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これじゃどうする事もできねえよ!!
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「かつらちゃんはお洋服を何着持っているの?」
かつらに素朴な疑問を尋ねた。
「実はワタクシも数えた事がないのでわからないの。
ほとんど着たこともないお洋服ばかりですし。」
「せっかく買ったのにぃ?お洋服がもったいないわ。」
掃いて捨てるほどある洋服のジャングルをソラは見渡した。
「これらの多くは企業から送られてくるの。
父さんがアパレル企業の方々と仲が良いから…。」
かつらは少しバツの悪さを感じている。
自分でも今の生活が、世間から大きくズレている事は百も承知だ。
「はぁい。お姉さん達はまだお着替えしていないの?」
「ママ!?」
ソラの母であるユラが2人の間に割り込んできた。
「どうこの格好?素敵じゃない?」
ユラは胸元が大胆なVカットでザックリ割れた赤いスリットドレス姿で現れた。
腰まで見えそうなスリットはセクシーな太ももを存分に見せつけている。
「どうって、ママは何を考えているのよぉ!
まさかそんな格好でライブ会場に行くつもりぃ?」
「ウフッ。ママだってオシャレしたいのよ~。」
「オシャレにも限度ってものがあるでしょうがぁ!」
「確かにそうね。ウミくんがお姉ちゃんより、ママを好きになっちゃったら大変だものね。
美しいって罪よね~。」
ユラは両頬に手を当てて身体を左右に揺らしている。
「ママ最低!私達、子どもの集まりから出て行ってちょうだい!今すぐ!」
「あ、あのお二人とも…。」
かつらが必死で2人の仲裁を始めた。
「かつらちゃん大丈夫よ。喧嘩はしてないわ。
ママとお姉ちゃんはね、いつもこうして遊んでいるのよ。」
「どこがよぉ!私は遊んでいるつもりはないわ!
ママなんかなんか居なくなってしまえ!」
「そ、そんな…。」
セクシーなスリットドレスを見事なまでに着こなした美熟女ユラは、ショックのあまり目眩を起こしたようで、足元がおぼつかなくなりフラフラしている。
「お母様?」
「大丈夫よ、かつらちゃん…。ただお腹を痛めて産んだ愛娘に"居なくなってしまえ"なんて本気で言われた事が堪えてしまったの…。
そうね、ママが悪かったわ。お姉ちゃんの愛するウミくんですもの。
冗談でも言っていい事とそうでない事の分別は持たなければならなかったわ。」
「これはママの演技よぉ!騙されると思う?」
ソラは腕を組んで膨れっ面をした。
「演技だなんて…悲しいわ…。涙が…止まらない…。」
「あ、あの…。」
泣き崩れるユラに声をかけるものの、かつらはその先の言葉が見つからずオロオロしている。
「フン!本当に泣いているのかしら?
たまにはママも泣かなきゃダメだわ。
これに懲りたら、もう私のウミに対してエッチな事を言って迫ったりするのは止める事ね!」
ソラはユラにお灸をすえたつもりだ。
セラとヒロコがバタバタ足を鳴らして3人の前にやってきた。
「お母さん!どうしたの?スッゲェ格好!」
「大嵐さん、超絶セクシィ!レッドカーペットを歩く外タレみたい!」
「ウフッ、そうかしら?」
2人の褒め言葉を聞いたユラはこれ見よがしに投げキッスをして、自身の美貌を露わにした。
ヒロコはカメラマンの血が騒いだのか、美しいユラにカメラを向けた。
「写真集を作るのも悪くないわ。オッホッホッホ。」
「ほらね、かつらちゃん。
あれくらいでママが傷ついて泣くなんてあるわけないのよぉ。」
「え、あぁ…。」
「大嵐さんなら写真集を販売したら100万部くらい簡単に売れちゃうわ!」
ノリノリのヒロコが言う。
「出版不況の業界にママがお金の雨をふらせるわよー!」
「ダメだこりゃ…。」
自分の母には落胆するソラだった。
かつらに素朴な疑問を尋ねた。
「実はワタクシも数えた事がないのでわからないの。
ほとんど着たこともないお洋服ばかりですし。」
「せっかく買ったのにぃ?お洋服がもったいないわ。」
掃いて捨てるほどある洋服のジャングルをソラは見渡した。
「これらの多くは企業から送られてくるの。
父さんがアパレル企業の方々と仲が良いから…。」
かつらは少しバツの悪さを感じている。
自分でも今の生活が、世間から大きくズレている事は百も承知だ。
「はぁい。お姉さん達はまだお着替えしていないの?」
「ママ!?」
ソラの母であるユラが2人の間に割り込んできた。
「どうこの格好?素敵じゃない?」
ユラは胸元が大胆なVカットでザックリ割れた赤いスリットドレス姿で現れた。
腰まで見えそうなスリットはセクシーな太ももを存分に見せつけている。
「どうって、ママは何を考えているのよぉ!
