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みゆりこ 10
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暫く走ってから、私とりこは座り込んだ。
苦しそうに息をしている。
「危なかった…」
隣でりこが泣いていた
「ごめん、私の考えが甘かった」
「…いいの」
首を振り、答えた
木の影に腰掛ける。
疲れが一気に出て、眠くなってきた
だめだ、寝たら…
りこも眠たそうにしていた
「寝ちゃだめだよ…」
はあはあと白い息を吐く
「でも…かなり疲れた…眠…」
りこがうとうとする
「ほら、立って」
このままいると寝てしまいそうなので、りこの手を引いて立ち上がる
「目を覚まして」
「うん…」
りこは目を擦っている。
とぼとぼと歩き出した。
疲れでフラフラしていて、何度もコケそうになる。私達の周りには闇が覆い被さり、足元もほぼ見えていない。上を見ながら進んでいるので茂みにぶつかる事も1度や2度ではなかった。
街の明かりはさっきよりも消えていて、今の時間を思い出させる。あと3時間ちょっと。それで帰れるのだ。
その為に今は逃げないと。
肩に何かがぶつかった。りこがもたれかかっていたのだ。
「こら、立ったまま寝ないの」
そう言ってゆする
「ん…ごめんね…」
そう言って体制を立て直そうとするが、反対側にもグラッと傾く。慌てて肩を掴んだ
「もー、しっかりして」
「だって、眠い…」
大きく欠伸をした
「はー、じゃあ乗る?」
そう言ってしゃがみ、背中を向けた
「おんぶー?いいの…?」
そう言って寄ってきた
「いいわよ、私も眠いから運動しなきゃ」
「ありがとー」
がくんと背中に体重がかかった
「ちょ…急に倒れこまないで」
脚を抱え、おんぶをする
「じゃあ寝るね…少ししたら起こして…」
そう言って顔を埋めた
すぐに寝息が聞こえてきた。
それから暫く、足音は聞こえなかった。
夜明けまであと2時間を切ったところで、りこが目を覚ます。急に動いたのでびっくりした。
「あ、みーちゃん、おはよ…って寒…」
「そりゃそうでしょ」
りこを降ろす
「大丈夫だった?」
りこが私の顔を覗いた
「ええ。なんとか」
運良く相手には会わなかった。
この時間になると、またぽつぽつと街の明かりが点いてくる。もうすぐ、と言っても2時間だが夜が明ける。
すぐに降りられるよう、注意しながらキャンプ場へ歩き始めた。
キャンプ道具に変わりは無かったが、周りには明らかに大量の足跡があった。
「ここも危険だね…」
荷物を抱え、下山の準備を始める
苦しそうに息をしている。
「危なかった…」
隣でりこが泣いていた
「ごめん、私の考えが甘かった」
「…いいの」
首を振り、答えた
木の影に腰掛ける。
疲れが一気に出て、眠くなってきた
だめだ、寝たら…
りこも眠たそうにしていた
「寝ちゃだめだよ…」
はあはあと白い息を吐く
「でも…かなり疲れた…眠…」
りこがうとうとする
「ほら、立って」
このままいると寝てしまいそうなので、りこの手を引いて立ち上がる
「目を覚まして」
「うん…」
りこは目を擦っている。
とぼとぼと歩き出した。
疲れでフラフラしていて、何度もコケそうになる。私達の周りには闇が覆い被さり、足元もほぼ見えていない。上を見ながら進んでいるので茂みにぶつかる事も1度や2度ではなかった。
街の明かりはさっきよりも消えていて、今の時間を思い出させる。あと3時間ちょっと。それで帰れるのだ。
その為に今は逃げないと。
肩に何かがぶつかった。りこがもたれかかっていたのだ。
「こら、立ったまま寝ないの」
そう言ってゆする
「ん…ごめんね…」
そう言って体制を立て直そうとするが、反対側にもグラッと傾く。慌てて肩を掴んだ
「もー、しっかりして」
「だって、眠い…」
大きく欠伸をした
「はー、じゃあ乗る?」
そう言ってしゃがみ、背中を向けた
「おんぶー?いいの…?」
そう言って寄ってきた
「いいわよ、私も眠いから運動しなきゃ」
「ありがとー」
がくんと背中に体重がかかった
「ちょ…急に倒れこまないで」
脚を抱え、おんぶをする
「じゃあ寝るね…少ししたら起こして…」
そう言って顔を埋めた
すぐに寝息が聞こえてきた。
それから暫く、足音は聞こえなかった。
夜明けまであと2時間を切ったところで、りこが目を覚ます。急に動いたのでびっくりした。
「あ、みーちゃん、おはよ…って寒…」
「そりゃそうでしょ」
りこを降ろす
「大丈夫だった?」
りこが私の顔を覗いた
「ええ。なんとか」
運良く相手には会わなかった。
この時間になると、またぽつぽつと街の明かりが点いてくる。もうすぐ、と言っても2時間だが夜が明ける。
すぐに降りられるよう、注意しながらキャンプ場へ歩き始めた。
キャンプ道具に変わりは無かったが、周りには明らかに大量の足跡があった。
「ここも危険だね…」
荷物を抱え、下山の準備を始める
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