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第三部 宰相閣下の婚約者
642 その鳥は眠れない?
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貴族にしろ商人にしろ、自腹で馬車を持っていて遠方、例えば王都と地方を行き来する場合なんかは、馭者含めて六人が護衛を兼ねて付くのが基本と聞く。
なので、そんな場合に邸宅に残って、もう一台くらい馬車が出ることになっても対応出来るようにしておくのと、主の命で諜報活動に潜入したりする場合なんかも考えて、特に高位貴族の場合は15人前後の護衛が邸宅で雇われていることが多いらしい。
「うーん……コンティオラ邸の中は、今、中に入っているイデオン家の皆とキーロ、ラジス副団長がいれば多分抑えられるとして……」
公に〝鷹の眼〟と言って良いのかが分からないので、ここはちょっと曖昧にしておく。
「邸宅の周りの七人、か? そいつらはコンティオラ公爵家の護衛連中に捕まえさせるのが筋だろう。正確な人数は聞いていないにせよ、おおよそ二対一で対峙出来る訳だから、さすがに何とかする筈だ」
「その時間、王都けいびたい、巡回、誘導しておく。それなら不審、思われない」
「ああ、じゃあ自警団も王都警備隊に倣うか。定期巡回の一環としておけば、細かいことを担当者に説明する必要もないし、万一公爵家の護衛が一人二人捕まえ損ねたとしても、逃げた先でどちらかが不審者として捕まえるだろうよ」
お義兄様の言葉に同調、あるいはフォローをするようにキーロが言い、それにはラジス副団長も、意外にも賛成の意を示した。
始めからコンティオラ公爵邸を見張るとなれば、多少の事情を察せられてしまう可能性がある。
出来ればそれは避けたいと私が言った意を汲んだキーロが、それを定期巡回の中に上手く組み込んでおけば、ただの業務の一環による不審者逮捕、コンティオラ家の護衛が討ち洩らさなければ、巡回担当者は何も気付かないまま、通常業務として終わると案を示したのだ。
そして人手が足りないかも知れないとお義兄様が言った言葉をラジス副団長が掬い上げて、王都警備隊の巡回に自警団の巡回も別に加えると言ったのだ。
元々、学園や学園の寮、五公爵家の邸宅や別邸を中心に巡回する王都警備隊と、ギルドや職人街を中心に巡回する自警団とは、貴族と市民の揉め事が起きるか、王都の外に出る街道沿いでたまたま時間が被るかしないことには、ほぼ出会わないらしい。
コンティオラ公爵邸を出て、王都の外へ出るための街道沿いを巡回させておけば、逃げるとしたらそこを通るしかないだろうから、万一があっても確実に捕らえられると言うことだろう。
男爵家の縁者とは言え、居丈高に出ることをしないキーロに、ラジス副団長もここは手を組んでも良いと考えたに違いなかった。
「それは……助かるな」
お義兄様も正直に、ほっと息を吐き出していた。
私も、それは今出来る中で一番良い策だと思うので、コクリと頷いておいた。
「となると、後は王都内の宿と、セルマか……」
「お義兄様、ウリッセの妹さんの顔を実際に見ている人間が今のところゼイルス一人だけです。それを考えると、セルマへはフォルシアン公爵家の護衛の中から行って貰った方が……」
私がそう話しかけると、お義兄様は「それはそうなんだが」と、難しい表情で眉根を寄せた。
「母上やコンティオラ公爵夫人、それに学園に向かうと称して明日邸宅を出る公爵令息、ナルディーニ侯爵の甥姪がこの邸宅に留まることになるだろう。その状態で、この邸宅を護衛なしの状態に出来る筈がない。せいぜい動かせたとしても三分の一までだ」
言い方は悪いが、いくらコデルリーエ男爵領が関係しているとは言え、フォルシアン公爵家の中においては「フォルシアン公爵夫人」の身の安全が何よりも優先される。
これに関しては、エリィ義母様がどう言おうと――だ。
多分イル義父様も認めないだろう。
お義兄様の言葉に、ああ……と、私もチラリとファルコを見やった。
私の視線を受けたファルコが「そう言う話なら」と、軽く咳払いをする。
「お嬢さんが乗る以上は、明日この邸宅からコンティオラ公爵邸に向かう馬車に、イデオン家から誰も付けないと言うのは有り得ない。今回とは関係のないところで、今、邸宅に居ないヤツだっている。動かせたとして、せいぜい5~6人だ」
「やっぱ、そうだよね……そうなると、王都の宿に行くので精一杯か……」
連携と言う点を考えれば、どちらかに極振りした方が良い筈だ。
そしてセルマへは、ゼイルスが絶対条件で派遣人員となる以上は、あと数名はフォルシアン公爵家の護衛から行く方が良い。
それでも、セルマ組にあと4~5人欲しい。
そう呟いたところで、ふと、別邸に頼もしすぎる戦力がいることを思い出した。
「…………あ」
思わず声の出た私に、皆の視線が集中する。
「やぁ……でもちょっと、エドヴァルド様の許可必須……」
私の呟きで、ファルコも私が何を言いたいかが分かったみたいだった。
「……言いたいことは分かるが、各所に問題があるんじゃねぇか?」
「だよねぇ……」
「まぁ、頭数に入れられるなら、5人で倍は見込めるだろうが」
「だよねぇ……」
「今からお館様の許可取れんのか?」
「だよねぇ……」
結局それしか返しようのない私に、お義兄様の目が半目になっていた。
「何の話だ。人手に心当たりがあるのか?」
「あー……」
ファルコはお義兄様に対しては答える気ゼロだ。
私は人差し指で軽く自分の頬を掻いた。
「……今、イデオン公爵邸別邸に、エドベリ殿下の歓迎式典以降ベルセリウス侯爵家――と言うか防衛軍の関係者が何名かまだ滞在をしていまして」
「「「…………」」」
――しん、と部屋が静まり返った。
「でもさすがに、王都の宿とかコンティオラ公爵邸周辺とかの小競り合いに参戦して貰うのは、後で叛逆の意図がどうとか、余計な火種を生みかねないので、居ても頼めないんですよね……」
ベルセリウス侯爵家の叛逆、あるいはその上にいるイデオン公爵家の叛逆の意志さえ問われかねない。
以前にギーレンからの間者を潰して貰ったのは、人目につきにくい、夜の間のことだったからだ。
「もしかしたら、セルマの街だったら、一応は王都の外にあるから……帰る道を間違えたとか? 近くに知り合いの領地があるとか? 鍛錬のつもりで遠回りして帰るつもりだったとか? 言い訳はたたなくもないかと思いながらも……王宮のエドヴァルド様に無断で頼むわけにはいかないなぁ……と」
「それは……そうだな」
どこにツッコミを入れていいのか分からない、と言う表情のまま、お義兄様が最初に声を上げた。
「だが、その防衛軍から、誰が来ているのかによっては、セルマの街で勇者に出会った時に、身分負けしない可能性がある。王宮に急使を走らせる価値はあると思うが」
「……身分」
そう言われてしまえば、充分すぎるほどの身分をお持ちの方が一人入っている。
それ以外にも、確か男爵家当主本人がいた筈だ。
まさか「勇者」が侯爵本人である筈はないだろうから、それであれば確実にその場で出くわしても身分負けはしない。
「……ワタシが、レヴに知らせる」
「⁉」
これは困ったな、と思っていたそこへ、不意にキーロの声が割って入った。
「レヴ、王宮騎士。ワタシが連絡をしても、アヤしまれない。友だち。レヴが宰相室、知らせる」
そう言いながらも、キーロの目が意味ありげにこちらに向いた気がした。
「いや、しかし朝までに話をつけて戻って来られるのか?」
私が何かを答える前に、どうやらキーロに親近感を持ちつつあるらしいラジス副団長が気遣いを見せているけれど、当の本人は「問題ナイ」と、答えていた。
――そしてその目が、一瞬、飾り棚の方へと向けられた。
(あっ……)
私は今度は、声を出さないよう口元に手を当てた。
そうか。
王宮に行くのは、キーロじゃない。
