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冒険者登録試験

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翌日教室に行くとローザが話しかけてきた。
「エルク、アメリとフレイを紹介するわ。彼女達もパーティに入ってくれるって」

ローザに付いていくと女の子が2人いた。

「アメリだ。よろしくな」
「フレイよ。よろしくね」

「エルクだよ。よろしくね」

いいのだろうか?
かわいい女の子3人とパーティを組んでしまったようだけど……

「アメリとフレイも放課後空いてるみたいだから、昨日言ってた通り冒険者ギルドに行きましょう」

「わかったよ」

授業も終わって放課後、3人と冒険者ギルドへ向かう
ちなみに授業の内容はチンプンカンプンだった。
算術の授業は前世での記憶が残ってるのでわかったけど、魔術と歴史に関しては何を言っているのか意味がわからなかった。

冒険者ギルドに入り3人は登録をしに行く
僕はもう登録済みだけど他にやる事ないし試験を見学しようかな

「冒険者ギルドへようこそ!本日はどのようなご用でしょうか?」

「登録をお願いします」

「えっと、この子もですか?」
受付のお姉さんは僕を見て確認する

「登録は私達3人でお願いします。この子はもう登録済みです」

「え!?……失礼しました」

「私も知った時は驚きましたから大丈夫ですよ」
当人が一言も発して無い所で驚かれて、謝られて、許された。別にいいけど

「もしかしてカッシュさんが連れてきた子ですか?」

「うん」
僕は答える

「どうせなら、君も試験受けてみる?結果がどうだったとしても取り消したりはしないし、良ければランクアップ出来るわよ」
冒険者にはランクがあって、上からSABCDEFGである
今はGランク、一番下である
別にランク気にして無いしいいかな。
僕は断ろうとしたけど…

「じゃあ、この子もお願いします」
勝手にローザが答えてしまった。別にいいけどさ

「ではこちらに記入してから訓練場に来て下さい。私は試験の準備をしてきます」

3人が紙に必要事項を書いてから訓練場に向かう

訓練場にはカッシュさんともう1人、厳つい筋肉質の男がいた。

「エルク久しぶりだな」
カッシュさんが手を振る

「カッシュさん、お久しぶりです。隣の方は試験管の方ですか?」
僕は手を振り返して隣の男性の事をきく

「違うよ。試験管は私がやるよ。こちらの方はこのギルドのマスターだよ」
ギルマスだった

「ギルドマスターでしたか。初めまして、エルクです」

「お前がカッシュが連れてきたエルクだな。カッシュがえらく褒めてたからな、ちょうどいいから見学させてくれ」
カッシュさんなんて言ったんだろう。あまりハードルを上げるのはやめてほしい

「まずはお嬢さん方から始めようか。えーと、最初はアメリさんからね。剣士だから僕と打ち合おうか。」
カッシュさんはアメリさんに木刀を渡す

アメリさんの剣捌きはキレイだった。無駄な動きが無いように見える。
それでもカッシュさんには一撃も当たらなかった。
最小の動きで躱されるか、止められる。その後に軽く木刀を当てる

「うん、悪く無いね。でも動きに無駄が無い分先の動きがわかりやすいかな。魔物相手には良いけど対人戦を考えるならフェイントとか戦術を磨いたほうがいいよ。試験は合格ね」

「ありがとうございました」
アメリさんは悔しさと嬉しさの狭間にいるようだ。複雑な顔をしている

「次はフレイさんね。使えるのは火魔法と水魔法だからまずは火魔法であの的を狙ってもらおうか」

フレイさんは的に火球を飛ばす
的に命中する

「次は私の火魔法に水魔法を掛けてもらおうか」
カッシュさんはそう言って火魔法で床を燃やす

フレイさんは火魔法に水球を使うけど、火は消えなかった

「魔法の展開が早いのがいいね。ただ少し威力が弱いかも知れないから、1発の魔法に出来るだけ魔力を込める練習をするといいよ。試験は合格ね」
フレイさんは悔しそうだ

「厳しい事を言ったけど、同年代に比べたら威力も遜色ないからね」
フレイさんを見てカッシュさんがフォローを入れる

「ありがとうございます。がんばります」
ちょっと、元気が出たようだ

「次はローザさんね。まずは火魔法ね。同じように的に当ててもらえるかな」

ローザさんは的に火球を当てる

「うん、筋がいいね。次は俊敏上昇を私に掛けてもらえるかな」

ローザさんはカッシュさんに俊敏上昇魔法を掛ける

「なるほどね。後は状態異常回復と治癒魔法だね。状態異常回復からにしようか」
そう言ってカッシュさんは液体を飲んだ

カッシュさんが少し痺れているようにみえる

ローザさんはカッシュさんに状態異常回復魔法を掛ける

「うん、次は治癒魔法ね」
カッシュさんが自分の腕を切る

流石にこれにはローザさんも動揺している。
「痛いからね、治癒魔法お願い」
カッシュさんに急かされてローザさんが治癒魔法を掛ける

「バランスがいいね。器用貧乏とも言えるけど。将来、自分がどうなりたいか想像して、なりたい自分に必要な魔法を練習では多めに使うといいよ。熟練度を上げる為にね。試験は合格ね」
ローザさんはカッシュさんに見てもらえて感動しているようだ。カッシュ様って言ってたし憧れなのかもしれない

「ありがとうございました」

「最後はエルクだね。前は土魔法を見せてもらったし、今度は風魔法を見せてもらおうか」

「わかりました」

「エルクは風魔法も使えるの?」
ローザに聞かれる

「うん、使えるよ」

「他には何が使えるの?」

「えっと…今は内緒で」
あんまりスキルの事は話したく無いんだよね

「そっか」
ローザは残念そうにするけどこればかりはしょうがない

「エルクには私の土壁を風魔法で切ってもらおうか。風魔法は危険だからね、一応外に出ようか」

僕はカッシュさんに言われて外に出る

カッシュさんは土壁を作る

「空の方向に風魔法を使うんだよ。直線上に誰かいたら危ないから」
カッシュさんに注意を受けたので僕は斜め上方向に風魔法を使って土壁を切断する

土壁は切れて、上側がズルッと滑り落ちた

「……ちょっとマスターと相談してくるから待っててね」
カッシュさんはギルマスと話をしに行く

戻ってきて僕の結果を告げる
「エルクはEランクにしようか。上がったからって慢心しないようにな」

GからEだから2ランク上がったのか。こんなに簡単に上がって良いのかな?

「これで全員、試験は終わりだね。全員合格だからこれからいつでも依頼が受けれるからね。分からないことがあったら受付で聞いてくれればいいから。頑張ってね」

これで終わりらしい。

「みんな冒険者になれて良かったわ。休みの日に予定を合わせて依頼を受けましょう」
ローザが提案する

「わかった」
「はい」
「うん」

「また予定を聞くわね。今日はみんなありがとうね」

今日はこれで解散になった

――――――――――――――

カッシュ視点

「ギルマス、エルクですがどうしますか?」

「どうするってお前、聞いてた話と違うじゃないか!なんて化け物を連れてきたんだよ」

「そんなこと言われましても、なら連れてこなければよかったですか?」

「いや、よくやった。村で食う物に困ったりして盗賊とかになってたら世界が滅んでたぞ」

「私も同意です。対抗できるのは水の聖女くらいでしょうか?」

「彼女もまだ子供だろ?最近の子供はどうなってるんだ」

「それでランクはどうしますか?上げるのは確定としてどこまで上げますか?正直Bを付けても良いくらいですよ」

「さっきの土壁だが本当はどのくらいの盾なんだ?簡単に切られてしまったが」

「ドラゴンが体当たりしても数回は持ちましたよ。ほんと自身を無くしますよ」

「そうか、あの子はもうドラゴンを超えているのか…。Eランクにしよう。あまり周りが騒がないように注意するように」

「それは無茶ですよ。私にも出来ないことはあります。気を付けはしますけどエルクは無自覚ですからね。期待はしないで下さい。ではエルクはEランクって事で伝えときます」

「頼む」
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