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第二部 宰相閣下の謹慎事情
313 王の威厳
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
「貴様は何様のつもりだ?」
サイコパス陛下サマのお声は、もはやマグマがぐつぐつと滾っているかの様だった。
それに気付いていない、キリアン王子の随行員(恐らくはバルキン公爵)が「は?」と、墓穴をガンガンに掘り進めている。
「一国の国王に対して、名乗りもせず己の意見を押し通す貴様は何者かと問うた」
「っ!」
そこまで言われて、相手はようやく、自分が名乗っていない事に気が付いたみたいだった。
見れば分かるだろうとでも思っていたんだろうか。
…って言うくらいに、目を見開いているけれど。
なるほど、コレが後見に付いたから、第一王子はああなった、と。
場の空気は、白々としていると言うよりは「陛下堪えて下さい!」と言う懇願で大半が占められている気がした。
もはや視線だけで人を射殺せそうな勢いを感じ取ったのか、問われた側も、かいてもいない汗を拭う仕種で、何とかこの場を乗り切ろうとしていた。
「わ、私めは、サレステーデ国バルキン公爵家当主ゲオルグにございます。へ、陛下におかれましては、御身ご健勝のこととお慶び申し上げたいと存じます」
「ほう……公爵」
「は……」
「たかが公爵が、この私に意見をするか。その上、言うに事を欠いて内政干渉だと?そもそも王子同士の争いを自国内に留め置けなかった時点で、そんな戯言が通じると思うな。ただ連れて帰らせるだけなどと、そんなお人好しな国があってたまるか」
普段のフィルバートであれば、爵位持ち、それも公爵たる貴族を「たかが」と言い捨てる事はまずない。
ただ、自分が持たれているであろう「独裁者」「暴君」と言ったイメージを逆手にとって、公爵と国王との立ち位置の違いを、特にこの場では明確にしなくてはならないと判断をしたんだろう。
積極的に就いた玉座ではなくとも、アンジェスの王家を背負う者としての矜持は、きっと人一倍持っているだろうから。
「ご、ご無礼大変に申し訳なく――」
「そもそもが、私の話が途中だった事は分かっていたか?不敬罪で今すぐ斬り捨ててやっても構わんのだがな。第一王子でないのなら、公爵ごとき斬り捨てたところで、誰の胸も痛むまいよ。まあ、第一王子でも私の胸はこれっぽちも痛まんが」
「―――」
フィルバートの言葉に、一片の駆け引きの意味もこもっていない事は、アンジェス国において高位貴族を名乗る者ならば全員が肌で理解しているし、少なくともドナート第二王子も、実際目の前でとある公爵が斬り捨てられているのだから、まったく冗談だとは捉えていなかった。
「なっ……⁉」
口をパクパクとさせているのは、フィルバート・アンジェスと言う人間の本質を知らないキリアン王子だが、多分その後ろに控えている「ご一行様」も、心境は同じだろう。
サレステーデ国は情報弱者――この一連の騒動で、アンジェス国の関係者皆が悟った気がした。
ギーレンのエドベリ王子さえ、アンジェスに来た時にはフィルバートとの会話に注意をしていたのだから。
「で、ドナート王子。私が尋ねた話には今、答えられるのか?」
問われたドナート王子は、青い顔をフィルバートへと向けた。
「……仰る事に相違はございません、陛下。礼を失する事甚だしい振る舞いでそこに立っておりますのが、キリアン・サレステーデ。当代国王セゴール・サレステーデの、現時点での第一子にして、私の不肖の異母兄にございます」
レストラン〝チェカル〟やフィルバートの執務室で顔を合わせた時には、軽薄な雰囲気が色濃かったところが、さすがに貴族牢に兄妹揃って放り込まれる事態になって、思うところでもあったんだろうか。
(……うん?現時点って言った?)
