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第2章 聖魔法王国編

第66話 王都で食べまくり買いまくりのロザリー@

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エルヴィーノとロザリーに、ナタリー、リカルド、カタリナは王都の中央教会に転移した。
まずは「ロリに挨拶に行きたい」とロザリーが言うので全員で向う。

面会の手順をふみ多少時間が掛ったがロリの部屋に着いた。
時間がかかる理由は、絶対安静だからだ。
それはもう厳重な警戒態勢だ。
外敵よりも一挙一動を”見守られている”これは親族一同のお節介な心配こころくばりだ。
それだけ大事にされている事だが本人にとっては迷惑な”取り巻き”だった。

コンコン! 
「ハイどうぞ」
ロリでは無い声。
ドアを開けてエルヴィーノから入る。

「エルヴィーノ! お姉様! ・・・カタリナさん? リカルドも」
ソファに座っていたロリが皆を迎えるのに立ち上がるのは両脇から侍女に支えられている。
どれだけ過保護なのかとロザリーは思った。

「おはようロリ。おはようございますお姉様。ロリ、貴女からのプレゼント。とっても嬉しかったわ。アレに見合うお返しに困っちゃうわ・・・」

美女2人が手を取り合い微笑む姿は、実に絵になる姿で皆が見とれていた。
「この借りはいつか必ず返すからねフフフフッ」
「期待していますわ、お姉様ふふふふっ」

エルヴィーノが問いかける。
「ところで体の調子はどうだ? 」
「何も問題はありませんわ」
「良かった」安心して頬が緩む。
「じゃ安心して観光に行って来るね」
「えぇ行ってらっしゃい・・・」

ロリとロザリーは目配せする・・・
カタリナを残してエルヴィーノ達は退出する。

「さてと、じゃ案内所まで案内頼むなリカルド」
「はい、では私の後を付いて来てください」

そして、リカルドは棒? の先に赤い布を付けた物を掲げ先頭を歩きだした。
「リカルド?」
「ハイ」
「何それ?」
立ち止まり説明するリカルド。

「王都は非常に人が多いですから。目を離すと居なくなる人がいて、そのような人が戻る目印がこの旗です。だから迷子にならない為、行動は常に一緒でお願いします。つきましては展望室にご案内します」

「展望室?」
そこは城の6階部分にあるバルコニーで登るのは結構しんどかった。

だがそんな疲労は目に入る絶景が吹き飛ばしてくれた。
放射状に広がる町並みは城を中心として道が円の様にいくつも広がっている。

「王都を中心とした区域と、木々が道に沿って植えられた大通りは東西南北と地区分けされています」
と全体は見えないがリカルドの説明だった。

そして、城壁が何重も有り彼方まで街が建物が永遠と続いている・・・
王都イグレシアと言う巨大都市をまざまざと感じされられた。
澄み渡る空、街の活気がここまで聞こえてくる。
風が心地よい・・・絶句だった。
エルヴィーノもロザリーもナタリーも・・・リカルドも。

ブエロ・マシルベーゴォ (飛行魔導具)で空からの眺めに多少経験の有ったエルヴィーノがいち早く再起動した。
「凄いね、聖王国って」
「えっえぇ・・・本当に」

そう言ってエルヴィーノの腕に絡んでくるロザリー。
ずっと眺めて居たかったがリカルドが先に進める様にうながす。
「そろそろ宜しいでしょうか皆様。それでは、案内所へむかいます」
バルコニーからの眺めが名残惜しいが城を出て案内所を目指す。

大通りを進み噴水公園を越えしばらくすると数件の案内所が有った。
リカルドに言わせると、もっと先の街の入口近くの方が大きな案内所が有るらしいが、まずはここを覗いてみる事にした。

壁には一面に木彫りの風景彫刻や絵が飾られていた。
その横には説明が添えられていた。

エネロとフェブレロの出会いの地。
アヴリルとマルソのおすすめレストラン。
プリマベラとリアムの結婚記念碑。
○○戦争勝利記念碑。△△戦争勝利記念碑。など記念碑系が多いなぁ・・・
戦没者慰霊碑。
天下分目の戦場跡。
恋人達の砂浜、誓いの岬。
王都の絶景が見える丘公園、絶景の宿アルディリア。
王都を流れる大河リオ・フレサクルーズ
(夜のコースはライトアップされた街並みが幻想的)
聖女記念館(歴代聖女の銅像が並んでいる)
聖なる滝「エネロ滝」エネロが滝で修行した場所。
聖なる山「修行山」フェブレロが修行した場所などなど・・・
教祖様公認おすすめ観光コース
聖女アヴリル様公認おすすめ観光コース
王妃兼聖女プリマベラ様公認おすすめ観光コース

(男の公認は無いんだ・・・)
エルヴィーノは悲しかった・・・

ロザリーが真剣に案内人と話しているうちに、エルヴィーノはコッソリと別の案内人に聞いてみた。
「ちょっといいかな? 聖女様のコースだけだけど王様のコースとかは無いの?」

