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模擬戦の行方
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翌日、王都から来たと言う男性に母さんから真実を話す
「昨日の夜に息子から聞いたんですが……」
と前置きをして、昨日の時点では知らなかったとしっかりと伝える
騙してたわけじゃないよっていう体裁の為だ
「流石に信じがたいのだが……この子が倒したと言うのですか?」
「はい、そう言いました」
「まだ子供だろう、何歳だ?」
「5歳です」
「……昨日は言いませんでしたが、消えた魔物は1体どこらではないのですよ」
完全に信じてないな。あれ、それならそれでいいのでは?僕達は本当のことを言った。でもこの人が信じなかった。
後から発覚した時に僕達は何も悪くない。信じなかったこの人が悪いのだ。
「母さ「あなたはうちの息子が嘘をついたって言うんですか?」」
僕が「母さん、もういいから帰ろう」と言おうとしたら、母さんのスイッチが先に入ってしまった
「そうは言ってないが……流石になぁ。それにさっきも言いましたが魔物は1体じゃなかったんですよ」
男性は身じろきながらも考えは変えないようだ
堪えて、母さん。まだ間に合う
「わかってますよ。200体でしょ?」
ああ、言ってしまった。もう戻れない……
「どうしてそれを?」
「さっきから息子が倒したって言ってるでしょ」
「うーん」
男性は悩んだ結果ある提案をする
「力を知りたいので私と模擬戦をしてくれませんか?」
「もちろん、構いませんよ」
本人の許可なく話が決まってしまった
僕と男性は向き合う
「模擬戦といっても私は手加減をしよう。今は引退した身だが一応元Aランクの冒険者だからな」
冒険者だったのか。
僕の実力が実際のところわからないんだよな。
比較対象は姉だけだし……
そこらの5歳よりは強いのは間違いないと思うけど
「先手を譲るよ、君の好きなタイミングで仕掛けるといい」
男性は僕に攻撃させたいらしい
うーん。どうしようか。元とはいえAランク冒険者が姉より弱いってことはないと思うけど……
「いきます」
僕は地面に手をついて土魔法を発動する
男性の四方の土が盛り上がり男性を閉じ込める
……一応空気穴は空けておいた
半分くらいの力で使ったけど、どうだろうか?
どのくらいで出てくるかでどのくらいの力で戦っていいかを決めよう。
ドン!ドン! ガン!ガン! 「くそ!」
ドカン!「ぐはっ」
土壁の中から音が聞こえて、大きな音がしてから何も音がしなくなった。
僕は土魔法で壁を戻す
そこには倒れた男性がいた。
……よかった。生きてはいるようだ
男性に自作ポーションを飲ませる。
実はまだ回復魔法を覚えてなかった。最初の頃は創りたいと思ってたけど、必要魔力が多くて諦めてそのまま忘れてた
「う、あれ?どうなった」
「起きましたか?」
「私はあそこから出れたのか?」
回答に困る
「……」
「いや、わかった。出れなかったんだね」
「うん」
あれくらいなら姉でも時間を掛ければ出てこれるけどなぁ
多分、何か力が出せなくなって冒険者を引退したのだろう
僕は知らない。この人が引退した理由は若者の育成に専念する為で、決して弱くなったからではないことを
「君の実力はわかったよ。ちなみに魔物を倒したのも土魔法かい?」
「風魔法です」
誤魔化してもバレるかもしれないので正直に答える
「風魔法も使えるのか……倒した魔物はどこにあるんだ?」
流石にこれは本当のことは言えない。
多分、アイテムボックスみたいなスキルはかなり希少だろう。
「臭ったら嫌だと思って土魔法で埋めました」
「どこに?」
なんでそんなこと聞くんだろう
「戦った場所の近くだったと思いますけど、よく覚えてません」
「そうか。ならいい。今回の件はギルド長に報告しておく。言ってなかったが俺はカッシュだ。何かあったら頼ってくれ」
カッシュさんはそう言って王都に帰っていった
まあ、このまま何もなしってことはないよな
それから一月ほど経った時に入学の案内が届いた。
去年、姉に送られてきたものと同じものだが、今回は差出人がはっきりしていた。カッシュさんからだ。
「エレナに続いてエルクまで、もう離れちゃうのね」
僕は6歳、姉は7歳で親元を離れる。
どう考えても早すぎるのは間違いない
「迎えが来るのは3ヶ月後みたいだよ。ちゃんと帰ってくるから、心配しないでね」
予定通り、3ヶ月後に馬車で迎えがきた。
「それじゃあ、行ってくるよ」
僕は両親に手を大きく振り別れを告げる
こうして僕は姉に1年遅れて王都の学校に通うことになった。
6歳だし小学校かな
「昨日の夜に息子から聞いたんですが……」
と前置きをして、昨日の時点では知らなかったとしっかりと伝える
騙してたわけじゃないよっていう体裁の為だ
「流石に信じがたいのだが……この子が倒したと言うのですか?」
「はい、そう言いました」
「まだ子供だろう、何歳だ?」
「5歳です」
「……昨日は言いませんでしたが、消えた魔物は1体どこらではないのですよ」
完全に信じてないな。あれ、それならそれでいいのでは?僕達は本当のことを言った。でもこの人が信じなかった。
後から発覚した時に僕達は何も悪くない。信じなかったこの人が悪いのだ。
「母さ「あなたはうちの息子が嘘をついたって言うんですか?」」
僕が「母さん、もういいから帰ろう」と言おうとしたら、母さんのスイッチが先に入ってしまった
「そうは言ってないが……流石になぁ。それにさっきも言いましたが魔物は1体じゃなかったんですよ」
男性は身じろきながらも考えは変えないようだ
堪えて、母さん。まだ間に合う
「わかってますよ。200体でしょ?」
ああ、言ってしまった。もう戻れない……
「どうしてそれを?」
「さっきから息子が倒したって言ってるでしょ」
「うーん」
男性は悩んだ結果ある提案をする
「力を知りたいので私と模擬戦をしてくれませんか?」
「もちろん、構いませんよ」
本人の許可なく話が決まってしまった
僕と男性は向き合う
「模擬戦といっても私は手加減をしよう。今は引退した身だが一応元Aランクの冒険者だからな」
冒険者だったのか。
僕の実力が実際のところわからないんだよな。
比較対象は姉だけだし……
そこらの5歳よりは強いのは間違いないと思うけど
「先手を譲るよ、君の好きなタイミングで仕掛けるといい」
男性は僕に攻撃させたいらしい
うーん。どうしようか。元とはいえAランク冒険者が姉より弱いってことはないと思うけど……
「いきます」
僕は地面に手をついて土魔法を発動する
男性の四方の土が盛り上がり男性を閉じ込める
……一応空気穴は空けておいた
半分くらいの力で使ったけど、どうだろうか?
どのくらいで出てくるかでどのくらいの力で戦っていいかを決めよう。
ドン!ドン! ガン!ガン! 「くそ!」
ドカン!「ぐはっ」
土壁の中から音が聞こえて、大きな音がしてから何も音がしなくなった。
僕は土魔法で壁を戻す
そこには倒れた男性がいた。
……よかった。生きてはいるようだ
男性に自作ポーションを飲ませる。
実はまだ回復魔法を覚えてなかった。最初の頃は創りたいと思ってたけど、必要魔力が多くて諦めてそのまま忘れてた
「う、あれ?どうなった」
「起きましたか?」
「私はあそこから出れたのか?」
回答に困る
「……」
「いや、わかった。出れなかったんだね」
「うん」
あれくらいなら姉でも時間を掛ければ出てこれるけどなぁ
多分、何か力が出せなくなって冒険者を引退したのだろう
僕は知らない。この人が引退した理由は若者の育成に専念する為で、決して弱くなったからではないことを
「君の実力はわかったよ。ちなみに魔物を倒したのも土魔法かい?」
「風魔法です」
誤魔化してもバレるかもしれないので正直に答える
「風魔法も使えるのか……倒した魔物はどこにあるんだ?」
流石にこれは本当のことは言えない。
多分、アイテムボックスみたいなスキルはかなり希少だろう。
「臭ったら嫌だと思って土魔法で埋めました」
「どこに?」
なんでそんなこと聞くんだろう
「戦った場所の近くだったと思いますけど、よく覚えてません」
「そうか。ならいい。今回の件はギルド長に報告しておく。言ってなかったが俺はカッシュだ。何かあったら頼ってくれ」
カッシュさんはそう言って王都に帰っていった
まあ、このまま何もなしってことはないよな
それから一月ほど経った時に入学の案内が届いた。
去年、姉に送られてきたものと同じものだが、今回は差出人がはっきりしていた。カッシュさんからだ。
「エレナに続いてエルクまで、もう離れちゃうのね」
僕は6歳、姉は7歳で親元を離れる。
どう考えても早すぎるのは間違いない
「迎えが来るのは3ヶ月後みたいだよ。ちゃんと帰ってくるから、心配しないでね」
予定通り、3ヶ月後に馬車で迎えがきた。
「それじゃあ、行ってくるよ」
僕は両親に手を大きく振り別れを告げる
こうして僕は姉に1年遅れて王都の学校に通うことになった。
6歳だし小学校かな
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