が付きませんよ」
威圧気味に話すフォーレの言葉に、ごくりと唾を飲むラゴスタ。
「しかし、貴方ほどの実力が有ればいくつもの部門も管理できるのでは?」
「いいえ、強さは1つの要素に過ぎません。新しい部門は対人折衝経験と纏める能力が必要です。私は既に1つの部門を任されていますからね、今後組織は拡大する一方ですから流石に2つは管理出来ないと判断してますよ」
2人のやり取りを聞きながらトラバオンが問いかけた。
「まぁ今日の返事はいらねぇが、ちょっと考えてくれねぇか? 後、今日は用事が有るか?」
「特には無いが」
「じゃ一緒に王都へ行こうぜ。俺が案内するからよ」
「あぁ? ここから王都まで何日かかると思ってんだ」
「ふふふっ俺達には特別な移動手段が有るのさ」
いつか聞いた事の有るやり取りを聞いていたフォーレだった。
似たような、やり取りを話しながら王都に着いた三人。
「おぉ以前来た時に比べて凄く賑やかだ。人も多くなってるし流石は王都だ」
驚いてるラゴスタ連れて歩いて行くトバラオン。
王都まで来る途中にトバラオンが案内して仕事の内容を説明すると張り切っていたので全部任せたフォーレだった。
トバラオンは王都に来て既に数か月は経っており、娼館の責任者代行になっていた。
部下も居るので”今日の予定”を各店に予約させていたのだ。
「兎に角、今日は寝るまで俺が案内してやるからな」
「おぉ頼む」
そして自分が感動を体験した順番で連れて行った。
最後の超高級店の飲み屋に来た時は「おい俺は夢を見てるんじゃ無いよな? トバラオン? 」などと言う始末だ。
そして今2人のオッサンの横には美しく着飾った女性が酒の相手をしている。
やはり最初に出された酒に驚いたラゴスタ。
「何だ、これは!」
「フフッこいつはな、獣王国の飲み物だぜ! サッパリしてるだろ? まぁこの店は最初の一杯目はコイツと決まっているらしい」
そしてゴルフィーニョには”置いて無い” ヴィノティントとヴィノブランコが出される。
それを一口飲むと驚愕する。
「なっ、何んだ、これは!」
「クククッこんな旨めぇ葡萄酒は飲んだ事無ぇだろ?」
腹も膨れているが、それでも旨すぎる酒を呷っているラゴスタ。
「王都の夜はどうだった?」
「俺の人生には無い物ばかりだったよ」
「だろうな、俺も初めて案内された時に同じ様に思ったさ」
「それぞれの店は一体いくらするのか見当もつかん」
「まぁ聞けラゴスタ、後で明細を見せてやる」
「まさか払えとは言わないよな?」
「ハハハッ当たり前だ。お前の常識では王都の夜は計算出来んぞ!」
「そんな高いのか?」
「あぁ俺も初めて見た時ぶっ飛んだもんだ」
「所で組織がお前にして欲しい事だが」
「言ってみろ」
「組織が管理しているコメルベビーダ(飲食関係)、俺の管轄のブルデール(娼館関係)、この店のような酒を飲む場所が王都に多数あるが、ゴルフィーニョでも客同士や、店と客とのトラブルが有るだろう?」
「ウム」
「そのトラブルを組織で対応する為に、人を集めて揉め事を管理してもらいたい。言うなれば組織専用のギルドみたいなモノだ。当然”キタナイ”仕事も有るだろうな。言葉だけの場合と、力で排除する場合、それぞれの人材を確保して教育し、管理して欲しいのが組織の探している人材で、俺がお前を勧めたのさ」
「で、その組織ってのは何だ?」
「今はゲレミオって言われている帝國の組織だ」
「帝國?」
「あぁ最近ノチェ・デ・インペリオ(夜の帝國)って正式に決まったらしい」
「御大層な名前だな? で、誰がやってんだ?」
「俺はまだ名前も知らねぇ。ただ、フォーレさんに言わせると途轍もない方だそうだ」
「しかしなぁ、非常に魅力的な話だが、上が分からないのに仕える気にはならん。ゴルフィーニョの引き継ぎだってあるしよ」
(何だかんだいって、その気じゃねぇかコイツ)
「じゃ上に会う事が出来れば来るって事か?」
「・・・そうだなぁ」
(俺の夢は消えたし田舎町に居ても退屈な毎日だ。もう一度輝くには一緒にやって行くヤツを見ないとな)
「そのように伝えてくれ」
王都の暮らしを説明しながら話すトラバオンを見ながら、ラゴスタの脳内は夜の組織でどのような体制にするか考えていた。
夜も更けて良い時間に成り「チョット明細取ってくる」そう言って今回の”御持て成し”の金額を書いた紙を持って来たトラバオンが「そら見てみな」と手渡した。
「どれ?・・・な、なんだこりゃ!」
立ち寄った店の金額を見ながら酔いが醒めるほどの数字に冷静になって行った。
その光景を見てニヤニヤと笑うトラバオンと女性達。
「これが俺達の成果で、来る者を選ぶ理由だ。今回は全て一番の店に連れてったからな、当然金額も高くなる」
「お前、高くなるにしても限度ってもんが有るだろう」
自分で払うなら絶対に来ないと思ったラゴスタは、店内を見渡すと半分ほど席が埋まっていた。
「こんな高いのに良く来れるなぁ~」関心するラゴスタに
「ほとんど貴族か大使だよ」と教えやった。
「なるほど、あいつら金持ってるからなぁ」
ラゴスタが夢のような一夜を過ごした翌朝、トラバオンからフォーレに連絡が有り、ラゴスタの要望が”常闇の帝王”に伝わった。
「コイツには会った事が無いから良いよ、ただしトラバオンはまだ駄目だ」
「どうしてだ?」
「ん~何となくさ」
「解かった」
エルヴィーノはリカルドとフォーレに”常闇の帝王”はどんな服装が良いか聞いてみた。
「魔族みたいのはどうだ?」
「魔族なんて見た事無いよ」
「国王の衣装で真っ黒は如何ですか?」
「あっそれ、良いね!」
「流石はリカルドだ」
「ありがとうございます」
「じゃ衣装が出来たら会うから手配してリカルド」
「ハッ畏まりました」
「ところで常闇の帝王が衣装作るなら、リカルドも必要じゃないか?」
「そうだな、リカルドの真っ黒の衣装も作りな」
「ハッ、賜りました」
数日後の深夜、王都のとある飲み屋の特別室ではフォーレとガンソがラゴスタを連れて待機していた。
そこは国王就任の時際に作った謁見の間を真似て作った場所をカーテンで仕切ってあり、こちら側にはガンソの貢物で、純銀で作られた”常闇の帝王”に相応しい風格と威厳のある大きな装飾で飾られた椅子が置いてある。
椅子の左右には行き先が違う転移魔法陣を設置してあり、幹部だけが転移呪文を使い移動できるようにした。
因みに右の魔法陣は王都の3階にある”俺の便所”(3階の便所は王族専用で、しかも全ての個人用が有り広い便所だ)。左の魔法陣は飲み屋の超高級店で特別室だ。
エルヴィーノとリカルドは夜の衣装に着替えて”便所”で待機していた。
姿見の鏡も設置されているので聞いて見た。
「どうリカルド?」
「大変お似合いです」
「そうか? リカルドも似合ってるよ」
「ありがとうございます」
実は昼と同じ衣装だと強そうに見えないので軽装の鎧とローブに変えてもらっていた。
ただし、色は黒だ。
リカルドも同じく軽装の鎧だが・・・いたるところが尖っている。
「これはフォーレの仕業か?」
「はぁ多分」
兜も有ったが恥ずかしいので部屋に置いて来た。
「ですがとても強そうに見えますよ!」
「そうかなぁ」
まさか、こんな事で悩むとは思わなかったエルヴィーノ達にフォーレからのエマスコが届いた。
打ち合わせ通りエルヴィーノは魔素を発散させつつリカルドと2人で転移した。
「ラゴスタ、よいか? 決して粗相の無いようにな」
「あぁ解ってる」
何十年もギルドに勤めているラゴスタは、そりなりの強い冒険者とも会っているので品定めをするくらいの気持ちでいた。
三人の前には分厚いカーテンが在り奥が全く見えなくなっていて、右からフォーレ、ラゴスタ、ガンソが片膝をつき到着を待っていた。
頭を下げていた三人だがラゴスタから質問が出た。
「このままの状態では来られても分からんぞ?」
「心配するな、黙っていても気が付く」
夜の謁見はフォーレとガンソが作法を考えたモノで、エルヴィーノは魔素を撒き散らしながら転移で現れるのがフォーレの演出だ。
ガンソは"魔素を撒き散らす"が分からない様で今回が初体験になる。
「もう来られるぞ」
するとカッカッと歩く音が2人分聞こえたと同時にカーテンの向こうから異様な気配が荒波の様に押し寄せて来た。
それは気配では無く威圧感、圧迫感を伴い異質な空気で息苦しくなるほどだ。
これに驚いたのはラゴスタで、なぜなら未だかつて気配だけで手足が震えた事は無いからだ。
だがガンソは違った。
この沸き起こる怖さで手足の震えが感覚を失わせていたが、忠誠を捧げた対象からのモノだと知っているので恐怖が麻痺していき快感のように感じていた。
リカルドがカーテンを全開に開けると内側に籠もっていた魔素が三人を包みこんだ。
フォーレの考えたセリフをリカルドが話す。
「ノチェ・デル・インペリオ(夜の帝国) の支配者、常闇の帝王エル・モンド閣下の謁見である。そのお姿を拝見出来る事を光栄に思うが良い」
フォーレは知っているので、自らの魔素を発散して平然としていたが、ラゴスタはその魔素の質と量で一瞬に過去に体験した事の無い化け物と対自するかのような緊張で汗がドッと出てきた。
そしてガンソは、ちょっと漏らしてしまいました・・・
「まさかこれが魔素とは! 」
ガンソはたまに人族にいる魔法を使えない人だった。
魔素は微量持っているが扱う事が出来ないのである。
その劣等感が今の地位まで上り詰めて来た原動力だったが、言葉で分からないモノを初めて体感出来た感動の方が大きかった。
身体は震えているが、思考は歓喜していたガンソだった。
三人のいる場所から高さ50cmの段が有り、そこに純銀で作られた”常闇の帝王”に相応しい風格と威厳のある大きな装飾で飾られた椅子に座る帝王を、奥の左右に並べられた照明用の魔宝石が間接的に照らし幻想空間のようにも見える。
「ラゴスタ、ガンソ面を上げよ」
帝王の右斜め1mに立つリカルドが告げて2人はゆっくりと顔を上げる。
帝王は座ると同時にラゴスタ、ガンソに魅力の力を最大限2人に解放していた。
ガンソはまるで愛しい女か可愛い子犬でも見る様に帝王を見ている。
ハッキリ言ってキモイ。
もうコイツには力を使う必要が無いと確信した。
そしてラゴスタだ。
驚いた顔で見ているが・・・
(コイツ息しているか? 固まってるぞ? 大丈夫か?)
ラゴスタ目線
「ヤバい、これほどの化け物だったとは! くそっトラバオンめ、覚えとけよ! 何とかして逃げ出さないと本当にヤバいぞこりゃ、生きて帰れるのか? 」
カーテンを開いて出て来た凶悪な魔素に身体が震え撤退を即座に考えたラゴスタに、面を上げよと言われゆっくりと顔を上げると、帝王の顔を見た途端衝撃が走った。
「なっ! にっ!」
ラゴスタは帝王を見て固まっていた。
その思考は過去の経験による個性を捻じ曲げてエルヴィーノを尊敬し崇拝するような物へと変わってしまった。
「ラゴスタ。・・・ラゴスタ! 」
帝王が呼びかけても返事が無いので左右から”起こされた”ラゴスタ。
「ラゴスタ」
「ハイ」
「お前にセゴリダッド(警備関係)を任せたいと思うがどうだろう、私の為に働いてくれないか?」
「ハッ、このラゴスタ、命に代えてでも陛下の為に全身全霊を尽くしてその任に就きご奉仕する所存です」
「そうか、それは良い返事が聞けた。ゲレミオの事は他の幹部達に聞いて即座に取り掛かって欲しい」
「ハッ賜りました」
(ふー、とりあえずは1人引き込めたな。あとは・・・)
「ガンソよ」
「ハハッ」
「この椅子、中々座り心地が良いぞ!」
「はっ、それはこの国で集めた金で作らせた物で帝國に送る予定でしたが盗まれた事にして、もっとも相応しい方に座って頂く為にお持ちしました」
「ウム、お前の気持ちは受け取ったぞ」
「ハッ、有り難き幸せでございます」
ラゴスタの”洗礼”も終わったのでリカルドが解散を宣言する。
「では次回は報告会の時にお見えに成ります」
「「「ハハッ」」」
リカルドがカーテンを閉めて、エルヴィーノ達は転移で王城に戻った。
強烈な魔素が無くなり、ラゴスタは座り込んでしまった。
「ふーっ”フォーレさん”、あんたの言う通りだったよ」
「はははっでしょ! それに”さん”は要らないですよ。私達は、もう仲間ですから」
笑顔で答えるフォーレに汗びっしょりのラゴスタだった。
その後は三人で飲みに行き簡単な打ち合わせをした。
「まずはゴルフィーニョのギルマスの引き継ぎがどの程度かかるか? 」
「それはギルド本部に申請して、歳や持病など適当に理由を出して後任を送ってもらう事にする」
一月はかからないはずなので、それまでにゲレミオでの要望を出してもらい、事務所やセゴリダッド(警備関係)部門の仲間を割り振ってもらい指示をだした。
最初は数人だがヤル気の漲る目をした奴らでラゴスタと一緒に燃えていた男達だった。
あとがき
そろそろ出産が近いですね
「素晴らしいです。流石は陛下!」
「いいんじゃない?」
「では ノチェ・デル・インペリオの組織をゲレミオ(組合)とする。そして、ゲレミオには部門有り、1つ目はコメルベビーダ(飲食関係)、2つ目はビエネス(グッズ関係)、3つ目はブルデール(娼館関係)で、新たに4つ目のセゴリダッド(警備関係)を作ろうと思う」
「それはどのような部門でしょうか?」
「本来ギルドでやっているような人の管理と斡旋だ。ただし夜のな」
「と、言うと?」
「報告書を見る限りでは、各部門で客との問題が多少有るらしいから、事前にもしくは事が起こってから速やかに対応対処する対人部門だ」
「ただ問題なのは人で、冒険者崩れを纏めて管理出来る力の有る者が欲しい。誰か居ないか?」
「冒険者崩れは居ますが、やつらを纏めてとなると・・・難しいですな」
エルヴィーノはリカルドと、フォーレ、ガンソを呼んでティールーム・カラコルに来ていた。
意見は出るが今1つピンと来ないので話題を変えた。
「そう言えばあいつ等はどうだ? トバラオンとコンシャだ」
「ハイ。1から娼館の隅々まで調べてから改善点を出して、やっているようですよ」
「それは良かった」
まだ娼館夫婦には会っていないが、いずれその時が来るだろう。
エルヴィーノの配下に各国の大使が居るがそんな事はさせれないし、リカルドは論外、グラナダとリリオもダメ。フォーレはしないよなぁ。
「もう1人外部の者が欲しいなぁ・・・。強くて顔も広くて荒くれ共を纏めてくれるヤツ」
(フッまるでギルドマスターみたいだなぁ)
「どっかにギルマスみたいなの居ないかなぁ、引退したのは駄目だけどさぁ」
「分かった、一応仲間に聞いてみるよ」
すると後日、あっけなく連絡があった。
フォーレがダメもとで話したトバラオンが紹介したいヤツが居ると。
そして、フォーレとトバラオンに勧誘しに行ってもらった。
“とあるギルド”の受付で声をかけるラゴスタ。
「よぉギルマスは居るか?」
「ハイ、いらっしゃいます」
「じゃ二階に行くぜ」
既に顔見知りのトラバオンはフォーレを連れて二階にあるギルマスの執務室に向った。
コンコン
「俺だ、トバラオンだ」
「入れ」
執務室の中に入ると暇そうにしていたラゴスタが居た。
「よぉ元気か?」
「あぁ、お前は元気そうだなトバラオン。こっちの店は部下にまかせてお前は王都で何してやがる」
小さい町の事は筒抜けだった。
「まぁ待てよ、今日はお前に話したい事が有って来たんだ。俺はな、今夫婦で王都に有る娼館を5つ仕切っている」
「はぁ? 5つだと?」
「そうだ。俺はある組織に雇われてな、そこで成功させれば幹部に成れるんだ」
「それで?」
「その組織が凄ぇんだよ」
「だからなんだ?」
「では言うぞ、お前ギルド辞めてうちの組織に来ないか?」
「はぁ? 何言ってんだ!」
「こんな片田舎で燻ってるだけか? いつか言ってたよな、強い組織を作りたいってよぉ」
「昔の話だ。もう夢は見ねぇよ」
「それで、今は退屈で暇そうしてるようにしか見ないが?」
「てめぇ!」
「図星だろうに」
「まあまあ、2人共その辺で」
2人を諌めるフォーレ。
「すみませんフォーレさん」
トラバオンが素直に頭を下げて謝った事にラゴスタは驚いた。
「それで、こちらの方は?」
「この方はフォーレさんと言って組織の一部門を任されていて、今回”俺がお前を”紹介するのにワザワザ御足労頂いたのさ」
「初めまして”フォーレ”です」
「一応ギルドの認識票も有りますが見ますか?」
「是非お願いします」
フォーレは認識票を取り出した。
「一応通り名は”フォーレ”なのでお願いしますね」
「分かりました」
そう言って認識票に魔素を送ると光出し確認したラゴスタ頷いた。
「グラドス(等級)はアウルム(金)の魔法剣士ですか! お若いのに大したものだ」
「いえいえ私など組織の支配者に比べれば天と地ほどの差が有りますよ」
「またまた、ご冗談を!」
「いえいえ本当ですよ。油断していると”死んだ事”にさえ気が付きませんよ」
威圧気味に話すフォーレの言葉に、ごくりと唾を飲むラゴスタ。
「しかし、貴方ほどの実力が有ればいくつもの部門も管理できるのでは?」
「いいえ、強さは1つの要素に過ぎません。新しい部門は対人折衝経験と纏める能力が必要です。私は既に1つの部門を任されていますからね、今後組織は拡大する一方ですから流石に2つは管理出来ないと判断してますよ」
2人のやり取りを聞きながらトラバオンが問いかけた。
「まぁ今日の返事はいらねぇが、ちょっと考えてくれねぇか? 後、今日は用事が有るか?」
「特には無いが」
「じゃ一緒に王都へ行こうぜ。俺が案内するからよ」
「あぁ? ここから王都まで何日かかると思ってんだ」
「ふふふっ俺達には特別な移動手段が有るのさ」
いつか聞いた事の有るやり取りを聞いていたフォーレだった。
似たような、やり取りを話しながら王都に着いた三人。
「おぉ以前来た時に比べて凄く賑やかだ。人も多くなってるし流石は王都だ」
驚いてるラゴスタ連れて歩いて行くトバラオン。
王都まで来る途中にトバラオンが案内して仕事の内容を説明すると張り切っていたので全部任せたフォーレだった。
トバラオンは王都に来て既に数か月は経っており、娼館の責任者代行になっていた。
部下も居るので”今日の予定”を各店に予約させていたのだ。
「兎に角、今日は寝るまで俺が案内してやるからな」
「おぉ頼む」
そして自分が感動を体験した順番で連れて行った。
最後の超高級店の飲み屋に来た時は「おい俺は夢を見てるんじゃ無いよな? トバラオン? 」などと言う始末だ。
そして今2人のオッサンの横には美しく着飾った女性が酒の相手をしている。
やはり最初に出された酒に驚いたラゴスタ。
「何だ、これは!」
「フフッこいつはな、獣王国の飲み物だぜ! サッパリしてるだろ? まぁこの店は最初の一杯目はコイツと決まっているらしい」
そしてゴルフィーニョには”置いて無い” ヴィノティントとヴィノブランコが出される。
それを一口飲むと驚愕する。
「なっ、何んだ、これは!」
「クククッこんな旨めぇ葡萄酒は飲んだ事無ぇだろ?」
腹も膨れているが、それでも旨すぎる酒を呷っているラゴスタ。
「王都の夜はどうだった?」
「俺の人生には無い物ばかりだったよ」
「だろうな、俺も初めて案内された時に同じ様に思ったさ」
「それぞれの店は一体いくらするのか見当もつかん」
「まぁ聞けラゴスタ、後で明細を見せてやる」
「まさか払えとは言わないよな?」
「ハハハッ当たり前だ。お前の常識では王都の夜は計算出来んぞ!」
「そんな高いのか?」
「あぁ俺も初めて見た時ぶっ飛んだもんだ」
「所で組織がお前にして欲しい事だが」
「言ってみろ」
「組織が管理しているコメルベビーダ(飲食関係)、俺の管轄のブルデール(娼館関係)、この店のような酒を飲む場所が王都に多数あるが、ゴルフィーニョでも客同士や、店と客とのトラブルが有るだろう?」
「ウム」
「そのトラブルを組織で対応する為に、人を集めて揉め事を管理してもらいたい。言うなれば組織専用のギルドみたいなモノだ。当然”キタナイ”仕事も有るだろうな。言葉だけの場合と、力で排除する場合、それぞれの人材を確保して教育し、管理して欲しいのが組織の探している人材で、俺がお前を勧めたのさ」
「で、その組織ってのは何だ?」
「今はゲレミオって言われている帝國の組織だ」
「帝國?」
「あぁ最近ノチェ・デ・インペリオ(夜の帝國)って正式に決まったらしい」
「御大層な名前だな? で、誰がやってんだ?」
「俺はまだ名前も知らねぇ。ただ、フォーレさんに言わせると途轍もない方だそうだ」
「しかしなぁ、非常に魅力的な話だが、上が分からないのに仕える気にはならん。ゴルフィーニョの引き継ぎだってあるしよ」
(何だかんだいって、その気じゃねぇかコイツ)
「じゃ上に会う事が出来れば来るって事か?」
「・・・そうだなぁ」
(俺の夢は消えたし田舎町に居ても退屈な毎日だ。もう一度輝くには一緒にやって行くヤツを見ないとな)
「そのように伝えてくれ」
王都の暮らしを説明しながら話すトラバオンを見ながら、ラゴスタの脳内は夜の組織でどのような体制にするか考えていた。
夜も更けて良い時間に成り「チョット明細取ってくる」そう言って今回の”御持て成し”の金額を書いた紙を持って来たトラバオンが「そら見てみな」と手渡した。
「どれ?・・・な、なんだこりゃ!」
立ち寄った店の金額を見ながら酔いが醒めるほどの数字に冷静になって行った。
その光景を見てニヤニヤと笑うトラバオンと女性達。
「これが俺達の成果で、来る者を選ぶ理由だ。今回は全て一番の店に連れてったからな、当然金額も高くなる」
「お前、高くなるにしても限度ってもんが有るだろう」
自分で払うなら絶対に来ないと思ったラゴスタは、店内を見渡すと半分ほど席が埋まっていた。
「こんな高いのに良く来れるなぁ~」関心するラゴスタに
「ほとんど貴族か大使だよ」と教えやった。
「なるほど、あいつら金持ってるからなぁ」
ラゴスタが夢のような一夜を過ごした翌朝、トラバオンからフォーレに連絡が有り、ラゴスタの要望が”常闇の帝王”に伝わった。
