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第二部 宰相閣下の謹慎事情
527 来ちゃった?
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「やっほー、来ちゃった♪」
「⁉」
扉を叩いて、昼食の用意が整ったと告げに来たのは、確かに侍女の声だった。
なのに扉が開いたと思ったら、入って来た侍女の隣で、ナザリオ・セルフォンテ王都商業ギルド長が片手をひらひらと振っていた。
いや、確かにシレアンさんが登場予告はしていたけれども!
今⁉
って言うか「来ちゃった」って何!
「あー、やっぱりお取込み中だったか。まぁそんな気もしたんだけどさ、昼食までの時間を考えたら、大きな声では言えないようなところまではいかないだろうと思ったんだよね」
あっけらかんと笑うナザリオギルド長の隣では、案内役の侍女の顔色が真っ青になっている。
そりゃあ、誰もこんな場面には出くわしたくないだろう。
と言うか、普通に私もイヤだ!
「…………誰だ」
特にやましいとも思っていないからだろう。
エドヴァルドの方は顔色も変えないし、慌てて私から離れるような事もなかった。
ただ、ゆっくりと身体を起こした過程で、明らかな冷気があたりに漂い始めていた。
私の方が慌ててエドヴァルドの後から身体を起こして、服の袖を引っ張る。
「あっ、あのっ、さっきシレアンさんが言ってた、バリエンダールの王都商業ギルド長です。多分、そこにある荷物の説明にいらしたんじゃないかと……っ」
「……この男が?」
そりゃあまあ、アンジェスのリーリャさんやアズレートさん、ここバリエンダールにしてもシレアンさんを見た後では、ナザリオギルド長の存在は明らかに異質だ。
「どうも、初めまして」
そして、ギルド長就任までやそれからも、あれこれと修羅場をくぐってきているナザリオギルド長の腹の据わり具合もお見事だ。
自分が国王陛下以外に膝をつく必要がないと言う事を、よく分かっていて、年齢で足元を見られないよう、最大限にそれを活かしている。
「ナザリオ・セルフォンテ。まあ、身元証明なら、あとでここの国王陛下に聞いてくれても良いけどね。一応、バリエンダール王都で商業ギルド長やってるよ」
そして、バリエンダールの次はベルィフのギルド長にと望まれているなら、当面の間、彼がエドヴァルドに対して遜る必要性は全くない訳である。
エドヴァルドも、微かに眉根は寄せていたけれど、表だってはそれ以上追及しなかった。
「ちなみに、ユングベリ商会長の言っている事は正しいよ。王や王太子殿下との昼食が終わったら、一度アンジェスに帰るって聞いたからね。とりあえず、荷物の話をしておこうと思って」
昼食会場で、ギルドとユングベリ商会とのビジネスの話が出来るとは思えないから、とナザリオギルド長は肩をすくめた。
「一人で来たんじゃないし、侍女ちゃんも一緒だから大丈夫だよね?いや、さっきさ、通りすがりにミラン殿下の執務室が仕事出来ない状態になってるトコ見ちゃったんだよね。ノヴェッラ女伯爵が今、聖女様の術で霜を溶かして同時に乾燥魔術も展開させているところだから、もうすぐ元には戻ると思うんだけどさ、あれを人体にぶつけられたら、さすがにイヤだし」
「⁉」
「表向き謹慎中のフォサーティ宰相が、殿下に代わって確認してたみたいだけど、書類は無事らしいよ。窓枠とか本棚とか、机とか椅子とかが凍りついて、どこで仕事をすれば……状態だったんだってさ。ある意味器用だよね。奇跡?ノヴェッラ女伯爵も感心してた」
……色々と、聞き捨てならない事を聞いたかも知れない。
マリーカ・ノヴェッラ女伯爵は、聖女として〝転移扉〟を維持するだけではなく、宝石がもつ力を使った治癒魔法の研究、実践に努めている人だとは思っていたけど、治癒以外にも魔術を展開させる事が出来るらしい。
努力の人。本当に、女伯爵としての地位を賜るのに相応しい人物と言う事なんだろう。
どう言う状況になっているのか、見てみたい気もしたけど、明らかにエドヴァルドからは、それが許されない空気をひしひしと感じた。
この空気を読めとの、無言の主張ですね。はい。
まあ、どこが凍り付くのかなんて、エドヴァルドはコントロール出来ないと言っていたから、確かにナザリオギルド長の言う通り「奇跡」と言えなくもない。
