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第一部 宰相家の居候
234 帰国前(2)
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
「――これはこれは、ユングベリ嬢」
ベクレル伯爵邸を後にして、チェルハ出版を訪れたところ、ちょうど外出先から戻って来たところだったと言うヒディンクさんに、運良く会う事が出来た。
「こんにちは。あの、キスト室長やソルディーニ園長の許可を貰って、植物園の紹介記事の初稿をお持ちしたので、調整とデザインをお願いしたいな…と」
「なるほど、そうでしたか。ではとりあえず、応接室へ」
トーカレヴァやゲルトナーには外で待っていて貰う形で、私とイザクとシーグが、出版社の中へと足を踏み入れた。
「そうそう、皆さんに植字作業を手伝って頂いたあの情報紙ですが、街の内外でもの凄い反響を巻き起こしているようですね。ついこの前も、全文書籍化はいつだとか、それもチェルハ出版でやるのかとか、貴族のご婦人方からの問い合わせまでいただいてしまいましたよ」
若手編集者の一人にお茶を頼みながら、ヒディンクさんが会話のきっかけとばかりに、そんな話を振ってくれた。
「正直、恋愛小説の威力を舐めてましたね。文章力次第でここまでになるのかと」
「あ、じゃあ完全版もそうですけど、第二弾ももし書き上がれば、手掛けたりとかはして頂けます?」
「もちろん!ウチとしても、慈善事業をやっている訳ではありませんから、収益が見込めるのなら…と、社内でも忌避する人間がいなくなりましたからね」
まあその筆頭が私ですが、とヒディンクさんは苦笑している。
確かに「ウチは専門書中心の出版社だ」と、当初難色を示していたところからすれば、有難い変化だと思う。
「ではとりあえず、第一弾の完全版原稿を近いうちにこちらにお持ちします。とりあえず今日は、植物園の紹介記事の原稿だけ、お預かり頂いて良いですか」
拝見しましょう、と言ったヒディンクさんは、私が「初回分」として、キスト室長から預かってきた記事を複数枚受け取った。
「レイアウトや紙面の大きさなんかは、お任せしたいと思っているんです。枚数と言いますか、仕上がりの型だけ前回の様になれば良いかなと。記事と照らし合わせて、それに合うようにして頂けたら、もうそれで」
「そうですね…広告や挿絵、全体的な記事の量なんかを考えれば、もう一回りくらいは小さくても良いかも知れませんが、あまり小さいと今度は読みにくくなるでしょうし……では、一度同じサイズの紙面と一回り小さい紙面を刷りますから、出来上がりで判断してみて下さい」
「え、宜しいんですか?」
「こちらはむしろ本業に近い記事内容ですしね。そのくらいの事はさせて貰いますよ」
「有難うございます。見本を刷って頂いて、広告スペースを空けて頂いたところで、何軒かお店を当たって、出資者を募ります。それがまとまり次第、修正原稿をお渡しする形で良いですか?見積もりは、初回の見本を刷って頂いたところで出して頂いて構いませんので」
「もちろん、それで構いませんよ。ユングベリ商会との付き合いはまだ浅いですが、王立植物園と言う後ろ楯がありますからね」
「あ、最初にお話ししていた研究資料の印刷に関しては、もう少しかかると思います。まだデータ件数が充分に揃っていないんですよ」
今までのレシピの数では、到底一冊の本にする事は難しい。
これはこれで、後日レシピが溜まったところで、キスト室長経由ででも依頼して貰うより他なさそうだった。
「それと、ちょっと商会長が体調を崩しまして、この後一度地元に帰る必要も生じましたので…その間の代理として、このイザクを紹介させて下さい。彼は商会従業員であると同時に植物園での薬草研究も行っていますので、何かあれば彼に連絡頂ければ、私までもすぐに話は届きますので」
「なるほど、承知しました。では次に貴女自身がお見えになるまでは、まず彼に連絡を取るようにしましょう」
ここでのイザクは軽く頭を下げただけだったけど、ヒディンクさんは、特に気にした風もなく頷いていた。
「商会長、深刻な病状でないと良いですね」
「ええ。お気遣い有難うございます」
それ以上深くツッコまれても困るので、私たちはそこで話を切り上げて、出版社を後にする事にした。
「さて、王都王宮に向かおっか」
* * *
「うっひゃぁ……」
もうすぐ王都が見える、と馭者席からゲルトナーに声をかけられて、窓の外に視線を向ければ、キスト室長が「行った際に口を開けて建物を見上げないように」と釘を刺していた意味を十二分に理解してしまった。
うっかり、おかしな声が出てしまったくらいだ。
丘の頂に見えるお城は、古城ホテル風だったラハデ公爵邸と違い、ものすっごく横に細長い。
間に聖堂の様な時計台の様な塔を幾つか挟んでいて、お城であり宮殿であり…と言った雰囲気がヒシヒシとしている。
誰に説明されるまでもなく、あれがギーレン国王宮と城下街だと嫌でも理解出来た。
思い返せば〝蘇芳戦記〟でちょっとくらいは風景画的に見たかも知れないけど、いざこの目で見るとなると、まるで比較にならない。
そして間違いなく、アンジェスの王宮よりも大きい。
「あぁ…王都商業ギルドに顔を出した方が良かったのかなぁ……」
近付いて来る王都中心街の景色を見ながら、思わず一人呟いていた。
ここからは一応、エヴェリーナ妃に呼ばれた商人と言う態で王宮に入るのだ。
シーカサーリで、おネェ様ことレノーイ・リーフェフット商業ギルド長に行商登録をして貰ったとは言え、そもそも最初にフリーペーパーを持ち込んだ時に、王都商業ギルド長シルデル・ファンバステンとも顔を合わせているのだから、素通りするのもどうなのかと、一瞬頭をよぎった。
「どうしようか…いや、在席しているとは限らないし、フリーペーパーに関しては黙認して貰ってるところもあるから、表敬訪問したら藪蛇か……」
少しの間悩んだ末、結局藪蛇は突かない方向で最終的には決断した。
橋を渡って川を越えて、中心街の馬車道を走っていると、アンジェスともシーカサーリとも違う店並びが続いていて、立ち寄ってみたくなる誘惑を抑えるのに苦労してしまった。
(ぶらぶらしたい…いやいや、今日帰る訳だし!)
悶々としているうちに王宮正門に着いてしまったのは、ある意味諦めがついて良かったのかも知れない。
「王のご正妃エヴェリーナ様にお引き立て頂いております、ユングベリ商会の者です。本日光栄にも当商会の商品を見たいと仰って下さいましたので、参上しました次第です」
馬車の扉を少しだけ開けて、衛兵に商業ギルド発行カードを提示しつつ、後ろの馬車に商品がある事を指し示す。
「後宮訪問の許可を取ってあると言う事だな。確認するので、しばし待て」
訪問目的を端折ってはいるけれど、嘘はない。
なので、さほど挙動不審にならずに、衛兵と話をする事が出来た。
「――うむ。後宮のお傍付き侍女とも確認が取れた。ここは通って良い。後宮に近付いたところで馬留めと、再度警備担当者の確認が入るから、そちらの指示に従うように」
「かしこまりました。ありがとうございます」
そうして馬車は、王宮の更に奥深くへと進んで行った。
「――これはこれは、ユングベリ嬢」
ベクレル伯爵邸を後にして、チェルハ出版を訪れたところ、ちょうど外出先から戻って来たところだったと言うヒディンクさんに、運良く会う事が出来た。
「こんにちは。あの、キスト室長やソルディーニ園長の許可を貰って、植物園の紹介記事の初稿をお持ちしたので、調整とデザインをお願いしたいな…と」
「なるほど、そうでしたか。ではとりあえず、応接室へ」
トーカレヴァやゲルトナーには外で待っていて貰う形で、私とイザクとシーグが、出版社の中へと足を踏み入れた。
「そうそう、皆さんに植字作業を手伝って頂いたあの情報紙ですが、街の内外でもの凄い反響を巻き起こしているようですね。ついこの前も、全文書籍化はいつだとか、それもチェルハ出版でやるのかとか、貴族のご婦人方からの問い合わせまでいただいてしまいましたよ」
若手編集者の一人にお茶を頼みながら、ヒディンクさんが会話のきっかけとばかりに、そんな話を振ってくれた。
「正直、恋愛小説の威力を舐めてましたね。文章力次第でここまでになるのかと」
「あ、じゃあ完全版もそうですけど、第二弾ももし書き上がれば、手掛けたりとかはして頂けます?」
「もちろん!ウチとしても、慈善事業をやっている訳ではありませんから、収益が見込めるのなら…と、社内でも忌避する人間がいなくなりましたからね」
まあその筆頭が私ですが、とヒディンクさんは苦笑している。
確かに「ウチは専門書中心の出版社だ」と、当初難色を示していたところからすれば、有難い変化だと思う。
「ではとりあえず、第一弾の完全版原稿を近いうちにこちらにお持ちします。とりあえず今日は、植物園の紹介記事の原稿だけ、お預かり頂いて良いですか」
拝見しましょう、と言ったヒディンクさんは、私が「初回分」として、キスト室長から預かってきた記事を複数枚受け取った。
「レイアウトや紙面の大きさなんかは、お任せしたいと思っているんです。枚数と言いますか、仕上がりの型だけ前回の様になれば良いかなと。記事と照らし合わせて、それに合うようにして頂けたら、もうそれで」
「そうですね…広告や挿絵、全体的な記事の量なんかを考えれば、もう一回りくらいは小さくても良いかも知れませんが、あまり小さいと今度は読みにくくなるでしょうし……では、一度同じサイズの紙面と一回り小さい紙面を刷りますから、出来上がりで判断してみて下さい」
「え、宜しいんですか?」
「こちらはむしろ本業に近い記事内容ですしね。そのくらいの事はさせて貰いますよ」
「有難うございます。見本を刷って頂いて、広告スペースを空けて頂いたところで、何軒かお店を当たって、出資者を募ります。それがまとまり次第、修正原稿をお渡しする形で良いですか?見積もりは、初回の見本を刷って頂いたところで出して頂いて構いませんので」
「もちろん、それで構いませんよ。ユングベリ商会との付き合いはまだ浅いですが、王立植物園と言う後ろ楯がありますからね」
「あ、最初にお話ししていた研究資料の印刷に関しては、もう少しかかると思います。まだデータ件数が充分に揃っていないんですよ」
今までのレシピの数では、到底一冊の本にする事は難しい。
これはこれで、後日レシピが溜まったところで、キスト室長経由ででも依頼して貰うより他なさそうだった。
「それと、ちょっと商会長が体調を崩しまして、この後一度地元に帰る必要も生じましたので…その間の代理として、このイザクを紹介させて下さい。彼は商会従業員であると同時に植物園での薬草研究も行っていますので、何かあれば彼に連絡頂ければ、私までもすぐに話は届きますので」
「なるほど、承知しました。では次に貴女自身がお見えになるまでは、まず彼に連絡を取るようにしましょう」
ここでのイザクは軽く頭を下げただけだったけど、ヒディンクさんは、特に気にした風もなく頷いていた。
「商会長、深刻な病状でないと良いですね」
「ええ。お気遣い有難うございます」
それ以上深くツッコまれても困るので、私たちはそこで話を切り上げて、出版社を後にする事にした。
「さて、王都王宮に向かおっか」
* * *
「うっひゃぁ……」
もうすぐ王都が見える、と馭者席からゲルトナーに声をかけられて、窓の外に視線を向ければ、キスト室長が「行った際に口を開けて建物を見上げないように」と釘を刺していた意味を十二分に理解してしまった。
うっかり、おかしな声が出てしまったくらいだ。
丘の頂に見えるお城は、古城ホテル風だったラハデ公爵邸と違い、ものすっごく横に細長い。
間に聖堂の様な時計台の様な塔を幾つか挟んでいて、お城であり宮殿であり…と言った雰囲気がヒシヒシとしている。
誰に説明されるまでもなく、あれがギーレン国王宮と城下街だと嫌でも理解出来た。
思い返せば〝蘇芳戦記〟でちょっとくらいは風景画的に見たかも知れないけど、いざこの目で見るとなると、まるで比較にならない。
そして間違いなく、アンジェスの王宮よりも大きい。
「あぁ…王都商業ギルドに顔を出した方が良かったのかなぁ……」
近付いて来る王都中心街の景色を見ながら、思わず一人呟いていた。
ここからは一応、エヴェリーナ妃に呼ばれた商人と言う態で王宮に入るのだ。
シーカサーリで、おネェ様ことレノーイ・リーフェフット商業ギルド長に行商登録をして貰ったとは言え、そもそも最初にフリーペーパーを持ち込んだ時に、王都商業ギルド長シルデル・ファンバステンとも顔を合わせているのだから、素通りするのもどうなのかと、一瞬頭をよぎった。
「どうしようか…いや、在席しているとは限らないし、フリーペーパーに関しては黙認して貰ってるところもあるから、表敬訪問したら藪蛇か……」
少しの間悩んだ末、結局藪蛇は突かない方向で最終的には決断した。
橋を渡って川を越えて、中心街の馬車道を走っていると、アンジェスともシーカサーリとも違う店並びが続いていて、立ち寄ってみたくなる誘惑を抑えるのに苦労してしまった。
(ぶらぶらしたい…いやいや、今日帰る訳だし!)
悶々としているうちに王宮正門に着いてしまったのは、ある意味諦めがついて良かったのかも知れない。
「王のご正妃エヴェリーナ様にお引き立て頂いております、ユングベリ商会の者です。本日光栄にも当商会の商品を見たいと仰って下さいましたので、参上しました次第です」
馬車の扉を少しだけ開けて、衛兵に商業ギルド発行カードを提示しつつ、後ろの馬車に商品がある事を指し示す。
「後宮訪問の許可を取ってあると言う事だな。確認するので、しばし待て」
訪問目的を端折ってはいるけれど、嘘はない。
なので、さほど挙動不審にならずに、衛兵と話をする事が出来た。
「――うむ。後宮のお傍付き侍女とも確認が取れた。ここは通って良い。後宮に近付いたところで馬留めと、再度警備担当者の確認が入るから、そちらの指示に従うように」
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