「コイツには会った事が無いから良いよ、ただしトラバオンはまだ駄目だ」
「どうしてだ?」
「ん~何となくさ」
「解かった」
エルヴィーノはリカルドとフォーレに”常闇の帝王”はどんな服装が良いか聞いてみた。
「魔族みたいのはどうだ?」
「魔族なんて見た事無いよ」
「国王の衣装で真っ黒は如何ですか?」
「あっそれ、良いね!」
「流石はリカルドだ」
「ありがとうございます」
「じゃ衣装が出来たら会うから手配してリカルド」
「ハッ畏まりました」
「ところで常闇の帝王が衣装作るなら、リカルドも必要じゃないか?」
「そうだな、リカルドの真っ黒の衣装も作りな」
「ハッ、賜りました」
数日後の深夜、王都のとある飲み屋の特別室ではフォーレとガンソがラゴスタを連れて待機していた。
そこは国王就任の時際に作った謁見の間を真似て作った場所をカーテンで仕切ってあり、こちら側にはガンソの貢物で、純銀で作られた”常闇の帝王”に相応しい風格と威厳のある大きな装飾で飾られた椅子が置いてある。
椅子の左右には行き先が違う転移魔法陣を設置してあり、幹部だけが転移呪文を使い移動できるようにした。
因みに右の魔法陣は王都の3階にある”俺の便所”(3階の便所は王族専用で、しかも全ての個人用が有り広い便所だ)。左の魔法陣は飲み屋の超高級店で特別室だ。
エルヴィーノとリカルドは夜の衣装に着替えて”便所”で待機していた。
姿見の鏡も設置されているので聞いて見た。
「どうリカルド?」
「大変お似合いです」
「そうか? リカルドも似合ってるよ」
「ありがとうございます」
実は昼と同じ衣装だと強そうに見えないので軽装の鎧とローブに変えてもらっていた。
ただし、色は黒だ。
リカルドも同じく軽装の鎧だが・・・いたるところが尖っている。
「これはフォーレの仕業か?」
「はぁ多分」
兜も有ったが恥ずかしいので部屋に置いて来た。
「ですがとても強そうに見えますよ!」
「そうかなぁ」
まさか、こんな事で悩むとは思わなかったエルヴィーノ達にフォーレからのエマスコが届いた。
打ち合わせ通りエルヴィーノは魔素を発散させつつリカルドと2人で転移した。
「ラゴスタ、よいか? 決して粗相の無いようにな」
「あぁ解ってる」
何十年もギルドに勤めているラゴスタは、そりなりの強い冒険者とも会っているので品定めをするくらいの気持ちでいた。
三人の前には分厚いカーテンが在り奥が全く見えなくなっていて、右からフォーレ、ラゴスタ、ガンソが片膝をつき到着を待っていた。
頭を下げていた三人だがラゴスタから質問が出た。
「このままの状態では来られても分からんぞ?」
「心配するな、黙っていても気が付く」
夜の謁見はフォーレとガンソが作法を考えたモノで、エルヴィーノは魔素を撒き散らしながら転移で現れるのがフォーレの演出だ。
ガンソは"魔素を撒き散らす"が分からない様で今回が初体験になる。
「もう来られるぞ」
するとカッカッと歩く音が2人分聞こえたと同時にカーテンの向こうから異様な気配が荒波の様に押し寄せて来た。
それは気配では無く威圧感、圧迫感を伴い異質な空気で息苦しくなるほどだ。
これに驚いたのはラゴスタで、なぜなら未だかつて気配だけで手足が震えた事は無いからだ。
だがガンソは違った。
この沸き起こる怖さで手足の震えが感覚を失わせていたが、忠誠を捧げた対象からのモノだと知っているので恐怖が麻痺していき快感のように感じていた。
リカルドがカーテンを全開に開けると内側に籠もっていた魔素が三人を包みこんだ。
フォーレの考えたセリフをリカルドが話す。
「ノチェ・デル・インペリオ(夜の帝国) の支配者、常闇の帝王エル・モンド閣下の謁見である。そのお姿を拝見出来る事を光栄に思うが良い」
フォーレは知っているので、自らの魔素を発散して平然としていたが、ラゴスタはその魔素の質と量で一瞬に過去に体験した事の無い化け物と対自するかのような緊張で汗がドッと出てきた。
