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恩人
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スレッド君の誘いをやっぱり断ろうと返事をしようとしたところで、ロック君が話に入ってきた。
ロック君はアンジェと一緒にカムイ君のチームに入ったはずなのに、何故か1人だ。
「ロック君は1人なの?アンジェ達は?」
「簡単に5階層まで到達してしまったから、今は俺だけ別行動してる。エルクと同じで、俺がいたら訓練にならないからな。先生には言ってあるから、勝手なことをしているわけじゃないから安心してくれ」
ロック君にも、このダンジョンに仕掛けられたトラップは簡単すぎたようだ。
「アンジェ達がロック君抜きで再チャレンジしているのはわかったけど、ロック君は1人で何をしてるの?1人になったところで、簡単なものは簡単でしょ?」
「もう少し訓練し甲斐があるように、トラップを増やしている。踏んだら沼のように足がズッポリハマって転ぶだけのトラップだがな」
そう言って、ロック君は僕の目の前にトラップを仕掛けた。
どうやってかは知らないけど、急に目の前にトラップの反応が現れたので、ロック君が今トラップを仕掛けたのは間違いない。
「ここを踏んだら足が地面に埋まるの?」
「そうだな」
ロック君はトラップを見破られたことに対して、何も反応は見せない。
見破られると思っていたのかな。
「それで、さっき面白い話をしていただろ?俺にも聞かせてくれないか?」
「もちろんだよ。君にも話をするつもりだったからね」
※※※
「俺もパスだな。お前もだが、セレイユとかいうお前の姉も一番重要なことに気付いていない。ガラクというのが気付いているのか知らないが、次の皇帝を誰にするかというところで話が止まっているなら帝国に明るい未来はないな。ちなみに、王国の王子は気付いていた」
ロック君がスレッド君から話を聞いた後、なにやら厳しいことを言った。
ダイス君は気づいていると言ったということは、王国にも関係あることだと思うけど、何が問題なのか僕にはわからない。
「何が重要なのか教えてもらえないかな?」
スレッド君はお姉さんまでも侮辱されて悔しそうにしながらも、態度を変えずにロック君に答えを聞こうとする。
「今、帝国が王国に対して戦を止めないといけない流れになったのはなんでか考えたらわかるだろ?味方にしないといけないのはスキル屋だ。例えばスキル屋が帝国に見切りをつけ、皇帝の座を奪おうとしたとする。それを認めない貴族の領地に住む者に売ったスキルは回収すると言うだけで、帝国の各地で暴動が起きるだろう。結果、多数の貴族がスキル屋に皇帝の座を渡すべく動くだろうな。そのくらいスキルというのは重要なものだ。今まではスキルがある方が少数派だった。それが今は、一つではあるが、自分の欲しいスキルが手に入る。誰だってそれを失いたくない。つまり何が言いたいかというと、スキル屋が戦を望まない時点で、誰が次の皇帝になったところで戦にはならない。さっきはああ言ったが、お前の姉はスキル屋のことを分かった上で、王国と争わないという結論を出していると思うな。今それを言うと騒ぎが大きくなるだけだから公にしていないだけだろう」
「それは、もうこの世界はスキル屋に牛耳られているということではないか」
「スキル屋にその気があるのならな。お前の話に乗る気はないが、姉は紹介してくれよ。会って話たいことがある」
「……わかった。セレイユ姉さんに聞いてみる」
「エルク達はどうするんだ?」
「僕は遠慮しておくよ」
「私も」
内容がどうのというより、僕もお姉ちゃんも権力争いに関わりたくないのだ。
「それじゃあ俺は、トラップを仕掛けに戻るな。日程が決まったら教えてくれ」
ロック君は手を振ってダンジョンの奥へと歩いていった。
スキル屋か……。
確かに言われると、世界を操れそうな立ち位置にいると思うけど、戦を止めようとしてくれているみたいだし、あんまりスキル屋に牛耳られているって言われても悪いようには思えないなぁ。
