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第一部 宰相家の居候
213 難関ミッション発動しました
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
ギーレン国の当代〝扉の守護者〟トバル・ラガルサと言う人は、かつてキスト辺境伯家で家庭教師を務めていた事があり、室長が植物の研究に興味を持つきっかけを与えてくれた人、と言う事らしかった。
尋常じゃない魔力を持ち〝扉の守護者〟になる事を国から命じられた後、なかなか会う機会もなかったそうだが、王立植物園に勤めるようになって、彼の魔力や体力を回復させる調合に関わるようになってからは、再び交流は再開しているとの事だった。
ただここ最近は、薬による回復よりも魔力の消耗が上回る状況が続いており、キスト室長としては、内心では焦りが隠せない状況だったらしい。
だから私が「多分、室長に会いたいと言っている人物は〝扉の守護者〟を交代させる事で、当代にこれ以上負担を強いる事がないようにと考えていて、その相談だと思う」と言葉を足したところで、エドヴァルドの名前を出さない現状でも、彼と会う事を最終的には承諾した。
それでもさすがはキスト室長、私に向かってニッコリ微笑った後で
「なら明日、朝、私の邸宅の方へ来て貰おうか。そこで話を聞いた後、植物園を見学して貰って、貴女が手掛ける食堂の昼食も味わって貰うとしよう。そんな痕をつけて牽制をかけるくらいだ。さぞや貴女の職場環境に対する不安もあるだろうし、そう言う不安は少しでも解消しておいて貰った方が良いだろうしな」
と宣って下さった。
「今シーカサーリにいるのかいないのかは知らないが、多少朝が早くなっても、そもそも非公式に『会いたい』と言っているからには、都合は合わせられるのだろう?」
「えー……はい…伝えます……」
どうやら名前を聞かないまでも、相手が自分と同じ「貴族」だと言う察しはついたらしい。
非公式を強調したあたり、本来なら、先触れの手紙を出したり…と言う礼儀作法をすっ飛ばしている事を理解していると言いたいのだろう。
その上で、これも貴族同士のやり取りとしては有り得ない「明日の朝」の約束。
室長としては、これで「お互い様」だとして、何か交渉ごとがあるにせよ、手札にするつもりはないと予め仄めかせておきたいのだろう。
「もちろん、邸宅には貴女も来て貰う。この前夕食に来たのだから、邸宅までの案内人としても適任だろうからな」
「………」
はい、拒否権あるとは思ってません。
私ってば馬車の中にいたから、実際には道って分からないのに――なんて事は言える空気じゃないですね。
とりあえず、イザクに言っておけば〝鷹の眼〟の謎の連絡方法で常識外の早さで伝わるに違いないと、私は潔く「丸投げ」した。
――結果、朝、ナリスヴァーラ城を出た馬車はベクレル伯爵邸に立ち寄りの上、私をピックアップして、馭者としてイザクが乗る形でキスト室長の邸宅に向かう…と言う事で、話はまとまったらしかった。
それはそれで、帰って話をしたら、ベクレル伯爵がびっくりするんじゃないだろうか……。
* * *
「まーあ、ホントに来たわね」
夕方。
植物園を出て、シーカサーリ商業ギルドに立ち寄ったところ、こちらの顔を見るなり、受付の女性に二階まで即案内をされた。
どうやら、ギルド長が在席している限りは、問答無用でギルド長の対応案件に設定されてしまったらしかった。
「と、仰いますと?」
部屋に入るなりのこの第一声に思わず首を傾げた私の反応は、間違ってはいない筈。
「アナタ、リーリャに手紙出したでしょう?アタシに会ったって」
ソファに腰を下ろすようゼスチャーで指示しながら、オネェなギルド長レノーイ・リーフェフットがそんな事を聞いてきた。
「………そうですね、はい」
「まあ、リーリャ自身の近況報告とか、世間話を即返してきたくらいなら、さすが親友ね!で済むけど、まさかその返事と一緒に、開業登録書類を付けてくるとは思わなかったわよ。多分そう何日もしないうちに、その相談に来る筈だって。あの娘の能力なら、早々に仮で立ち上げた商会をそのままにはしておけなくなる筈だからって」
「え」
姐さん、千里眼の持ち主か何かですか。
そう思ったのが表情に出たのか、おネェ様も肩を竦めている。
「なんでも特許権申請案件を複数抱えた上に、服飾関連の店舗を手掛けようとしていたらしいじゃないの。その店舗の話があるから、実店舗の登録申請は戻ってからすれば良いだろうからって、今回は一番お手軽な行商人登録申請の用紙を送ってきたのよ」
本来なら、申請を上げて、その商売内容をギルドで吟味して、行商人としての開業可否を改めて返答、OKが出れば登録料を払っていざ開業――となるらしい。
だが今回は、白紙の申請用紙に、先にアンジェス国王都商業ギルド長リーリャ・イッターシュの署名捺印がされて、シーカサーリ商業ギルド長レノーイ・リーフェフット宛として送付がなされたのだ。
どう考えても、異例中の異例だ。
「あの……その用紙を使って、シーカサーリでも登録申請が出来るって言う事なんですか?」
「白紙に署名は異常よ?それは規格外と思って欲しいけど、認可の下りた登録書類を、他所のギルドに申請するやり方自体は、その土地に支店を出したい場合なんかに、ままあるやり方なのよ。このままいけば、アナタってギーレンとアンジェスの両方で仕事する事になるんだから、間違ってはいないのよね」
白紙に署名は有り得ないけどね!とそこだけは再度強調している。
「登録料は、現金か金・銀・銅と言った鉱物でも受け付けは可能。要は貨幣価値があって先物取引がある鉱物資源であれば…ってところかしら。行商人登録料は、実店舗の登録となった段階で、その登録料の一部となるから、二重に支払う必要はないってワケ。まあ、それ故に行商人と店舗運営の掛け持ちが出来ない仕組みにもなってるけれどね」
一人の商人が、あれもこれもと権利を独占しないように、行商と店舗と、明確に棲み分けをさせておくと言う事らしかった。
「そんなワケだから、とっととコレに記入して、登録料持って出直してらっしゃい。あの紙面を配る以外にも、手掛ける事が増えたんでしょう?」
おネェ様はそう言って、申請書と思しき書類を数枚、私の目の前の机の上に置いた。
「そうなんですよね……珍しい茶葉の仕入れとか、銀細工の販路拡大とか、仮の商会では拙い話が色々と立ち上がっちゃいまして。最初はアンジェスに戻ってから実店舗登録をした段階で、ユングベリ商会はそこに吸収された態を装うつもりだったんですけどね?そうも言っていられなくなったと言うか」
「まあ、今の紙面だけならお金絡んでないから、仮の商会でもギリギリ法には引っかからなかったし、戻ってから立ち上げた店舗で本を出して植物園の宣伝紙も作るって言うなら、それはもうちゃんと合法の話になるものね…って、アナタも堂々とウラの話をしないで頂戴!ココは一応国でも有数の清廉なギルドで通ってるのよ⁉」
「あ…すみません、つい」
「ついじゃないわよ、まったく。こっちとしても、今の曖昧な状態に目を瞑っておくのにも限度があるんだから、規格外でも何でも良いからこの機会は利用して頂戴」
「そうですね。リーリャさんのご厚意に、ここは有難く甘えたいと思います。なるべく早く登録料と一緒に申請に来ます」
なるべく。
エドヴァルドを説き伏せると言う最大のミッションがそびえ立っている以上は、どうあっても今は「なるべく」としか言えなかった。
ギーレン国の当代〝扉の守護者〟トバル・ラガルサと言う人は、かつてキスト辺境伯家で家庭教師を務めていた事があり、室長が植物の研究に興味を持つきっかけを与えてくれた人、と言う事らしかった。
尋常じゃない魔力を持ち〝扉の守護者〟になる事を国から命じられた後、なかなか会う機会もなかったそうだが、王立植物園に勤めるようになって、彼の魔力や体力を回復させる調合に関わるようになってからは、再び交流は再開しているとの事だった。
ただここ最近は、薬による回復よりも魔力の消耗が上回る状況が続いており、キスト室長としては、内心では焦りが隠せない状況だったらしい。
だから私が「多分、室長に会いたいと言っている人物は〝扉の守護者〟を交代させる事で、当代にこれ以上負担を強いる事がないようにと考えていて、その相談だと思う」と言葉を足したところで、エドヴァルドの名前を出さない現状でも、彼と会う事を最終的には承諾した。
それでもさすがはキスト室長、私に向かってニッコリ微笑った後で
「なら明日、朝、私の邸宅の方へ来て貰おうか。そこで話を聞いた後、植物園を見学して貰って、貴女が手掛ける食堂の昼食も味わって貰うとしよう。そんな痕をつけて牽制をかけるくらいだ。さぞや貴女の職場環境に対する不安もあるだろうし、そう言う不安は少しでも解消しておいて貰った方が良いだろうしな」
と宣って下さった。
「今シーカサーリにいるのかいないのかは知らないが、多少朝が早くなっても、そもそも非公式に『会いたい』と言っているからには、都合は合わせられるのだろう?」
「えー……はい…伝えます……」
どうやら名前を聞かないまでも、相手が自分と同じ「貴族」だと言う察しはついたらしい。
非公式を強調したあたり、本来なら、先触れの手紙を出したり…と言う礼儀作法をすっ飛ばしている事を理解していると言いたいのだろう。
その上で、これも貴族同士のやり取りとしては有り得ない「明日の朝」の約束。
室長としては、これで「お互い様」だとして、何か交渉ごとがあるにせよ、手札にするつもりはないと予め仄めかせておきたいのだろう。
「もちろん、邸宅には貴女も来て貰う。この前夕食に来たのだから、邸宅までの案内人としても適任だろうからな」
「………」
はい、拒否権あるとは思ってません。
私ってば馬車の中にいたから、実際には道って分からないのに――なんて事は言える空気じゃないですね。
とりあえず、イザクに言っておけば〝鷹の眼〟の謎の連絡方法で常識外の早さで伝わるに違いないと、私は潔く「丸投げ」した。
――結果、朝、ナリスヴァーラ城を出た馬車はベクレル伯爵邸に立ち寄りの上、私をピックアップして、馭者としてイザクが乗る形でキスト室長の邸宅に向かう…と言う事で、話はまとまったらしかった。
それはそれで、帰って話をしたら、ベクレル伯爵がびっくりするんじゃないだろうか……。
* * *
「まーあ、ホントに来たわね」
夕方。
植物園を出て、シーカサーリ商業ギルドに立ち寄ったところ、こちらの顔を見るなり、受付の女性に二階まで即案内をされた。
どうやら、ギルド長が在席している限りは、問答無用でギルド長の対応案件に設定されてしまったらしかった。
「と、仰いますと?」
部屋に入るなりのこの第一声に思わず首を傾げた私の反応は、間違ってはいない筈。
「アナタ、リーリャに手紙出したでしょう?アタシに会ったって」
ソファに腰を下ろすようゼスチャーで指示しながら、オネェなギルド長レノーイ・リーフェフットがそんな事を聞いてきた。
「………そうですね、はい」
「まあ、リーリャ自身の近況報告とか、世間話を即返してきたくらいなら、さすが親友ね!で済むけど、まさかその返事と一緒に、開業登録書類を付けてくるとは思わなかったわよ。多分そう何日もしないうちに、その相談に来る筈だって。あの娘の能力なら、早々に仮で立ち上げた商会をそのままにはしておけなくなる筈だからって」
「え」
姐さん、千里眼の持ち主か何かですか。
そう思ったのが表情に出たのか、おネェ様も肩を竦めている。
「なんでも特許権申請案件を複数抱えた上に、服飾関連の店舗を手掛けようとしていたらしいじゃないの。その店舗の話があるから、実店舗の登録申請は戻ってからすれば良いだろうからって、今回は一番お手軽な行商人登録申請の用紙を送ってきたのよ」
本来なら、申請を上げて、その商売内容をギルドで吟味して、行商人としての開業可否を改めて返答、OKが出れば登録料を払っていざ開業――となるらしい。
だが今回は、白紙の申請用紙に、先にアンジェス国王都商業ギルド長リーリャ・イッターシュの署名捺印がされて、シーカサーリ商業ギルド長レノーイ・リーフェフット宛として送付がなされたのだ。
どう考えても、異例中の異例だ。
「あの……その用紙を使って、シーカサーリでも登録申請が出来るって言う事なんですか?」
「白紙に署名は異常よ?それは規格外と思って欲しいけど、認可の下りた登録書類を、他所のギルドに申請するやり方自体は、その土地に支店を出したい場合なんかに、ままあるやり方なのよ。このままいけば、アナタってギーレンとアンジェスの両方で仕事する事になるんだから、間違ってはいないのよね」
白紙に署名は有り得ないけどね!とそこだけは再度強調している。
「登録料は、現金か金・銀・銅と言った鉱物でも受け付けは可能。要は貨幣価値があって先物取引がある鉱物資源であれば…ってところかしら。行商人登録料は、実店舗の登録となった段階で、その登録料の一部となるから、二重に支払う必要はないってワケ。まあ、それ故に行商人と店舗運営の掛け持ちが出来ない仕組みにもなってるけれどね」
一人の商人が、あれもこれもと権利を独占しないように、行商と店舗と、明確に棲み分けをさせておくと言う事らしかった。
「そんなワケだから、とっととコレに記入して、登録料持って出直してらっしゃい。あの紙面を配る以外にも、手掛ける事が増えたんでしょう?」
おネェ様はそう言って、申請書と思しき書類を数枚、私の目の前の机の上に置いた。
「そうなんですよね……珍しい茶葉の仕入れとか、銀細工の販路拡大とか、仮の商会では拙い話が色々と立ち上がっちゃいまして。最初はアンジェスに戻ってから実店舗登録をした段階で、ユングベリ商会はそこに吸収された態を装うつもりだったんですけどね?そうも言っていられなくなったと言うか」
「まあ、今の紙面だけならお金絡んでないから、仮の商会でもギリギリ法には引っかからなかったし、戻ってから立ち上げた店舗で本を出して植物園の宣伝紙も作るって言うなら、それはもうちゃんと合法の話になるものね…って、アナタも堂々とウラの話をしないで頂戴!ココは一応国でも有数の清廉なギルドで通ってるのよ⁉」
「あ…すみません、つい」
「ついじゃないわよ、まったく。こっちとしても、今の曖昧な状態に目を瞑っておくのにも限度があるんだから、規格外でも何でも良いからこの機会は利用して頂戴」
「そうですね。リーリャさんのご厚意に、ここは有難く甘えたいと思います。なるべく早く登録料と一緒に申請に来ます」
なるべく。
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