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第一部 宰相家の居候
【仕立て屋Side】ヘルマンの青嵐(せいらん)
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
青の中の青――今や幻とまで言われる産地で発掘されたブルーサファイアを、出入りの宝石商がウチに持ち込んで来たのは、全くの偶然だった。
希少石コレクターとして、宝石商たちの間で名が通っていた、クヴィスト公爵領下の、とある侯爵が亡くなった後、父親の趣味を常日頃より苦々しく思っていた息子が、葬儀の後に、過去に取引先のあった宝石商を一斉に集めて、オークションを催したとの事だった。
そこで落札した宝石商が、そのすぐ後に、定期営業の予定があったウチに、まず話をしたと言う次第だった。
基本的にウチは、ドレスとセットのアクセサリーを制作する為の原石を購入する事がメインだし、宝石商としても、話のネタ程度にしか最初は考えていなかったらしい。
だがその原石は、目を奪われるには充分な代物だった。
――最高級のサファイアの濃い青色。
一目で彼の友人、エドヴァルド・イデオンを思わせる、誇り高き青の色。
いずれ衣装とセットで、ラペルピンにでも加工させるか、あるいはそのうち結婚とでもなれば、相手への贈り物とするか。
まだ用途は決めかねているが、それでもこの原石は、手元に置いておくべきだ。
そう直感した俺は、その場でその原石を買い取った。
安い買い物ではないが、そのうちに回収する機会はあるだろう。そう思って。
その後しばらくは、大きな式典も、エドヴァルド自身にも大きな話題はなく、このままだと俺自身が希少石のコレクターみたいになってくるな…と思っていたところに、あの事件が起きた。
そう、エドヴァルドが女性物のドレスを注文すると言う、一大事件だ。
国の賓客と聞きはしたが、あの〝聖女の姉〟の一連の行動、言動を見る限りは、エドヴァルドが今にも堕ちそうな気がして仕方がない。
そう思った俺は、そのうち需要があるだろうと、どのドレスを着ても様になるだろう、小ぶりのネックレスを勝手にデザインして、加工屋に依頼しておいた。
原石の値段を考えれば、大した賭けだとは思ったが、俺のこの手の勘は、昔から外れた事がない。
案の定と言うか、ネックレスが出来上がって、それほど日にちが立たない内に、エドヴァルドから「今日、店が終わった後に訪れたい」との連絡が店に入った。
最初は、現在進行形で話が進んでいる、木綿製の生地と紙の話かと思いきや、日が暮れてやってきたエドヴァルドは「おまえがその目で判断した事を、私がとやかく言う事はない」と言っただけで、隣国王子の外遊が終わり次第、物件探しや独占販売権など、諸事動き始めるようにすると、あっさり話を終えてしまった。
「うん?それだけか?何か急ぐ用事があったんじゃないのか。…ああ、アレか。ディルク・バーレント伯爵令息と、レイナ嬢がどんな様子だったかが聞きたいとかか?」
二階の書斎兼応接室で向かい合って腰を下ろしながら、首を傾げた俺に、エドヴァルドはもの凄く言いにくいと言った態で、視線を逸らした。
…俺の目の前にいる、この男はダレだと言いたくなる仕種だ。
「っつーか、何なんだよレイナ嬢のあの首筋の「痕」!次期伯爵サマが、自分が煽ったからだって言ってたけど、俺のドレスより先に周りの視線が集中するから、やめてくれよ、色々台無しだっての!」
「………すまない。その、ディルクと――あの男とは、まぁ、因縁があるものだから、つい…な」
もっとドレスのために気を遣えと、斜め上からの説教をかました俺に、エドヴァルドは苦笑していたが、すぐに話が逸れていると思い返した様だった。
「今朝……彼女を怒らせてしまった」
「は?」
「いや、その『痕』の所為じゃない。今の関係に甘えた私が不用意な事を言って、彼女を怒らせてしまったんだ」
俺が言いかけた事を遮る様に、エドヴァルドはそう言った。
本当に後悔していると言った、珍しいくらいに苦い表情だった。
「今日、このまま持って帰る事が出来て、彼女に私の後悔が伝わるような、そんな何かがないかと思ったんだが……情けない話、何も思い浮かばない。彼女が好みそうな食べ物なら、なくはないんだが、以前に、店から持ち帰れないと、彼女自身が嘆いていた事がある。何とか手に入れたとしても、私が公爵としての権力で無理矢理どうにかしたとしか思わないだろう」
「お…おお」
要は惚れた女に贈り物がしたい、と。
本当に、目の前のコイツは俺が知るエドヴァルド・イデオンと同一人物なのか。
「そう言う悩みは、普通、学園時代に経験しとくモンだろうがよ……」
学園時代に経験してこなかった青い春が、今頃になって嵐となって吹き荒れている。
「……花畑に用はなかったし、公爵夫人になりたい女にも用はなかった」
「まあ…そこは分からなくもないけどな」
あの頃に「聖女の姉」の様な女がいたかと言えば――答えは「否」だ。
エドヴァルド自身は、能力も性格も、あの頃から何も変わっていないのだから、当時に戻れたとしても、釣り合う女なんかいた筈がない。
俺は「しょうがねぇなぁ…」と軽く嘆息すると、ソファから立ち上がった。
「フェリクス?」
まだ早いんじゃないかと思っていたが、逆に今なら、渡せると言う気もした。
まあ、判断するのは目の前のこの男だが。
俺は隣室の保管庫から、件のネックレスを、保管していた木箱ごと持ち出してきて、エドヴァルドの前に置いてやった。
「コレは〝青の中の青〟とまで言われている、既に採掘もままならなくなっている程の、ブルーサファイアの希少石を加工したネックレスだ。以前、本当に偶然、ウチに持ち込まれた。別に頼まれちゃいなかったが、どう見てもコレはおまえの色だ。だからいつかおまえに売り込んでやれと思って、しばらく保管していた」
「青の中の青……」
「多分彼女、見た目にも豪奢な宝石やドレスとかは興味ないだろう?だけどそいつなら、どんな服でも邪魔をしない。首回りを隠すデザインのドレス以外は、ドレスの下、胸元に隠れて見えなくなったりしないよう、チェーンも一般的なそれよりは短めにしてある。いつ、どんな時も、自分と共に在って欲しい――まぁそんな、ちょっとした主張だな」
実際には、ちょっとどころじゃない。
相手側にも好意がなければ、とてつもなく愛が重い一品だが、そこはわざわざ口にしない。
「ただ、おまえが本気で彼女を手に入れたいとまでは思っていなくて、ただご機嫌伺いがしたいだけなら、コレはやめておけ。別の類似品を保管庫から見繕ってきてやる。俺のデザインどころか、この宝石自体が一点物にも等しい希少さだ。値段もダイヤモンド以上だからな」
そう言うと、エドヴァルドの眉が一瞬顰められたようだったが、何かを言いだす前に、俺はそのまま話を続けた。
「…ああ、別におまえなら払えなくもないかも知れんが、俺が言いたいのは、そこじゃない。今後もし、本気で贈り物をしたいと思うような女が出て来た時に、これ以上の物は存在しないだろうと言う事だ。この宝石には、それだけの価値がある」
どうも宝石商の回し者みたいになっているが、今は仕方がない。
この宝石にどれほどの価値があり、俺が、どんな服でも邪魔をしないデザインを施した、その意味を、エドヴァルドが理解する必要があるからだ。
――いつ、どんな時も、自分と共に。
見た目は小ぶりだが、こめられている想いは何物にも引けを取らない。
「どうする?おまえの言う『後悔』とやらがどれほどのモノか、俺には分からん。おまえが判断して、決めろ」
「フェリクス……」
「どれを選ぶにしろ、木箱に直入れはあんまりだから、ちゃんと絹の袋で包んで、リボンで結んで、それらしく箱の中の体裁は整えて渡してやるよ、心配すんな」
エドヴァルドの様子を見ながら、俺はそう言って肩をすくめた。
どれを選ぶもなにも――結論は、とうに出ている。そんな表情を、エドヴァルドはしているからだ。
(……コイツに執着されるとか、ちょっとご愁傷様な気もしてきた)
もちろんそれは、一生心の中にしまっておくつもりだが。
何にせよ、俺には到底無理な愛し方である事だけは、間違いないけどな。
青の中の青――今や幻とまで言われる産地で発掘されたブルーサファイアを、出入りの宝石商がウチに持ち込んで来たのは、全くの偶然だった。
希少石コレクターとして、宝石商たちの間で名が通っていた、クヴィスト公爵領下の、とある侯爵が亡くなった後、父親の趣味を常日頃より苦々しく思っていた息子が、葬儀の後に、過去に取引先のあった宝石商を一斉に集めて、オークションを催したとの事だった。
そこで落札した宝石商が、そのすぐ後に、定期営業の予定があったウチに、まず話をしたと言う次第だった。
基本的にウチは、ドレスとセットのアクセサリーを制作する為の原石を購入する事がメインだし、宝石商としても、話のネタ程度にしか最初は考えていなかったらしい。
だがその原石は、目を奪われるには充分な代物だった。
――最高級のサファイアの濃い青色。
一目で彼の友人、エドヴァルド・イデオンを思わせる、誇り高き青の色。
いずれ衣装とセットで、ラペルピンにでも加工させるか、あるいはそのうち結婚とでもなれば、相手への贈り物とするか。
まだ用途は決めかねているが、それでもこの原石は、手元に置いておくべきだ。
そう直感した俺は、その場でその原石を買い取った。
安い買い物ではないが、そのうちに回収する機会はあるだろう。そう思って。
その後しばらくは、大きな式典も、エドヴァルド自身にも大きな話題はなく、このままだと俺自身が希少石のコレクターみたいになってくるな…と思っていたところに、あの事件が起きた。
そう、エドヴァルドが女性物のドレスを注文すると言う、一大事件だ。
国の賓客と聞きはしたが、あの〝聖女の姉〟の一連の行動、言動を見る限りは、エドヴァルドが今にも堕ちそうな気がして仕方がない。
そう思った俺は、そのうち需要があるだろうと、どのドレスを着ても様になるだろう、小ぶりのネックレスを勝手にデザインして、加工屋に依頼しておいた。
原石の値段を考えれば、大した賭けだとは思ったが、俺のこの手の勘は、昔から外れた事がない。
案の定と言うか、ネックレスが出来上がって、それほど日にちが立たない内に、エドヴァルドから「今日、店が終わった後に訪れたい」との連絡が店に入った。
最初は、現在進行形で話が進んでいる、木綿製の生地と紙の話かと思いきや、日が暮れてやってきたエドヴァルドは「おまえがその目で判断した事を、私がとやかく言う事はない」と言っただけで、隣国王子の外遊が終わり次第、物件探しや独占販売権など、諸事動き始めるようにすると、あっさり話を終えてしまった。
「うん?それだけか?何か急ぐ用事があったんじゃないのか。…ああ、アレか。ディルク・バーレント伯爵令息と、レイナ嬢がどんな様子だったかが聞きたいとかか?」
二階の書斎兼応接室で向かい合って腰を下ろしながら、首を傾げた俺に、エドヴァルドはもの凄く言いにくいと言った態で、視線を逸らした。
…俺の目の前にいる、この男はダレだと言いたくなる仕種だ。
「っつーか、何なんだよレイナ嬢のあの首筋の「痕」!次期伯爵サマが、自分が煽ったからだって言ってたけど、俺のドレスより先に周りの視線が集中するから、やめてくれよ、色々台無しだっての!」
「………すまない。その、ディルクと――あの男とは、まぁ、因縁があるものだから、つい…な」
もっとドレスのために気を遣えと、斜め上からの説教をかました俺に、エドヴァルドは苦笑していたが、すぐに話が逸れていると思い返した様だった。
「今朝……彼女を怒らせてしまった」
「は?」
「いや、その『痕』の所為じゃない。今の関係に甘えた私が不用意な事を言って、彼女を怒らせてしまったんだ」
俺が言いかけた事を遮る様に、エドヴァルドはそう言った。
本当に後悔していると言った、珍しいくらいに苦い表情だった。