そしてガンソは、ちょっと漏らしてしまいました・・・
「まさかこれが魔素とは! 」
ガンソはたまに人族にいる魔法を使えない人だった。
魔素は微量持っているが扱う事が出来ないのである。
その劣等感が今の地位まで上り詰めて来た原動力だったが、言葉で分からないモノを初めて体感出来た感動の方が大きかった。
身体は震えているが、思考は歓喜していたガンソだった。
三人のいる場所から高さ50cmの段が有り、そこに純銀で作られた”常闇の帝王”に相応しい風格と威厳のある大きな装飾で飾られた椅子に座る帝王を、奥の左右に並べられた照明用の魔宝石が間接的に照らし幻想空間のようにも見える。
「ラゴスタ、ガンソ面を上げよ」
帝王の右斜め1mに立つリカルドが告げて2人はゆっくりと顔を上げる。
帝王は座ると同時にラゴスタ、ガンソに魅力の力を最大限2人に解放していた。
ガンソはまるで愛しい女か可愛い子犬でも見る様に帝王を見ている。
ハッキリ言ってキモイ。
もうコイツには力を使う必要が無いと確信した。
そしてラゴスタだ。
驚いた顔で見ているが・・・
(コイツ息しているか? 固まってるぞ? 大丈夫か?)
ラゴスタ目線
「ヤバい、これほどの化け物だったとは! くそっトラバオンめ、覚えとけよ! 何とかして逃げ出さないと本当にヤバいぞこりゃ、生きて帰れるのか? 」
カーテンを開いて出て来た凶悪な魔素に身体が震え撤退を即座に考えたラゴスタに、面を上げよと言われゆっくりと顔を上げると、帝王の顔を見た途端衝撃が走った。
「なっ! にっ!」
ラゴスタは帝王を見て固まっていた。
その思考は過去の経験による個性を捻じ曲げてエルヴィーノを尊敬し崇拝するような物へと変わってしまった。
「ラゴスタ。・・・ラゴスタ! 」
帝王が呼びかけても返事が無いので左右から”起こされた”ラゴスタ。
「ラゴスタ」
「ハイ」
「お前にセゴリダッド(警備関係)を任せたいと思うがどうだろう、私の為に働いてくれないか?」
「ハッ、このラゴスタ、命に代えてでも陛下の為に全身全霊を尽くしてその任に就きご奉仕する所存です」
「そうか、それは良い返事が聞けた。ゲレミオの事は他の幹部達に聞いて即座に取り掛かって欲しい」
「ハッ賜りました」
(ふー、とりあえずは1人引き込めたな。あとは・・・)
「ガンソよ」
「ハハッ」
「この椅子、中々座り心地が良いぞ!」
「はっ、それはこの国で集めた金で作らせた物で帝國に送る予定でしたが盗まれた事にして、もっとも相応しい方に座って頂く為にお持ちしました」
「ウム、お前の気持ちは受け取ったぞ」
「ハッ、有り難き幸せでございます」
ラゴスタの”洗礼”も終わったのでリカルドが解散を宣言する。
「では次回は報告会の時にお見えに成ります」
「「「ハハッ」」」
リカルドがカーテンを閉めて、エルヴィーノ達は転移で王城に戻った。
強烈な魔素が無くなり、ラゴスタは座り込んでしまった。
「ふーっ”フォーレさん”、あんたの言う通りだったよ」
「はははっでしょ! それに”さん”は要らないですよ。私達は、もう仲間ですから」
笑顔で答えるフォーレに汗びっしょりのラゴスタだった。
その後は三人で飲みに行き簡単な打ち合わせをした。
「まずはゴルフィーニョのギルマスの引き継ぎがどの程度かかるか? 」
「それはギルド本部に申請して、歳や持病など適当に理由を出して後任を送ってもらう事にする」
一月はかからないはずなので、それまでにゲレミオでの要望を出してもらい、事務所やセゴリダッド(警備関係)部門の仲間を割り振ってもらい指示をだした。
最初は数人だがヤル気の漲る目をした奴らでラゴスタと一緒に燃えていた男達だった。
あとがき
そろそろ出産が近いですね
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