41 / 75
視察⑥ フクロウ
しおりを挟む
スラムのボスはさっき人攫いとして、とっちめたフクロウという男だった。
「ボス!遅かったですが、何か問題でもありましたか?」
さっき僕達に外で待ってるように言った男が問いかける。
問題はあったわけだけど、なんて答えるのか?
「問題が発生した。いや、問題しかない。すぐに幹部を集めろ!……なんだこいつらは?」
「賊に金を盗まれて寝る所がないそうです。それでここに寝るかもしれないから、ボスに挨拶に来ました」
「今はそれどころではない。勝手にしろ」
流石に幹部の人との会議に参加するわけにはいかないから、ズラかるとしよう。
このスラムのボスが誰かわかっただけで、今は十分な収穫だ。
「何かお困り事でしょうか?私達でよければ相談に乗りますよ」
僕はそう思っていたけど、シトリーが口を開いた。
確かに会話はシトリーに任せたけど、今はそうじゃない。
多分、僕も会議に混ざれるようにしてくれようとしてるんだと思うけど……。
「お前らには関係ない」
実際には関係大ありだけど、今は帰ろう。
僕はシトリーに目配せする。
「先程、向こうに住んでいる方に親切にしてもらいました。困っている時は助け合いです。先程助けて頂きましたので、今度は私達があなた達の手助けをしたいです。お金はありませんが、物資なら多少持ってます。困ってる理由だけでも話してください」
僕の目配せは違う風に捉えられてしまったようだ。
「……時間がもったいない。聞きたいなら勝手にしろ。ただし、聞いたら後悔することになるぞ」
「わかりました。勝手に付いて行きます」
フクロウさんはシトリーの圧に負けたのか、同行することを許した。
なってしまったものは仕方ない。
なるようになるだろう。
フクロウさんと一緒に建物の中に入り、しばらくして4人入ってきた。
1人は初めにここにいて、幹部を呼びに行った人だ。
「ボス、そいつらは?」
入ってきた内の1人が僕達のことを聞く。
「俺達に協力したいそうだ。無視したかったが、今は時間がない。無視して構わない」
フクロウさんは勝手にしろと言ったけど、いないものとして扱うつもりのようだ。
話だけ聞く分にはちょうどいいな。
傍観者になろう。
「まず今日あったことを話す。心して聞け」
フクロウさんは、先程起きた事を幹部の方達に説明する。
少し驚いたのは、フクロウさんがシトリーを少し捉えていたことだ。
子供くらいで多分女だと言っていた。
それでもギリギリ容姿を捉えた程度で、ここにいる女の子が当人だとは気付いていない。
それから、まだ自身の財力が盗まれたことには気付いていないようだ。
起きた時には半裸にされていたと話している。
「もちろんやり返しにいくんですよね?」
幹部の1人がフクロウさんに言う。
「いや、言われた通り監禁している奴らを解放する」
フクロウさんはちゃんと約束を守るつもりのようだ。
「ボス!!?」
予想と異なる答えに幹部達は驚きを隠せないようだ。
「何故ですか!?油断しただけですよね?ボスが負けるなんて信じられません」
フクロウさんはそれ程の強者だったのだろうか?
「あれはヤバい。命がいくらあっても足りない。あれともう一度対峙するくらいなら、樹海に入った方がマシだ」
フクロウさんが怯えながら言った。
あの時、そんな素振りは見せなかったのに……。
「そんなにその男はヤバかったんですか?」
お腹を蹴飛ばしはしたけど、そこまで怯えさせるようなことをしたかなぁ。
「違う!俺に話しかけていた男じゃない。多分最初に襲ってきた女の方だ。生きた心地がしなかった。俺のスキルは当たりだとずっと思っていた。大ハズレだったよ。こんなスキルがなければあんなバケモノがいるなんて知らずに済んだ」
フクロウさんは生きた心地がしなかったと言っていたけど、あの時は結構冷静に見えたけどなぁ……。
「すみません。ボスのスキルとは何でしょうか?」
シトリーが場の空気を読まずに聞いた。
確かに僕も気になったけど……。
「……そういうわけだから、監禁している奴らを解放するのは決定だ。これまで生きる為に悪事に手を染めてきた。だが、死ぬのが確定しているようなことをするのはリスクでもなんでもない。ただの自殺だ」
シトリーは無視されてしまった。
無視するように言ってはいたけど……。
「ボスのスキルが知りたいです」
シトリーは強い子。このくらいでは諦めないようだ。
大丈夫だから、そんなに私に任せて下さいみたいな視線を送らないで……。
「……気配察知と鎮静化だ。気配察知は五感に頼らず周りの気配を感知する。鎮静化は心を冷静にする。普通は昂り、荒ぶった相手に使うスキルだが、今回は自身に使った。他にもスキルは使えるが今回のことには関係ないものだ。わかったら少し黙っててくれ」
フクロウさんがイラつきながら言った。
なるほど、気配察知のスキルでシトリーの力を感じてしまい恐怖したけど、鎮静化のスキルで恐怖から強制的に脱したと……。
「丁寧にありがとうございます」
シトリーがお礼を言う。
これに対してさらにフクロウさんがイラついた気がするけど、気づかなかったことにしよう。
「そうなると、これからどうやって生活していくんですか?ここにはガキもたくさんいますよ」
フクロウさんはスラムに住む人達の為にあんなことをしていたのか?
「蓄えはまだある。あいつは悪事から足を洗って真っ当に生きろと言いやがった。悪事は許さないらしい。お前らには悪いが、俺はあの女にもう会いたくない。悪事を働いたらあの女が現れると思うだけで、震えが止まらなくなる。やり方は蓄えが無くなるまでに考える。真っ当じゃなくても、悪事以外で金を稼ぐ方法を考えるつもりだ」
フクロウさんは震えながら言った。
これはシトリーのことを思い出して震えているのか、それとも自分の不甲斐なさを嘆いているのか……。
「俺達はボスに一生ついて行きます。ボスが悪事から足を洗うと決めたなら、俺達も足を洗います。どうやって金を稼ぐか考えましょう」
「ああ。ありがとう」
いい話だなぁ。
この人達にこんな厚い信頼関係があったなんて……。
「それで蓄えはどのくらいあるんですか?どのくらいなら生活出来ますか?」
「確認する………………無い!え?あ、え?」
「どうしたんですか?」
「収納に入れていた貨幣が全てなくなっている。宝石もだ……落ち着け。こんなこともあろうかと、こっちに隠して分けてある」
フクロウさんが、部屋の隅の方に歩いて行き棚をズラす。
棚の下には小さな空間があった。
そこには……
「……なんでだ!」
何もなかった。本当は貨幣とか貴金属類が隠してあったのだろう。
フクロウさんが絶望して、膝をつく。
全て僕の収納に入っているのだろう。
やったこと自体は許させることではないけど、この人達は根っからの悪人というわけではなさそうだ。
盗んだものを返してあげたいけど、お金は持ってないことになってるし、貴金属類を返したら盗んだのが僕だとバレる。
「……蓄えが無い。金は全て俺が管理してここの奴らの為に使っていた。だから皆を飢えさせてしまう。すまない!」
フクロウさんが膝をついたまま手をつく。
フクロウさんがスラムのお金を全て管理していた結果、僕はスラムの人全員の生活費を盗んでしまったらしい。
幹部の人達も、土下座姿のフクロウさんを見て、なんて声を掛ければいいのかわからない様子だ。
「私達の出番ですね」
シトリーが静まりかえった空間の中、声を上げる。
「……。」
フクロウさんは何も言わずに顔だけをシトリーの方に向けた。
「お金はありませんが物資は持ってます。どうぞ使ってください」
シトリーが机の上に食料を置く。
何人で分けるかは分からないけど、視察ついでに色々と気になる物を買っていたので、結構量はある。
「……もらっていいのか?」
「もらって下さい」
シトリーがいいですよね?と視線で聞いてくるので、僕はシトリーの頭を撫でる。
「助かる。これで数日はもつだろう。……3日だ。3日で金を稼ぐ。お前ら!無い頭を回せ!どうすれば金がすぐに手に入るか考えろ!これが最後のチャンスだ」
フクロウさんが復活して、士気を上げる。
なんとかなりそうだ。
「ボス!遅かったですが、何か問題でもありましたか?」
さっき僕達に外で待ってるように言った男が問いかける。
問題はあったわけだけど、なんて答えるのか?
「問題が発生した。いや、問題しかない。すぐに幹部を集めろ!……なんだこいつらは?」
「賊に金を盗まれて寝る所がないそうです。それでここに寝るかもしれないから、ボスに挨拶に来ました」
「今はそれどころではない。勝手にしろ」
流石に幹部の人との会議に参加するわけにはいかないから、ズラかるとしよう。
このスラムのボスが誰かわかっただけで、今は十分な収穫だ。
「何かお困り事でしょうか?私達でよければ相談に乗りますよ」
僕はそう思っていたけど、シトリーが口を開いた。
確かに会話はシトリーに任せたけど、今はそうじゃない。
多分、僕も会議に混ざれるようにしてくれようとしてるんだと思うけど……。
「お前らには関係ない」
実際には関係大ありだけど、今は帰ろう。
僕はシトリーに目配せする。
「先程、向こうに住んでいる方に親切にしてもらいました。困っている時は助け合いです。先程助けて頂きましたので、今度は私達があなた達の手助けをしたいです。お金はありませんが、物資なら多少持ってます。困ってる理由だけでも話してください」
僕の目配せは違う風に捉えられてしまったようだ。
「……時間がもったいない。聞きたいなら勝手にしろ。ただし、聞いたら後悔することになるぞ」
「わかりました。勝手に付いて行きます」
フクロウさんはシトリーの圧に負けたのか、同行することを許した。
なってしまったものは仕方ない。
なるようになるだろう。
フクロウさんと一緒に建物の中に入り、しばらくして4人入ってきた。
1人は初めにここにいて、幹部を呼びに行った人だ。
「ボス、そいつらは?」
入ってきた内の1人が僕達のことを聞く。
「俺達に協力したいそうだ。無視したかったが、今は時間がない。無視して構わない」
フクロウさんは勝手にしろと言ったけど、いないものとして扱うつもりのようだ。
話だけ聞く分にはちょうどいいな。
傍観者になろう。
「まず今日あったことを話す。心して聞け」
フクロウさんは、先程起きた事を幹部の方達に説明する。
少し驚いたのは、フクロウさんがシトリーを少し捉えていたことだ。
子供くらいで多分女だと言っていた。
それでもギリギリ容姿を捉えた程度で、ここにいる女の子が当人だとは気付いていない。
それから、まだ自身の財力が盗まれたことには気付いていないようだ。
起きた時には半裸にされていたと話している。
「もちろんやり返しにいくんですよね?」
幹部の1人がフクロウさんに言う。
「いや、言われた通り監禁している奴らを解放する」
フクロウさんはちゃんと約束を守るつもりのようだ。
「ボス!!?」
予想と異なる答えに幹部達は驚きを隠せないようだ。
「何故ですか!?油断しただけですよね?ボスが負けるなんて信じられません」
フクロウさんはそれ程の強者だったのだろうか?
「あれはヤバい。命がいくらあっても足りない。あれともう一度対峙するくらいなら、樹海に入った方がマシだ」
フクロウさんが怯えながら言った。
あの時、そんな素振りは見せなかったのに……。
「そんなにその男はヤバかったんですか?」
お腹を蹴飛ばしはしたけど、そこまで怯えさせるようなことをしたかなぁ。
「違う!俺に話しかけていた男じゃない。多分最初に襲ってきた女の方だ。生きた心地がしなかった。俺のスキルは当たりだとずっと思っていた。大ハズレだったよ。こんなスキルがなければあんなバケモノがいるなんて知らずに済んだ」
フクロウさんは生きた心地がしなかったと言っていたけど、あの時は結構冷静に見えたけどなぁ……。
「すみません。ボスのスキルとは何でしょうか?」
シトリーが場の空気を読まずに聞いた。
確かに僕も気になったけど……。
「……そういうわけだから、監禁している奴らを解放するのは決定だ。これまで生きる為に悪事に手を染めてきた。だが、死ぬのが確定しているようなことをするのはリスクでもなんでもない。ただの自殺だ」
シトリーは無視されてしまった。
無視するように言ってはいたけど……。
「ボスのスキルが知りたいです」
シトリーは強い子。このくらいでは諦めないようだ。
大丈夫だから、そんなに私に任せて下さいみたいな視線を送らないで……。
「……気配察知と鎮静化だ。気配察知は五感に頼らず周りの気配を感知する。鎮静化は心を冷静にする。普通は昂り、荒ぶった相手に使うスキルだが、今回は自身に使った。他にもスキルは使えるが今回のことには関係ないものだ。わかったら少し黙っててくれ」
フクロウさんがイラつきながら言った。
なるほど、気配察知のスキルでシトリーの力を感じてしまい恐怖したけど、鎮静化のスキルで恐怖から強制的に脱したと……。
「丁寧にありがとうございます」
シトリーがお礼を言う。
これに対してさらにフクロウさんがイラついた気がするけど、気づかなかったことにしよう。
「そうなると、これからどうやって生活していくんですか?ここにはガキもたくさんいますよ」
フクロウさんはスラムに住む人達の為にあんなことをしていたのか?
「蓄えはまだある。あいつは悪事から足を洗って真っ当に生きろと言いやがった。悪事は許さないらしい。お前らには悪いが、俺はあの女にもう会いたくない。悪事を働いたらあの女が現れると思うだけで、震えが止まらなくなる。やり方は蓄えが無くなるまでに考える。真っ当じゃなくても、悪事以外で金を稼ぐ方法を考えるつもりだ」
フクロウさんは震えながら言った。
これはシトリーのことを思い出して震えているのか、それとも自分の不甲斐なさを嘆いているのか……。
「俺達はボスに一生ついて行きます。ボスが悪事から足を洗うと決めたなら、俺達も足を洗います。どうやって金を稼ぐか考えましょう」
「ああ。ありがとう」
いい話だなぁ。
この人達にこんな厚い信頼関係があったなんて……。
「それで蓄えはどのくらいあるんですか?どのくらいなら生活出来ますか?」
「確認する………………無い!え?あ、え?」
「どうしたんですか?」
「収納に入れていた貨幣が全てなくなっている。宝石もだ……落ち着け。こんなこともあろうかと、こっちに隠して分けてある」
フクロウさんが、部屋の隅の方に歩いて行き棚をズラす。
棚の下には小さな空間があった。
そこには……
「……なんでだ!」
何もなかった。本当は貨幣とか貴金属類が隠してあったのだろう。
フクロウさんが絶望して、膝をつく。
全て僕の収納に入っているのだろう。
やったこと自体は許させることではないけど、この人達は根っからの悪人というわけではなさそうだ。
盗んだものを返してあげたいけど、お金は持ってないことになってるし、貴金属類を返したら盗んだのが僕だとバレる。
「……蓄えが無い。金は全て俺が管理してここの奴らの為に使っていた。だから皆を飢えさせてしまう。すまない!」
フクロウさんが膝をついたまま手をつく。
フクロウさんがスラムのお金を全て管理していた結果、僕はスラムの人全員の生活費を盗んでしまったらしい。
幹部の人達も、土下座姿のフクロウさんを見て、なんて声を掛ければいいのかわからない様子だ。
「私達の出番ですね」
シトリーが静まりかえった空間の中、声を上げる。