「今日、このまま持って帰る事が出来て、彼女に私の後悔が伝わるような、そんな何かがないかと思ったんだが……情けない話、何も思い浮かばない。彼女が好みそうな食べ物なら、なくはないんだが、以前に、店から持ち帰れないと、彼女自身が嘆いていた事がある。何とか手に入れたとしても、私が公爵としての権力で無理矢理どうにかしたとしか思わないだろう」
「お…おお」
要は惚れた女に贈り物がしたい、と。
本当に、目の前のコイツは俺が知るエドヴァルド・イデオンと同一人物なのか。
「そう言う悩みは、普通、学園時代に経験しとくモンだろうがよ……」
学園時代に経験してこなかった青い春が、今頃になって嵐となって吹き荒れている。
「……花畑に用はなかったし、公爵夫人になりたい女にも用はなかった」
「まあ…そこは分からなくもないけどな」
あの頃に「聖女の姉」の様な女がいたかと言えば――答えは「否」だ。
エドヴァルド自身は、能力も性格も、あの頃から何も変わっていないのだから、当時に戻れたとしても、釣り合う女なんかいた筈がない。
俺は「しょうがねぇなぁ…」と軽く嘆息すると、ソファから立ち上がった。
「フェリクス?」
まだ早いんじゃないかと思っていたが、逆に今なら、渡せると言う気もした。
まあ、判断するのは目の前のこの男だが。
俺は隣室の保管庫から、件のネックレスを、保管していた木箱ごと持ち出してきて、エドヴァルドの前に置いてやった。
「コレは〝青の中の青〟とまで言われている、既に採掘もままならなくなっている程の、ブルーサファイアの希少石を加工したネックレスだ。以前、本当に偶然、ウチに持ち込まれた。別に頼まれちゃいなかったが、どう見てもコレはおまえの色だ。だからいつかおまえに売り込んでやれと思って、しばらく保管していた」
「青の中の青……」
「多分彼女、見た目にも豪奢な宝石やドレスとかは興味ないだろう?だけどそいつなら、どんな服でも邪魔をしない。首回りを隠すデザインのドレス以外は、ドレスの下、胸元に隠れて見えなくなったりしないよう、チェーンも一般的なそれよりは短めにしてある。いつ、どんな時も、自分と共に在って欲しい――まぁそんな、ちょっとした主張だな」
実際には、ちょっとどころじゃない。
相手側にも好意がなければ、とてつもなく愛が重い一品だが、そこはわざわざ口にしない。
「ただ、おまえが本気で彼女を手に入れたいとまでは思っていなくて、ただご機嫌伺いがしたいだけなら、コレはやめておけ。別の類似品を保管庫から見繕ってきてやる。俺のデザインどころか、この宝石自体が一点物にも等しい希少さだ。値段もダイヤモンド以上だからな」
そう言うと、エドヴァルドの眉が一瞬顰められたようだったが、何かを言いだす前に、俺はそのまま話を続けた。
「…ああ、別におまえなら払えなくもないかも知れんが、俺が言いたいのは、そこじゃない。今後もし、本気で贈り物をしたいと思うような女が出て来た時に、これ以上の物は存在しないだろうと言う事だ。この宝石には、それだけの価値がある」
どうも宝石商の回し者みたいになっているが、今は仕方がない。
この宝石にどれほどの価値があり、俺が、どんな服でも邪魔をしないデザインを施した、その意味を、エドヴァルドが理解する必要があるからだ。
――いつ、どんな時も、自分と共に。
見た目は小ぶりだが、こめられている想いは何物にも引けを取らない。
「どうする?おまえの言う『後悔』とやらがどれほどのモノか、俺には分からん。おまえが判断して、決めろ」
「フェリクス……」
「どれを選ぶにしろ、木箱に直入れはあんまりだから、ちゃんと絹の袋で包んで、リボンで結んで、それらしく箱の中の体裁は整えて渡してやるよ、心配すんな」
エドヴァルドの様子を見ながら、俺はそう言って肩をすくめた。
どれを選ぶもなにも――結論は、とうに出ている。そんな表情を、エドヴァルドはしているからだ。
(……コイツに執着されるとか、ちょっとご愁傷様な気もしてきた)
もちろんそれは、一生心の中にしまっておくつもりだが。
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