その男は手をエルヴィーノの耳に当てコッソリと教えてくれた。
「ここにあるのは昼のコースばかりですよ。男性のコースは夜から始まります。ここの裏手に夜の案内所が有りますから暗くなってから来てください」

エルヴィーノは教えてくれて男の目を見つめ硬い握手をした。
そして「ありがとう」と。

案内板を見て悩んでいたロザリーが呟く。
「どうしましょう・・・」
「そう言えばロリに聞いたんじやないの?」
「そうでしたわ!」

手紙を取り出すと、最新のドルチェやレストランにカフェ、オシャレな衣料店にハイセンスなアクセサリー店。

「リカルド! この店を全部行きます!」
「ハイ、畏まりました」

リカルドは今夜の宿泊先と夕食を踏まえて考えた。
店名と住所でこれからのスケジュールを最適化しもっとも効率の良いルートを導き出した。
そのスケジュールは明日帰るロザリーの日程に合わせた物だ。

そのスケジュールはまさに分刻みで移動時間も含まれている。
そして、距離の有る場合や要所要所にカフェやデザート店を入れて落ち着く場所も考慮してある。
エルヴィーノは感心した。
リカルドは出来るヤツだと。

そしてロザリーは立ち寄る店で必ず買い物をした。
支払は・・・・魔法のカードだ。
ギルドの認識プレートを大きくしたモノで先に金額を渡し、魔導具を通しその金額をカードに記憶させる。
カードの加盟店には魔導具が有りカードを提示すると購入できる。
勿論、カードの残高が無いと購入出来ない。
因みにカードを運営しているのは王家だ。

見舞いに行った時、ロザリーは事前作ってもらったカードをロリから貰っていた。
両国は通貨が違うが価値は同じだ。
ただし大金を持ち運ぶのは危険な為、前日にロザリーはマルソを運び屋にして宝石をロリに渡していた。

「この分に見合うだけの金額をカードに入れてください」と手紙を添えて。
ロザリーはエルヴィーノが教えたエスパシオ・ボルサ(空間バック)にイロイロな必要最低限を入れている。
宝石もその一部だが、王国の魔法のカードは登録する手続きに時間が掛るので先に渡していたのだ。
流石はロザリーだとエルヴィーノは感心していた。



ロリは驚いた。
見た事も無い大きさの宝石達。

「わっ私には鑑定出来ないのでお母様、見て頂けますか?」
それを手に取りプリマベラも驚いた。
王家にある物よりも遥かに巨大なモノとその他の宝石達。
出入りの業者も驚いて称賛する。

「ほほほほほん物です・・・ここココここっこれ程のもももももモノは未だかつてみみみみ見た事も有りません・・・」
手は震え目が飛び出しそうだった。

「いったい幾らで買い取れば良いのやら・・・」
結果、天文学的な数字がカードに記憶された。

ロザリーの爆買いは止まらない・・・爆食は無い。
美に関しては神経質だ。
だがデザートは別腹らしい・・・服、アクセサリー、絵、調度品、誰が何の為に使うのか解らない数に疑問を抱きロザリーに聞いてみた。

「あら、私の分と屋敷のメイドに兵士達でしょ、お母様の新居にも最低限の家具が必要だわ」
「・・・そうか」

エルヴィーノとリカルドは待たされる・・・
(別に今買わなくてもいいのに)

だが転々と店に入るロザリーとナタリーは楽しそうだ。
買う、買う、休憩(ドルチェ)。
買う、買う、休憩(ドルチェ)。
買う、買う、休憩(ドルチェ)を繰り返した。
買った物はパブロに手伝わせて中央教会に届けさせた。
エルヴィーノとリカルドはずっと待機だが・・・既に夕方だ。
最後に王都の絶景が見える丘公園に立ち寄る。

「凄ぉい! 城から見た景色も良かったけど、ここから見る夕焼けの王都も綺麗だわぁ・・・」
エルヴィーノはそっとロザリーの腰に手を回し耳元で囁く。

「茜色に染まるロザリーの方が綺麗だよ」
微笑みながらエルヴィーノの肩に頭を掛けしばらく夕日が落ちる景色を楽しむ。

「少し冷えますわ・・・」

「それでは本日の宿に参りましょう」
リカルドが案内するのは公園の奥にある高級旅館で絶景の宿アルディリアだ。

「この宿はお部屋からの景色も良いし、食事も絶品で、何より肌に良いとされる温泉がございます。歴代の聖女様達が御忍びでいらっしゃる由緒正しい宿でございます」

石よりも木材を多用した作りの宿だ。
だが、安っぽくは無い。
磨きあげられた木材は光沢を放ち、石と調和している。
よく見ると石も木も細かな細工が施してある。

「本日はロリ様から、とても大切な方達なので聖女仕様の御持て成しをするようにおおせつかっております」
宿の支配人が案内がてら話してくれた。

案内された部屋は三つ。ナタリーとリカルドは別の部屋。
エルヴィーノとロザリーは特別室だと言う。

「食事は如何なされますか? お部屋でお召し上がられますか、それともレストランでお召し上がられますか?」
「何が違うのですか? レストランは他のお客様もいらっしゃいますが、こちらの特別室であれば、料理長がお料理をお持ちしてお部屋でお食事となります。景色もこちらの方が宜しい様で・・・如何いたしますか?」
「ではこちらでお願いしますわ」
ロザリーが答えた。
特別室は広い。
部屋の入口から廊下が続き、玄関が広すぎる・・・