まさかそんな格好でライブ会場に行くつもりぃ?」
「ウフッ。ママだってオシャレしたいのよ~。」
「オシャレにも限度ってものがあるでしょうがぁ!」
「確かにそうね。ウミくんがお姉ちゃんより、ママを好きになっちゃったら大変だものね。
美しいって罪よね~。」
ユラは両頬に手を当てて身体を左右に揺らしている。
「ママ最低!私達、子どもの集まりから出て行ってちょうだい!今すぐ!」
「あ、あのお二人とも…。」
かつらが必死で2人の仲裁を始めた。
「かつらちゃん大丈夫よ。喧嘩はしてないわ。
ママとお姉ちゃんはね、いつもこうして遊んでいるのよ。」
「どこがよぉ!私は遊んでいるつもりはないわ!
ママなんかなんか居なくなってしまえ!」
「そ、そんな…。」
セクシーなスリットドレスを見事なまでに着こなした美熟女ユラは、ショックのあまり目眩を起こしたようで、足元がおぼつかなくなりフラフラしている。
「お母様?」
「大丈夫よ、かつらちゃん…。ただお腹を痛めて産んだ愛娘に"居なくなってしまえ"なんて本気で言われた事が堪えてしまったの…。
そうね、ママが悪かったわ。お姉ちゃんの愛するウミくんですもの。
冗談でも言っていい事とそうでない事の分別は持たなければならなかったわ。」
「これはママの演技よぉ!騙されると思う?」
ソラは腕を組んで膨れっ面をした。
「演技だなんて…悲しいわ…。涙が…止まらない…。」
「あ、あの…。」
泣き崩れるユラに声をかけるものの、かつらはその先の言葉が見つからずオロオロしている。
「フン!本当に泣いているのかしら?
たまにはママも泣かなきゃダメだわ。
これに懲りたら、もう私のウミに対してエッチな事を言って迫ったりするのは止める事ね!」
ソラはユラにお灸をすえたつもりだ。
セラとヒロコがバタバタ足を鳴らして3人の前にやってきた。
「お母さん!どうしたの?スッゲェ格好!」
「大嵐さん、超絶セクシィ!レッドカーペットを歩く外タレみたい!」
「ウフッ、そうかしら?」
2人の褒め言葉を聞いたユラはこれ見よがしに投げキッスをして、自身の美貌を露わにした。
ヒロコはカメラマンの血が騒いだのか、美しいユラにカメラを向けた。
「写真集を作るのも悪くないわ。オッホッホッホ。」
「ほらね、かつらちゃん。
あれくらいでママが傷ついて泣くなんてあるわけないのよぉ。」
「え、あぁ…。」
「大嵐さんなら写真集を販売したら100万部くらい簡単に売れちゃうわ!」
ノリノリのヒロコが言う。
「出版不況の業界にママがお金の雨をふらせるわよー!」
「ダメだこりゃ…。」
自分の母には落胆するソラだった。
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