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第二部 宰相閣下の謹慎事情
293 立っている者は将軍でも使う!
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
「ごめんね、ミカ君?お昼間、色んな人が来る事になっちゃって」
私がそう言って、こちらに走り寄って来たミカ君と同じ目線にまで腰を落とすと、何故かミカ君はちょっと赤い顔で、首をブンブンと横に振った。
うん?走って来たから暑いのかな?
「大丈夫だよ、レイナ様!新しいお料理メニューが食べられる事には変わりないし、スヴェンテ老公爵様って、僕の父上の事を良く知っている人だって聞いたから!僕の知らない父上の話とかが聞けたら嬉しいな…って!」
「ありがとう。そう言ってくれると、私も嬉しいな」
「それに『きのこがり』と『さんさいがり』?って言うのも、初めてだから楽しみにしてたんだ!」
「うん。これはね、あとでお料理するところまでが一括りになるんだけど、今回土砂災害で苦しんでるハーグルンド領の手助けを少しでも出来ればって考えたものなの。だからもうしばらくは、イリナ様とかチャペックとかには秘密にして欲しいんだけど、良いかな?」
「レイナ様と僕のヒミツ⁉」
……ああ、きらきらと目が輝くミカ君が可愛い。癒される。
多分、無意識にのけぞりかけているシャルリーヌも、同じ心境なんだろうなと思う。
「そうだね。正確には、ここにいるみんなのヒミツかな」
私がそう言って、ミカ君から少し遅れてやって来たベルセリウス将軍とウルリック副長に軽く〝カーテシー〟をしてみせると、将軍は軽く片手を上げて、ウルリック副長は黙礼を返してくれた。
「うむ、今日食す料理はハーグルンド領の為の料理と言う事だな!分かった、軍でも取り入れたいとなった場合には、落ち着いた頃にでもハーグルンド伯爵と話をさせて貰うとしよう!」
「そうですね。レシピ化して使用権を買うとなれば、それはそれでハーグルンドの為になるでしょうからね」
まだ、皆の口に合って、レシピ化出来るとは限らない――と言いかけたけれど、ウルリック副長は「これまでの事もありますが、ハーグルンド復興の為と聞いて、動かない者はおりませんよ。特にウチの上司とか」と、微笑ってそれを遮ってきた。
「んじゃ、まあ、これが食える植物の絵図と、採取出来る場所の地図な。つい最近、公爵邸の連中がほぼ総出でやって、ちゃんと食い物になるって事は分かってるから、見つけたら引っこ抜いて袋に入れる事」
そうしてファルコが、バラした植物図鑑の紙片と、庭師と〝鷹の眼〟共同作成の地図を、一人一人に手渡していく。
「なっ…これらが全て食用になるだと⁉︎」
「コレは……」
目を見開いているベルセリウス将軍とウルリック副長の内心を、すぐさま察した私は、二人に慌てて訂正をかけた。
「いえいえ、そのまま食べられる訳じゃないですから、すぐさま兵糧になると思わないで下さいね⁉︎どうやって食べるかは後で分かりますから、ご判断はそれからで!」
私から速攻で釘を刺された事に、珍しく二人が揃って怯んでいて、ファルコがちょっと呆れた顔つきになっていた。
「そりゃ、お嬢さんならそのくらいの事はその表情から読み取れるだろうよ。いいから、とっとと採って来てくれ。ただ、二度と生えないくらいに、むやみやたらに引っこ抜いたりするなよ。場所はバラけさせてな。あと、似たりよったりな毒キノコとか毒草とかもあるから、適当に採るな。その為に紙渡してんだからな」
ビシッと紙を指差された、ベルセリウス将軍とウルリック副長は、気圧された様に頷いている。
「そ、そうか…毒…」
「それは確かに、手軽に兵糧確保!とはいきませんね……」
「そ、そうなんだ……」
何故かミカ君も一緒に小さくなっていて、ちょっとファルコが慌てているのが面白かったけど。
「じゃあ、シャーリーとミカ君は一緒に回ろうか?お互い視界に入る範囲に散らばって、集めようよ」
「そうね、この紙に書かれているモノと合っているかどうか確認しあうのも良いわよね」
「うん!僕一人だと自信がないから、一緒が良いな!」
気を取り直したミカ君が、顔を上げてこちらを向いたので、他の皆もすぐに気を取り直して、それぞれが、もはや森とも林とも呼べる「敷地の庭」に散って行った。
* * *
「ラズディル料理長、今日の戦利品ですー!」
ハッキリ言って、お昼の昼食会に向けて厨房は戦場状態だったけど、キノコや山菜が必要なのも確かで、厨房の動線を遮らない場所に、収穫物を並べるスペースは確保されていた。
「おお、とりあえずそこに並べてくれ。それとさっきカフェ〝ヘンリエッタ〟から調理用の板チョコとやらを従業員が持ってきたぞ。後でフォルシアン公爵閣下が持って来る分は、別の日にでも使ってくれってよ。だから、今もう溶かし作業に入ってるぞ。キノコの泥落としと山菜洗うのは、その辺の連中に任せて、お嬢さんたちはチョコ塗りとやらをやり始めたらどうだ?すぐに〝スヴァレーフ〟も揚げさせるから」
体育会系料理長は、ビシバシと料理人に指示を飛ばしながらも、こちらにもそう提案をしてきた。
こう言う時は、料理長や料理人たちが考えている調理ペースを乱さないに限るので、こちらは大人しくその指示に従うだけだ。
「え、俺らもか⁉」
了解ー、と答える私とは対照的に、厨房の様子に若干引きぎみだったファルコや〝鷹の眼〟の皆は、ギョッと顔を痙攣らせていた。
「たりめーだろ!ただでさえ今日は、厨房総出、それでも人数ギリギリなんだよ!ちったぁ手伝え、下拵えくらいは出来んだろ‼」
もともと、ロクに晩餐会も開いてこなかった上に、親兄弟もおらず、仕事仕事で滅多に邸宅にも帰らなかったイデオン公爵家の厨房には、下位貴族レベルの数の料理人しか雇われてはいない。
前回のガーデンパーティーの際は、侍女まで引っ張り出して、素材の皮むきとかに手を貸していたらしい。
エドヴァルド自身が、高級レストランの様な盛り付けや切り口の料理を要求しないからこそ、少ない人数でも回っていたのだけれど、こうなると料理人を増やした方が良いのかも知れないと、最近セルヴァンとエドヴァルドは話をしているらしい。
ただ、ここは仮にも公爵家であり、王都の紹介所を通すにしても、誰でも良いからすぐに雇うと言う訳にもいかず、今はまだ現状維持に留まっていた。
そして「北の館」でミカ君とイリナ夫人に、野営とは言え料理を振る舞った「前科」がある以上、ファルコ達がラズディル料理長に「手伝え!」と詰め寄られるのも無理からぬ話だった。
……間違いなく私が原因ですね、ゴメンナサイ。
ラズディル料理長始め厨房の皆にしても、味付けや仕上げと言った部分での、料理人としてのプライドはあるにせよ、下拵えの部分にまでは拘っていられないと、良い意味で柔軟な思考を持っていた。
下手に貴族家の次男三男でおかしなプライドを持たれるより、料理で身を立てたいと願う非貴族層を雇う方が、勝手な退職もしないだろうと、先代家令からの助言で今の体制が出来上がったとか。
彼ら自身が来客にあたる事もないし、邸宅の主人であるエドヴァルドにさえ、必要最低限の敬語が使えればOK、基本は料理の腕重視――が、今のこの状況らしい。
うん、私も気楽でいいけれど。
「しょうがねぇなぁ……あとで食わせろよ?」
「食いたきゃ、そんだけ皮剥くなり切るなり、キノコの泥落とすなりするんだな」
ファルコだけではなく〝鷹の眼〟の他の皆も「しょうがねぇなぁ」と言った空気がある。
多分、戦場状態の厨房を見て、気が引けるところはあったと思われた。
食べさせろ、とは半分本音、半分照れ隠しだ。
「うむ。我らも急遽参加した側であるしな。手を貸すとしようか」
そこに、一緒に山菜とキノコを運んで来たベルセリウス将軍までが頷いたため、さすがに厨房の皆がギョッと目を見開いた。
「こ、侯爵閣下⁉」
「気にするな。何でもとまでは言わないが、指示してくれれば良い」
「………」
さすがに、ファルコ達〝鷹の眼〟に言いつけるのとは、ワケが違うと思っている料理長に、私が「ハイ、ハイ!」と、救いの手?を差し伸べた。
「料理長!将軍なら『うどん』の生地を捏ねて貰うのが、うってつけだと思いますー!」
「「「えっ⁉︎」」」
勢いこんだ私のセリフに、その場にいた全員の声が、綺麗にハモった。
「ごめんね、ミカ君?お昼間、色んな人が来る事になっちゃって」
私がそう言って、こちらに走り寄って来たミカ君と同じ目線にまで腰を落とすと、何故かミカ君はちょっと赤い顔で、首をブンブンと横に振った。
うん?走って来たから暑いのかな?
「大丈夫だよ、レイナ様!新しいお料理メニューが食べられる事には変わりないし、スヴェンテ老公爵様って、僕の父上の事を良く知っている人だって聞いたから!僕の知らない父上の話とかが聞けたら嬉しいな…って!」
「ありがとう。そう言ってくれると、私も嬉しいな」
「それに『きのこがり』と『さんさいがり』?って言うのも、初めてだから楽しみにしてたんだ!」
「うん。これはね、あとでお料理するところまでが一括りになるんだけど、今回土砂災害で苦しんでるハーグルンド領の手助けを少しでも出来ればって考えたものなの。だからもうしばらくは、イリナ様とかチャペックとかには秘密にして欲しいんだけど、良いかな?」
「レイナ様と僕のヒミツ⁉」
……ああ、きらきらと目が輝くミカ君が可愛い。癒される。
多分、無意識にのけぞりかけているシャルリーヌも、同じ心境なんだろうなと思う。
「そうだね。正確には、ここにいるみんなのヒミツかな」
私がそう言って、ミカ君から少し遅れてやって来たベルセリウス将軍とウルリック副長に軽く〝カーテシー〟をしてみせると、将軍は軽く片手を上げて、ウルリック副長は黙礼を返してくれた。
「うむ、今日食す料理はハーグルンド領の為の料理と言う事だな!分かった、軍でも取り入れたいとなった場合には、落ち着いた頃にでもハーグルンド伯爵と話をさせて貰うとしよう!」
「そうですね。レシピ化して使用権を買うとなれば、それはそれでハーグルンドの為になるでしょうからね」
まだ、皆の口に合って、レシピ化出来るとは限らない――と言いかけたけれど、ウルリック副長は「これまでの事もありますが、ハーグルンド復興の為と聞いて、動かない者はおりませんよ。特にウチの上司とか」と、微笑ってそれを遮ってきた。
「んじゃ、まあ、これが食える植物の絵図と、採取出来る場所の地図な。つい最近、公爵邸の連中がほぼ総出でやって、ちゃんと食い物になるって事は分かってるから、見つけたら引っこ抜いて袋に入れる事」
そうしてファルコが、バラした植物図鑑の紙片と、庭師と〝鷹の眼〟共同作成の地図を、一人一人に手渡していく。
「なっ…これらが全て食用になるだと⁉︎」
「コレは……」
目を見開いているベルセリウス将軍とウルリック副長の内心を、すぐさま察した私は、二人に慌てて訂正をかけた。
「いえいえ、そのまま食べられる訳じゃないですから、すぐさま兵糧になると思わないで下さいね⁉︎どうやって食べるかは後で分かりますから、ご判断はそれからで!」
私から速攻で釘を刺された事に、珍しく二人が揃って怯んでいて、ファルコがちょっと呆れた顔つきになっていた。
「そりゃ、お嬢さんならそのくらいの事はその表情から読み取れるだろうよ。いいから、とっとと採って来てくれ。ただ、二度と生えないくらいに、むやみやたらに引っこ抜いたりするなよ。場所はバラけさせてな。あと、似たりよったりな毒キノコとか毒草とかもあるから、適当に採るな。その為に紙渡してんだからな」
ビシッと紙を指差された、ベルセリウス将軍とウルリック副長は、気圧された様に頷いている。
「そ、そうか…毒…」
「それは確かに、手軽に兵糧確保!とはいきませんね……」
「そ、そうなんだ……」
何故かミカ君も一緒に小さくなっていて、ちょっとファルコが慌てているのが面白かったけど。
「じゃあ、シャーリーとミカ君は一緒に回ろうか?お互い視界に入る範囲に散らばって、集めようよ」
「そうね、この紙に書かれているモノと合っているかどうか確認しあうのも良いわよね」
「うん!僕一人だと自信がないから、一緒が良いな!」
気を取り直したミカ君が、顔を上げてこちらを向いたので、他の皆もすぐに気を取り直して、それぞれが、もはや森とも林とも呼べる「敷地の庭」に散って行った。
* * *
「ラズディル料理長、今日の戦利品ですー!」
ハッキリ言って、お昼の昼食会に向けて厨房は戦場状態だったけど、キノコや山菜が必要なのも確かで、厨房の動線を遮らない場所に、収穫物を並べるスペースは確保されていた。
「おお、とりあえずそこに並べてくれ。それとさっきカフェ〝ヘンリエッタ〟から調理用の板チョコとやらを従業員が持ってきたぞ。後でフォルシアン公爵閣下が持って来る分は、別の日にでも使ってくれってよ。だから、今もう溶かし作業に入ってるぞ。キノコの泥落としと山菜洗うのは、その辺の連中に任せて、お嬢さんたちはチョコ塗りとやらをやり始めたらどうだ?すぐに〝スヴァレーフ〟も揚げさせるから」
体育会系料理長は、ビシバシと料理人に指示を飛ばしながらも、こちらにもそう提案をしてきた。
こう言う時は、料理長や料理人たちが考えている調理ペースを乱さないに限るので、こちらは大人しくその指示に従うだけだ。
「え、俺らもか⁉」
了解ー、と答える私とは対照的に、厨房の様子に若干引きぎみだったファルコや〝鷹の眼〟の皆は、ギョッと顔を痙攣らせていた。
「たりめーだろ!ただでさえ今日は、厨房総出、それでも人数ギリギリなんだよ!ちったぁ手伝え、下拵えくらいは出来んだろ‼」
もともと、ロクに晩餐会も開いてこなかった上に、親兄弟もおらず、仕事仕事で滅多に邸宅にも帰らなかったイデオン公爵家の厨房には、下位貴族レベルの数の料理人しか雇われてはいない。
前回のガーデンパーティーの際は、侍女まで引っ張り出して、素材の皮むきとかに手を貸していたらしい。
エドヴァルド自身が、高級レストランの様な盛り付けや切り口の料理を要求しないからこそ、少ない人数でも回っていたのだけれど、こうなると料理人を増やした方が良いのかも知れないと、最近セルヴァンとエドヴァルドは話をしているらしい。
ただ、ここは仮にも公爵家であり、王都の紹介所を通すにしても、誰でも良いからすぐに雇うと言う訳にもいかず、今はまだ現状維持に留まっていた。
そして「北の館」でミカ君とイリナ夫人に、野営とは言え料理を振る舞った「前科」がある以上、ファルコ達がラズディル料理長に「手伝え!」と詰め寄られるのも無理からぬ話だった。
……間違いなく私が原因ですね、ゴメンナサイ。
ラズディル料理長始め厨房の皆にしても、味付けや仕上げと言った部分での、料理人としてのプライドはあるにせよ、下拵えの部分にまでは拘っていられないと、良い意味で柔軟な思考を持っていた。
下手に貴族家の次男三男でおかしなプライドを持たれるより、料理で身を立てたいと願う非貴族層を雇う方が、勝手な退職もしないだろうと、先代家令からの助言で今の体制が出来上がったとか。
彼ら自身が来客にあたる事もないし、邸宅の主人であるエドヴァルドにさえ、必要最低限の敬語が使えればOK、基本は料理の腕重視――が、今のこの状況らしい。
うん、私も気楽でいいけれど。
「しょうがねぇなぁ……あとで食わせろよ?」
「食いたきゃ、そんだけ皮剥くなり切るなり、キノコの泥落とすなりするんだな」
ファルコだけではなく〝鷹の眼〟の他の皆も「しょうがねぇなぁ」と言った空気がある。
多分、戦場状態の厨房を見て、気が引けるところはあったと思われた。
食べさせろ、とは半分本音、半分照れ隠しだ。
「うむ。我らも急遽参加した側であるしな。手を貸すとしようか」
そこに、一緒に山菜とキノコを運んで来たベルセリウス将軍までが頷いたため、さすがに厨房の皆がギョッと目を見開いた。
「こ、侯爵閣下⁉」
「気にするな。何でもとまでは言わないが、指示してくれれば良い」
「………」
さすがに、ファルコ達〝鷹の眼〟に言いつけるのとは、ワケが違うと思っている料理長に、私が「ハイ、ハイ!」と、救いの手?を差し伸べた。
「料理長!将軍なら『うどん』の生地を捏ねて貰うのが、うってつけだと思いますー!」
「「「えっ⁉︎」」」
勢いこんだ私のセリフに、その場にいた全員の声が、綺麗にハモった。
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