35 / 77
35.デート(?)に行きました
しおりを挟む
仕事と家の往復の中、美味しいご飯に癒されながら何事もなく週末がやって来た。
「隼、今週はその…用事は無いのか?」
「無いよ~。この間みたいな休日の仕事はしないって言ってあるから」
「そ、そっか…」
この間は仕事だったんだ。なら、仕事って言ってくれたら良いのに…。
「譲は?何か用事ある?」
「あ~…俺も無いかな…」
「じゃあさ、ちょっと付き合ってよ!」
「え?あ、うん」
隼の勢いに押されて、出掛けることになった。
車に乗せられ着いた場所は、水族館だった。周りは、親子連れや恋人同士が多く、大の男二人は少し目立っていた。
「あ!今からイルカショー始まるって!急ごう譲!」
「え?あ、うん」
隼はすでにチケットを用意していたらしく、並ぶことなく水族館に入場した。イルカショーの客席はすでに大勢の人が座っていた。
「今から座っても迷惑だろうから後ろで立って見るか」
「そうだね」
階段を登り、一番後ろの手摺に凭れて見ることにした。
「あ、始まるよ!」
拍手と共に、イルカに乗ったトレーナーが登場してショーが始まった。隼はイルカが好きなのか、子供みたいに目をキラキラさせてショーを見ている。30分程のショーは、あっという間に終わった。
「は~イルカ可愛かった~!」
「好きなのか?」
「うん、大好き!」
俺に向けた言葉では無いのに、ドキっとしてしまった。
「あそこにショップがあるから何か買うか?」
「うん!いこいこ!」
ショップの中は水族館の生き物をモチーフとしたグッズが溢れていて、隼は一目散にイルカコーナーに向かっていた。
「見て譲!これめっちゃカワイイ!!」
ぬいぐるみを手に取り、笑顔で俺に見せる。あの日とのギャップがありすぎて、無邪気な隼がカワイイと思ってしまった。
「あっ!こっちもカワイイ!」
それは、クリスタルで出来たイルカの置物だった。二頭のイルカが向かい合わせになりハートの形を作っていた。
「買ってくるね!」
そう言って、隼はぬいぐるみと置物を手に取りレジへ向かった。この時、周りから生暖かい視線を向けられてる事に俺は全く気付いていなかった。
その後も水族館の中を順に巡り、館内を堪能した。
「楽しかったね~!」
「ああ。たまには水族館も良いもんだな」
今思えば、今まで付き合った女達とは来た事無かったなぁ。思い出すのは……うん。やめとこ。若かったな俺。
「そろそろお腹空いたよね?お昼食べに行こうか」
「そうだな。どこ行く?」
「実は予約してあるんだ。ふふ、着いてからのお楽しみ!」
どこに行くか教えてもらえないまま車に乗り込み、着いた場所は俺の想像をはるかに超えていた。
「屋形船?!」
「うん!揚げたての天ぷら食べながら貸切でクルージング。天気よくて良かった~」
こんなのすぐには予約できないよな?いつから計画してたんだ??
「あのさ、俺に用事があったらどうしてたんだ?」
「ん?譲以外と来る気無いから、申し訳ないけどキャンセルしてたかな」
さらっと言うけど、さっき”貸切”って言ってたよな?それをキャンセルって、やっぱり隼って俺とは次元が違うのかな?でも、普段はカワイイんだよな~…って、さっきから俺何回隼をカワイイって思ってんだ?!
「どうしたの譲?早く乗ろう!」
「う、うん」
今思ったけど、これって確実にデートコースだよな?
「隼、今週はその…用事は無いのか?」
「無いよ~。この間みたいな休日の仕事はしないって言ってあるから」
「そ、そっか…」
この間は仕事だったんだ。なら、仕事って言ってくれたら良いのに…。
「譲は?何か用事ある?」
「あ~…俺も無いかな…」
「じゃあさ、ちょっと付き合ってよ!」
「え?あ、うん」
隼の勢いに押されて、出掛けることになった。
車に乗せられ着いた場所は、水族館だった。周りは、親子連れや恋人同士が多く、大の男二人は少し目立っていた。
「あ!今からイルカショー始まるって!急ごう譲!」
「え?あ、うん」
隼はすでにチケットを用意していたらしく、並ぶことなく水族館に入場した。イルカショーの客席はすでに大勢の人が座っていた。
「今から座っても迷惑だろうから後ろで立って見るか」
「そうだね」
階段を登り、一番後ろの手摺に凭れて見ることにした。
「あ、始まるよ!」
拍手と共に、イルカに乗ったトレーナーが登場してショーが始まった。隼はイルカが好きなのか、子供みたいに目をキラキラさせてショーを見ている。30分程のショーは、あっという間に終わった。
「は~イルカ可愛かった~!」
「好きなのか?」
「うん、大好き!」
俺に向けた言葉では無いのに、ドキっとしてしまった。
「あそこにショップがあるから何か買うか?」
「うん!いこいこ!」
ショップの中は水族館の生き物をモチーフとしたグッズが溢れていて、隼は一目散にイルカコーナーに向かっていた。
「見て譲!これめっちゃカワイイ!!」
ぬいぐるみを手に取り、笑顔で俺に見せる。あの日とのギャップがありすぎて、無邪気な隼がカワイイと思ってしまった。
「あっ!こっちもカワイイ!」
それは、クリスタルで出来たイルカの置物だった。二頭のイルカが向かい合わせになりハートの形を作っていた。
「買ってくるね!」
そう言って、隼はぬいぐるみと置物を手に取りレジへ向かった。この時、周りから生暖かい視線を向けられてる事に俺は全く気付いていなかった。
その後も水族館の中を順に巡り、館内を堪能した。
「楽しかったね~!」
「ああ。たまには水族館も良いもんだな」
今思えば、今まで付き合った女達とは来た事無かったなぁ。思い出すのは……うん。やめとこ。若かったな俺。
「そろそろお腹空いたよね?お昼食べに行こうか」
「そうだな。どこ行く?」
「実は予約してあるんだ。ふふ、着いてからのお楽しみ!」
どこに行くか教えてもらえないまま車に乗り込み、着いた場所は俺の想像をはるかに超えていた。
「屋形船?!」
「うん!揚げたての天ぷら食べながら貸切でクルージング。天気よくて良かった~」
こんなのすぐには予約できないよな?いつから計画してたんだ??
「あのさ、俺に用事があったらどうしてたんだ?」
「ん?譲以外と来る気無いから、申し訳ないけどキャンセルしてたかな」
さらっと言うけど、さっき”貸切”って言ってたよな?それをキャンセルって、やっぱり隼って俺とは次元が違うのかな?でも、普段はカワイイんだよな~…って、さっきから俺何回隼をカワイイって思ってんだ?!
「どうしたの譲?早く乗ろう!」
「う、うん」
今思ったけど、これって確実にデートコースだよな?
39
お気に入りに追加
320
あなたにおすすめの小説
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(10/21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
※4月18日、完結しました。ありがとうございました。
冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。
丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。
イケメン青年×オッサン。
リクエストをくださった棗様に捧げます!
【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。
楽しいリクエストをありがとうございました!
※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる