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悪行止まらず
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皆がいる六畳間のドアが開く。
モモの目の前にいたのはよっぴいだ。
「あ、なんでもなかったでしょ?」
モモはよっぴいに言った。
ドンと背中を押されたよっぴいはベッドサイドに腰掛けているモモと衝突した。
「キャア!」
「ちょっとなんだい?」
ウミの隣にいたチグサは上半身をあげるとすぐに誰がやってきたか気づいた。
「サナエじゃない?なんでここにいるん?」
予想だにもしなかった人物の登場にチグサは狼狽えた。
「それよか、チグサ。その子はどっから連れてきた?
お宅らこんな下劣極まりないヤバイ事をしてんのかい。」
ロープで括られているウミを見てサナエはすぐ事態を察した。
「アンタに関係ないだろ?冷やかしなら出て行って。」
「チグサ?アンタの男好きはもはや病気だよ。いや病気なんてもんじゃないな、それ以上か。
ロープで縛って無理やりなんて反吐がでるよ!
私にシメられたくなきゃ早く解いてやんな!」
鋭い眼光で睨むサナエは言った。
チグサはサッチーに合図を送ると、サッチーはサナエの長い髪を背後から引っ張った。
「コイツも撮影会に参加させてやろうよ!ほら脱がせ、脱がせ!」
取っ組み合いになるものの力の差が歴然としており勝敗はすぐに決まった。
サナエはサッチーの顔面を両手で掻きむしった。
痛みに耐えられなくなったサッチーは悲鳴をあげてサナエの足元に倒れ込む。
「バカヤロー!」
サナエはサッチーに何度も力のこもった蹴りを加える。
モモとよっぴいは抱き合いながら悲鳴をあげた。
チグサはタオルケットをサナエに放り投げて、頭に被せ視界を塞ぐと全力で殴りかかった。
「邪魔すんじゃないよ!
アンタだって、元はヤクザのイロだっただろ?
真面目な女ぶってんじゃねぇよぉ!」
タオルケット越しに体格の良いチグサは力任せに押し倒した。
「アンタ達も見てないで手伝ってよぉぉぉ!」
殺し合いを見ているような心境になったモモとよっぴいは怯えて部屋の隅に身体を寄せ合い震えている。
チグサに加勢などできる精神状態ではなかった。
「ギャァ!」
サナエは体重をかけて覆い被さるチグサの目を突いた。
この目潰しをモロに喰らい先手を打って優勢のはずだったチグサは、目元を押さえ悲鳴をあげながら床に伏せた。
形勢逆転したサナエはタオルケットをどかしてチグサに馬乗りになると、顔面ばかりを集中的に殴打した。
みるみるチグサの顔は赤く腫れ上がった。
「このブタ女がぁぁ!」
「サナエ先輩もうやめて!」
サナエはモモに視線をやった。
モモは恐怖で震え声だ。
馬乗りになっていたサナエは立ち上がり、座り込むモモを憐むように言った。
「いきなり私のマンションから姿を消したかと思ったら、アンタさ、まだこんなバカな連中と連んでいるわけ?
いい加減目を覚ませよ!」
青ざめたモモは歯をガタガタいわせるだけで返事をせずにいる。
「よく聞くんだモモちん。もう私はアンタに忠告するのはこれで最後にする。
まだこんなブタ女と連んで人生を棒に振るか?
それとも心を入れ替えて幸せを掴む為にやり直すか、どっちにするんだ?
早く答えなよ。」
「ブタじゃねぇよ!!」
チグサは鼻血を出しながら再びサナエに襲いかかった。
ブン回すゲンコツをかわしてサナエはチグサの顔面にエルボーを1発叩きこんだ。
チグサは床に倒れ込む。意識はあるようだが立ち上がる事はできずにいる。
モモとよっぴいは再び悲鳴をあげた。
モモの目の前にいたのはよっぴいだ。
「あ、なんでもなかったでしょ?」
モモはよっぴいに言った。
ドンと背中を押されたよっぴいはベッドサイドに腰掛けているモモと衝突した。
「キャア!」
「ちょっとなんだい?」
ウミの隣にいたチグサは上半身をあげるとすぐに誰がやってきたか気づいた。
「サナエじゃない?なんでここにいるん?」
予想だにもしなかった人物の登場にチグサは狼狽えた。
「それよか、チグサ。その子はどっから連れてきた?
お宅らこんな下劣極まりないヤバイ事をしてんのかい。」
ロープで括られているウミを見てサナエはすぐ事態を察した。
「アンタに関係ないだろ?冷やかしなら出て行って。」
「チグサ?アンタの男好きはもはや病気だよ。いや病気なんてもんじゃないな、それ以上か。
ロープで縛って無理やりなんて反吐がでるよ!
私にシメられたくなきゃ早く解いてやんな!」
鋭い眼光で睨むサナエは言った。
チグサはサッチーに合図を送ると、サッチーはサナエの長い髪を背後から引っ張った。
「コイツも撮影会に参加させてやろうよ!ほら脱がせ、脱がせ!」
取っ組み合いになるものの力の差が歴然としており勝敗はすぐに決まった。
サナエはサッチーの顔面を両手で掻きむしった。
痛みに耐えられなくなったサッチーは悲鳴をあげてサナエの足元に倒れ込む。
「バカヤロー!」
サナエはサッチーに何度も力のこもった蹴りを加える。
モモとよっぴいは抱き合いながら悲鳴をあげた。
チグサはタオルケットをサナエに放り投げて、頭に被せ視界を塞ぐと全力で殴りかかった。
「邪魔すんじゃないよ!
アンタだって、元はヤクザのイロだっただろ?
真面目な女ぶってんじゃねぇよぉ!」
タオルケット越しに体格の良いチグサは力任せに押し倒した。
「アンタ達も見てないで手伝ってよぉぉぉ!」
殺し合いを見ているような心境になったモモとよっぴいは怯えて部屋の隅に身体を寄せ合い震えている。
チグサに加勢などできる精神状態ではなかった。
「ギャァ!」
サナエは体重をかけて覆い被さるチグサの目を突いた。
この目潰しをモロに喰らい先手を打って優勢のはずだったチグサは、目元を押さえ悲鳴をあげながら床に伏せた。
形勢逆転したサナエはタオルケットをどかしてチグサに馬乗りになると、顔面ばかりを集中的に殴打した。
みるみるチグサの顔は赤く腫れ上がった。
「このブタ女がぁぁ!」
「サナエ先輩もうやめて!」
サナエはモモに視線をやった。
モモは恐怖で震え声だ。
馬乗りになっていたサナエは立ち上がり、座り込むモモを憐むように言った。
「いきなり私のマンションから姿を消したかと思ったら、アンタさ、まだこんなバカな連中と連んでいるわけ?
いい加減目を覚ませよ!」
青ざめたモモは歯をガタガタいわせるだけで返事をせずにいる。
「よく聞くんだモモちん。もう私はアンタに忠告するのはこれで最後にする。
まだこんなブタ女と連んで人生を棒に振るか?
それとも心を入れ替えて幸せを掴む為にやり直すか、どっちにするんだ?
早く答えなよ。」
「ブタじゃねぇよ!!」
チグサは鼻血を出しながら再びサナエに襲いかかった。
ブン回すゲンコツをかわしてサナエはチグサの顔面にエルボーを1発叩きこんだ。
チグサは床に倒れ込む。意識はあるようだが立ち上がる事はできずにいる。
モモとよっぴいは再び悲鳴をあげた。
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