キーロはあくまで「行くフリ」をするだけだ。
魔力のない私じゃなく、キーロなら、人目につかないところで手紙を書いて、持たせることが出来る。
――飾り棚には、ハンカチの上に蹲って眠るリファちゃんの姿があった。
なので、そんな場合に邸宅に残って、もう一台くらい馬車が出ることになっても対応出来るようにしておくのと、主の命で諜報活動に潜入したりする場合なんかも考えて、特に高位貴族の場合は15人前後の護衛が邸宅で雇われていることが多いらしい。
「うーん……コンティオラ邸の中は、今、中に入っているイデオン家の皆とキーロ、ラジス副団長がいれば多分抑えられるとして……」
公に〝鷹の眼〟と言って良いのかが分からないので、ここはちょっと曖昧にしておく。
「邸宅の周りの七人、か? そいつらはコンティオラ公爵家の護衛連中に捕まえさせるのが筋だろう。正確な人数は聞いていないにせよ、おおよそ二対一で対峙出来る訳だから、さすがに何とかする筈だ」
「その時間、王都けいびたい、巡回、誘導しておく。それなら不審、思われない」
「ああ、じゃあ自警団も王都警備隊に倣うか。定期巡回の一環としておけば、細かいことを担当者に説明する必要もないし、万一公爵家の護衛が一人二人捕まえ損ねたとしても、逃げた先でどちらかが不審者として捕まえるだろうよ」
お義兄様の言葉に同調、あるいはフォローをするようにキーロが言い、それにはラジス副団長も、意外にも賛成の意を示した。
始めからコンティオラ公爵邸を見張るとなれば、多少の事情を察せられてしまう可能性がある。
出来ればそれは避けたいと私が言った意を汲んだキーロが、それを定期巡回の中に上手く組み込んでおけば、ただの業務の一環による不審者逮捕、コンティオラ家の護衛が討ち洩らさなければ、巡回担当者は何も気付かないまま、通常業務として終わると案を示したのだ。
そして人手が足りないかも知れないとお義兄様が言った言葉をラジス副団長が掬い上げて、王都警備隊の巡回に自警団の巡回も別に加えると言ったのだ。
元々、学園や学園の寮、五公爵家の邸宅や別邸を中心に巡回する王都警備隊と、ギルドや職人街を中心に巡回する自警団とは、貴族と市民の揉め事が起きるか、王都の外に出る街道沿いでたまたま時間が被るかしないことには、ほぼ出会わないらしい。
コンティオラ公爵邸を出て、王都の外へ出るための街道沿いを巡回させておけば、逃げるとしたらそこを通るしかないだろうから、万一があっても確実に捕らえられると言うことだろう。
男爵家の縁者とは言え、居丈高に出ることをしないキーロに、ラジス副団長もここは手を組んでも良いと考えたに違いなかった。
「それは……助かるな」
お義兄様も正直に、ほっと息を吐き出していた。
私も、それは今出来る中で一番良い策だと思うので、コクリと頷いておいた。
「となると、後は王都内の宿と、セルマか……」
「お義兄様、ウリッセの妹さんの顔を実際に見ている人間が今のところゼイルス一人だけです。それを考えると、セルマへはフォルシアン公爵家の護衛の中から行って貰った方が……」
私がそう話しかけると、お義兄様は「それはそうなんだが」と、難しい表情で眉根を寄せた。
「母上やコンティオラ公爵夫人、それに学園に向かうと称して明日邸宅を出る公爵令息、ナルディーニ侯爵の甥姪がこの邸宅に留まることになるだろう。その状態で、この邸宅を護衛なしの状態に出来る筈がない。せいぜい動かせたとしても三分の一までだ」
言い方は悪いが、いくらコデルリーエ男爵領が関係しているとは言え、フォルシアン公爵家の中においては「フォルシアン公爵夫人」の身の安全が何よりも優先される。
これに関しては、エリィ義母様がどう言おうと――だ。
多分イル義父様も認めないだろう。
お義兄様の言葉に、ああ……と、私もチラリとファルコを見やった。
私の視線を受けたファルコが「そう言う話なら」と、軽く咳払いをする。
「お嬢さんが乗る以上は、明日この邸宅からコンティオラ公爵邸に向かう馬車に、イデオン家から誰も付けないと言うのは有り得ない。今回とは関係のないところで、今、邸宅に居ないヤツだっている。動かせたとして、せいぜい5~6人だ」
「やっぱ、そうだよね……そうなると、王都の宿に行くので精一杯か……」
連携と言う点を考えれば、どちらかに極振りした方が良い筈だ。
そしてセルマへは、ゼイルスが絶対条件で派遣人員となる以上は、あと数名はフォルシアン公爵家の護衛から行く方が良い。
それでも、セルマ組にあと4~5人欲しい。
そう呟いたところで、ふと、別邸に頼もしすぎる戦力がいることを思い出した。
「…………あ」
思わず声の出た私に、皆の視線が集中する。
「やぁ……でもちょっと、エドヴァルド様の許可必須……」
私の呟きで、ファルコも私が何を言いたいかが分かったみたいだった。
「……言いたいことは分かるが、各所に問題があるんじゃねぇか?」
「だよねぇ……」
「まぁ、頭数に入れられるなら、5人で倍は見込めるだろうが」
「だよねぇ……」
「今からお館様の許可取れんのか?」
「だよねぇ……」
結局それしか返しようのない私に、お義兄様の目が半目になっていた。
「何の話だ。人手に心当たりがあるのか?」
「あー……」
ファルコはお義兄様に対しては答える気ゼロだ。
私は人差し指で軽く自分の頬を掻いた。
「……今、イデオン公爵邸別邸に、エドベリ殿下の歓迎式典以降ベルセリウス侯爵家――と言うか防衛軍の関係者が何名かまだ滞在をしていまして」
「「「…………」」」
――しん、と部屋が静まり返った。
「でもさすがに、王都の宿とかコンティオラ公爵邸周辺とかの小競り合いに参戦して貰うのは、後で叛逆の意図がどうとか、余計な火種を生みかねないので、居ても頼めないんですよね……」
ベルセリウス侯爵家の叛逆、あるいはその上にいるイデオン公爵家の叛逆の意志さえ問われかねない。
以前にギーレンからの間者を潰して貰ったのは、人目につきにくい、夜の間のことだったからだ。
「もしかしたら、セルマの街だったら、一応は王都の外にあるから……帰る道を間違えたとか? 近くに知り合いの領地があるとか? 鍛錬のつもりで遠回りして帰るつもりだったとか? 言い訳はたたなくもないかと思いながらも……王宮のエドヴァルド様に無断で頼むわけにはいかないなぁ……と」
「それは……そうだな」
どこにツッコミを入れていいのか分からない、と言う表情のまま、お義兄様が最初に声を上げた。
「だが、その防衛軍から、誰が来ているのかによっては、セルマの街で勇者に出会った時に、身分負けしない可能性がある。王宮に急使を走らせる価値はあると思うが」
「……身分」
そう言われてしまえば、充分すぎるほどの身分をお持ちの方が一人入っている。
それ以外にも、確か男爵家当主本人がいた筈だ。
まさか「勇者」が侯爵本人である筈はないだろうから、それであれば確実にその場で出くわしても身分負けはしない。
「……ワタシが、レヴに知らせる」
「⁉」
これは困ったな、と思っていたそこへ、不意にキーロの声が割って入った。
「レヴ、王宮騎士。ワタシが連絡をしても、アヤしまれない。友だち。レヴが宰相室、知らせる」
そう言いながらも、キーロの目が意味ありげにこちらに向いた気がした。
「いや、しかし朝までに話をつけて戻って来られるのか?」
私が何かを答える前に、どうやらキーロに親近感を持ちつつあるらしいラジス副団長が気遣いを見せているけれど、当の本人は「問題ナイ」と、答えていた。
――そしてその目が、一瞬、飾り棚の方へと向けられた。
(あっ……)
私は今度は、声を出さないよう口元に手を当てた。
そうか。
王宮に行くのは、キーロじゃない。
キーロはあくまで「行くフリ」をするだけだ。
魔力のない私じゃなく、キーロなら、人目につかないところで手紙を書いて、持たせることが出来る。
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