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第5部 追う人、逃げる人、悪い人。
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「おはようございます。」
「セラちゃんおはよう!」
スタッフであるセラが写真スタジオ・ヒロコの玄関に入るとヒロコはブラインドを開けて朝陽を迎え入れていた。
「あれ、お姉ちゃんは?」
「うん…その事なんだけど、ちょっと体調不良でしばらくお休みを頂きたくて…。」
「もしかしてミカミの件?」
パンツスタイルのヒロコは尻周りに両手を添えながら恐る恐る聞いた。
「そう。メンタルをやられちゃって…。ヒロコさんはあれから大丈夫?」
セラは昨晩起きた出来事を正直に伝えられなかった。
「ウチ?ウチは大丈夫よ、もうこの通り全快したから。
でもお姉ちゃんは、あの常軌を逸したストーカーのせいで苦しんでいるのよね。
どんなに仕事が忙しくても笑顔を絶やさない可愛いお姉ちゃんを思うと不憫だよ…。」
言葉が詰まったヒロコは唇を痙攣させて今にも泣き崩れそうな表情だ。
「ヒロコさん…。」
ヒロコの悲壮な表情を見てセラは胸がズキンと痛んだ。
ミカミのストーキング問題も横たわってはいるものの、信頼を寄せる職場の上司に姉の欠勤理由を伏せた事への罪悪感が荒波の如く胸に押し寄せている。
鼻を啜るヒロコは朝からごめんねと謝りながら、部下の手前気持ちを切り替えて仕事の準備を始めた。
セラはホワイトボードで確認事項を読んでいると、面接がある事を知った。
「ヒロコさん。今日は面接が入ってるの?」
「あっ、そうそう。伝えるのを忘れちゃってた。
午前中に面接があるんだ。」
「へぇ!どんな人がくるんだろうね?イケメンだったりして。」
セラは鼻先に両手を合わせた。
「セラちゃんもお姉ちゃんも知っている人だよ。」
「マジですか?あたしらが知っている人って?えー誰だろうー?」
「あはは。実はウチらが働くマンションのお向かいにアパートがあるでしょ?
あそこに住んでいるオオニシさん。」
「えっへぇぇ!まさかのまさか!オオニシさんだとは。」
両手を挙げたセラは大型台風に吹き飛ばされてしまうくらいの衝撃だった。
「セラちゃんのパッチリお目目が漫画みたいにビョーンて飛び出しそうよ。」
驚くセラを見たヒロコは笑ってしまった事を申し訳なく思いつつも耐えられず腹を抱えている。
「そりゃ驚くでしょ。あのオオニシさんだもん。オオニシさんて実務経験ある人?」
「全然。彼は全くの素人さん。」
「えぇー。オオニシさんて50近いはずだよ?
思い切ったなぁ。」
ニッコリ微笑むヒロコの顔に眩しい朝陽が途切れぬことなく射している。
「オオニシさんの入社が正式に決まったらセラちゃんが先輩になるんだよ。」
ヒロコはセラの右肩をポンと優しく叩いた。
「任して!このあたしが教育係になってビシバシ鍛えてあげるっ!」
セラは胸を張って言うと姉と同等の大きな乳房がプルンと揺れた。
「あはは!めっちゃ頼もしいわぁ。お姉ちゃんが復職するまで3人で頑張ろうね!」
「はい!」
「よし、ウチもセラちゃんを真似て揺らすぞ!えい!」
ヒロコは爪先立ちになったり、勢いをつけて身体を左右に振った。
「チッパイだからウチのは揺れないんだった…。」
胸を鷲掴みして頬を膨らませて顔を左右に振った。
「あたしそんなにでかいかなぁ?でかいのは姉貴の方だよ~。」
「セラちゃんもでかいってば。めっちゃでかいってば。」
ヒロコは胸元に手を当てて深く息を吐いていた。
「
「セラちゃんおはよう!」
スタッフであるセラが写真スタジオ・ヒロコの玄関に入るとヒロコはブラインドを開けて朝陽を迎え入れていた。
「あれ、お姉ちゃんは?」
「うん…その事なんだけど、ちょっと体調不良でしばらくお休みを頂きたくて…。」
「もしかしてミカミの件?」
パンツスタイルのヒロコは尻周りに両手を添えながら恐る恐る聞いた。
「そう。メンタルをやられちゃって…。ヒロコさんはあれから大丈夫?」
セラは昨晩起きた出来事を正直に伝えられなかった。
「ウチ?ウチは大丈夫よ、もうこの通り全快したから。
でもお姉ちゃんは、あの常軌を逸したストーカーのせいで苦しんでいるのよね。
どんなに仕事が忙しくても笑顔を絶やさない可愛いお姉ちゃんを思うと不憫だよ…。」
言葉が詰まったヒロコは唇を痙攣させて今にも泣き崩れそうな表情だ。
「ヒロコさん…。」
ヒロコの悲壮な表情を見てセラは胸がズキンと痛んだ。
ミカミのストーキング問題も横たわってはいるものの、信頼を寄せる職場の上司に姉の欠勤理由を伏せた事への罪悪感が荒波の如く胸に押し寄せている。
鼻を啜るヒロコは朝からごめんねと謝りながら、部下の手前気持ちを切り替えて仕事の準備を始めた。
セラはホワイトボードで確認事項を読んでいると、面接がある事を知った。
「ヒロコさん。今日は面接が入ってるの?」
「あっ、そうそう。伝えるのを忘れちゃってた。
午前中に面接があるんだ。」
「へぇ!どんな人がくるんだろうね?イケメンだったりして。」
セラは鼻先に両手を合わせた。
「セラちゃんもお姉ちゃんも知っている人だよ。」
「マジですか?あたしらが知っている人って?えー誰だろうー?」
「あはは。実はウチらが働くマンションのお向かいにアパートがあるでしょ?
あそこに住んでいるオオニシさん。」
「えっへぇぇ!まさかのまさか!オオニシさんだとは。」
両手を挙げたセラは大型台風に吹き飛ばされてしまうくらいの衝撃だった。
「セラちゃんのパッチリお目目が漫画みたいにビョーンて飛び出しそうよ。」
驚くセラを見たヒロコは笑ってしまった事を申し訳なく思いつつも耐えられず腹を抱えている。
「そりゃ驚くでしょ。あのオオニシさんだもん。オオニシさんて実務経験ある人?」
「全然。彼は全くの素人さん。」
「えぇー。オオニシさんて50近いはずだよ?
思い切ったなぁ。」
ニッコリ微笑むヒロコの顔に眩しい朝陽が途切れぬことなく射している。
「オオニシさんの入社が正式に決まったらセラちゃんが先輩になるんだよ。」
ヒロコはセラの右肩をポンと優しく叩いた。
「任して!このあたしが教育係になってビシバシ鍛えてあげるっ!」
セラは胸を張って言うと姉と同等の大きな乳房がプルンと揺れた。
「あはは!めっちゃ頼もしいわぁ。お姉ちゃんが復職するまで3人で頑張ろうね!」
「はい!」
「よし、ウチもセラちゃんを真似て揺らすぞ!えい!」
ヒロコは爪先立ちになったり、勢いをつけて身体を左右に振った。
「チッパイだからウチのは揺れないんだった…。」
胸を鷲掴みして頬を膨らませて顔を左右に振った。
「あたしそんなにでかいかなぁ?でかいのは姉貴の方だよ~。」
「セラちゃんもでかいってば。めっちゃでかいってば。」
ヒロコは胸元に手を当てて深く息を吐いていた。
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