ふと胸の内に浮かんだ疑問をどうしたものかと思ったところに、キリアン王子とバルキン公爵の後ろにいた、エドヴァルドが「気を配れ」とベルセリウス将軍に告げていた背の高い男が、腰に下げていた剣にそっと手をかけたのが視界に入った。
フィルバートの方を向いて、膝立ちの姿勢のまま頭を下げているドナート王子には、多分それは見えていない。
ただ隣にいるドロテア王女が「お兄様⁉」と、悲鳴交じりの声を発していたから、それは決して気のせいじゃないだろう。
「!」
そしてその途端、男の髪がフワリと浮き上がって、男が驚いた様にベルセリウス将軍の方を向いていた。
と言う事は、今のが「威嚇」なんだろうかと、場の深刻さも忘れて、私はちょっと感心してしまった。
「黙れ、ドナート!何故、側妃の子であるおまえごときが、僕のことを勝手に紹介しているんだ!現時点も何もない、父上の後を継ぐのはこの僕だ!おまえは国で処刑してやる――いや、そのままここで処刑されるが良い‼」
…どうやらキリアン王子は、この場を覆っている、複数の殺意溢れる空気にはこれっぽちもお気付きでないようだった。
この謁見の間には、正妃正室以外の子でありながら王宮で役職を得たりしている優秀な人材だって少なくはない筈だ。
フィルバート自身は正妃の子ではあるけれど、仮にそうでなかったとしたなら――考えるのも怖い。
そもそも他国の謁見の間において「僕」と叫んでいる時点で問題だろうし、まして勝手に処刑だと喚いている時点で、よほどの「内政干渉」だと言うべきだった。
「……勝手に処刑だなんだと喚くのはやめて貰おうか、キリアン王子とやら?」
エドヴァルドの冷気とは対照的に、お怒りの陛下サマが飛ばす殺気はドロドロのマグマ並みの熱波らしい。
でもって、やっぱり陛下もまず引っかかったのは「名前」らしかった。
あくまで正式に名乗られてはいないと言うところを、最後まで仄めかせておくつもりなのだ。
本人、気が付いていないと言う事を分かっていながら。
いちいち教えるつもりはない、気になるなら周りが注意をしろと言うスタンスだ。
その上で周りも、誰も教えないのだから、もう、外交的には0点と言うべきだろうけど。
「なっ⁉陛下は、そこの側妃の子――罪人の味方をされるのか⁉」
この拘りっぷりからすると、もしかしたら自分でも「正妃の子」である事以外に、ドナート王子よりも上だと主張できるところが見つけられないのかも知れない。
もう完全に余裕がなくなっていた。
「ここはアンジェスだ。罪人かどうかを決めるのは、アンジェスの国王である私だ。この二人は、我が国の国民を傷つけようとしたが故に拘束をしているが、まだ裁いてはいない。どうするかを横から口出しされる謂れはない」
「しかし……っ」
「そもそもが、貴国の者、それも王族が、我が国でも重要な立場にある二人を傷つけんとした事に対する詫びも兼ねて来ると言う話だった筈だが?先ほどから自分たちの都合を喚くばかりで、いっこうに肝心の話が出て来ないんだがな」
容赦のないフィルバートの言葉に、キリアン王子もバルキン公爵も黙り込んでいる。
フィルバートは、聞こえよがしな溜息を吐き出して、目の前のサレステーデからの一行を睥睨した。
「まあ、これまで外交の場に出た事もないだろうと、ある程度は目を瞑るつもりでいたから、初回特典でこれ以上は言わずにいてやろう。一応、食事も用意させているしな。控えの間を整えてあるから、そこで待たれると良い」
「いや、我々は……っ」
「残念ながら、捕らえた二人の取り調べの場に、立ち合わせる訳にはいかない。まあ、それが許されない程度に礼は失したと思って貰おうか。そこの二人は、約束通り色々と聞かせて貰うぞ」
我々は国の特使だ!とか何とか、キリアン王子やバルキン公爵が叫ぶ声は聞こえるけれど、フィルバートに命じられた護衛騎士たちは、一切そんな事に忖度せず、二人を引きずるようにして、謁見の間から出て行ってしまった。
例の油断ならない男は?と思ったところが、こちらは腕を取られそうになったところで「触るな」と護衛騎士の手を振り払って、自らの意思で、共に謁見の間を後にして行った。
「………宰相。私は随分と耐えたと思うが?」
フィルバートの呟きが、同意以外の言葉を求めていないと言うのが私にも分かったし、エドヴァルドも黙って頭を下げただけだった。
「貴様は何様のつもりだ?」
サイコパス陛下サマのお声は、もはやマグマがぐつぐつと滾っているかの様だった。
それに気付いていない、キリアン王子の随行員(恐らくはバルキン公爵)が「は?」と、墓穴をガンガンに掘り進めている。
「一国の国王に対して、名乗りもせず己の意見を押し通す貴様は何者かと問うた」
「っ!」
そこまで言われて、相手はようやく、自分が名乗っていない事に気が付いたみたいだった。
見れば分かるだろうとでも思っていたんだろうか。
…って言うくらいに、目を見開いているけれど。
なるほど、コレが後見に付いたから、第一王子はああなった、と。
場の空気は、白々としていると言うよりは「陛下堪えて下さい!」と言う懇願で大半が占められている気がした。
もはや視線だけで人を射殺せそうな勢いを感じ取ったのか、問われた側も、かいてもいない汗を拭う仕種で、何とかこの場を乗り切ろうとしていた。
「わ、私めは、サレステーデ国バルキン公爵家当主ゲオルグにございます。へ、陛下におかれましては、御身ご健勝のこととお慶び申し上げたいと存じます」
「ほう……公爵」
「は……」
「たかが公爵が、この私に意見をするか。その上、言うに事を欠いて内政干渉だと?そもそも王子同士の争いを自国内に留め置けなかった時点で、そんな戯言が通じると思うな。ただ連れて帰らせるだけなどと、そんなお人好しな国があってたまるか」
普段のフィルバートであれば、爵位持ち、それも公爵たる貴族を「たかが」と言い捨てる事はまずない。
ただ、自分が持たれているであろう「独裁者」「暴君」と言ったイメージを逆手にとって、公爵と国王との立ち位置の違いを、特にこの場では明確にしなくてはならないと判断をしたんだろう。
積極的に就いた玉座ではなくとも、アンジェスの王家を背負う者としての矜持は、きっと人一倍持っているだろうから。
「ご、ご無礼大変に申し訳なく――」
「そもそもが、私の話が途中だった事は分かっていたか?不敬罪で今すぐ斬り捨ててやっても構わんのだがな。第一王子でないのなら、公爵ごとき斬り捨てたところで、誰の胸も痛むまいよ。まあ、第一王子でも私の胸はこれっぽちも痛まんが」
「―――」
フィルバートの言葉に、一片の駆け引きの意味もこもっていない事は、アンジェス国において高位貴族を名乗る者ならば全員が肌で理解しているし、少なくともドナート第二王子も、実際目の前でとある公爵が斬り捨てられているのだから、まったく冗談だとは捉えていなかった。
「なっ……⁉」
口をパクパクとさせているのは、フィルバート・アンジェスと言う人間の本質を知らないキリアン王子だが、多分その後ろに控えている「ご一行様」も、心境は同じだろう。
サレステーデ国は情報弱者――この一連の騒動で、アンジェス国の関係者皆が悟った気がした。
ギーレンのエドベリ王子さえ、アンジェスに来た時にはフィルバートとの会話に注意をしていたのだから。
「で、ドナート王子。私が尋ねた話には今、答えられるのか?」
問われたドナート王子は、青い顔をフィルバートへと向けた。
「……仰る事に相違はございません、陛下。礼を失する事甚だしい振る舞いでそこに立っておりますのが、キリアン・サレステーデ。当代国王セゴール・サレステーデの、現時点での第一子にして、私の不肖の異母兄にございます」
レストラン〝チェカル〟やフィルバートの執務室で顔を合わせた時には、軽薄な雰囲気が色濃かったところが、さすがに貴族牢に兄妹揃って放り込まれる事態になって、思うところでもあったんだろうか。
(……うん?現時点って言った?)
ふと胸の内に浮かんだ疑問をどうしたものかと思ったところに、キリアン王子とバルキン公爵の後ろにいた、エドヴァルドが「気を配れ」とベルセリウス将軍に告げていた背の高い男が、腰に下げていた剣にそっと手をかけたのが視界に入った。
フィルバートの方を向いて、膝立ちの姿勢のまま頭を下げているドナート王子には、多分それは見えていない。
ただ隣にいるドロテア王女が「お兄様⁉」と、悲鳴交じりの声を発していたから、それは決して気のせいじゃないだろう。
「!」
そしてその途端、男の髪がフワリと浮き上がって、男が驚いた様にベルセリウス将軍の方を向いていた。
と言う事は、今のが「威嚇」なんだろうかと、場の深刻さも忘れて、私はちょっと感心してしまった。
「黙れ、ドナート!何故、側妃の子であるおまえごときが、僕のことを勝手に紹介しているんだ!現時点も何もない、父上の後を継ぐのはこの僕だ!おまえは国で処刑してやる――いや、そのままここで処刑されるが良い‼」
…どうやらキリアン王子は、この場を覆っている、複数の殺意溢れる空気にはこれっぽちもお気付きでないようだった。
この謁見の間には、正妃正室以外の子でありながら王宮で役職を得たりしている優秀な人材だって少なくはない筈だ。
フィルバート自身は正妃の子ではあるけれど、仮にそうでなかったとしたなら――考えるのも怖い。
そもそも他国の謁見の間において「僕」と叫んでいる時点で問題だろうし、まして勝手に処刑だと喚いている時点で、よほどの「内政干渉」だと言うべきだった。
「……勝手に処刑だなんだと喚くのはやめて貰おうか、キリアン王子とやら?」
エドヴァルドの冷気とは対照的に、お怒りの陛下サマが飛ばす殺気はドロドロのマグマ並みの熱波らしい。
でもって、やっぱり陛下もまず引っかかったのは「名前」らしかった。
あくまで正式に名乗られてはいないと言うところを、最後まで仄めかせておくつもりなのだ。
本人、気が付いていないと言う事を分かっていながら。
いちいち教えるつもりはない、気になるなら周りが注意をしろと言うスタンスだ。
その上で周りも、誰も教えないのだから、もう、外交的には0点と言うべきだろうけど。
「なっ⁉陛下は、そこの側妃の子――罪人の味方をされるのか⁉」
この拘りっぷりからすると、もしかしたら自分でも「正妃の子」である事以外に、ドナート王子よりも上だと主張できるところが見つけられないのかも知れない。
もう完全に余裕がなくなっていた。
「ここはアンジェスだ。罪人かどうかを決めるのは、アンジェスの国王である私だ。この二人は、我が国の国民を傷つけようとしたが故に拘束をしているが、まだ裁いてはいない。どうするかを横から口出しされる謂れはない」
「しかし……っ」
「そもそもが、貴国の者、それも王族が、我が国でも重要な立場にある二人を傷つけんとした事に対する詫びも兼ねて来ると言う話だった筈だが?先ほどから自分たちの都合を喚くばかりで、いっこうに肝心の話が出て来ないんだがな」
容赦のないフィルバートの言葉に、キリアン王子もバルキン公爵も黙り込んでいる。
フィルバートは、聞こえよがしな溜息を吐き出して、目の前のサレステーデからの一行を睥睨した。
「まあ、これまで外交の場に出た事もないだろうと、ある程度は目を瞑るつもりでいたから、初回特典でこれ以上は言わずにいてやろう。一応、食事も用意させているしな。控えの間を整えてあるから、そこで待たれると良い」
「いや、我々は……っ」
「残念ながら、捕らえた二人の取り調べの場に、立ち合わせる訳にはいかない。まあ、それが許されない程度に礼は失したと思って貰おうか。そこの二人は、約束通り色々と聞かせて貰うぞ」
我々は国の特使だ!とか何とか、キリアン王子やバルキン公爵が叫ぶ声は聞こえるけれど、フィルバートに命じられた護衛騎士たちは、一切そんな事に忖度せず、二人を引きずるようにして、謁見の間から出て行ってしまった。
例の油断ならない男は?と思ったところが、こちらは腕を取られそうになったところで「触るな」と護衛騎士の手を振り払って、自らの意思で、共に謁見の間を後にして行った。
「………宰相。私は随分と耐えたと思うが?」
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