上 下
15 / 81

ロリストーカー 9(友人と黒髪の女の子)

しおりを挟む
委員長の目の前をトラックが過ぎていった時は心臓が止まるかと思った。

そして委員長はなんともなく、あのストーカーちゃんを抱え、歩き出した。
見つめていると、黒髪の女の子が横にいるのに気が付いた。そして話しかける
「こんにちは、私のこと知ってる?」

黒髪の女の子はゆっくりと顔を上げた
「…はい」

「そうだよね、そうだ、君の名前は?」
微笑みながら言う

「…ゆきです」
おずおずと喋った

「ゆきちゃんかー、ゆきちゃんは、君の友達が何してるか知ってるの?」

「…」
コクリと頷く
警戒されてるのかな

「そっか、じゃあ少しお願いが…」
そう言おうとした時、目の前に手突きつけられた。

「あの…話しますから…」
女の子と目が合う
「あの子のした事は…ゆきが計画したんです。」

「ゆきちゃんが?」
あの子じゃないの?

「はい…えと…手紙も…」
「みかちゃんが好きな人がいるからって…それでネットで調べたら…」

「その方法が?」
どんなページ見たの…?

「いえ…それが正しくないとは知ってたんです…」

「じゃあなんで?」

「面白そうだったから…」
ゆきがニコリと微笑む

えぇー、この子私に対してこんなに大人しいのに腹黒いなぁ…
「ちょっと、それはいけないでしょ!」
つい口に出す

「ゆきは…悪くないし…」
悪いと言ってないのに悪いものってわかってんじゃん…!

「もー、それでこんな事するなんて!」

「う、うるさい…みかのためなんだもん!」女の子も声を出す

「それは委員長のためになってないの!」
「不気味なのっ!」

「ぶ、不気味っ!?あの赤い封筒が不気味なのっ!?可愛いじゃん!字もオシャレで可愛いじゃん!」

「いや完全に犯人だしっ!」
「見るからに純粋な女の子に何させてるのよ!」「このストーカー!」

「お姉ちゃん達だって今日付いてきてたじゃん!私達はか弱いのっ!か弱い女の子が強いお姉ちゃん達をつけてもストーキングじゃないしっ!」

「ば、バレてたの!?ともかく、か弱い女の子ならこういう事しないわよ!」
微妙に押されてない?こっちが悪く思えてくるよ…

「昨日だって!みかが作った暗号の場所に来なかったじゃない!私達だって気付いてたなら来てもよかったじゃんっ!ひどい!」

「暗号ならそれらしくしなさいよ!」
あれ暗号だったの!?

「ただのたぬき言葉じゃん!あの文字の中から『あいたい』って言う文字を取れば西公園って出たんだから!バカ!」

「ば、バカ…!?べ、別に分かってたし!時間がなかっただけだしっ!」

「嘘だっ!来れない時は昼休み校門まで来てって言ってたんだから!」

「なっ…!」

「ひどい!バカ!みかの心を踏み潰して!」

「……っ!な、なんで私が悪いみたいになってるの…」
いやこんな小さな女の子には悪かったかもしれないけど…でも…
あー、もー!
「わかったよ…私達が悪い。だからほら、もう泣かないで」
そう言い涙を拭く。
解決したならそれでいいかも。今までの事が全部軽く見えてくる。

そうだ、感謝しなきゃ
「ありがとね」

「え…?」
女の子が顔を上げる

「このストーカーみたいな事のお陰で毎日委員長と一緒いられた。私はそれだけでいいかな」
そう言い笑った

女の子は目を背けた。耳は真っ赤だった。
「みかのところ行く…」
そう言い、フラフラと立ち上がった

「ほら、そんな足で…」
「おぶろうか?」
そう言い背中を向けてしゃがむ

女の子はコクリと頷き、体を預けた
そしてゆっくりと保健室へ歩き出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

凶器は透明な優しさ

恋愛
入社5年目の岩倉紗希は、新卒の女の子である姫野香代の教育担当に選ばれる。 初めての後輩に戸惑いつつも、姫野さんとは良好な先輩後輩の関係を築いていけている ・・・そう思っていたのは岩倉紗希だけであった。 姫野の思いは岩倉の思いとは全く異なり 2人の思いの違いが徐々に大きくなり・・・ そして心を殺された

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話

釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。 文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。 そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。 工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。 むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。 “特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。 工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。 兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。 工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。 スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。 二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。 零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。 かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。 ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。

兄になった姉

廣瀬純一
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

処理中です...