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73.《本編完結》きちんと思いを伝えました
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「よし。買い忘れは無いな」
玄関の前で再度確認して、インターホンを押す。すぐにガチャッと扉が開き、笑顔の隼が出迎えてくれた。
「お帰り、譲」
「ただいま、隼」
パタンと扉を閉めてから、ただいまのキスをする。
「たくさん買って来たね」
「隼のお祝いだからな」
隼は、買ってきた荷物を半分手に取り、空いた片手に指を絡めて一緒にリビングへと向かった。
「今日は俺が全部するから、隼は座って待っててくれよな。って言っても、盛り付けるだけだけどな」
「わかった。じゃあ、ここから見てても良い?」
「ああ」
隼のじ~っと見られながら、俺は買ってきたチキンやサラダ、サンドウィッチを皿に盛り付ける。あんまり繊細な事はしたことがないので、隼みたいに綺麗に盛り付けは出来なかったが、まあ許してくれるだろう。
出来上がったお皿をテーブルに並べ、シャンパンとグラスを用意する。そして、カウンター内でロウソクに火をつけてから部屋の電気を消した。
「一日遅れたけど、誕生日おめでとう隼」
「えっ…?!」
”Happy Birthday HAYATO”
From YUZURU with LOVE”
隼は、ケーキの上のプレートを見て驚き俺を見た。
「譲…このプレート…」
「ああ、お店の人にちょっと無理言って書いてもらったんだ。来年はちゃんと隼用に予約するから今年は我慢してくれ」
「ちがっ…プレートの文字…」
「ん?ああ…柄にもない事頼んだから少し恥ずかしかったけど、俺の素直な気持ち」
「いや、名前入れたら…その…」
隼が言いたいのは、このプレートだと男同士だと周りにバレたのではと言ったところだろう。
「だから?」
「えっ?」
「ここのケーキ屋さん、メッセージ伝えたら快く笑顔でプレート書いてくれたんだ。だから、来年からはバースデイケーキ予約しますって言ってきた」
「譲…」
「その…まだまだ周りには隼の事話せてないんだけど、信頼できる奴には少しづづ話していこうと思ってるんだ。俺の好きな人は、こんなにも素敵な人なんだぞって自慢したいし。…何より、俺が辛い時に一番側にいてくれて、一番支えてくれた。だから、俺は隼に癒されて魅かれた」
座ってる隼の横に跪き手を取る。
「愛してる、隼。…これからもずっと側にいて」
「もう…それ俺が言いたかったセリフ…!」
隼は、逆に俺の手を取り、手の甲にキスを落とした。
「ずっと側にいるし、譲の事、何があっても離さないから」
「うん、俺も離さない」
隼の頬に手を添え、ロウソクの灯かりの中、俺達は何度もキスをした―――
出会ってから10年。
記憶の片隅にいた同級生は、俺の最愛の人になった。
玄関の前で再度確認して、インターホンを押す。すぐにガチャッと扉が開き、笑顔の隼が出迎えてくれた。
「お帰り、譲」
「ただいま、隼」
パタンと扉を閉めてから、ただいまのキスをする。
「たくさん買って来たね」
「隼のお祝いだからな」
隼は、買ってきた荷物を半分手に取り、空いた片手に指を絡めて一緒にリビングへと向かった。
「今日は俺が全部するから、隼は座って待っててくれよな。って言っても、盛り付けるだけだけどな」
「わかった。じゃあ、ここから見てても良い?」
「ああ」
隼のじ~っと見られながら、俺は買ってきたチキンやサラダ、サンドウィッチを皿に盛り付ける。あんまり繊細な事はしたことがないので、隼みたいに綺麗に盛り付けは出来なかったが、まあ許してくれるだろう。
出来上がったお皿をテーブルに並べ、シャンパンとグラスを用意する。そして、カウンター内でロウソクに火をつけてから部屋の電気を消した。
「一日遅れたけど、誕生日おめでとう隼」
「えっ…?!」
”Happy Birthday HAYATO”
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隼は、ケーキの上のプレートを見て驚き俺を見た。
「譲…このプレート…」
「ああ、お店の人にちょっと無理言って書いてもらったんだ。来年はちゃんと隼用に予約するから今年は我慢してくれ」
「ちがっ…プレートの文字…」
「ん?ああ…柄にもない事頼んだから少し恥ずかしかったけど、俺の素直な気持ち」
「いや、名前入れたら…その…」
隼が言いたいのは、このプレートだと男同士だと周りにバレたのではと言ったところだろう。
「だから?」
「えっ?」
「ここのケーキ屋さん、メッセージ伝えたら快く笑顔でプレート書いてくれたんだ。だから、来年からはバースデイケーキ予約しますって言ってきた」
「譲…」
「その…まだまだ周りには隼の事話せてないんだけど、信頼できる奴には少しづづ話していこうと思ってるんだ。俺の好きな人は、こんなにも素敵な人なんだぞって自慢したいし。…何より、俺が辛い時に一番側にいてくれて、一番支えてくれた。だから、俺は隼に癒されて魅かれた」
座ってる隼の横に跪き手を取る。
「愛してる、隼。…これからもずっと側にいて」
「もう…それ俺が言いたかったセリフ…!」
隼は、逆に俺の手を取り、手の甲にキスを落とした。
「ずっと側にいるし、譲の事、何があっても離さないから」
「うん、俺も離さない」
隼の頬に手を添え、ロウソクの灯かりの中、俺達は何度もキスをした―――
出会ってから10年。
記憶の片隅にいた同級生は、俺の最愛の人になった。
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