玄関から便所、シャワー室があり、奥にリビングだ。
これがまた物凄く広い。
高級な”ガラス”の窓からは夜景が全面に見えとても良い雰囲気だ。
リビングの隣にはダイニングルームがあった。
「こちらでお食事となります」と案内された。
そして、リビングから反対の扉を開けると大きな部屋に大きなベッド。
部屋の中には便所と”特別製のお風呂”が付いていた。
これにはロザリーも驚いていた。
そして見せる卑猥な微笑み・・・エルヴィーノは何となく理解した。
どんな事を考えているかを。

リカルド、エルヴィーノ、ロザリー、ナタリーと横一列でテーブルに座り、景色を楽しみながら食事を楽しむ。
料理長が一皿ずつ説明してくれる料理は、今まで食べた事も無いとても美味しい料理だった。
そして、たまに飲む果物のお酒に炭酸が入った物も初めて飲んだ。
これも美味しくて御代わりすると、激しい(長い)ゲップが出て皆に笑われた・・・
楽しい一時で話しも盛り上がったがロザリーから提案それた。

「それでは食事はこれまでとして大浴場に行きませんか?」
そこはエルヴィーノも気になっていた大浴場と言う場所。
いったい、どんなところなのか?

4人で行くと大浴場の入口にI(青)とO(赤)の布があった。
「これは何だろう・・・」

後ろから付いて来た支配人が説明してくれた。
「こちらは男性用と女性用になっております」

エルヴィーノはリカルドと、ロザリーはナタリーと別々に入る。
何故か支配人も入る。
脱衣所で服を脱ぎ、置いてあった布を持って大浴場に入る。
女湯では宿屋の女性が使用方法を実践していた。

「大浴場では”常に”前を隠すようにしてください」
と支配人がと言ってきた。

(別に人のモノは見たくないので隠しますよ)
と思いながら、エルヴィーノは布で相棒を隠した。

支配人が説明する作法を聞いていた。
「まずは、湯船のお湯で身体の汗を流し、こちらの洗い場で身体を洗った後に湯船に入ります。では」

エルヴィーノ達は木の椅子に座り持ってきた布に洗い場にある”粉”を付けて体を洗いだす。
すると、徐々に泡が出てくる。
その泡で頭からつま先まで荒い、綺麗になって大量のお湯のある場所に入る。

「ふぅ――っ」「あぁ――っ」「ハァ――ッ。」

3者3様の溜息だった。
支配人は布を畳んで頭に乗せていたので真似をした。

暫らくして支配人が語りかけて来た。
「お客様、当宿自慢のもう1つの風呂がございますが、入られますか?」
「勿論入ります」

そう言って支配人に案内されたのは、大浴場から続く別の場所。
それは・・・屋外だった。
外に大きな岩を並べて作った野趣溢れる温泉。
3人で入ると支配人が置いてあった鐘を鳴らす。
カンカーン。
屋外の別の扉から女性が何か持ってきた。
冷たい水と、冷たい酒だ。
火照った体は一気に冷たい水を吸収した。
そして3人で王都の事を話しながら酒を飲んでいると何処からかロザリーの声がする。

「エルヴィーノ! 何飲んでるの~」
「モンドリアン様・・・後ろです」

リカルドが恥ずかしそうに教えてくれた。
振り替えると4mは有ろう木の板壁の上にロザリーとナタリーが覗いていた。

「支配人」
「ハイ」
「これはどう言う事?」
「当宿では女風呂から男風呂は見放題なのです」
「・・・それは見れば解ります・・・逆は?」
「決して出来ません。防御魔法に結界も施してありますし、一部痺れる程度の電撃魔法も設置してあります」
この国は女性上位と思っていたがここまでとは・・・

「あまり長湯するとのぼせるわよ! 私達はもう出るからねぇ~」
「解った俺達も出るよ」

ナタリーとリカルドは別の階なのでロザリーと一緒に部屋に戻る。
戻ると全て掃除してあり、先ほどまでの食事の匂いも無かった。
そして淫靡な微笑みを浮かべ寝室へと手を引くロザリー・・・



☆ (9)



翌朝、事前に打ち合わせた通り、4人でレストランでの朝食を取る。
朝食も豪華だった。
豪華だが消化の良い物が中心で肉類は少なかった。
それでも満足だった。
喰う、ヤル、寝る。
満足満足。
(あっそれは俺か!)

買う、見るもあったからな。
皆満足だろう。
今日の午後には帰るロザリー達。
後半の爆買いをナタリーと始める。

(今更だけど、俺が居なくても良いのでは?)
・・・1つ忘れていたことが有るが今夜にしよう。













あとがき
とりあえずロザリーを早く送り返そう。

英単語連発してました。
そもそも名前がカタカナ表記だし
食堂よりもレストランの方が雰囲気も良いので残しました。
他も同様です。
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