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獣人編
逃亡者、放任する
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策なんてない。
僕が考えていたのは獣人の立場を上げること
その為にクランを立ち上げた
フィルとフェンをこの街で一番レベルを高くして、無視できない存在にした上でだ
そもそも、僕は商業ギルドの事をよく知らない。
これから先の事を、この街から出て行く人間が決めるのは良くないと思う。
まあ、もう十分引っ掻き回してしまったとは思うけど。
だから、商業ギルドを潰す準備はしたけど、実際に沙汰を下すのは獣人の方がいい。
そうクルトに説明した
「それはズルくないかな?」
クルトから非難を受ける
「言いたい事はわかるよ。でもこれは今まで苦しんできた獣人の人たちが決める事だよ。この後も手は貸すけど決断はしないよ。獣人側が有利な舞台は整えたからね。後は見守るだけだよ」
「一応、ハイトの考えはわかったよ。それでもズルいとは思うけどね」
それは自分でもわかってるよ
「とりあえず、僕たちもボルグさんの後を追おうか?そろそろ捕まえた頃じゃないかな?」
「……そうだね」
僕とクルトがスラムの方へ歩いて行くと途中でフェンが男を取り押さえていた
横にはフィルとボルグさんがいる
フェンは僕を見つけて褒めて欲しそうな顔をする
「フェン、なんでここにいるの?」
僕は心を鬼にする
「えっ?」
フェンは困惑している
「フィルはフェンのこと知ってたの?」
「知りませんでした。私が来た時にはもうこの状況で……」
「それで、フェンには何か言ったの?」
「状況を聞いて、ボルグさんを助けてたから褒めました……」
フィルは僕が言いたい事に気づいたようだ
「フェン、僕たちがいなかったらこの後どうするつもりだったの?」
「え……それは……。衛兵さんに渡そうと……」
「本当に?」
「なにも考えてなかったです」
「ボルグさんを助けたのはいい事だよ。それは良くやったよ。でも、お姉ちゃんかクルトに一言言うくらいの時間はあったはずだよ。それに、衛兵の中にも獣人のことをよく思ってない人いるよね?」
「ごめんなさい」
「次からは気をつけるんだよ」
俯いたフェンのアタマを撫でる
「フィル、この後はどうする?」
「…この人を衛兵さんのところに連れて行こうと思います。」
「わかった」
ここはフィルの判断に任せよう
「いや、衛兵には僕が連れて行くよ。何人かの衛兵の人とは付き合いが長いからね」
クルトが男を連れて行こうとする
「いいのか?」
僕はクルトにだけ聞こえるように聞く
「はい。汚れ役は僕が引き受けますよ。フィルちゃんにまだキレイな心のまま居てもらいたいですからね」
「ありがとう」
クルトは男を連れて詰所とは少し違う方向へ歩いていった
「あの、お願いがあるんですが…」
フィルが僕に頼み事なんて珍しいな
「なに?」
「ボルグさん達を屋敷に住まわせてはダメですか?」
「フィルの好きなようにすればいいよ。あの屋敷はフィルにあげたんだからね。サラさんにはちゃんと説明するんだよ」
「そう言われましたけど、私は借りているつもりです」
「僕とミアの部屋だけ残しておいてくれれば後は好きに使っていいよ。もったいないからね」
「ありがとうございます。それじゃあ、これからボルグさんの住まいに行って息子さんを迎えに行きましょう。ボルグさんもそれで良いですか?」
「そこまでしてもらっていいのか?俺はこの仕事を受けた時、危険を承知で受けた。だから何かあったとしても感謝こそすれ、恨みはしないぞ?」
「いいんです。それに私はボルグさんに何かあったら悲しいですよ」
「ありがとう」
その後、ボルグさんの息子も連れて屋敷に戻ってきた。
サラさんに食事が2人分増えた事を伝えてダイニングに集まる
食事も終わってゆっくりとしているとクルトがやってきた
「明日、商業ギルドのマスターが話をしたいそうです」
「なんか展開が早くないか?」
「いえ、さっきの男を衛兵に連れていったら商業ギルドの命令でボルグさんを襲おうとしたって言ってたので、商業ギルドに話を聞きに行ったんですよ。そしたら話をしたいから明日時間が欲しいと言われました。どうしますか?」
実際は尋問したのだろう
「………」
「フィル、聞かれてるよ」
「え、私ですか?」
「違うのか?」
僕はクルトに確認する
「あってますよ。僕のリーダーはフィルちゃんです」
「…わかりました。明日会いましょう。でも、話し合いにはハイトさんとクルトさんも参加してもらえませんか?」
「もちろんだよ」
クルトは即答する
「僕は基本見てるだけだよ。それでいいならね」
僕は傍観を宣言する
「…わかりました。それでお願いします」
「時間はどうする?昼頃でいいかな?」
「そうしましょう。3の鐘がなる頃で」
「わかった。相手にも伝えてから帰るとするよ」
「お願いします」
クルトは帰っていった
「ボルグさん、明日は私は一緒に行けなくなりましたので何かあれはフェンとエクリプスの方を頼ってください。ミアちゃんもお願いね」
「わかりました。明日も期待に答えれるように頑張ります」
「無理しないようにしてくださいね」
「ハイトさん、明日のことで相談があるんですが…」
「なに?」
「私はどうしたらいいでしょうか?クルトさんが商業ギルドを潰そうとしているのは知っています。私も憎んでいます。でも相手のことをよく知らないのに力で押さえつけていいのかどうかわかりません」
「フィルの好きにするといいよ」
「え、」
「後悔しないように悩んだ方がいいよ」
僕はそれだけ言って部屋にもどりベットに横になる
部屋にミアが入ってくる
「お兄ちゃん、ちょっと冷たすぎるんじゃないの?」
「うん、わかってるんだけどね。でもこの決断はフィルがした方がいいよ。僕達がいなくなってからもフィル達は、この街で戦い続けるんだから。商業ギルドを潰しても、許してもそれは同じだよ」
「うん、それはわかってるよけど、もう少し言い方があったと思うよ。フィルちゃん可哀想」
「それは反省するよ」
「お兄ちゃんは不器用だからね…」
「器用に生きれたらいいんだけどね…僕には無理そうだよ」
「……明日はこっちの事は任せといてね」
「うん、お願いね。頼りにしてる」
僕が考えていたのは獣人の立場を上げること
その為にクランを立ち上げた
フィルとフェンをこの街で一番レベルを高くして、無視できない存在にした上でだ
そもそも、僕は商業ギルドの事をよく知らない。
これから先の事を、この街から出て行く人間が決めるのは良くないと思う。
まあ、もう十分引っ掻き回してしまったとは思うけど。
だから、商業ギルドを潰す準備はしたけど、実際に沙汰を下すのは獣人の方がいい。
そうクルトに説明した
「それはズルくないかな?」
クルトから非難を受ける
「言いたい事はわかるよ。でもこれは今まで苦しんできた獣人の人たちが決める事だよ。この後も手は貸すけど決断はしないよ。獣人側が有利な舞台は整えたからね。後は見守るだけだよ」
「一応、ハイトの考えはわかったよ。それでもズルいとは思うけどね」
それは自分でもわかってるよ
「とりあえず、僕たちもボルグさんの後を追おうか?そろそろ捕まえた頃じゃないかな?」
「……そうだね」
僕とクルトがスラムの方へ歩いて行くと途中でフェンが男を取り押さえていた
横にはフィルとボルグさんがいる
フェンは僕を見つけて褒めて欲しそうな顔をする
「フェン、なんでここにいるの?」
僕は心を鬼にする
「えっ?」
フェンは困惑している
「フィルはフェンのこと知ってたの?」
「知りませんでした。私が来た時にはもうこの状況で……」
「それで、フェンには何か言ったの?」
「状況を聞いて、ボルグさんを助けてたから褒めました……」
フィルは僕が言いたい事に気づいたようだ
「フェン、僕たちがいなかったらこの後どうするつもりだったの?」
「え……それは……。衛兵さんに渡そうと……」
「本当に?」
「なにも考えてなかったです」
「ボルグさんを助けたのはいい事だよ。それは良くやったよ。でも、お姉ちゃんかクルトに一言言うくらいの時間はあったはずだよ。それに、衛兵の中にも獣人のことをよく思ってない人いるよね?」
「ごめんなさい」
「次からは気をつけるんだよ」
俯いたフェンのアタマを撫でる
「フィル、この後はどうする?」
「…この人を衛兵さんのところに連れて行こうと思います。」
「わかった」
ここはフィルの判断に任せよう
「いや、衛兵には僕が連れて行くよ。何人かの衛兵の人とは付き合いが長いからね」
クルトが男を連れて行こうとする
「いいのか?」
僕はクルトにだけ聞こえるように聞く
「はい。汚れ役は僕が引き受けますよ。フィルちゃんにまだキレイな心のまま居てもらいたいですからね」
「ありがとう」
クルトは男を連れて詰所とは少し違う方向へ歩いていった
「あの、お願いがあるんですが…」
フィルが僕に頼み事なんて珍しいな
「なに?」
「ボルグさん達を屋敷に住まわせてはダメですか?」
「フィルの好きなようにすればいいよ。あの屋敷はフィルにあげたんだからね。サラさんにはちゃんと説明するんだよ」
「そう言われましたけど、私は借りているつもりです」
「僕とミアの部屋だけ残しておいてくれれば後は好きに使っていいよ。もったいないからね」
「ありがとうございます。それじゃあ、これからボルグさんの住まいに行って息子さんを迎えに行きましょう。ボルグさんもそれで良いですか?」
「そこまでしてもらっていいのか?俺はこの仕事を受けた時、危険を承知で受けた。だから何かあったとしても感謝こそすれ、恨みはしないぞ?」
「いいんです。それに私はボルグさんに何かあったら悲しいですよ」
「ありがとう」
その後、ボルグさんの息子も連れて屋敷に戻ってきた。
サラさんに食事が2人分増えた事を伝えてダイニングに集まる
食事も終わってゆっくりとしているとクルトがやってきた
「明日、商業ギルドのマスターが話をしたいそうです」
「なんか展開が早くないか?」
「いえ、さっきの男を衛兵に連れていったら商業ギルドの命令でボルグさんを襲おうとしたって言ってたので、商業ギルドに話を聞きに行ったんですよ。そしたら話をしたいから明日時間が欲しいと言われました。どうしますか?」
実際は尋問したのだろう
「………」
「フィル、聞かれてるよ」
「え、私ですか?」
「違うのか?」
僕はクルトに確認する
「あってますよ。僕のリーダーはフィルちゃんです」
「…わかりました。明日会いましょう。でも、話し合いにはハイトさんとクルトさんも参加してもらえませんか?」
「もちろんだよ」
クルトは即答する
「僕は基本見てるだけだよ。それでいいならね」
僕は傍観を宣言する
「…わかりました。それでお願いします」
「時間はどうする?昼頃でいいかな?」
「そうしましょう。3の鐘がなる頃で」
「わかった。相手にも伝えてから帰るとするよ」
「お願いします」
クルトは帰っていった
「ボルグさん、明日は私は一緒に行けなくなりましたので何かあれはフェンとエクリプスの方を頼ってください。ミアちゃんもお願いね」
「わかりました。明日も期待に答えれるように頑張ります」
「無理しないようにしてくださいね」
「ハイトさん、明日のことで相談があるんですが…」
「なに?」
「私はどうしたらいいでしょうか?クルトさんが商業ギルドを潰そうとしているのは知っています。私も憎んでいます。でも相手のことをよく知らないのに力で押さえつけていいのかどうかわかりません」
「フィルの好きにするといいよ」
「え、」
「後悔しないように悩んだ方がいいよ」
僕はそれだけ言って部屋にもどりベットに横になる
部屋にミアが入ってくる
「お兄ちゃん、ちょっと冷たすぎるんじゃないの?」
「うん、わかってるんだけどね。でもこの決断はフィルがした方がいいよ。僕達がいなくなってからもフィル達は、この街で戦い続けるんだから。商業ギルドを潰しても、許してもそれは同じだよ」
「うん、それはわかってるよけど、もう少し言い方があったと思うよ。フィルちゃん可哀想」
「それは反省するよ」
「お兄ちゃんは不器用だからね…」
「器用に生きれたらいいんだけどね…僕には無理そうだよ」
「……明日はこっちの事は任せといてね」
「うん、お願いね。頼りにしてる」
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