スキルを与えることと、戦を止めることしかしてないみたいだし。
さて、スレッド君の足がずっと止まっているけど、どうしたらいいのかな。
まだ訓練の時間ではあるけど、訓練を再開するような空気じゃない。
「訓練を続けないなら地上に戻らない?訓練をする気がないなら、他のことをやりたいわ」
お姉ちゃんが勇気を出して言った。
僕も同意見だ。
やる気のない訓練に参加するなら自主訓練をしていた方がいい。
「……そうしようか」
スレッド君が答える。
僕達が断り、ロック君が想定を上回ることを言ったことで、意気消沈してしまっている。
「聖女様、私のお母さんに会ってもらえませんか?」
ダンジョンを引き返している最中に、コレットさんが言った。
お父さんを説得する前に、まずはお母さんを味方につけたいというところだろうか。
「理由を聞いてもいい?それから、さっきも言ったけど、聖女と呼ばれるのは好きじゃないの。初めみたいにエレナって呼んで欲しい」
「お母さんも改めてエ、エレナさんにお礼を言いたいと思うので……。よ、よかったら家に来てくれませんか?ご馳走させて下さい」
そういえば、お姉ちゃんが水の聖女だとわかった時にありがとうって言ってたけど、パニックになってただけじゃなかったのかな。
「私はコレットさんのお母さんに会ったことがあって、お礼を言われるようなことをしたの?」
「はい。1年位前にお母さんが王都で小さい女の子に命を救われたって言ってました。その後に、あれは水の聖女様だったと思うって」
「……わかったわ。私達の学院長先生に聞いてからになるけど、良いって言ったらお邪魔させてもらうわ」
「ありがとうございます!お母さんもきっと喜びます」
「エルクも一緒でいいかな?」
「もちろんです!」
僕も行くことになってしまった。
お姉ちゃんは1人で行きたくはなかったみたいだ。
その気持ちは僕もわかるので、文句は言わない。
学院長から周りには気を付けるに言われつつ、コレットさんの家に行く許可は出たので、放課後にコレットさんの家にお邪魔する。
「お母さん!水の聖女様が学院に留学しにきて、家に来てくれたよ」
コレットさんが興奮気味にお母さんに報告する。
「お久しぶりです。エレナです。こっちは弟のエルク。その後、体の調子はどうですか?」
お姉ちゃんが僕の紹介もしてくれたので、会釈する。
当然僕は知らない人だけど、お姉ちゃんはこの人を覚えているようだ。
「おかげでこうして生活出来ています。改めて、治療をしていただきありがとうございました。今日は娘が無理矢理連れてきたのでしょう?ごめんなさいね。私が娘に聖女様には感謝してもしきれない。今こうして一緒にいられるのは聖女様のおかげなのよ。と何度も話したせいで、聖女様のこととなると少し冷静さを欠いてしまうようになってしまって……」
コレットさんはお母さんが大好きなのだろう。
だから、お母さんを助けてくれたお姉ちゃんに強い憧れを抱いたみたいだ。
その気持ちは僕にもわかる。
お姉ちゃんを助けてくれたという話を聞いてから、僕も神父様に対して、感謝しても感謝しきれないほどの恩を感じている。
僕はその頃のことを覚えていないけど、実際に会う前に何度もその話を聞いていれば、神父様の存在が自分の感情を制御出来ないほどに大きくなっていたかもしれない。
「お姉ちゃんはコレットさんのお母さんをいつ助けたの?」
お姉ちゃんも覚えているみたいなので聞くことにする。
気になるからだ。
「王都の冒険者ギルドで男の人が叫んでいて、そこに血まみれで倒れていたのがこの人だよ。私が自分の力とどう向き合っていくか決めるきっかけになった時だからよく覚えてるの」
お姉ちゃんから状況を聞いてもよくわからない。
お姉ちゃんは怪我人を治しただけで、その背景は知らないだろうから仕方ない。
「お母さん。エレナさん達にご飯をご馳走する約束をしたんだけど、大丈夫だよね?」
「それじゃあ叔父さんの店に行こうか。お父さんを待ってると遅くなりすぎるから、先に行きましょう。酒場だけど、料理も美味しいからいいかしら?」
