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第二章 ~『ハイポーションの購入』~
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リーシャに連れられて、ヒューリック村を訪れる、石造りの住居は周りと比べても一回り大きい。
「もしかしてリーシャはお嬢様?」
「まさか。祖父が村長なので比較的裕福ですが、貴族様と比べると私はただの村娘でしかありません」
「立ち振る舞いだけなら貴族の令嬢でも十分に通じると思うけどね」
「ふふふ、ゴブリン肉を背負う貴族様はいませんよ」
「それを言われると弱いな」
言葉や態度の節々から感じる気品は村娘とは思えない。もしかすると貴族の隠し子かもしれない。
布団で眠るリーシャと似ても似つかない祖父の顔を眺めながら、そんな印象を抱いた。
「似ていないですよね?」
「まぁね。なんというか……失礼だけど、お爺さんの容姿は端麗とは言えないからね」
「団子鼻のデニス爺と村人たちから呼ばれています。ただ優しくて素敵な祖父なんですよ」
「それは目覚めるのが楽しみだね」
デニスは寝ながらに眉間に皺が寄っている。白髭禿頭と上手くかみ合って、威厳を発してさえいた。
本当に優しいのかと疑問に思うが、リーシャの態度を見るに、孫娘に甘いことだけは疑いようのない真実なのだろう。
「リーシャの両親はお爺さんと似ていたの?」
「さぁ、私の物心がつく頃にはいませんでしたから」
「それは悪いことを聞いてしまったね」
「気にしないでください。その分、祖父には優しくして貰いましたから」
リーシャは薬草をすり潰して、水に混ぜる。煎じた薬を意識のない祖父の口に流し込んだ。
生体反射でゴクリと飲み込むが治る気配はない。それでも彼女の口元には笑みが浮かんでいた。
「顔色が良くなりましたね」
「僕には変わらないように見えるけど」
「身内だから判別できるレベルの誤差ですからね」
「それで、治りそうなの?」
「いえ、完治はしません。薬草は病気の進行を遅らせる効果しかありませんから」
「だとしたら、焼け石に水じゃ……」
「特効薬が手に入らないので延命治療しかできませんが、私は無駄だと思っていません。一分一秒でも長生きして欲しいですから」
「リーシャ……」
「それよりも、お腹が空きましたよね? ご飯にしますから、待っていてください」
「僕も手伝うよ」
「いいえ、ジン様は御客様ですから。座っていてください」
ジンを傍にあった椅子に座らせると、リーシャは台所へ向かう。これから作るのは煮込み料理だ。出来上がるまでには時間がかかる。
「特効薬か。僕なら手に入れられるかも」
ジンは《一人旅》のスキルを発動させる。移動先は終末の街エデン。あそこなら目当ての薬が手に入るかもしれないと、期待に胸を躍らせる。
視界が切り替わり、見慣れた武器屋の風景に、金髪の少女が映る。エミリスの武器商店へと移動したのだ。
「あれ? ジンくん、来ていたのね」
「聞きたいことがあってね」
「聞きたいこと?」
「この辺りに道具屋はないかな? 病気の人を治せる薬を買いたくて」
「道具屋かぁ。あるにはあるわよ。でも休業中ね」
「いつ再開するか知っている?」
「旅行好きの店主だから。あの人がリフレッシュするまでね」
「それは困ったね」
どうしたものかと眉根を下ろしていると、エミリスがふぅと息を吐く。
「ジン君のためなら一肌脱ぐわ。私物の薬を売ってあげる」
「え、いいの?」
「困った時はお互い様だもの。ハイポーションなら大抵の病気は治せるわ。少し待っていて」
エミリスは戸棚を漁って、ガラス瓶に詰まった青色の液体を運んでくる。スターティア地区で販売されている通常のポーションは緑色の液体だ。ハイポーションを目にしたのは初めての経験であったため、気分が高揚する。
「これがハイポーションかぁ」
「珍しいでしょ」
「もしかして高いの?」
「相場は金貨九枚ね」
「なら十枚渡すよ」
「別に相場通りでいいわよ」
「いつもお世話になっている礼と手間賃さ」
「ふふふ、律儀な性格ね」
金貨と引き換えにハイポーションを受け取る。ガラス瓶の重さがずっしりと響く。
そろそろリーシャが調理を終えている頃だ。《一人旅》のスキルを使い、再び彼女の家へと戻る。
視界が室内へと切り替わる。そこでタイミング良く、リーシャが部屋の扉を開いた。
「お待たせしました。料理ができましたよ」
「それは楽しみだ」
「準備ができていますから、食卓に案内しますね」
「いや、その前に、もう一人を食事に招待しよう」
「もう一人?」
「君のお爺さんさ」
ジンはガラス瓶の蓋を開けると、ハイポーションをデニスに飲ませる。意識のないまま、薬液を飲み込んだ彼の身体は輝き始めた。
数秒後、デニスは呻き声をあげる。意識を取り戻したのか、瞼を擦りながら、ゆっくりと起き上がる。
「お、お爺様!」
「ここは……」
「生きていて良かったです」
リーシャがデニスの復活を喜び、ギュッと抱きしめる。感動の再会に、ジンも釣られるように目尻が熱くなる。
「ジン様の薬のおかげです。何とお礼を言えばよいか……」
「僕はたいしたことは……」
「いいえ、あなた様は恩人です……っ……わ、私の唯一の家族を救ってくれて、ありがとうございました」
