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59.甘えられました
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お風呂を出ると、体を拭かれ脱衣所に置いてあったバスローブを着せられた。
「裸の譲を見てると、治まらないから…」
との理由だ。てか、バスローブあったんだ。…この前借りればよかった。
そして、また抱き上げられて隼の部屋に連れて行かれた。
「少し待っててね」
そう言って部屋から出て行き、ミネラルウォーターのペットボトルを手に部屋に戻ってきた。
「飲ませてあげるね」
蓋を開け、隼が口に含みそのまま口移しで俺の口に水が流し込まれた。コクンと飲み込むと、また隼が口に含み二口目が口に注がれた。
「まだ飲む?」
「だ…大丈夫」
口移しで飲まされるとは思ってなくて、隼の顔を見ると急に恥ずかしくなってきた。
「す、少し寝るから!お休み!」
布団にくるまり丸くなると、隼が後ろから優しく俺の体を包み込んだ。
「こっち向いて、譲」
その言葉に抗えなくて、顔を隠したまま隼の方に体を向けると、髪の毛に顔を埋め全身が隼に包まれた。
「おやすみ」
「…おやすみ」
俺は、隼の心音を聞きながらその温かさと心地よさに酔いながら眠りについた。
どれくらい眠っていたのだろう。目が覚めると、窓の外はすっかり暗くなっているようで、ベッド横のランプが灯っていた。
「譲、起きたの?」
「あ、うん…。おはよう、隼」
「おはようって言っても、もう夜だけどね」
「そうだな」
隼は、俺の頭をなでる手を止めて瞼にキスをした。
「お腹空いてない?」
「…空いてる」
素直に言うと、隼はクスッと笑って今度は頬にキスをした。
「何食べたい?」
「…オムライス。ふわとろなやつ」
「りょーかい」
ベッドを下りて、ガウンの紐を結びなおして隼はキッチンへと向かった。俺もベッドを出て、キッチンへと向かう。
「ベッドで待ってていいのに」
「いや、何か手伝う…」
「じゃ、玉子ほぐしてもらっていい?」
「うん」
隼は手際よく野菜とベーコンを刻み、フライパンで炒めてあっという間にケチャップライスを作り上げた。
「玉子、ありがと」
玉子をほぐしたボールを受け取り、チュッとキスをしてくる。昔、彼女が居た時でもお礼のたびにキスなんてしたことが無いのに、隼は当たり前のようにキスをする。今迄の恋人ともしてたのかと思うと、ツキンと少し心臓が痛かった。
「はい、譲出来たよ」
「ありがと」
「あ、ソファーの方に持って行って」
「?わかった」
言われた通りソファーで座って待っていると、飲み物とスプーンを持って隼がやって来た。横に座ると、自分の膝をポンポンと叩いて俺を見た。訳が分からず首を傾げると、「もう」と言いながら、俺を膝に座らせた。
「今日から、ご飯は俺の膝の上ね」
「え?い、いやさすがに恥ずかしいし、食べにくいだろ?」
「え~!俺はずっと譲とくっ付いていたいんだけど」
ギュっと腰を抱かれ、甘えるように俺の顔を下から覗き込む隼。うっ…そんな顔は反則だろ!
「きょ、今日だけな!」
「やだ」
「う~…」
「じゃ、休みの日だけにする。平日は我慢するから」
「わ、わかった」
平日は我慢なんだ…。これで、体が繋がったらどうなるんだろ……。
「裸の譲を見てると、治まらないから…」
との理由だ。てか、バスローブあったんだ。…この前借りればよかった。
そして、また抱き上げられて隼の部屋に連れて行かれた。
「少し待っててね」
そう言って部屋から出て行き、ミネラルウォーターのペットボトルを手に部屋に戻ってきた。
「飲ませてあげるね」
蓋を開け、隼が口に含みそのまま口移しで俺の口に水が流し込まれた。コクンと飲み込むと、また隼が口に含み二口目が口に注がれた。
「まだ飲む?」
「だ…大丈夫」
口移しで飲まされるとは思ってなくて、隼の顔を見ると急に恥ずかしくなってきた。
「す、少し寝るから!お休み!」
布団にくるまり丸くなると、隼が後ろから優しく俺の体を包み込んだ。
「こっち向いて、譲」
その言葉に抗えなくて、顔を隠したまま隼の方に体を向けると、髪の毛に顔を埋め全身が隼に包まれた。
「おやすみ」
「…おやすみ」
俺は、隼の心音を聞きながらその温かさと心地よさに酔いながら眠りについた。
どれくらい眠っていたのだろう。目が覚めると、窓の外はすっかり暗くなっているようで、ベッド横のランプが灯っていた。
「譲、起きたの?」
「あ、うん…。おはよう、隼」
「おはようって言っても、もう夜だけどね」
「そうだな」
隼は、俺の頭をなでる手を止めて瞼にキスをした。
「お腹空いてない?」
「…空いてる」
素直に言うと、隼はクスッと笑って今度は頬にキスをした。
「何食べたい?」
「…オムライス。ふわとろなやつ」
「りょーかい」
ベッドを下りて、ガウンの紐を結びなおして隼はキッチンへと向かった。俺もベッドを出て、キッチンへと向かう。
「ベッドで待ってていいのに」
「いや、何か手伝う…」
「じゃ、玉子ほぐしてもらっていい?」
「うん」
隼は手際よく野菜とベーコンを刻み、フライパンで炒めてあっという間にケチャップライスを作り上げた。
「玉子、ありがと」
玉子をほぐしたボールを受け取り、チュッとキスをしてくる。昔、彼女が居た時でもお礼のたびにキスなんてしたことが無いのに、隼は当たり前のようにキスをする。今迄の恋人ともしてたのかと思うと、ツキンと少し心臓が痛かった。
「はい、譲出来たよ」
「ありがと」
「あ、ソファーの方に持って行って」
「?わかった」
言われた通りソファーで座って待っていると、飲み物とスプーンを持って隼がやって来た。横に座ると、自分の膝をポンポンと叩いて俺を見た。訳が分からず首を傾げると、「もう」と言いながら、俺を膝に座らせた。
「今日から、ご飯は俺の膝の上ね」
「え?い、いやさすがに恥ずかしいし、食べにくいだろ?」
「え~!俺はずっと譲とくっ付いていたいんだけど」
ギュっと腰を抱かれ、甘えるように俺の顔を下から覗き込む隼。うっ…そんな顔は反則だろ!
「きょ、今日だけな!」
「やだ」
「う~…」
「じゃ、休みの日だけにする。平日は我慢するから」
「わ、わかった」
平日は我慢なんだ…。これで、体が繋がったらどうなるんだろ……。
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