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第二部 宰相閣下の謹慎事情
298 甘辛スパイラル
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
かぼちゃコロッケにさつまいもコロッケ、ロールキャベツに関しても概ね皆さんのオッケーは貰えた。
かぼちゃコロッケとロールキャベツに、既に牛ひき肉を混ぜたので、さつまいもコロッケには黒ごまを合わせてみたところ、主に女性陣に好評だった。
「どれも本当に、すぐに手に入る食材ですわね」
どうやらフォルシアン公爵夫人にも「高級料理しか口に合わない」とかがなさそうで、とりあえずは胸を撫で下ろす。
「例えば〝アイニッキ〟に関しては、お肉の代わりにチーズを入れたりキノコを入れたり、実は色々と種類があるんですよ。だからレシピ化した後、特許権はどうするべきかと言う話が、一番複雑怪奇になる気がしているんです。それと――」
「こちらのチョコレートがけですわね?」
ポテトチップスチョコレートの、摘まみやすいようにと一部チョコがけしなかったところを持って、夫人がニッコリと微笑った。
「…甘辛スパイラル…」
もしもし、そこのボードリエ伯爵令嬢サマ?
フォルシアン公爵夫人そっちのけで、目を閉じて天井見上げてますけど、淑女の仮面はどこへ。
おまけに自分のお皿にちゃっかり何枚かキープしてる?
「レイナ様、これ、止まらないね!お塩だけのも良いんだけど、こっちも好き!」
ミカ君もミカ君で2枚目3枚目と、チョコがけポテチに手を伸ばしていて、ヨンナが料理テーブルから、そっと追加を置きに来たくらいだった。
「あらあら。私がいただく前にもう、結果は出ていますわね」
「ちょっと、手が汚れてしまうところとか、細かい欠片がポロポロとこぼれ落ちてしまうところとかは、改良が必要かなと、エッカランタ伯爵様とは話しているんです。なので今日はまず、方向性と味の面でお考え頂けると有難いです」
「そう。これは手で摘まんで食べる物なのね?」
そう言いながら、まるで小鳥の啄みの如く優雅にポテチとチョコがけをそれぞれ一枚ずつ口に入れたフォルシアン公爵夫人は、紅茶をひとくち口に含んだ後で、軽く咳払いをしていた。
「えーっと……ダメ、でしょうか……?」
ポテチの欠片が喉にでも詰まったのかと、私は一瞬慌てかけたけど、何故か突然私の後ろから別の声が降り注いできた。
「ああ、違うんだレイナ嬢。エリサベトなりに物凄く気に入ったところが、他ならぬ貴女の前で淑女の仮面を外したくないものだから、内心で葛藤しているんだよ」
クスクスと笑いながら、甘い、柔らかい声が「だろう?」と、更に追加される。
気付けばフォルシアン公爵がいつの間にか自分たちのテーブルを離れて、私とフォルシアン公爵夫人との間に立っていたのだ。
「そちらはもう宜しいんですの、あなた?」
ちょっと自分の表情を誤魔化すようにフォルシアン公爵を軽く睨む夫人の表情は――何と言うか、とても可愛らしい。
自分が40代になっても、とても太刀打ちできない領域にいらっしゃる気がした。
「ああ、まあ、大体のところはね。明日、サレステーデの第一王子が来て、ゴタゴタが片付いたら、またゆっくり話すよ。ただ、今回騒ぎを起こした王子王女と違って、明日は一応正式な形でアンジェスに来る訳だから、晩餐会とまでは言わないが、準礼装程度の夕食会は開いて、五公爵家と17の侯爵家で、今王都にいる直系血縁者程度は集めないとならないだろうね」
ギーレン国からエドベリ王子が来た時には、かなり以前から予定が組まれていた、ガチガチの公式行事だった為に、伯爵家までの高位貴族当主全てに呼び出しがかかったところが、今回はそもそも、サレステーデの王族が勝手に押しかけて来た後始末のために、急遽日程が組まれたのだ。
謁見と言うよりは弾劾裁判の様な予定になっている以上は、舞踏会付の正餐を開くのもおかしな話で、せいぜい友好関係を崩さない姿勢を見せるための夕食会を開くのが限界と言ったところなんだろう。
しかも侯爵家の当主とて、領地に既に戻ってしまった者がほとんどだ。
王宮に勤めている、次男三男を代理で出席させて、面目を保たせようとしているに違いない。
その方が、万一物騒な騒ぎが起きても替えが利く――などと、身も蓋もない話を、私は後からエドヴァルドに聞かされる事になったんだけれども。
「まあ、今はそれよりも料理の話をしようか。レイナ嬢、ひとつ提案があるんだけど良いかい?」
「あっ、はい!」
にこやかな笑顔の中にも、真剣な声の響きを感じて、私は思わず背筋を正した。
「エリサベトの表情からも分かる通り、味としては合格だ。ただ〝ヘンリエッタ〟で出すと言う観点からすると、今一つ不向きな気がするんだ」
お洒落な一口チョコやケーキに混じって、ポテチのチョコがけ。
ポテチそのものをエールを扱う居酒屋なんかで出す予定なら、確かにコンセプトの違いは大きいかも知れない。
「だから、オルセン侯爵夫人やユルハ伯爵と開発を進めている新商品と、逆の考え方をするのはどうかと思ってね」
「逆、ですか」
「あれらは、チョコの中のワインやケーキにかけるシーベリージャムを知って貰いたいと言うのが主な目的な訳だろう?だからこれは〝ヘンリエッタ〟以外の所で提供して、フォルシアン領のチョコ、あるいは〝ヘンリエッタ〟の存在を知って貰うのを目的にするのはどうかな、と」
あ、と私は思わず声をあげた。
「今は〝スヴァレーフ〟の素揚げを、エッカランタ伯爵領とサンテリ領でそれぞれ認可したお店でのみ出せるようにしようかと言う話なんですけど……例えば、そのお店にこのチョコレートがけも出して貰うと言う事ですか?」
「まあ、それも一案だろうね。そのあたりはこれから話を詰めていけば良いんじゃないかな。その話はその話で、どちらの領とも今はチョコレートを卸す取引をしていないからね」
「レイナ」
今度はいきなり、耳元で囁くようなバリトン声が聞こえた。
心構えのなかった私は「はいっ⁉︎」と、思わず裏返った声をそこであげてしまった。
…ダメだ、この声に慣れる気がしない。
「今の話〝カフェ・キヴェカス〟には、それは置けないのか?これは食事の位置付けには入らないのだろう?」
気が付くと、フォルシアン公爵の隣に、いつの間にかエドヴァルドもいた。
内心で、落ち着け私…と思いながら、胸元に手を当てて空気を吸う。
「えーっと…そろそろ私、キヴェカス卿に刺されませんか」
さすがに、結構な量の新規案件を丸投げしている自覚はあるのだけれど、むしろエドヴァルドの方が、顔色ひとつ変えていなかった。
「今更、一つや二つ増えても変わらんと思うがな。今日だけでも〝バーミセリ〟やら〝てんぷら〟の話やらあるだろう。ヤンネがイデオン家の顧問弁護士である以上は、どうしようもあるまいよ」
「……あはは」
骨は拾って下さいね、と乾いた笑い声をあげたら、聞きなれない言い回しだったのか、ちょっと眉を顰めていたけれど、今はくどく聞かない方向に舵を切ったみたいだった。
それで?と、目が答えを促しているので、私も考える仕種を見せながら、エドヴァルドに答えを返した。
「そもそもの〝スヴァレーフ〟の素揚げを作る時点で、今の従業員数では手が回らないと思うんですよね。あと、チョコを溶かす道具とか、素揚げするための油を入れる道具とか、多分今お店にある厨房だと、魔道具の火力も足りないでしょうし、色々と無理がある気がします。あれを作るなら、高位貴族の邸宅の厨房とか、レストランの厨房くらいの規模とか道具とかは欲しいところです」
例えば今あるチーズや何かと並べて、お持ち帰りのみの委託販売的な事なら出来るでしょうが――。
そう言ったところで、エドヴァルドとフォルシアン公爵とが顔を見合わせていた。
「…〝ヘンリエッタ〟で作らせて〝カフェ・キヴェカス〟の店頭に並べるか?」
「いや。あの店は一応『イデオン公爵領の特産品を楽しめる』事を看板にしているからな。出来なくはないが、キヴェカス家の経営者が難色を示す可能性がある。そもそも〝スヴァレーフ〟もエッカランタとサンテリの共同栽培だ」
ああ…と、フォルシアン公爵が考え込むように天井を仰いでから、まだ公爵側のテーブルに腰を下ろしたままだった、コンティオラ公爵の方へと視線を向けた。
かぼちゃコロッケにさつまいもコロッケ、ロールキャベツに関しても概ね皆さんのオッケーは貰えた。
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「どれも本当に、すぐに手に入る食材ですわね」
どうやらフォルシアン公爵夫人にも「高級料理しか口に合わない」とかがなさそうで、とりあえずは胸を撫で下ろす。
「例えば〝アイニッキ〟に関しては、お肉の代わりにチーズを入れたりキノコを入れたり、実は色々と種類があるんですよ。だからレシピ化した後、特許権はどうするべきかと言う話が、一番複雑怪奇になる気がしているんです。それと――」
「こちらのチョコレートがけですわね?」
ポテトチップスチョコレートの、摘まみやすいようにと一部チョコがけしなかったところを持って、夫人がニッコリと微笑った。
「…甘辛スパイラル…」
もしもし、そこのボードリエ伯爵令嬢サマ?
フォルシアン公爵夫人そっちのけで、目を閉じて天井見上げてますけど、淑女の仮面はどこへ。
おまけに自分のお皿にちゃっかり何枚かキープしてる?
「レイナ様、これ、止まらないね!お塩だけのも良いんだけど、こっちも好き!」
ミカ君もミカ君で2枚目3枚目と、チョコがけポテチに手を伸ばしていて、ヨンナが料理テーブルから、そっと追加を置きに来たくらいだった。
「あらあら。私がいただく前にもう、結果は出ていますわね」
「ちょっと、手が汚れてしまうところとか、細かい欠片がポロポロとこぼれ落ちてしまうところとかは、改良が必要かなと、エッカランタ伯爵様とは話しているんです。なので今日はまず、方向性と味の面でお考え頂けると有難いです」
「そう。これは手で摘まんで食べる物なのね?」
そう言いながら、まるで小鳥の啄みの如く優雅にポテチとチョコがけをそれぞれ一枚ずつ口に入れたフォルシアン公爵夫人は、紅茶をひとくち口に含んだ後で、軽く咳払いをしていた。
「えーっと……ダメ、でしょうか……?」
ポテチの欠片が喉にでも詰まったのかと、私は一瞬慌てかけたけど、何故か突然私の後ろから別の声が降り注いできた。
「ああ、違うんだレイナ嬢。エリサベトなりに物凄く気に入ったところが、他ならぬ貴女の前で淑女の仮面を外したくないものだから、内心で葛藤しているんだよ」
クスクスと笑いながら、甘い、柔らかい声が「だろう?」と、更に追加される。
気付けばフォルシアン公爵がいつの間にか自分たちのテーブルを離れて、私とフォルシアン公爵夫人との間に立っていたのだ。
「そちらはもう宜しいんですの、あなた?」
ちょっと自分の表情を誤魔化すようにフォルシアン公爵を軽く睨む夫人の表情は――何と言うか、とても可愛らしい。
自分が40代になっても、とても太刀打ちできない領域にいらっしゃる気がした。
「ああ、まあ、大体のところはね。明日、サレステーデの第一王子が来て、ゴタゴタが片付いたら、またゆっくり話すよ。ただ、今回騒ぎを起こした王子王女と違って、明日は一応正式な形でアンジェスに来る訳だから、晩餐会とまでは言わないが、準礼装程度の夕食会は開いて、五公爵家と17の侯爵家で、今王都にいる直系血縁者程度は集めないとならないだろうね」
ギーレン国からエドベリ王子が来た時には、かなり以前から予定が組まれていた、ガチガチの公式行事だった為に、伯爵家までの高位貴族当主全てに呼び出しがかかったところが、今回はそもそも、サレステーデの王族が勝手に押しかけて来た後始末のために、急遽日程が組まれたのだ。
謁見と言うよりは弾劾裁判の様な予定になっている以上は、舞踏会付の正餐を開くのもおかしな話で、せいぜい友好関係を崩さない姿勢を見せるための夕食会を開くのが限界と言ったところなんだろう。
しかも侯爵家の当主とて、領地に既に戻ってしまった者がほとんどだ。
王宮に勤めている、次男三男を代理で出席させて、面目を保たせようとしているに違いない。
その方が、万一物騒な騒ぎが起きても替えが利く――などと、身も蓋もない話を、私は後からエドヴァルドに聞かされる事になったんだけれども。
「まあ、今はそれよりも料理の話をしようか。レイナ嬢、ひとつ提案があるんだけど良いかい?」
「あっ、はい!」
にこやかな笑顔の中にも、真剣な声の響きを感じて、私は思わず背筋を正した。
「エリサベトの表情からも分かる通り、味としては合格だ。ただ〝ヘンリエッタ〟で出すと言う観点からすると、今一つ不向きな気がするんだ」
お洒落な一口チョコやケーキに混じって、ポテチのチョコがけ。