涙を輝かせるリーシャがジンの手をギュッと握る。指先から感謝の熱量を感じ取るのだった。
「もしかしてリーシャはお嬢様?」
「まさか。祖父が村長なので比較的裕福ですが、貴族様と比べると私はただの村娘でしかありません」
「立ち振る舞いだけなら貴族の令嬢でも十分に通じると思うけどね」
「ふふふ、ゴブリン肉を背負う貴族様はいませんよ」
「それを言われると弱いな」
言葉や態度の節々から感じる気品は村娘とは思えない。もしかすると貴族の隠し子かもしれない。
布団で眠るリーシャと似ても似つかない祖父の顔を眺めながら、そんな印象を抱いた。
「似ていないですよね?」
「まぁね。なんというか……失礼だけど、お爺さんの容姿は端麗とは言えないからね」
「団子鼻のデニス爺と村人たちから呼ばれています。ただ優しくて素敵な祖父なんですよ」
「それは目覚めるのが楽しみだね」
デニスは寝ながらに眉間に皺が寄っている。白髭禿頭と上手くかみ合って、威厳を発してさえいた。
本当に優しいのかと疑問に思うが、リーシャの態度を見るに、孫娘に甘いことだけは疑いようのない真実なのだろう。
「リーシャの両親はお爺さんと似ていたの?」
「さぁ、私の物心がつく頃にはいませんでしたから」
「それは悪いことを聞いてしまったね」
「気にしないでください。その分、祖父には優しくして貰いましたから」
リーシャは薬草をすり潰して、水に混ぜる。煎じた薬を意識のない祖父の口に流し込んだ。
生体反射でゴクリと飲み込むが治る気配はない。それでも彼女の口元には笑みが浮かんでいた。
「顔色が良くなりましたね」
「僕には変わらないように見えるけど」
「身内だから判別できるレベルの誤差ですからね」
「それで、治りそうなの?」
「いえ、完治はしません。薬草は病気の進行を遅らせる効果しかありませんから」
「だとしたら、焼け石に水じゃ……」
「特効薬が手に入らないので延命治療しかできませんが、私は無駄だと思っていません。一分一秒でも長生きして欲しいですから」
「リーシャ……」
「それよりも、お腹が空きましたよね? ご飯にしますから、待っていてください」
「僕も手伝うよ」
「いいえ、ジン様は御客様ですから。座っていてください」
ジンを傍にあった椅子に座らせると、リーシャは台所へ向かう。これから作るのは煮込み料理だ。出来上がるまでには時間がかかる。
「特効薬か。僕なら手に入れられるかも」
ジンは《一人旅》のスキルを発動させる。移動先は終末の街エデン。あそこなら目当ての薬が手に入るかもしれないと、期待に胸を躍らせる。
視界が切り替わり、見慣れた武器屋の風景に、金髪の少女が映る。エミリスの武器商店へと移動したのだ。
「あれ? ジンくん、来ていたのね」
「聞きたいことがあってね」
「聞きたいこと?」
「この辺りに道具屋はないかな? 病気の人を治せる薬を買いたくて」
「道具屋かぁ。あるにはあるわよ。でも休業中ね」
「いつ再開するか知っている?」
「旅行好きの店主だから。あの人がリフレッシュするまでね」
「それは困ったね」
どうしたものかと眉根を下ろしていると、エミリスがふぅと息を吐く。
「ジン君のためなら一肌脱ぐわ。私物の薬を売ってあげる」
「え、いいの?」
「困った時はお互い様だもの。ハイポーションなら大抵の病気は治せるわ。少し待っていて」
エミリスは戸棚を漁って、ガラス瓶に詰まった青色の液体を運んでくる。スターティア地区で販売されている通常のポーションは緑色の液体だ。ハイポーションを目にしたのは初めての経験であったため、気分が高揚する。
「これがハイポーションかぁ」
「珍しいでしょ」
「もしかして高いの?」
「相場は金貨九枚ね」
「なら十枚渡すよ」
「別に相場通りでいいわよ」
「いつもお世話になっている礼と手間賃さ」
「ふふふ、律儀な性格ね」
金貨と引き換えにハイポーションを受け取る。ガラス瓶の重さがずっしりと響く。
そろそろリーシャが調理を終えている頃だ。《一人旅》のスキルを使い、再び彼女の家へと戻る。
視界が室内へと切り替わる。そこでタイミング良く、リーシャが部屋の扉を開いた。
「お待たせしました。料理ができましたよ」
「それは楽しみだ」
「準備ができていますから、食卓に案内しますね」
「いや、その前に、もう一人を食事に招待しよう」
「もう一人?」
「君のお爺さんさ」
ジンはガラス瓶の蓋を開けると、ハイポーションをデニスに飲ませる。意識のないまま、薬液を飲み込んだ彼の身体は輝き始めた。
数秒後、デニスは呻き声をあげる。意識を取り戻したのか、瞼を擦りながら、ゆっくりと起き上がる。
「お、お爺様!」
「ここは……」
「生きていて良かったです」
リーシャがデニスの復活を喜び、ギュッと抱きしめる。感動の再会に、ジンも釣られるように目尻が熱くなる。
「ジン様の薬のおかげです。何とお礼を言えばよいか……」
「僕はたいしたことは……」
「いいえ、あなた様は恩人です……っ……わ、私の唯一の家族を救ってくれて、ありがとうございました」
涙を輝かせるリーシャがジンの手をギュッと握る。指先から感謝の熱量を感じ取るのだった。
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