ナザリオギルド長も、それを理解したのかどうか、少し笑っているように見えた。
「まあ、それはいいや。僕には関係のない話だしね。ちょっとした挨拶代わりのネタとでも思っておいてくれれば良いよ。とりあえず、昼食会の場所に行く道すがら、話をさせてくれない?」
「…………承知した」
寝台から下りて、服を少し直しているエドヴァルドの表情は、対外的に知られた「鉄壁、冷徹」モードになっている。
あまりナザリオギルド長には意味はなさそうだけれど、親しさを見せる義理もないと言ったところだろう。
「腕組みくらいは、どうぞ遠慮なく――?僕はそこまで野暮じゃないし、命も惜しい。半歩前くらいを歩いたところで、話は出来るしね」
じゃあとりあえず行く前に……と、ナザリオギルド長は部屋の隅に積み上がった箱や袋を、片手を広げて指し示して見せた。
「これ、増えてるのは分かったと思うんだけど、人形の素材になりそうな生地とか糸とか、見本を色々と入手したんだよ。まあ、ガラスギャラリーの仕組みと一緒でさ。業者や工房に見本を出して貰って、取引出来そうな所を選んで貰う感じ?いいと思った所があれば、アンジェスのギルドから手紙を出してよ。僕が工房に連絡を入れて、提携の書類をシレアンに作らせるから」
要は、王都商業ギルドから見て優良と思えるところから、プレゼンをさせたと言う事なんだろう。
「それとね、カファロ兄妹のガラス工房だけど、妹の方がね、まったく新しい製品を作りたいって言うユングベリ商会の案に興味を示していたよ?あそこはね、兄の方は完全な職人気質で、工房を動かしているのは妹の方なんだよ。紹介カードを見た妹から、職人ギルドの方に連絡が入ったらしい。――でね?」
そう言ったナザリオギルド長が、積まれた箱の中から一つを取り出して、こちらに開けて見せた。
「これ、中に入っているのは、妹さんからの手紙と、工房で作っている、ユングベリ商会長がガラスギャラリーで気に入って見ていたって言うグラスの、新製品。強度の問題もあるだろうし、こちらでぜひお確かめ下さいって事らしいよ?」
「わ……」
私が最初に気に入った、切子細工を思わせる、繊細な飾りつけのグラス。
片方は、赤と黄色が絶妙に混じりあっている。そしてもう片方は、青と黄色――と言うよりは琥珀の色が、こちらも絶妙に混じりあって、優雅な輝きを煌めかせていた。
「え、これ、貰って良いんですか?」
「貰うもなにも、お試しってコトだから、遠慮しなくて良いんじゃないの?何回か使って、感想なり改善要望なり送れば良いと思うよ。多分、ユングベリ商会長の望む商品を作るにしても、自分たちの作り上げた商品も置いて欲しいって言う無言のお願いだと思うしね」
切子細工は大好きだ。
私が目を輝かせて見ている事に気付いたエドヴァルドが、隣から箱の中身を覗き込んだ。
「なるほど、ここまでいくとリリアートに作らせるのも難しいだろうな。レイナが、商会の売りとしたいのも理解は出来る」
「ああ、まあ、ガラス細工を手掛ける工房くらい、アンジェスにだって複数ある訳だしね」
アンジェスのギルドにいた経験のあるナザリオギルド長は、当然、リリアート領を含めたアンジェス国内の産業事情もある程度知っているんだろう。
特にナザリオギルド長の場合は、一度見たものは忘れないと言っても過言じゃない程の天才肌の人だ。
「だけど、ここは別格だろう?いいところに目を付けたと思うよ、僕も」
そう相槌を打ったナザリオギルド長は、私の手からそっと箱を持ち上げると、再び蓋を閉めて、元の場所に戻した。
「後は市場から持って来た魚とか、市場のチェーリアからの話とかもあるんだけど、とりあえずそれは歩きながらでも出来るから、行こうか。いくら僕でも遅刻させるのはさすがに憚られる」
お待たせ、侍女ちゃん――なんて軽い調子で言っているけれど、あれで多分、極限まで緊張している侍女を何とかしてやらねばと思ったのかも知れない。
「……行くか」
「そうですね」
私とエドヴァルドは、ナザリオギルド長は敢えて見ずに、頷きあう事にした。
「⁉」
扉を叩いて、昼食の用意が整ったと告げに来たのは、確かに侍女の声だった。
なのに扉が開いたと思ったら、入って来た侍女の隣で、ナザリオ・セルフォンテ王都商業ギルド長が片手をひらひらと振っていた。
いや、確かにシレアンさんが登場予告はしていたけれども!
今⁉
って言うか「来ちゃった」って何!
「あー、やっぱりお取込み中だったか。まぁそんな気もしたんだけどさ、昼食までの時間を考えたら、大きな声では言えないようなところまではいかないだろうと思ったんだよね」
あっけらかんと笑うナザリオギルド長の隣では、案内役の侍女の顔色が真っ青になっている。
そりゃあ、誰もこんな場面には出くわしたくないだろう。
と言うか、普通に私もイヤだ!
「…………誰だ」
特にやましいとも思っていないからだろう。
エドヴァルドの方は顔色も変えないし、慌てて私から離れるような事もなかった。
ただ、ゆっくりと身体を起こした過程で、明らかな冷気があたりに漂い始めていた。
私の方が慌ててエドヴァルドの後から身体を起こして、服の袖を引っ張る。
「あっ、あのっ、さっきシレアンさんが言ってた、バリエンダールの王都商業ギルド長です。多分、そこにある荷物の説明にいらしたんじゃないかと……っ」
「……この男が?」
そりゃあまあ、アンジェスのリーリャさんやアズレートさん、ここバリエンダールにしてもシレアンさんを見た後では、ナザリオギルド長の存在は明らかに異質だ。
「どうも、初めまして」
そして、ギルド長就任までやそれからも、あれこれと修羅場をくぐってきているナザリオギルド長の腹の据わり具合もお見事だ。
自分が国王陛下以外に膝をつく必要がないと言う事を、よく分かっていて、年齢で足元を見られないよう、最大限にそれを活かしている。
「ナザリオ・セルフォンテ。まあ、身元証明なら、あとでここの国王陛下に聞いてくれても良いけどね。一応、バリエンダール王都で商業ギルド長やってるよ」
そして、バリエンダールの次はベルィフのギルド長にと望まれているなら、当面の間、彼がエドヴァルドに対して遜る必要性は全くない訳である。
エドヴァルドも、微かに眉根は寄せていたけれど、表だってはそれ以上追及しなかった。
「ちなみに、ユングベリ商会長の言っている事は正しいよ。王や王太子殿下との昼食が終わったら、一度アンジェスに帰るって聞いたからね。とりあえず、荷物の話をしておこうと思って」
昼食会場で、ギルドとユングベリ商会とのビジネスの話が出来るとは思えないから、とナザリオギルド長は肩をすくめた。
「一人で来たんじゃないし、侍女ちゃんも一緒だから大丈夫だよね?いや、さっきさ、通りすがりにミラン殿下の執務室が仕事出来ない状態になってるトコ見ちゃったんだよね。ノヴェッラ女伯爵が今、聖女様の術で霜を溶かして同時に乾燥魔術も展開させているところだから、もうすぐ元には戻ると思うんだけどさ、あれを人体にぶつけられたら、さすがにイヤだし」
「⁉」
「表向き謹慎中のフォサーティ宰相が、殿下に代わって確認してたみたいだけど、書類は無事らしいよ。窓枠とか本棚とか、机とか椅子とかが凍りついて、どこで仕事をすれば……状態だったんだってさ。ある意味器用だよね。奇跡?ノヴェッラ女伯爵も感心してた」
……色々と、聞き捨てならない事を聞いたかも知れない。
マリーカ・ノヴェッラ女伯爵は、聖女として〝転移扉〟を維持するだけではなく、宝石がもつ力を使った治癒魔法の研究、実践に努めている人だとは思っていたけど、治癒以外にも魔術を展開させる事が出来るらしい。
努力の人。本当に、女伯爵としての地位を賜るのに相応しい人物と言う事なんだろう。
どう言う状況になっているのか、見てみたい気もしたけど、明らかにエドヴァルドからは、それが許されない空気をひしひしと感じた。
この空気を読めとの、無言の主張ですね。はい。
まあ、どこが凍り付くのかなんて、エドヴァルドはコントロール出来ないと言っていたから、確かにナザリオギルド長の言う通り「奇跡」と言えなくもない。
ナザリオギルド長も、それを理解したのかどうか、少し笑っているように見えた。
「まあ、それはいいや。僕には関係のない話だしね。ちょっとした挨拶代わりのネタとでも思っておいてくれれば良いよ。とりあえず、昼食会の場所に行く道すがら、話をさせてくれない?」
「…………承知した」
寝台から下りて、服を少し直しているエドヴァルドの表情は、対外的に知られた「鉄壁、冷徹」モードになっている。
あまりナザリオギルド長には意味はなさそうだけれど、親しさを見せる義理もないと言ったところだろう。
「腕組みくらいは、どうぞ遠慮なく――?僕はそこまで野暮じゃないし、命も惜しい。半歩前くらいを歩いたところで、話は出来るしね」
じゃあとりあえず行く前に……と、ナザリオギルド長は部屋の隅に積み上がった箱や袋を、片手を広げて指し示して見せた。
「これ、増えてるのは分かったと思うんだけど、人形の素材になりそうな生地とか糸とか、見本を色々と入手したんだよ。まあ、ガラスギャラリーの仕組みと一緒でさ。業者や工房に見本を出して貰って、取引出来そうな所を選んで貰う感じ?いいと思った所があれば、アンジェスのギルドから手紙を出してよ。僕が工房に連絡を入れて、提携の書類をシレアンに作らせるから」
要は、王都商業ギルドから見て優良と思えるところから、プレゼンをさせたと言う事なんだろう。
「それとね、カファロ兄妹のガラス工房だけど、妹の方がね、まったく新しい製品を作りたいって言うユングベリ商会の案に興味を示していたよ?あそこはね、兄の方は完全な職人気質で、工房を動かしているのは妹の方なんだよ。紹介カードを見た妹から、職人ギルドの方に連絡が入ったらしい。――でね?」
そう言ったナザリオギルド長が、積まれた箱の中から一つを取り出して、こちらに開けて見せた。
「これ、中に入っているのは、妹さんからの手紙と、工房で作っている、ユングベリ商会長がガラスギャラリーで気に入って見ていたって言うグラスの、新製品。強度の問題もあるだろうし、こちらでぜひお確かめ下さいって事らしいよ?」
「わ……」
私が最初に気に入った、切子細工を思わせる、繊細な飾りつけのグラス。
片方は、赤と黄色が絶妙に混じりあっている。そしてもう片方は、青と黄色――と言うよりは琥珀の色が、こちらも絶妙に混じりあって、優雅な輝きを煌めかせていた。
「え、これ、貰って良いんですか?」
「貰うもなにも、お試しってコトだから、遠慮しなくて良いんじゃないの?何回か使って、感想なり改善要望なり送れば良いと思うよ。多分、ユングベリ商会長の望む商品を作るにしても、自分たちの作り上げた商品も置いて欲しいって言う無言のお願いだと思うしね」
切子細工は大好きだ。
私が目を輝かせて見ている事に気付いたエドヴァルドが、隣から箱の中身を覗き込んだ。
「なるほど、ここまでいくとリリアートに作らせるのも難しいだろうな。レイナが、商会の売りとしたいのも理解は出来る」
「ああ、まあ、ガラス細工を手掛ける工房くらい、アンジェスにだって複数ある訳だしね」
アンジェスのギルドにいた経験のあるナザリオギルド長は、当然、リリアート領を含めたアンジェス国内の産業事情もある程度知っているんだろう。
特にナザリオギルド長の場合は、一度見たものは忘れないと言っても過言じゃない程の天才肌の人だ。
「だけど、ここは別格だろう?いいところに目を付けたと思うよ、僕も」
そう相槌を打ったナザリオギルド長は、私の手からそっと箱を持ち上げると、再び蓋を閉めて、元の場所に戻した。
「後は市場から持って来た魚とか、市場のチェーリアからの話とかもあるんだけど、とりあえずそれは歩きながらでも出来るから、行こうか。いくら僕でも遅刻させるのはさすがに憚られる」
お待たせ、侍女ちゃん――なんて軽い調子で言っているけれど、あれで多分、極限まで緊張している侍女を何とかしてやらねばと思ったのかも知れない。
「……行くか」
「そうですね」
私とエドヴァルドは、ナザリオギルド長は敢えて見ずに、頷きあう事にした。
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