ポテチそのものをエールを扱う居酒屋なんかで出す予定なら、確かにコンセプトの違いは大きいかも知れない。
「だから、オルセン侯爵夫人やユルハ伯爵と開発を進めている新商品と、逆の考え方をするのはどうかと思ってね」
「逆、ですか」
「あれらは、チョコの中のワインやケーキにかけるシーベリージャムを知って貰いたいと言うのが主な目的な訳だろう?だからこれは〝ヘンリエッタ〟以外の所で提供して、フォルシアン領のチョコ、あるいは〝ヘンリエッタ〟の存在を知って貰うのを目的にするのはどうかな、と」
あ、と私は思わず声をあげた。
「今は〝スヴァレーフ〟の素揚げを、エッカランタ伯爵領とサンテリ領でそれぞれ認可したお店でのみ出せるようにしようかと言う話なんですけど……例えば、そのお店にこのチョコレートがけも出して貰うと言う事ですか?」
「まあ、それも一案だろうね。そのあたりはこれから話を詰めていけば良いんじゃないかな。その話はその話で、どちらの領とも今はチョコレートを卸す取引をしていないからね」
「レイナ」
今度はいきなり、耳元で囁くようなバリトン声が聞こえた。
心構えのなかった私は「はいっ⁉︎」と、思わず裏返った声をそこであげてしまった。
…ダメだ、この声に慣れる気がしない。
「今の話〝カフェ・キヴェカス〟には、それは置けないのか?これは食事の位置付けには入らないのだろう?」
気が付くと、フォルシアン公爵の隣に、いつの間にかエドヴァルドもいた。
内心で、落ち着け私…と思いながら、胸元に手を当てて空気を吸う。
「えーっと…そろそろ私、キヴェカス卿に刺されませんか」
さすがに、結構な量の新規案件を丸投げしている自覚はあるのだけれど、むしろエドヴァルドの方が、顔色ひとつ変えていなかった。
「今更、一つや二つ増えても変わらんと思うがな。今日だけでも〝バーミセリ〟やら〝てんぷら〟の話やらあるだろう。ヤンネがイデオン家の顧問弁護士である以上は、どうしようもあるまいよ」
「……あはは」
骨は拾って下さいね、と乾いた笑い声をあげたら、聞きなれない言い回しだったのか、ちょっと眉を顰めていたけれど、今はくどく聞かない方向に舵を切ったみたいだった。
それで?と、目が答えを促しているので、私も考える仕種を見せながら、エドヴァルドに答えを返した。
「そもそもの〝スヴァレーフ〟の素揚げを作る時点で、今の従業員数では手が回らないと思うんですよね。あと、チョコを溶かす道具とか、素揚げするための油を入れる道具とか、多分今お店にある厨房だと、魔道具の火力も足りないでしょうし、色々と無理がある気がします。あれを作るなら、高位貴族の邸宅の厨房とか、レストランの厨房くらいの規模とか道具とかは欲しいところです」
例えば今あるチーズや何かと並べて、お持ち帰りのみの委託販売的な事なら出来るでしょうが――。
そう言ったところで、エドヴァルドとフォルシアン公爵とが顔を見合わせていた。
「…〝ヘンリエッタ〟で作らせて〝カフェ・キヴェカス〟の店頭に並べるか?」
「いや。あの店は一応『イデオン公爵領の特産品を楽しめる』事を看板にしているからな。出来なくはないが、キヴェカス家の経営者が難色を示す可能性がある。そもそも〝スヴァレーフ〟もエッカランタとサンテリの共同栽培だ」
ああ…と、フォルシアン公爵が考え込むように天井を仰いでから、まだ公爵側のテーブルに腰を下ろしたままだった、コンティオラ公爵の方へと視線を向けた。
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