43 / 77
43.柔らかでした
しおりを挟む
あれから一時間。
隼は変わらず俺の膝枕でスヤスヤと眠っている。ブランケットか何か掛けた方が良いんだろうけど、動けないし、近くにはなにもない。
(陽射しもあるし、しばらくは大丈夫かな)
隼のフワフワとしたくせっ毛が気になってそっと触ってみた。
(柔らか…)
「ん…」
調子に乗って触っていると、隼が寝返りをうち顔が上を向いた。長いまつ毛に少し開いた唇。男だとわかっているのに、その綺麗な寝顔にゴクリと唾を飲み込んだ。そっと親指で下唇をなぞると、ゆっくりと唇開き指が唇にはさまれた。ドキドキしながらそっと口の中に指を差し込むと、舌の上にのった指がチューチューと吸われた。
(!!)
腰の辺りがゾクゾクして、慌てて指を口から離した。隼を見ると変わらずスヤスヤと寝ている。ほっとしながら、隼に吸われた指を見る。ドキドキしながらその指を自分の口に含み軽くしゃぶってみる。
「…ん」
自分の唾液と隼の唾液が混ざる事にゾクゾクした。膝に乗っている隼の頭がもそっと動き、我に返った。
(俺、今何してた…?)
自分を落ち着かせるように軽く深呼吸をする。
「…ゆず…る…?」
「あ、お、起こしたか?」
「…ん~?」
寝起きで状況がわかって無いのか、ぼ~っとした顔で俺を見上げる隼。俺の顔が上にあることに気が付き、目が見開かれがばっと起き上がった。
「え?!あっ、俺、寝ちゃった?」
「あ、うん」
「で、その、譲の膝、枕にしてた…?」
「熟睡だったな」
みるみる隼の顔が赤くなり、クッションで顔を隠してしまった。
「ご、ごめん!あ~俺何やってんだろ…譲に膝枕させるなんて…」
「そ、そんなに自分を責めなくても…」「でも、俺のせいで動けなかっただろ?」
「それは、まあ…」
「はぁ~…ホントごめん…」
とうとう完全にクッションで顔を隠して突っ伏してしまった。俺も、隼が寝てる間にあんな事をしてしまっている手前、強く言えるはずもなく苦笑いを浮かべるしかなかった。
「怒ってないから、顔あげて」
声を掛けると、ゆっくり顔をあげ目だけが見えた。
「コーヒー飲みたいな~」
「…!いれてくるから待ってて!」
ガバっと起き上がり、パタパタとキッチンへと走って行った。罪悪感はあるけど、これで隼の罪滅ぼしって事にしてもらおう…。
コーヒーを待っていると、甘い匂いがコーヒーの香りと一緒に香ってきた。
「お待たせ。コーヒーのお供にパンケーキも焼いたんだけど…」
「ありがとう。調度小腹が空いてたんだ」
隼が、安堵の表情だがやっと笑った。
「隼、一緒に食べよう」
「…うん!」
いつもの隼に戻ったようでほっとした。
二人でパンケーキを食べたが、俺は無意識に隼の唇を何度も見てしまっていた。
(隼の唇、柔らかかったな…)
って、俺何考えてるんだ?!
けど、俺はあの柔らかさを知ってるような気がした…。
隼は変わらず俺の膝枕でスヤスヤと眠っている。ブランケットか何か掛けた方が良いんだろうけど、動けないし、近くにはなにもない。
(陽射しもあるし、しばらくは大丈夫かな)
隼のフワフワとしたくせっ毛が気になってそっと触ってみた。
(柔らか…)
「ん…」
調子に乗って触っていると、隼が寝返りをうち顔が上を向いた。長いまつ毛に少し開いた唇。男だとわかっているのに、その綺麗な寝顔にゴクリと唾を飲み込んだ。そっと親指で下唇をなぞると、ゆっくりと唇開き指が唇にはさまれた。ドキドキしながらそっと口の中に指を差し込むと、舌の上にのった指がチューチューと吸われた。
(!!)
腰の辺りがゾクゾクして、慌てて指を口から離した。隼を見ると変わらずスヤスヤと寝ている。ほっとしながら、隼に吸われた指を見る。ドキドキしながらその指を自分の口に含み軽くしゃぶってみる。
「…ん」
自分の唾液と隼の唾液が混ざる事にゾクゾクした。膝に乗っている隼の頭がもそっと動き、我に返った。
(俺、今何してた…?)
自分を落ち着かせるように軽く深呼吸をする。
「…ゆず…る…?」
「あ、お、起こしたか?」
「…ん~?」
寝起きで状況がわかって無いのか、ぼ~っとした顔で俺を見上げる隼。俺の顔が上にあることに気が付き、目が見開かれがばっと起き上がった。
「え?!あっ、俺、寝ちゃった?」
「あ、うん」
「で、その、譲の膝、枕にしてた…?」
「熟睡だったな」
みるみる隼の顔が赤くなり、クッションで顔を隠してしまった。
「ご、ごめん!あ~俺何やってんだろ…譲に膝枕させるなんて…」
「そ、そんなに自分を責めなくても…」「でも、俺のせいで動けなかっただろ?」
「それは、まあ…」
「はぁ~…ホントごめん…」
とうとう完全にクッションで顔を隠して突っ伏してしまった。俺も、隼が寝てる間にあんな事をしてしまっている手前、強く言えるはずもなく苦笑いを浮かべるしかなかった。
「怒ってないから、顔あげて」
声を掛けると、ゆっくり顔をあげ目だけが見えた。
「コーヒー飲みたいな~」
「…!いれてくるから待ってて!」
ガバっと起き上がり、パタパタとキッチンへと走って行った。罪悪感はあるけど、これで隼の罪滅ぼしって事にしてもらおう…。
コーヒーを待っていると、甘い匂いがコーヒーの香りと一緒に香ってきた。
「お待たせ。コーヒーのお供にパンケーキも焼いたんだけど…」
「ありがとう。調度小腹が空いてたんだ」
隼が、安堵の表情だがやっと笑った。
「隼、一緒に食べよう」
「…うん!」
いつもの隼に戻ったようでほっとした。
二人でパンケーキを食べたが、俺は無意識に隼の唇を何度も見てしまっていた。
(隼の唇、柔らかかったな…)
って、俺何考えてるんだ?!
けど、俺はあの柔らかさを知ってるような気がした…。
38
お気に入りに追加
320
あなたにおすすめの小説
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(10/21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
※4月18日、完結しました。ありがとうございました。
冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。
丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。
イケメン青年×オッサン。
リクエストをくださった棗様に捧げます!
【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。
楽しいリクエストをありがとうございました!
※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる