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第二部 宰相閣下の謹慎事情
547 カンパニュラの花言葉(前)
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エドヴァルドのエスコートを受け、隣の部屋へと移動をする。
どうやらコネクティングルームの様になっていたらしく、廊下へは出る事なく、部屋の右手にあった扉を支配人が静かに押した。
部屋の一部、デザインとしての扉だった訳ではなく、本当に隣の部屋へと繋がっていたのだ。
「えっ……」
そして、見えた景色に私の口からは、言葉がすぐには出て来なかった。
――まさか、扉の向こうが足元一面青い花で埋め尽くされているとは誰が思うだろう。
正確には、青い小さな花が咲き誇る鉢植えが、一部歩く為の場所を残して一面に敷き詰められていたのだ。
中央に座しているテーブルの上には、アフタヌーンティーさながらのティーセットがあって、香ばしい香りの焼き菓子や、ベリーたっぷりのタルトなどが所狭しと並べられている。
ただそれよりも、とにもかくにも足元を埋め尽くす花のインパクトが大きすぎた。
「これ……」
しかも見間違いでなければそれは、私がスヴェンテ公爵邸の庭で「欲しい」と呟いた、釣鐘草の、たくさん咲いていた花の中の一つだ。
「ああ。スヴェンテ公爵邸に問い合わせの使者を遣って、品種を確認した後、その中で今、無理なく手に入る品種をこの部屋に並べて貰うようレストラン側に頼んでおいた。鉢植えならばと〝アンブローシュ〟側も了承してくれたからな」
花を見て絶句している私が何を思ったか察したんだろう。
エドヴァルドが、私の抱いた疑問をなぞるように肯定した。
「ヘンリが無茶をしたうえに、私まで重ねて無茶は言えまいよ。あの庭に複数の品種が咲いていてくれて助かった」
わざとクスリと笑ったのは、私に気を遣わせないために違いなかった。
確かに、青や白、花の形も少しずつ違う釣鐘草が、スヴェンテ公爵邸には複数種咲いていたのだから。
「もちろんこれらの鉢植えは明日にでも公爵邸に届けさせて、庭師に植え替えを頼むつもりだ。一応、貴女の部屋の窓から見える範囲でと伝えておくつもりだが、他に希望があれば届いた時に直接指示してやってくれ」
「…………」
もう、驚きすぎて自分が「はい」と返事をしたかどうかすら、怪しい。
お茶の用意をしてきます、と支配人や従業員たちが一度部屋を出ていくのを、どこか他人事のように視界の端に収めながら呆然と立ち尽くしていると、不意に背後から「レイナ」と、名前を呼ばれた。
振り返ると、一歩分ほど開いていた距離の先で、エドヴァルドがじっとこちらを見つめている。
――右の手に、小さな花のブーケを持ちながら。
「レイナ」
もう一度、今度は少し声を張るようにして名前を呼ぶと、ゆっくりとその場に片膝をついて、手にしていたブーケをそっと私の方へと差し出した。
「結論は、出ただろうか」
「……エドヴァルド様……」
「今一度言おう。身分と覚悟が足りないだけなら、その憂いは全て私が払う。どうかこの先死ぬまで、あるいは死して後、さらに生まれ変わったとしても、永遠に私と、私の隣を歩いてはくれないだろうか」
「……永遠」
「ああ、永遠だ。たかが今生の生を終えたくらいで手を離してしまうのならば、初めから貴女を選びはしない。貴女の手を取って、共に足掻くと誓いなどしない。だから怯えるな。いつか手を離すかも、などと無駄な心配はしなくていい。――私はもう、とっくに貴女のものだ」
エドヴァルドの右手はブーケを持ったままだ。
だけど胸元にあてられていた左手が、私の右手をそっとすくい上げた。
ほんの一瞬、手の甲に唇が落とされる。
「私と結婚して欲しい」
そうして私の答えを待つように、顔を上げた。
(この人は、ここまで充分に待ってくれた)
私もちゃんと、考えたことを伝えなくてはならない。
だから少しだけ背筋を伸ばして、息を吸い込んだ。
「……あの」
「ああ」
「ありがとうございます。その、すごく……嬉しいです」
まずは何よりも先に、お礼だ。
エドヴァルドは、黙ってそのまま私の言葉の続きを待ってくれている。
決して急かそうとはしていなかった。
「色々な国に行った後で、やっぱり繋ぐのならこの手が良くて、隣にいて貰えるなら、エドヴァルド様がいいと……そう、思いました。だけど」
「レイナ」
だけど、と続けてしまったことで、私の右手をとったままのエドヴァルドの手が、ピクリと揺れた気がした。
私は慌てて首を大きく横に振る。
「違うんです。その、バリエンダールに行って帰って来ただけだと、どうしても……身分と覚悟が足りてないことへの不安までは埋まらなくて……」
生粋の貴族家出身でない人間が、王族に次ぐ家格である公爵家の当主夫人になる。
多少の実績を積もうと、一朝一夕で認められるものではないことくらいは私でも分かる。
「エドヴァルド様の隣を歩きたいです。他の誰かがその場所に立つのも見たくはないです。だけどまだ……身分も覚悟も足りていません。私が、それだけを不安に思っていると言えば……本当に、何とかして下さいますか……?」
私の言葉の裏にある意味を汲み取ったエドヴァルドが、ゆっくりと目を見開いた。
「それであれば……私の求婚を受けてくれると?」
それが答え方として正しいのかどうか分からなかったけれど、私はエドヴァルドの手をゆっくりとほどいて、差し出されていたブーケを両手でそっとすくい上げた。
胸元にブーケをあてて「……はい」と、こくりと頷いた。
「レイナ……」
立ち上がったエドヴァルドが、ブーケを持つ私の手を握ると、突然その手をグイとブーケごと上に引き上げた。
「⁉」
そのまま逆の手が私の背中へと回って、あっと言う間にエドヴァルドの胸に抱き寄せられていた。
「私を誰だと思っている。その程度の障害に手こずる男と思われるのは心外だ。どうやら自分が誰に愛されているのか……まだ、理解が足りないようだな」
帰ったらじっくり、思い知って貰うとしようか――。
耳元でとんでもないことを囁かれて、膝から崩れ落ちそうになる。
「もう、後戻りはさせないぞ?」
これが最後の確認だとばかりに、エドヴァルドが念押しをしてくる。
それはきっと、私に後悔をさせないための優しさ。
「……はい」
「……そうか」
私はエドヴァルドの耳元でだけ聞こえる声でそう答えて、重ねられた唇を、そのまま受け入れた。
それは短い時間、儀式の一環のようなさりげなさだった。
「……そろそろ、お茶を持って戻って来るだろうな。座ろうか」
「……え?」
動揺が先に立って気が付いていなかったけれど、今、デザートの置かれたこの部屋は綺麗に人払いがされている状態だった。
「紹介なき者が入店出来ないほどの格式を長年誇っているんだ。支配人以下、従業員はよく教育をされているし、場の空気を察した行動をたやすく取ることが出来る」
エドヴァルドが何も言わずとも、彼らは一斉に部屋から出て行ったらしい。
恐らくは呼ばずとも戻って来るだろうとも確信しているらしかった。
「貴女が結婚を承諾してくれたところで、したい話や見せたい物もあった。まずは座って、デザートを楽しむとしようか」
エドヴァルドの言葉に扉がノックされる音が重なる。
ほら、と言わんばかりにエドヴァルドは微笑った。
部屋一面の釣鐘草。
よく見ればブーケの方にも、別の釣鐘草が混ざっている。
――その花言葉が「思いを告げる」であると、ヨンナから聞いたのは公爵邸に戻ってからの事だった。
**************************************************************
皆さま、いつも読んでいただいて有難うございます!
さてあと数日で、エドヴァルドのもう一つの愛称が決定(?)する予定です。
詳しくは近況ボードの方をご覧下さいませ m(_ _)m
↓
※差し出されたブーケと部屋を埋め尽くしたカンパニュラのイメージ※
どうやらコネクティングルームの様になっていたらしく、廊下へは出る事なく、部屋の右手にあった扉を支配人が静かに押した。
部屋の一部、デザインとしての扉だった訳ではなく、本当に隣の部屋へと繋がっていたのだ。
「えっ……」
そして、見えた景色に私の口からは、言葉がすぐには出て来なかった。
――まさか、扉の向こうが足元一面青い花で埋め尽くされているとは誰が思うだろう。
正確には、青い小さな花が咲き誇る鉢植えが、一部歩く為の場所を残して一面に敷き詰められていたのだ。
中央に座しているテーブルの上には、アフタヌーンティーさながらのティーセットがあって、香ばしい香りの焼き菓子や、ベリーたっぷりのタルトなどが所狭しと並べられている。
ただそれよりも、とにもかくにも足元を埋め尽くす花のインパクトが大きすぎた。
「これ……」
しかも見間違いでなければそれは、私がスヴェンテ公爵邸の庭で「欲しい」と呟いた、釣鐘草の、たくさん咲いていた花の中の一つだ。
「ああ。スヴェンテ公爵邸に問い合わせの使者を遣って、品種を確認した後、その中で今、無理なく手に入る品種をこの部屋に並べて貰うようレストラン側に頼んでおいた。鉢植えならばと〝アンブローシュ〟側も了承してくれたからな」
花を見て絶句している私が何を思ったか察したんだろう。
エドヴァルドが、私の抱いた疑問をなぞるように肯定した。
「ヘンリが無茶をしたうえに、私まで重ねて無茶は言えまいよ。あの庭に複数の品種が咲いていてくれて助かった」
わざとクスリと笑ったのは、私に気を遣わせないために違いなかった。
確かに、青や白、花の形も少しずつ違う釣鐘草が、スヴェンテ公爵邸には複数種咲いていたのだから。
「もちろんこれらの鉢植えは明日にでも公爵邸に届けさせて、庭師に植え替えを頼むつもりだ。一応、貴女の部屋の窓から見える範囲でと伝えておくつもりだが、他に希望があれば届いた時に直接指示してやってくれ」
「…………」
もう、驚きすぎて自分が「はい」と返事をしたかどうかすら、怪しい。
お茶の用意をしてきます、と支配人や従業員たちが一度部屋を出ていくのを、どこか他人事のように視界の端に収めながら呆然と立ち尽くしていると、不意に背後から「レイナ」と、名前を呼ばれた。
振り返ると、一歩分ほど開いていた距離の先で、エドヴァルドがじっとこちらを見つめている。
――右の手に、小さな花のブーケを持ちながら。
「レイナ」
もう一度、今度は少し声を張るようにして名前を呼ぶと、ゆっくりとその場に片膝をついて、手にしていたブーケをそっと私の方へと差し出した。
「結論は、出ただろうか」
「……エドヴァルド様……」
「今一度言おう。身分と覚悟が足りないだけなら、その憂いは全て私が払う。どうかこの先死ぬまで、あるいは死して後、さらに生まれ変わったとしても、永遠に私と、私の隣を歩いてはくれないだろうか」
「……永遠」
「ああ、永遠だ。たかが今生の生を終えたくらいで手を離してしまうのならば、初めから貴女を選びはしない。貴女の手を取って、共に足掻くと誓いなどしない。だから怯えるな。いつか手を離すかも、などと無駄な心配はしなくていい。――私はもう、とっくに貴女のものだ」
エドヴァルドの右手はブーケを持ったままだ。
だけど胸元にあてられていた左手が、私の右手をそっとすくい上げた。
ほんの一瞬、手の甲に唇が落とされる。
「私と結婚して欲しい」
そうして私の答えを待つように、顔を上げた。
(この人は、ここまで充分に待ってくれた)
私もちゃんと、考えたことを伝えなくてはならない。
だから少しだけ背筋を伸ばして、息を吸い込んだ。
「……あの」
「ああ」
「ありがとうございます。その、すごく……嬉しいです」
まずは何よりも先に、お礼だ。
エドヴァルドは、黙ってそのまま私の言葉の続きを待ってくれている。
決して急かそうとはしていなかった。
「色々な国に行った後で、やっぱり繋ぐのならこの手が良くて、隣にいて貰えるなら、エドヴァルド様がいいと……そう、思いました。だけど」
「レイナ」
だけど、と続けてしまったことで、私の右手をとったままのエドヴァルドの手が、ピクリと揺れた気がした。
私は慌てて首を大きく横に振る。
「違うんです。その、バリエンダールに行って帰って来ただけだと、どうしても……身分と覚悟が足りてないことへの不安までは埋まらなくて……」
生粋の貴族家出身でない人間が、王族に次ぐ家格である公爵家の当主夫人になる。
多少の実績を積もうと、一朝一夕で認められるものではないことくらいは私でも分かる。
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私の言葉の裏にある意味を汲み取ったエドヴァルドが、ゆっくりと目を見開いた。
「それであれば……私の求婚を受けてくれると?」
それが答え方として正しいのかどうか分からなかったけれど、私はエドヴァルドの手をゆっくりとほどいて、差し出されていたブーケを両手でそっとすくい上げた。
胸元にブーケをあてて「……はい」と、こくりと頷いた。
「レイナ……」
立ち上がったエドヴァルドが、ブーケを持つ私の手を握ると、突然その手をグイとブーケごと上に引き上げた。
「⁉」
そのまま逆の手が私の背中へと回って、あっと言う間にエドヴァルドの胸に抱き寄せられていた。
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それは短い時間、儀式の一環のようなさりげなさだった。
「……そろそろ、お茶を持って戻って来るだろうな。座ろうか」
「……え?」
動揺が先に立って気が付いていなかったけれど、今、デザートの置かれたこの部屋は綺麗に人払いがされている状態だった。
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エドヴァルドが何も言わずとも、彼らは一斉に部屋から出て行ったらしい。
恐らくは呼ばずとも戻って来るだろうとも確信しているらしかった。
「貴女が結婚を承諾してくれたところで、したい話や見せたい物もあった。まずは座って、デザートを楽しむとしようか」
エドヴァルドの言葉に扉がノックされる音が重なる。
ほら、と言わんばかりにエドヴァルドは微笑った。
部屋一面の釣鐘草。
よく見ればブーケの方にも、別の釣鐘草が混ざっている。
――その花言葉が「思いを告げる」であると、ヨンナから聞いたのは公爵邸に戻ってからの事だった。
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