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第一部 転生高校生活編

第82話 連続強姦魔の脱走(前篇)

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 クラブ活動のある生活にも慣れてきた今日この頃。今朝も僕はいつものようにキッチンで朝ご飯を食べている。実は最近朝食作りを少し手伝ったりしているんだ。

「ありがとうね、圭ちゃん。母さん助かるわ。」

 今朝は、ソーセージを加えたスクランブルエッグを作ってみた。お母さんが嬉しそうだ。クラブ活動はドイツ料理研究会だけど、大抵はセックスしてるばっかりなんで、料理の研究なんてほとんどしてない。けど、たまに亮子ちゃんの気が向くとちょっと教えてもらえたりするんだ。スクランブルエッグもそれで教えてもらった。一応これで、料理研究会の成果を示して、まじめに部活をやってるふうをお母さんに演出できるよね。

 スクランブルエッグくらいならやってみると全然難しくないんだ。ソーセージを適当な大きさに切って、卵はボールでかき混ぜて、先にソーセージを適度に炒めておいてから卵を加えてかき回す。塩コショウを適度にかけてやって、卵が固まってきたら出来上がり。特に難しい技術も要らないし、僕でも全然できる。料理=難しくてできないもの、ていう先入観があったんだなってつくづく思う。もちろん難しい料理はいっぱいあるんだけど、内容によるよね。

 これを教わった日は恥ずかしかったな。綾香ちゃんが「男体盛り」をやろうとか言いだして、僕は家庭科室のテーブルの上に裸で寝転がらされて、チーズやらトマトやらを切ったもので身体の上をデコレーションされたんだ。。確かに前の世界で女体盛りっていうのがあったような気がするけど、あれって僕らの世代よりずっと上のおじさん達の変態趣味だったような・・・。綾香ちゃんってさ、ちょっと趣味がおかしいのかな。若干、他の4人が引き気味だったような気がしたんだよね。

 綾香ちゃんさ、僕のまたぐらにソーセージを2本挟ませて、

「じゃ、次はソーセージを食べるね♪」

 とか言って、パクって僕のオチンチンに食らいついてくるんだよ。「あ♡ゴメーン。間違えちゃった(キャピ)♪テヘペロ(*´▽`*)」とか言ってたけど、絶対わざとだよね!それがやりたいがためにあんな大掛かりなしかけをしたんだね!ああもう、恥ずかしい!!

 あの日は、そのまま乗っけられた食材を平らげられた後、身体についた汚れを全部舐めて綺麗にされたうえで、家庭科室の机の上でそのままみんな寄ってたかって僕に乗車したんだ。あの日の活動はさすがに誰かに見つかりそうでヒヤヒヤしたよ。

 ま、その後残ったソーセージで亮子ちゃんが、スクランブルエッグの作り方を教えてくれたから今朝の朝ご飯で作れてるんだよね。そう考えると、喜んでいいものか複雑な気持ちになる。


 ご飯を食べながらニュースを見ていると、また物騒な事件のニュースが報じられていた。


「連続強姦傷害事件で逮捕されていた西川美佐江容疑者(28)が○△拘置所の監視をかいくぐって、脱獄をした模様。警察は400人体制で捜査にあたり・・・」

 あー、またこういう事件か。もう女の人が起こす性犯罪のニュースを見ても僕、全然驚かなくなったよ。僕はそんなふうに特に注意もむけずに聞き流したんだけど、お母さんはとても不安げにその報道を見ていた。

「やだわ!○△拘置所って、隣町のじゃないの。圭太ちゃん、気を付けないとだめよ!クラブ活動もしばらくお休みしたほうがいいんじゃないかしら。」
「お母さん、気にしすぎだよ。折角クラブも面白く(気持ち良く)なってきてるのに、、、ちゃんと帰り路は気を付ける(←言葉だけ)からそんなに心配しないでよ。」

「何か起きてからじゃ遅いのよ。」
「大丈夫だって。」


 お母さんは、圭太ちゃんは男の子の中でも特にかわいいんだから気を付けないとって言ってたけど、僕は心配しすぎだよと言って聞かせた。まあ、「何か起きてからじゃ」っていうけど、もう「何か」は日常的におきちゃってるし、今更なんだよね。

 それに僕はテレビ越しの事件と自分の生活空間とは別物っていう感覚でいた。テレビの報道されることは、自分の生活とは関係のない遠くのどこか別世界のこと。お母さんの言うとおり、○△拘置所は隣町だし、そんなことはないのはちょっと考えればわかるんだけど、人間、事件が起きてからじゃないとなかなかそういう感覚って身につかないのかな。



 結局、僕が甘かったんだ。






「・・・・あ、あ、あの・・・。い、命だけは・・・。」
「大人しくしろ。声を出すんじゃねぇぞ!」


 今僕は、首元にナイフを突きつけられ絶賛ガクブル中だ。学校に行く途中の公園でうずくまっている人がいたので、急病人かなと思って声をかけたら繁みに攫われちゃってこんな状態に。病人かと思ったその人は、芝居を打っていた。しかも朝のニュースで報道されてた人だった!

 どうも往来で僕に目を付けてそんなことに及んだみたいだ。人の善意に付け込むなんてひどい。こんなことなら無視して学校に行けばよかった。・・・そうは思ってももう後の祭り。

 僕は仰向けに寝かされ、動けばナイフで首を切るぞと脅されている。相手は髪を金髪に染めた女の人で年齢は20台かな。あ、28か、ニュースで言ってた。今僕はチビリそうなほど怖い。その女の人は血走った目で僕のことを睨みつけながら僕のズボンのベルトを外し始めた。

 貞操逆転世界に転生して、今まで嫌な思いをしたことってほとんどなかったんだけど、・・・今回ばかりは正真正銘のピンチかもしれない!!
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