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7.言い訳はもっと最低でした
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いつの間にか静かになっていたエミリの肩が、神宮寺の言葉に反応してピクッと動いた。
「…不満があったのなら言ってくれれば別れ…」
「違うの!」
エミリは、急に顔を上げ俺の足にしがみ付いた。
「譲に不満なんて無いわ!最高の結婚相手よ!」
(最高の結婚相手…?)
確かに、付き合って2年だし、このままいけば結婚するだろうと思ってはいたが、その言葉に妙な引っ掛かりを感じた。
「そっか~。結婚相手としては最高でも、エミリちゃんの好みではなかったんだね!顔もSEXも!」
「…っ!」
今度は、顔を真っ赤にして神宮寺を睨むエミリ。
「白状しちゃいなよ~。カワイイ系の男との激しいSEXが好きだって!あ、童貞好きも足しとく?」
「…神宮寺、それは本当か?」
「うん!これ見て。エミリちゃんのウ・ラ・ア・カ!」
神宮寺に見せられた画面は、数年前から投稿されているらしく、お持ち帰り自慢と卑猥な写真が日々アップされていた。中でも、童貞とSEXした日は動画が投稿されていた。もうAVだな…。
「もう!何なのよアンタ!!そうよ!私は昔っからカワイイ男が好きなのよ!童貞?大好物よ!私の体で初体験なんて興奮しかないわ!それに初めてだとすぐSEXの虜になって何度でも求めて来るのよ?優越感しかないじゃない。譲と付き合ってSEXするようになってからは自重したのよ?けど、結局物足りなくなって、クラブに行って好みの子を見つけてお持ち帰りしたわ。一度すると、体が疼いて毎日のようにクラブに通っていたわ。まさか、ビッチと思われていたとわ知らなかったけど…」
「いや、めっちゃビッチじゃん!」
「…で、俺の出張の時はここをホテル代わりにしてたのか?」
「ええ。ホテル代もバカにならないじゃない?ここならベッドも大きいし、部屋も綺麗だし。何より、立派なマンション住まいで尊敬の目で見られていい気分になるのよ、ここ」
開き直ったエミリの言い分に、呆れて言葉が出てこない…。俺はこんな女を愛していたのか?今まで気が付かなかった自分の鈍感さを呪いたい…。
「はぁ…。もういい、耳障りだ。さっさと鍵を置いてここから出て行ってくれないか」
「ゆ、譲!ごめんなさい!もうしないから!」
「いや、そういう次元じゃないよ。もう生理的に無理。それに、俺は好みじゃないんだろ?顔もSEXも」
「あっ……」
今更自分が暴露した話に気が付いたのか、エミリは項垂れたまま動かなくなった。
「羽柴ぁ~鍵ってこれ~?」
「ん?ああ、それだ」
「じゃ、これ外してぇ~っと。あ、エミリちゃん、指貸してね~」
そう言って、神宮寺はエミリの指をスマホに当ててそのスマホを操作する。
「はい、返すね~。羽柴に関する事、全部消したから。もう羽柴に関わらないでね~!(羽柴の前に現れたら、俺何するかわかんないよ?)」
「ひっ…!」
口元は弧を描き、口調は呑気な感じだが、神宮寺の目は全く笑っていなかった。その目を見て、エミリは青を通り越して白い顔をしてスマホを震える手で受け取ると、鞄を掴み這うようにして家から出て行った。
「無事に別れられて良かったね、羽柴!」
「あ、ああ…」
何か、かなり色んなとこ抉られた気がするけどな…。安堵と疲れでソファーにもたれて大きな溜息を一つつくと、神宮寺の顔が目の前に現れた。いや、近いって…。
「俺、役に立った?」
「ああ、ずいぶん助かったよ。ありがとな」
「良かった~!口出しし過ぎて怒られるかと思った」
あ、自覚はあったんだ。
「…不満があったのなら言ってくれれば別れ…」
「違うの!」
エミリは、急に顔を上げ俺の足にしがみ付いた。
「譲に不満なんて無いわ!最高の結婚相手よ!」
(最高の結婚相手…?)
確かに、付き合って2年だし、このままいけば結婚するだろうと思ってはいたが、その言葉に妙な引っ掛かりを感じた。
「そっか~。結婚相手としては最高でも、エミリちゃんの好みではなかったんだね!顔もSEXも!」
「…っ!」
今度は、顔を真っ赤にして神宮寺を睨むエミリ。
「白状しちゃいなよ~。カワイイ系の男との激しいSEXが好きだって!あ、童貞好きも足しとく?」
「…神宮寺、それは本当か?」
「うん!これ見て。エミリちゃんのウ・ラ・ア・カ!」
神宮寺に見せられた画面は、数年前から投稿されているらしく、お持ち帰り自慢と卑猥な写真が日々アップされていた。中でも、童貞とSEXした日は動画が投稿されていた。もうAVだな…。
「もう!何なのよアンタ!!そうよ!私は昔っからカワイイ男が好きなのよ!童貞?大好物よ!私の体で初体験なんて興奮しかないわ!それに初めてだとすぐSEXの虜になって何度でも求めて来るのよ?優越感しかないじゃない。譲と付き合ってSEXするようになってからは自重したのよ?けど、結局物足りなくなって、クラブに行って好みの子を見つけてお持ち帰りしたわ。一度すると、体が疼いて毎日のようにクラブに通っていたわ。まさか、ビッチと思われていたとわ知らなかったけど…」
「いや、めっちゃビッチじゃん!」
「…で、俺の出張の時はここをホテル代わりにしてたのか?」
「ええ。ホテル代もバカにならないじゃない?ここならベッドも大きいし、部屋も綺麗だし。何より、立派なマンション住まいで尊敬の目で見られていい気分になるのよ、ここ」
開き直ったエミリの言い分に、呆れて言葉が出てこない…。俺はこんな女を愛していたのか?今まで気が付かなかった自分の鈍感さを呪いたい…。
「はぁ…。もういい、耳障りだ。さっさと鍵を置いてここから出て行ってくれないか」
「ゆ、譲!ごめんなさい!もうしないから!」
「いや、そういう次元じゃないよ。もう生理的に無理。それに、俺は好みじゃないんだろ?顔もSEXも」
「あっ……」
今更自分が暴露した話に気が付いたのか、エミリは項垂れたまま動かなくなった。
「羽柴ぁ~鍵ってこれ~?」
「ん?ああ、それだ」
「じゃ、これ外してぇ~っと。あ、エミリちゃん、指貸してね~」
そう言って、神宮寺はエミリの指をスマホに当ててそのスマホを操作する。
「はい、返すね~。羽柴に関する事、全部消したから。もう羽柴に関わらないでね~!(羽柴の前に現れたら、俺何するかわかんないよ?)」
「ひっ…!」
口元は弧を描き、口調は呑気な感じだが、神宮寺の目は全く笑っていなかった。その目を見て、エミリは青を通り越して白い顔をしてスマホを震える手で受け取ると、鞄を掴み這うようにして家から出て行った。
「無事に別れられて良かったね、羽柴!」
「あ、ああ…」
何か、かなり色んなとこ抉られた気がするけどな…。安堵と疲れでソファーにもたれて大きな溜息を一つつくと、神宮寺の顔が目の前に現れた。いや、近いって…。
「俺、役に立った?」
「ああ、ずいぶん助かったよ。ありがとな」
「良かった~!口出しし過ぎて怒られるかと思った」
あ、自覚はあったんだ。
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