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ここを出ていくのが今日だと!?
もちろんメデューサが出ていくのは一向に構わない。
寧ろ、俺の手を煩わせる事なく速やかに出て行ってほしい。
これから俺が歩む人生にコイツが悪霊の如く取り憑いて俺の将来を奪おうとするのが目に見えているのだから。
そして俺は絶対にメデューサの子どもなんざ預かる気は毛頭ない!
「自己紹介が遅れたけど私は山田恵子っていうの。預かってもらうウチの子は翔馬。4歳。アレ、4歳だっけ?」
山田"メデューサ"恵子は1人でブツブツ言いながら指を使って数えている。
お腹を痛めて産んだと言っておいて、自分の子どもの年齢さえ分からないとは…。
「うん、やっぱ4歳だ。今度はお隣さんの名前を聞いてもいい?」
「佐山…。」
俺は自分の苗字を教えたくなかった。
こんなアブナイ奴に教えてしまったら悪用される可能性を危惧したからだ。
「サヤマって言うんだぁ。ふ~ん。」
山田"メデューサ"恵子はサーモンピンクの丸テーブルに右腕を乗せながら頷いた。
俺は苗字を伝えた時、名前まで聞かれずに済んでほんの少しだけほっとした。
ほっとしたといっても学校の理科室にある顕微鏡で覗かない限り、目に見える大きさではない。
ゼロに等しいちっぽけなもの。その程度のものだ。
「それとさ、さすがにお隣さん、じゃなかったサヤマさんに申し訳ないからこれを受け取ってほしいの。」
山田はバッグから、ブランドの財布を取り出している。
「これ少ないけど使って。翔馬を預かってもらうわけだから、さすがに無料ってわけにいかないよ。」
財布からヨレヨレの三万円を取り出して小さな丸テーブルに置いた。
「あのさ、俺はあんたの子を預かるなんて一言も言ってないぞ!」
「そんなぁ!ここまで話をさせておいて酷いよ!」
女は声を荒げた。
「酷いのはそっちだろうが!なんで全く面識のない赤の他人のあんたの子どもを預からなきゃならないんだ?頭がイカれてんじゃないのか?」
俺は我慢せず言った。
「もうウチら面識あるじゃん!なんでなん?お金だって払うんだよ!」
「そんな詭弁を言うな!聞きたくもない!」
「はぁキベン?なにそれ?とにかく翔馬を預かってよ!私がどうなってもいいってわけ!?」
メデューサは子供の事より、自分を優先した。
俺はそこを激しく追求しようと思ったが、喉から言葉が出るギリギリ寸前のところで、なんとか堪えた。
これ以上、頭のおかしい山田"メデューサ"恵子に何を言っても意味がない。
同時にこのまま互いに言い争いを続けたらメデューサは発狂して何をしでかすか分からない。
俺は退場するのが賢明な判断だと思った。
「俺は帰る。」
先ほどとは違い俺は静かに言った。
「ええ!ちょっと待ってよ!」
山田メデューサは血相を変えて俺の上着を引っ張る。
俺は無言で玄関へと強引に向かう。
「じゃあさ!お金だけでなく、まだ色々してあげる!サヤマさんは独り暮らしでしょ?きっと寂しいと思うんだ。
サヤマさん、脱いで。翔馬に気づかれたらヤバイからさ、下だけ脱いで。私は女の子の日だから胸だけでいい?」
メデューサが服を脱ごうとした瞬間、俺をなめんじゃねーよ!馬鹿野郎と怒鳴りつけた。
もちろんメデューサが出ていくのは一向に構わない。
寧ろ、俺の手を煩わせる事なく速やかに出て行ってほしい。
これから俺が歩む人生にコイツが悪霊の如く取り憑いて俺の将来を奪おうとするのが目に見えているのだから。
そして俺は絶対にメデューサの子どもなんざ預かる気は毛頭ない!
「自己紹介が遅れたけど私は山田恵子っていうの。預かってもらうウチの子は翔馬。4歳。アレ、4歳だっけ?」
山田"メデューサ"恵子は1人でブツブツ言いながら指を使って数えている。
お腹を痛めて産んだと言っておいて、自分の子どもの年齢さえ分からないとは…。
「うん、やっぱ4歳だ。今度はお隣さんの名前を聞いてもいい?」
「佐山…。」
俺は自分の苗字を教えたくなかった。
こんなアブナイ奴に教えてしまったら悪用される可能性を危惧したからだ。
「サヤマって言うんだぁ。ふ~ん。」
山田"メデューサ"恵子はサーモンピンクの丸テーブルに右腕を乗せながら頷いた。
俺は苗字を伝えた時、名前まで聞かれずに済んでほんの少しだけほっとした。
ほっとしたといっても学校の理科室にある顕微鏡で覗かない限り、目に見える大きさではない。
ゼロに等しいちっぽけなもの。その程度のものだ。
「それとさ、さすがにお隣さん、じゃなかったサヤマさんに申し訳ないからこれを受け取ってほしいの。」
山田はバッグから、ブランドの財布を取り出している。
「これ少ないけど使って。翔馬を預かってもらうわけだから、さすがに無料ってわけにいかないよ。」
財布からヨレヨレの三万円を取り出して小さな丸テーブルに置いた。
「あのさ、俺はあんたの子を預かるなんて一言も言ってないぞ!」
「そんなぁ!ここまで話をさせておいて酷いよ!」
女は声を荒げた。
「酷いのはそっちだろうが!なんで全く面識のない赤の他人のあんたの子どもを預からなきゃならないんだ?頭がイカれてんじゃないのか?」
俺は我慢せず言った。
「もうウチら面識あるじゃん!なんでなん?お金だって払うんだよ!」
「そんな詭弁を言うな!聞きたくもない!」
「はぁキベン?なにそれ?とにかく翔馬を預かってよ!私がどうなってもいいってわけ!?」
メデューサは子供の事より、自分を優先した。
俺はそこを激しく追求しようと思ったが、喉から言葉が出るギリギリ寸前のところで、なんとか堪えた。
これ以上、頭のおかしい山田"メデューサ"恵子に何を言っても意味がない。
同時にこのまま互いに言い争いを続けたらメデューサは発狂して何をしでかすか分からない。
俺は退場するのが賢明な判断だと思った。
「俺は帰る。」
先ほどとは違い俺は静かに言った。
「ええ!ちょっと待ってよ!」
山田メデューサは血相を変えて俺の上着を引っ張る。
俺は無言で玄関へと強引に向かう。
「じゃあさ!お金だけでなく、まだ色々してあげる!サヤマさんは独り暮らしでしょ?きっと寂しいと思うんだ。
サヤマさん、脱いで。翔馬に気づかれたらヤバイからさ、下だけ脱いで。私は女の子の日だから胸だけでいい?」
メデューサが服を脱ごうとした瞬間、俺をなめんじゃねーよ!馬鹿野郎と怒鳴りつけた。
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