能力者は現在に

記憶 1

学校での成績はいつも一番
努力しないで成績を手に入れてきた
一度見た物は忘れない
いや、「忘れられない」



それはホラー映画だったり、余計な記憶だったり
そんなものも頭に入ってくる。
小さい頃、人身事故を目撃した
その犠牲者は私の母だった。
その記憶も離れない。
いつまでも、光景が頭の中で鮮明に描かれる
頭がパンクしそうだった。

これはいつからだっただろうか
小学生の頃にはもうこんな状態だった。
一度見たものは決して離れない。


そんな時彼女に出会った
彼女は私が苦しんでいる事を理解し、そんな彼女を信頼して全てを打ち明けた
その話を彼女は疑う事もなく真剣に受け止め、そして慰めてくれた。

私の悩みをいち早く察知し、心配してくれる
感謝の言葉はいくらでも浮かんでくる。

ある日、通学途中に痴漢にあった。
その時も彼女は心配してくれ、
私の頭を抱えながら一緒に泣いてくれた。

そうすると、その記憶が消えている事に気が付いた。
それからも彼女は嫌なことがある度に私の頭を抱え、慰めてくれた。
そして、そうするとその記憶は消えるのだった。

更に昔の辛い記憶も消えた。
彼女のおかげだ。
何度も「美月、ありがとう」
そう言い続けた