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第三部 宰相閣下の婚約者
740 断罪の茶会(16)
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「陛下、やはり影響が出ている原因は茶葉だけのようです。事前の情報にあった通り、鉱山付近の水に関しては、一度や二度では影響は出ないということなんでしょう」
さっきまで床に座り込んだままのエモニエ侯爵を診ていたはずのガールシン医局長は、そんなことを国王陛下に報告しながら、今はコンティオラ公爵の隣に立って、強張ったままの公爵の手のひらを指一本ずつそっと開いていた。
正規の四割の量で手がああなっているとは、いったい茶葉に閉じ込められた元々の痺れ薬の量はどれほどだったのかと、薄ら寒くなってしまう。
と言うかコンティオラ公爵、この後仕事に復帰出来るのだろうか。
そんなことを思っているのは私だけなのか、エドヴァルドやイル義父様はじっと自分の手元に視線を落としているし、肝心の陛下は「そうか」と、ガールシン医局長の報告の方を気に留めているようだった。
「ナルディーニ侯爵はご子息が歩けるようになった時間から考えると、まだしばらくは言葉も覚束ないかも知れません」
そう言いつつも医局長はナルディーニ侯爵の方へは近寄らない。
さすがに魔道具が再稼働するとは思っていないはずだけど、何なら診なくても分かる、くらいに思っているのかも知れなかった。
気付けば周囲には医局員らしき人らが何人かいて、レイフ殿下やダリアン侯爵、他の〝痺れ茶〟患者の様子をそれぞれが診ていた。
手当と言うよりあくまでも「観察」に見えてしまうのは、この場の流れからして無理からぬことな気がした。
「いずれにせよ思った以上のデータが取れそうです。さすがに痺れ薬はどうかと思いますが、何か別の活用法を考えてみるのも一興かと」
マッドサイエンティストの眼鏡の奥が怪しげに光った――ように見えた。
しかも「ふむ」とか、真面目に考え込んでますよ、サイコパスな陛下サマが!
陛下とヴェンツェン管理部長と同様に、陛下とガールシン医局長も「混ぜるな危険」の組み合わせなんじゃ……。
そんなことをチラと思ったのを悟られてしまったのか、このタイミングで陛下とバッチリ目が合ってしまった。
「思いついたら知らせてくれるか、姉君」
「はいっ⁉」
「今回の魔道具の前例もあることだしな。期待している」
「…………」
マジか、なんて不敬罪確実なことは声には出せない。
ただ、私が声に出す代わりに向こうのテーブルで、宰相閣下が怒りの視線を上役にぶつけていた。
ぶつけられた当の本人は「ははっ」などと、まったく意に介した風もなく笑っているけれど。
「宰相がおっかないから、このくらいにしておこうか。さて……まだ何故自分がこの場に呼ばれたのかよく分かっていない者もいるかも知れんな」
そんなことを言いながら、ぐるりと視線を一周させている。
床ではなく、あくまで椅子にまだ座っている面々を見ている気がする。
その面々は、一様に顔に「知りたい」と書かれていた。
陛下の口元が、愉悦の笑みを浮かべているようにも見えた。
「まず未承認の茶葉に関しては、輸入した主犯格は別にいるとしても、流通を黙認したという点では無罪には出来ない。カプート子爵やフラーヴェク子爵がそれに当たる」
二人の様子からすれば、恐らくは列席者の中で最も軽い量を口にしていると思われる。
国王陛下の言葉に、むしろ襟を正すかのように背筋を伸ばしていた。
「そして実際に使用までしているのがナルディーニ侯爵家とヒチル伯爵家だ。ヒチル伯爵家には別件の余罪もあるから、伯爵代理である先代夫人は別室に、成人間もない息子は向こう側の席に既にいたわけだが」
「!」
フラーヴェク子爵がピクリとこめかみを痙攣らせているところからすると、彼にはニセ壁の向こう側が見えていなかったんだろう。
この時点でのヒチル伯爵家と言うのは、現フラーヴェク子爵となる彼を追い出した後、現伯爵夫人と夫人の実弟が、未成年だった令息の後見に共に付くという形で、事実上の院政を敷いていたらしい。
息子の成人に伴って正式な爵位継承の儀を行おうとしたものの、そこでフラーヴェク子爵がそれを阻止しようと裁判の準備に着手したため、まだヒチル伯爵位は正式には継承されずに今の状況に至っていたのだ。
と言うことは、ブロッカ商会長やナルディーニ侯爵令息らと共に座らされていた見知らぬ二人は、いずれもヒチル伯爵家関係者だったということか。
「そして茶葉の販路が瓦解したことで起きた投資詐欺に関しては、ナルディーニ侯爵令息が主導だったのはさておいても、ブロッカ子爵と夫人はそこに完全に関与している。そんな夫人はエモニエ侯爵家の出身。最初にナルディーニ侯爵と組んで茶葉を我が国に持ち込んだのは先代エモニエ侯爵夫人。エモニエ侯爵が積極的に焚きつけたわけではないにしろ、咎めないわけにもいくまい」
多くの視線が茫然と座り込むエモニエ侯爵へと向けられた。
侯爵は、勘当した娘と寡婦となり実家に戻ろうとしていた夫人のことでなぜここまで――くらいには思っているのだろうか。
何もしないことの罪。不真正不作為犯とはよく言ったものだ。
そんな刑法がアンジェスにあるのかは知らないけれど、間違いなく国王陛下はそれに類することを口にして、エモニエ侯爵を暗に責めていた。
「そして同じく投資詐欺のためだけに作られた商会があり、その商会は地方の商業ギルドで時折暗黙の了解的に行われているという保証人の名義貸しを利用して作られた。要は名義貸しを黙認した時点で、間接的ながら詐欺に手を貸したことにもなる」
視線を向けられたのはコデルリーエ男爵代理の令息で、こちらは顔色を悪くしながら国王陛下を見つめていた。あれは確実に〝痺れ茶〟とは無関係に怯えている気がする。
「どうやら鉱山での採掘量が落ち、資金が不足していたらしいな。その報告を怠っていた点と、その事実を把握していなかったダリアン侯爵にも責任はあるだろうとの判断になった。まあ、これは私というよりは宰相とフォルシアン公爵が言い出していた話ではあるがな」
なるほどお白洲断罪のごとく陛下が話してはいるけれど、色々な報告を受けての判断だと言いたいんだろう。
「さすがに領主の地位にしがみつきすぎだと、戻って伝えておくことだ。まあ……それでも首を縦に振らんようなら、相談に乗るのはやぶさかではない」
「――――」
もう、気の毒にコデルリーエ男爵代理の令息の顔色は青を通り越している。
何せ「血塗れの王」の言うことだ。
この場の誰にも冗談には聞こえなかっただろう。
「も、戻り次第家族会議を開きます……!」
「そうか。ではダリアン侯爵、名義貸しなどと綱渡りの領地経営をさせぬよう、同じ鉱山地域を管理監督する者として今後の動向を注意しておくんだな」
コデルリーエ男爵領はフォルシアン公爵領内にあると同時に、領内の鉱山を管理監督しているダリアン侯爵家を事実上の寄り親にしている。
こちらも、暗に監督不行き届きを責められていると理解したダリアン侯爵が、護衛騎士に支えられた状態で頭だけを国王陛下に向かって下げていた。
「それとダリアン侯爵は、アルノシュト伯爵領内において銀の採掘過程で生じた異変に関する情報の共有を命じておく。銀と宝石と、採掘されるモノが違うとは言え精製の過程が似通るところもあるだろうからな」
「採掘過程での異変……ですか?」
陛下の言葉に、心当たりのなかったらしいダリアン侯爵が怪訝そうな表情のまま頭を上げていた。
気が付いていないのか、まだ起きていないことなのか――後者であれば、いいのだけれど。
「私は製法にあまり詳しくはないが、鉱石の精製過程で使用した水を川にそのまま垂れ流すことで、時間の経過と共にそれが人にとっての有害物質に変わるそうだ。まさかと思うよりも先に、実際にアルノシュト伯爵邸で病人も見つかっている。同様の症例がないか、ヤードルード鉱山周辺も探っておくべきだろうな」
「!」
どこからその「原因」の話を聞いたのかはさておき、国王陛下の発言に目を瞠ったのは、ダリアン侯爵だけじゃなかった。
ダリアン侯爵の更に上位者であるフォルシアン公爵しかり――あろうことか、床から上半身だけを起こしていたアルノシュト伯爵もその中の一人だった。
「…………アルノシュト伯爵」
気付いたエドヴァルドの周囲から、恐ろしいまでの怒りの冷気が噴出しだした。
「知らずにただ、外聞のためだけに息子を閉じ込めていたとでも言うつもりか……?」
今年の税の報告で発覚するまでの間、アルノシュト伯爵領内の銀の街で何が起き、何が見過ごされてきていたのか。
それが今、白日の下に晒されようとしていた。
さっきまで床に座り込んだままのエモニエ侯爵を診ていたはずのガールシン医局長は、そんなことを国王陛下に報告しながら、今はコンティオラ公爵の隣に立って、強張ったままの公爵の手のひらを指一本ずつそっと開いていた。
正規の四割の量で手がああなっているとは、いったい茶葉に閉じ込められた元々の痺れ薬の量はどれほどだったのかと、薄ら寒くなってしまう。
と言うかコンティオラ公爵、この後仕事に復帰出来るのだろうか。
そんなことを思っているのは私だけなのか、エドヴァルドやイル義父様はじっと自分の手元に視線を落としているし、肝心の陛下は「そうか」と、ガールシン医局長の報告の方を気に留めているようだった。
「ナルディーニ侯爵はご子息が歩けるようになった時間から考えると、まだしばらくは言葉も覚束ないかも知れません」
そう言いつつも医局長はナルディーニ侯爵の方へは近寄らない。
さすがに魔道具が再稼働するとは思っていないはずだけど、何なら診なくても分かる、くらいに思っているのかも知れなかった。
気付けば周囲には医局員らしき人らが何人かいて、レイフ殿下やダリアン侯爵、他の〝痺れ茶〟患者の様子をそれぞれが診ていた。
手当と言うよりあくまでも「観察」に見えてしまうのは、この場の流れからして無理からぬことな気がした。
「いずれにせよ思った以上のデータが取れそうです。さすがに痺れ薬はどうかと思いますが、何か別の活用法を考えてみるのも一興かと」
マッドサイエンティストの眼鏡の奥が怪しげに光った――ように見えた。
しかも「ふむ」とか、真面目に考え込んでますよ、サイコパスな陛下サマが!
陛下とヴェンツェン管理部長と同様に、陛下とガールシン医局長も「混ぜるな危険」の組み合わせなんじゃ……。
そんなことをチラと思ったのを悟られてしまったのか、このタイミングで陛下とバッチリ目が合ってしまった。
「思いついたら知らせてくれるか、姉君」
「はいっ⁉」
「今回の魔道具の前例もあることだしな。期待している」
「…………」
マジか、なんて不敬罪確実なことは声には出せない。
ただ、私が声に出す代わりに向こうのテーブルで、宰相閣下が怒りの視線を上役にぶつけていた。
ぶつけられた当の本人は「ははっ」などと、まったく意に介した風もなく笑っているけれど。
「宰相がおっかないから、このくらいにしておこうか。さて……まだ何故自分がこの場に呼ばれたのかよく分かっていない者もいるかも知れんな」
そんなことを言いながら、ぐるりと視線を一周させている。
床ではなく、あくまで椅子にまだ座っている面々を見ている気がする。
その面々は、一様に顔に「知りたい」と書かれていた。
陛下の口元が、愉悦の笑みを浮かべているようにも見えた。
「まず未承認の茶葉に関しては、輸入した主犯格は別にいるとしても、流通を黙認したという点では無罪には出来ない。カプート子爵やフラーヴェク子爵がそれに当たる」
二人の様子からすれば、恐らくは列席者の中で最も軽い量を口にしていると思われる。
国王陛下の言葉に、むしろ襟を正すかのように背筋を伸ばしていた。
「そして実際に使用までしているのがナルディーニ侯爵家とヒチル伯爵家だ。ヒチル伯爵家には別件の余罪もあるから、伯爵代理である先代夫人は別室に、成人間もない息子は向こう側の席に既にいたわけだが」
「!」
フラーヴェク子爵がピクリとこめかみを痙攣らせているところからすると、彼にはニセ壁の向こう側が見えていなかったんだろう。
この時点でのヒチル伯爵家と言うのは、現フラーヴェク子爵となる彼を追い出した後、現伯爵夫人と夫人の実弟が、未成年だった令息の後見に共に付くという形で、事実上の院政を敷いていたらしい。
息子の成人に伴って正式な爵位継承の儀を行おうとしたものの、そこでフラーヴェク子爵がそれを阻止しようと裁判の準備に着手したため、まだヒチル伯爵位は正式には継承されずに今の状況に至っていたのだ。
と言うことは、ブロッカ商会長やナルディーニ侯爵令息らと共に座らされていた見知らぬ二人は、いずれもヒチル伯爵家関係者だったということか。
「そして茶葉の販路が瓦解したことで起きた投資詐欺に関しては、ナルディーニ侯爵令息が主導だったのはさておいても、ブロッカ子爵と夫人はそこに完全に関与している。そんな夫人はエモニエ侯爵家の出身。最初にナルディーニ侯爵と組んで茶葉を我が国に持ち込んだのは先代エモニエ侯爵夫人。エモニエ侯爵が積極的に焚きつけたわけではないにしろ、咎めないわけにもいくまい」
多くの視線が茫然と座り込むエモニエ侯爵へと向けられた。
侯爵は、勘当した娘と寡婦となり実家に戻ろうとしていた夫人のことでなぜここまで――くらいには思っているのだろうか。
何もしないことの罪。不真正不作為犯とはよく言ったものだ。
そんな刑法がアンジェスにあるのかは知らないけれど、間違いなく国王陛下はそれに類することを口にして、エモニエ侯爵を暗に責めていた。
「そして同じく投資詐欺のためだけに作られた商会があり、その商会は地方の商業ギルドで時折暗黙の了解的に行われているという保証人の名義貸しを利用して作られた。要は名義貸しを黙認した時点で、間接的ながら詐欺に手を貸したことにもなる」
視線を向けられたのはコデルリーエ男爵代理の令息で、こちらは顔色を悪くしながら国王陛下を見つめていた。あれは確実に〝痺れ茶〟とは無関係に怯えている気がする。
「どうやら鉱山での採掘量が落ち、資金が不足していたらしいな。その報告を怠っていた点と、その事実を把握していなかったダリアン侯爵にも責任はあるだろうとの判断になった。まあ、これは私というよりは宰相とフォルシアン公爵が言い出していた話ではあるがな」
なるほどお白洲断罪のごとく陛下が話してはいるけれど、色々な報告を受けての判断だと言いたいんだろう。
「さすがに領主の地位にしがみつきすぎだと、戻って伝えておくことだ。まあ……それでも首を縦に振らんようなら、相談に乗るのはやぶさかではない」
「――――」
もう、気の毒にコデルリーエ男爵代理の令息の顔色は青を通り越している。
何せ「血塗れの王」の言うことだ。
この場の誰にも冗談には聞こえなかっただろう。
「も、戻り次第家族会議を開きます……!」
「そうか。ではダリアン侯爵、名義貸しなどと綱渡りの領地経営をさせぬよう、同じ鉱山地域を管理監督する者として今後の動向を注意しておくんだな」
コデルリーエ男爵領はフォルシアン公爵領内にあると同時に、領内の鉱山を管理監督しているダリアン侯爵家を事実上の寄り親にしている。
こちらも、暗に監督不行き届きを責められていると理解したダリアン侯爵が、護衛騎士に支えられた状態で頭だけを国王陛下に向かって下げていた。
「それとダリアン侯爵は、アルノシュト伯爵領内において銀の採掘過程で生じた異変に関する情報の共有を命じておく。銀と宝石と、採掘されるモノが違うとは言え精製の過程が似通るところもあるだろうからな」
「採掘過程での異変……ですか?」
陛下の言葉に、心当たりのなかったらしいダリアン侯爵が怪訝そうな表情のまま頭を上げていた。
気が付いていないのか、まだ起きていないことなのか――後者であれば、いいのだけれど。
「私は製法にあまり詳しくはないが、鉱石の精製過程で使用した水を川にそのまま垂れ流すことで、時間の経過と共にそれが人にとっての有害物質に変わるそうだ。まさかと思うよりも先に、実際にアルノシュト伯爵邸で病人も見つかっている。同様の症例がないか、ヤードルード鉱山周辺も探っておくべきだろうな」
「!」
どこからその「原因」の話を聞いたのかはさておき、国王陛下の発言に目を瞠ったのは、ダリアン侯爵だけじゃなかった。
ダリアン侯爵の更に上位者であるフォルシアン公爵しかり――あろうことか、床から上半身だけを起こしていたアルノシュト伯爵もその中の一人だった。
「…………アルノシュト伯爵」
気付いたエドヴァルドの周囲から、恐ろしいまでの怒りの冷気が噴出しだした。
「知らずにただ、外聞のためだけに息子を閉じ込めていたとでも言うつもりか……?」
今年の税の報告で発覚するまでの間、アルノシュト伯爵領内の銀の街で何が起き、何が見過ごされてきていたのか。
それが今、白日の下に晒されようとしていた。
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