「ご馳走になります」
「コレットも何か話があるみたいだし、そこで聞かせてもらうわよ」
「うん」
ロック君はアンジェと一緒にカムイ君のチームに入ったはずなのに、何故か1人だ。
「ロック君は1人なの?アンジェ達は?」
「簡単に5階層まで到達してしまったから、今は俺だけ別行動してる。エルクと同じで、俺がいたら訓練にならないからな。先生には言ってあるから、勝手なことをしているわけじゃないから安心してくれ」
ロック君にも、このダンジョンに仕掛けられたトラップは簡単すぎたようだ。
「アンジェ達がロック君抜きで再チャレンジしているのはわかったけど、ロック君は1人で何をしてるの?1人になったところで、簡単なものは簡単でしょ?」
「もう少し訓練し甲斐があるように、トラップを増やしている。踏んだら沼のように足がズッポリハマって転ぶだけのトラップだがな」
そう言って、ロック君は僕の目の前にトラップを仕掛けた。
どうやってかは知らないけど、急に目の前にトラップの反応が現れたので、ロック君が今トラップを仕掛けたのは間違いない。
「ここを踏んだら足が地面に埋まるの?」
「そうだな」
ロック君はトラップを見破られたことに対して、何も反応は見せない。
見破られると思っていたのかな。
「それで、さっき面白い話をしていただろ?俺にも聞かせてくれないか?」
「もちろんだよ。君にも話をするつもりだったからね」
※※※
「俺もパスだな。お前もだが、セレイユとかいうお前の姉も一番重要なことに気付いていない。ガラクというのが気付いているのか知らないが、次の皇帝を誰にするかというところで話が止まっているなら帝国に明るい未来はないな。ちなみに、王国の王子は気付いていた」
ロック君がスレッド君から話を聞いた後、なにやら厳しいことを言った。
ダイス君は気づいていると言ったということは、王国にも関係あることだと思うけど、何が問題なのか僕にはわからない。
「何が重要なのか教えてもらえないかな?」
スレッド君はお姉さんまでも侮辱されて悔しそうにしながらも、態度を変えずにロック君に答えを聞こうとする。
「今、帝国が王国に対して戦を止めないといけない流れになったのはなんでか考えたらわかるだろ?味方にしないといけないのはスキル屋だ。例えばスキル屋が帝国に見切りをつけ、皇帝の座を奪おうとしたとする。それを認めない貴族の領地に住む者に売ったスキルは回収すると言うだけで、帝国の各地で暴動が起きるだろう。結果、多数の貴族がスキル屋に皇帝の座を渡すべく動くだろうな。そのくらいスキルというのは重要なものだ。今まではスキルがある方が少数派だった。それが今は、一つではあるが、自分の欲しいスキルが手に入る。誰だってそれを失いたくない。つまり何が言いたいかというと、スキル屋が戦を望まない時点で、誰が次の皇帝になったところで戦にはならない。さっきはああ言ったが、お前の姉はスキル屋のことを分かった上で、王国と争わないという結論を出していると思うな。今それを言うと騒ぎが大きくなるだけだから公にしていないだけだろう」
「それは、もうこの世界はスキル屋に牛耳られているということではないか」
「スキル屋にその気があるのならな。お前の話に乗る気はないが、姉は紹介してくれよ。会って話たいことがある」
「……わかった。セレイユ姉さんに聞いてみる」
「エルク達はどうするんだ?」
「僕は遠慮しておくよ」
「私も」
内容がどうのというより、僕もお姉ちゃんも権力争いに関わりたくないのだ。
「それじゃあ俺は、トラップを仕掛けに戻るな。日程が決まったら教えてくれ」
ロック君は手を振ってダンジョンの奥へと歩いていった。
スキル屋か……。
確かに言われると、世界を操れそうな立ち位置にいると思うけど、戦を止めようとしてくれているみたいだし、あんまりスキル屋に牛耳られているって言われても悪いようには思えないなぁ。
スキルを与えることと、戦を止めることしかしてないみたいだし。
さて、スレッド君の足がずっと止まっているけど、どうしたらいいのかな。
まだ訓練の時間ではあるけど、訓練を再開するような空気じゃない。
「訓練を続けないなら地上に戻らない?訓練をする気がないなら、他のことをやりたいわ」
お姉ちゃんが勇気を出して言った。
僕も同意見だ。
やる気のない訓練に参加するなら自主訓練をしていた方がいい。
「……そうしようか」
スレッド君が答える。
僕達が断り、ロック君が想定を上回ることを言ったことで、意気消沈してしまっている。
「聖女様、私のお母さんに会ってもらえませんか?」
ダンジョンを引き返している最中に、コレットさんが言った。
お父さんを説得する前に、まずはお母さんを味方につけたいというところだろうか。
「理由を聞いてもいい?それから、さっきも言ったけど、聖女と呼ばれるのは好きじゃないの。初めみたいにエレナって呼んで欲しい」
「お母さんも改めてエ、エレナさんにお礼を言いたいと思うので……。よ、よかったら家に来てくれませんか?ご馳走させて下さい」
そういえば、お姉ちゃんが水の聖女だとわかった時にありがとうって言ってたけど、パニックになってただけじゃなかったのかな。
「私はコレットさんのお母さんに会ったことがあって、お礼を言われるようなことをしたの?」
「はい。1年位前にお母さんが王都で小さい女の子に命を救われたって言ってました。その後に、あれは水の聖女様だったと思うって」
「……わかったわ。私達の学院長先生に聞いてからになるけど、良いって言ったらお邪魔させてもらうわ」
「ありがとうございます!お母さんもきっと喜びます」
「エルクも一緒でいいかな?」
「もちろんです!」
僕も行くことになってしまった。
お姉ちゃんは1人で行きたくはなかったみたいだ。
その気持ちは僕もわかるので、文句は言わない。
学院長から周りには気を付けるに言われつつ、コレットさんの家に行く許可は出たので、放課後にコレットさんの家にお邪魔する。
「お母さん!水の聖女様が学院に留学しにきて、家に来てくれたよ」
コレットさんが興奮気味にお母さんに報告する。
「お久しぶりです。エレナです。こっちは弟のエルク。その後、体の調子はどうですか?」
お姉ちゃんが僕の紹介もしてくれたので、会釈する。
当然僕は知らない人だけど、お姉ちゃんはこの人を覚えているようだ。
「おかげでこうして生活出来ています。改めて、治療をしていただきありがとうございました。今日は娘が無理矢理連れてきたのでしょう?ごめんなさいね。私が娘に聖女様には感謝してもしきれない。今こうして一緒にいられるのは聖女様のおかげなのよ。と何度も話したせいで、聖女様のこととなると少し冷静さを欠いてしまうようになってしまって……」
コレットさんはお母さんが大好きなのだろう。
だから、お母さんを助けてくれたお姉ちゃんに強い憧れを抱いたみたいだ。
その気持ちは僕にもわかる。
お姉ちゃんを助けてくれたという話を聞いてから、僕も神父様に対して、感謝しても感謝しきれないほどの恩を感じている。
僕はその頃のことを覚えていないけど、実際に会う前に何度もその話を聞いていれば、神父様の存在が自分の感情を制御出来ないほどに大きくなっていたかもしれない。
「お姉ちゃんはコレットさんのお母さんをいつ助けたの?」
お姉ちゃんも覚えているみたいなので聞くことにする。
気になるからだ。
「王都の冒険者ギルドで男の人が叫んでいて、そこに血まみれで倒れていたのがこの人だよ。私が自分の力とどう向き合っていくか決めるきっかけになった時だからよく覚えてるの」
お姉ちゃんから状況を聞いてもよくわからない。
お姉ちゃんは怪我人を治しただけで、その背景は知らないだろうから仕方ない。
「お母さん。エレナさん達にご飯をご馳走する約束をしたんだけど、大丈夫だよね?」
「それじゃあ叔父さんの店に行こうか。お父さんを待ってると遅くなりすぎるから、先に行きましょう。酒場だけど、料理も美味しいからいいかしら?」
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