「……。」
フクロウさんは何も言わずに顔だけをシトリーの方に向けた。
「お金はありませんが物資は持ってます。どうぞ使ってください」
シトリーが机の上に食料を置く。
何人で分けるかは分からないけど、視察ついでに色々と気になる物を買っていたので、結構量はある。
「……もらっていいのか?」
「もらって下さい」
シトリーがいいですよね?と視線で聞いてくるので、僕はシトリーの頭を撫でる。
「助かる。これで数日はもつだろう。……3日だ。3日で金を稼ぐ。お前ら!無い頭を回せ!どうすれば金がすぐに手に入るか考えろ!これが最後のチャンスだ」
フクロウさんが復活して、士気を上げる。
なんとかなりそうだ。
0
お気に入りに追加
83
あなたにおすすめの小説
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
チートを極めた空間魔術師 ~空間魔法でチートライフ~
てばくん
ファンタジー
ひょんなことから神様の部屋へと呼び出された新海 勇人(しんかい はやと)。
そこで空間魔法のロマンに惹かれて雑魚職の空間魔術師となる。
転生間際に盗んだ神の本と、神からの経験値チートで魔力オバケになる。
そんな冴えない主人公のお話。
-お気に入り登録、感想お願いします!!全てモチベーションになります-
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
無能スキルと言われ追放されたが実は防御無視の最強スキルだった
さくらはい
ファンタジー
主人公の不動颯太は勇者としてクラスメイト達と共に異世界に召喚された。だが、【アスポート】という使えないスキルを獲得してしまったばかりに、一人だけ城を追放されてしまった。この【アスポート】は対象物を1mだけ瞬間移動させるという単純な効果を持つが、実はどんな物質でも一撃で破壊できる攻撃特化超火力スキルだったのだ――
【不定期更新】
1話あたり2000~3000文字くらいで短めです。
性的な表現はありませんが、ややグロテスクな表現や過激な思想が含まれます。
良ければ感想ください。誤字脱字誤用報告も歓迎です。
【創造魔法】を覚えて、万能で最強になりました。 クラスから追放した奴らは、そこらへんの草でも食ってろ!
久乃川あずき(桑野和明)
ファンタジー
次世代ファンタジーカップ『面白スキル賞』受賞しました。
2022年9月20日より、コミカライズ連載開始です(アルファポリスのサイトで読めます)
単行本は現在2巻まで出ています。
高校二年の水沢優樹は、不思議な地震に巻き込まれ、クラスメイト三十五人といっしょに異世界に転移してしまう。
三ヶ月後、ケガをした優樹は、クラスメイトから役立たずと言われて追放される。
絶望的な状況だったが、ふとしたきっかけで、【創造魔法】が使えるようになる。
【創造魔法】は素材さえあれば、どんなものでも作ることができる究極の魔法で、優樹は幼馴染みの由那と快適な暮らしを始める。
一方、優樹を追放したクラスメイトたちは、木の実や野草を食べて、ぎりぎりの生活をしていた。優樹が元の世界の食べ物を魔法で作れることを知り、追放を撤回しようとするが、その判断は遅かった。
優樹は自分を追放したクラスメイトたちを助ける気などなくなっていた。
あいつらは、そこらへんの草でも食ってればいいんだ。
異世界で活躍する優樹と悲惨な展開になるクラスメイトたちの物語です。
異世界に転生したので裏社会から支配する
Jaja
ファンタジー
スラムの路地で、ひもじい思いをしていた一人の少年。
「あれぇ? 俺、転生してるじゃん」
殴られた衝撃で前世の記憶を思い出した少年。
異世界転生だと浮かれていたが、現在の状況は良くなかった。
「王道に従って冒険者からの立身出世を目指すか…。それとも…」
そして何を思ったか、少年は裏社会から異世界でのし上がって行く事を決意する。
「マフィアとかギャングのボスってカッコいいよね!」
これは異世界に転生した少年が唯一無二の能力を授かり、仲間と共に裏社会から異世界を支配していくお話。
※この作品はカクヨム様にも更新しています。
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる