57 / 92
57
しおりを挟む
翔馬は玄関ドアを開けて、お座りして朝食を待っているニャン助にキャットフードを山盛り食べさせた。
ドアを開けた瞬間、待ちくたびれたかのように朝の光が注ぎ込み目の前を明るくした。
「ニャン助!あさごはんですよぉ。」
翔馬はそう言いながら、夢中でキャットフードを食べているニャン助の頭から背中にかけて優しく撫でている。
非常に警戒心の強いニャン助だが、どうやら翔馬を受け入れたようだ。
俺は壁にもたれ掛かりながらその光景を見て思案していた。
俺のスマホには渡辺太郎から聞き出したメデューサの電話番号が登録されてある。
080から始まるメデューサの番号を見ながら、画面を指で上下に何度も動かしていた。
翔馬の為にもヤツの居処と現状を把握しなければならない。
子どもを強引に押し付けられた被害者とはいえ俺にとって、これはもはや責務だと思う。
1日でも早くメデューサは翔馬の前に現れ母親としての役割を果たすべきだ。
しかしメデューサは勝手な女だ。
翔馬の事をなんとも思っていないのかもしれない。
そんな狂った女が翔馬を育てていく資格があるのか?
テレビやネットのニュースでよくあるように、内縁の夫とやらと共謀して虐待したり真夏の炎天下に車中で置き去りにされ熱中症で死ぬ事だって翔馬の身に起きるかもしれない。
では、これから俺の元で生活していくのもいかがなものか…。
今、翔馬と俺は問題なく暮らせてはいるが今後どうなるかなんてわからない。
仮に翔馬が成人を迎えるまで俺と一緒に生活をしたとして、きっとたくさんの問題と直面するだろう。
そう考えるのは至って当然だ。
翔馬だって実の母であるメデューサと会いたがっているのは間違いない。
やはり翔馬はメデューサと暮らすべきだ。
俺は無理やりこれが正解だと思い込むようにした。
そうだよな?
俺は間違っていないよな?
翔馬はお子様ランチを食べたレストランにまた行きたいと言ったのでレストランで昼食を食べに出かけた。
天気は良く日差しが強くなっている。
すれ違う中年女性の多くは帽子を被り日傘をさしていた。
テレビでは桜が咲くのは例年より少し遅いと、不倫疑惑のあったお天気お姉さんは白いノースリーブのシャツ姿で頭を少し傾けながら伝えてくれた。
確かにレストランへ向かう道の桜もまだ蕾の状態だ。
今年の桜は難産なのか?
おかしな言葉をチョイスしたら空気が抜けた笑いがでた。
翔馬は蕾ばかりの遊歩道を元気にかけて行く。
同年代の子より足が早いような気がする。
メデューサは1人息子である翔馬の事をどこまで知っているのだろう?
その場凌ぎばかりの子育をして、何もわらかないのではないのか?
翔馬は向かいから歩いてきた老夫婦が連れたポメラニアンと見つめ合っている。
人懐っこいポメラニアンがしゃがみ込んだ翔馬の顔をペロペロ舐め始めた。
翔馬の笑い声が聞こえる。
ドアを開けた瞬間、待ちくたびれたかのように朝の光が注ぎ込み目の前を明るくした。
「ニャン助!あさごはんですよぉ。」
翔馬はそう言いながら、夢中でキャットフードを食べているニャン助の頭から背中にかけて優しく撫でている。
非常に警戒心の強いニャン助だが、どうやら翔馬を受け入れたようだ。
俺は壁にもたれ掛かりながらその光景を見て思案していた。
俺のスマホには渡辺太郎から聞き出したメデューサの電話番号が登録されてある。
080から始まるメデューサの番号を見ながら、画面を指で上下に何度も動かしていた。
翔馬の為にもヤツの居処と現状を把握しなければならない。
子どもを強引に押し付けられた被害者とはいえ俺にとって、これはもはや責務だと思う。
1日でも早くメデューサは翔馬の前に現れ母親としての役割を果たすべきだ。
しかしメデューサは勝手な女だ。
翔馬の事をなんとも思っていないのかもしれない。
そんな狂った女が翔馬を育てていく資格があるのか?
テレビやネットのニュースでよくあるように、内縁の夫とやらと共謀して虐待したり真夏の炎天下に車中で置き去りにされ熱中症で死ぬ事だって翔馬の身に起きるかもしれない。
では、これから俺の元で生活していくのもいかがなものか…。
今、翔馬と俺は問題なく暮らせてはいるが今後どうなるかなんてわからない。
仮に翔馬が成人を迎えるまで俺と一緒に生活をしたとして、きっとたくさんの問題と直面するだろう。
そう考えるのは至って当然だ。
翔馬だって実の母であるメデューサと会いたがっているのは間違いない。
やはり翔馬はメデューサと暮らすべきだ。
俺は無理やりこれが正解だと思い込むようにした。
そうだよな?
俺は間違っていないよな?
翔馬はお子様ランチを食べたレストランにまた行きたいと言ったのでレストランで昼食を食べに出かけた。
天気は良く日差しが強くなっている。
すれ違う中年女性の多くは帽子を被り日傘をさしていた。
テレビでは桜が咲くのは例年より少し遅いと、不倫疑惑のあったお天気お姉さんは白いノースリーブのシャツ姿で頭を少し傾けながら伝えてくれた。
確かにレストランへ向かう道の桜もまだ蕾の状態だ。
今年の桜は難産なのか?
おかしな言葉をチョイスしたら空気が抜けた笑いがでた。
翔馬は蕾ばかりの遊歩道を元気にかけて行く。
同年代の子より足が早いような気がする。
メデューサは1人息子である翔馬の事をどこまで知っているのだろう?
その場凌ぎばかりの子育をして、何もわらかないのではないのか?
翔馬は向かいから歩いてきた老夫婦が連れたポメラニアンと見つめ合っている。
人懐っこいポメラニアンがしゃがみ込んだ翔馬の顔をペロペロ舐め始めた。
翔馬の笑い声が聞こえる。
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる