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好きになった人は母校の先輩でした

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「別に付き合いたいなんて僕は思ってないよ。」

「恋人にはなれないから、ただ遠くで見ていたい。そんな気持ちなんだろ?
でも、そんな気持ちを抱えたまま生きていたら、いずれユウシンはあのお姉さんに悲しい恋をしてしまうぞ。
永遠に実る事のない悲しい恋をな。」

「永遠に実る事のない恋…。熟すこともなく永遠に青い果実って事?」

「ユウシン、おまえちょっと上手いこと言ったな。
そう、おまえの言った通りだ。残念だが青いまま、虚しい片想いで終わる。」

トモキはカバンを背負った。

「俺、そろそろ帰るよ。おまえの勉強の邪魔になってるみたいだし。」

「トモキ君、どことなく落ち込んでない?」

「ちょっとオッパイが大きくてその辺にいる街の可愛いお姉さんレベルかと思いきや、地上に降り立った天使に俺如きじゃ相手にされるはずかない。」

「やっぱりトモキ君は綺麗なお姉さんに会いたくてウチに来たんだね。」

「あったりめえだ。」

「僕、送るよ。」

「いいよ。男なんかに送ってもらいたくないわ。あの美人なお姉さんに送ってもらいたい。」

トモキはユウシンの母に頭を下げた。

「おばさんお邪魔しました。」

「ありがとう。また遊びに来てね。」

「母さん、トモキ君の事をエレベーターまで送るよ。」

2人はエレベーターで1階まで降りようとした時、通路側から若い女性2人の声が聞こえてくる。

「もしかして?」

「まさか。」

ユウシンは、昨日に引き続き今日も会えるのかと期待に胸が高鳴ってはいたが同時に美しすぎるソラに恐怖を感じていた。

「ヒロコさんに仕事の出来を褒められちゃった!」

「ウチら、今、ノリに乗ってるよね!」

ユウシンとトモキは声のする方向へ自然と振り向いた。

「昨日のお姉さんだ。」

「間近で見ると更に美しさがわかるな…。隣の金髪のお姉さんも野生的でセクシーだ。」

「あのお姉さんは双子なんだね。」

ソラとセラはエレベーターを待っている2人の後ろに立った。

タイプが異なる超絶美女2人が俺の後ろにいる…なんだこのプレッシャーは!
トモキは心で叫んだ。

トモキ君の心の叫びが僕にも聞こえてくる気がする。
ずっとお姉さん達と居たいけど、でも自信のない僕らには同じ空間にいるなんて事耐えられない。
ユウシンは身体を硬直させながら隣にいるトモキの気持ちを読めた。

チョンチョン

ユウシンの肩をソラが人差し指で触った。

「あれ、昨日、エレベーターで鍵を落とした男の子だよね?」

「ふぁい!そうです。」

ユウシンは返事をする時、「はい!」が「ふぁい!」になってしまったと悔やんだが、「そうです。」はハッキリ言えたから及第点だと自分に言い聞かせた。

「ウソー姫君の制服だ!シャツの色でわかったよ。」

可憐だ、なんて可憐なお姉さんなんだ。男子2人はソラに惚れ惚れしている。

「姉貴の後輩だね!ってことは勉強ができる子達か。」

ヘソを丸出しにしたクロップドトップスをセクシーに着こなしたセラが男子2人に歩み寄って2人を交互に見た。

男子2人はセクシーなセラに目を合わす勇気がなかった。

「花見桜子先生はお元気?」

ユウシンはゴクリと息を飲んだ後、「はい。元気です。ぼ、僕らの担任です。」と伝えた。

「お兄さん達も?実は私が1年生の時の担任だったのよ。美しい桜の花が咲いたから名前が桜子になった話は今もしている?」

手のひらを胸元で合わせ笑顔でユウシンに聞いた。

「は、はい。初日のホームルームで花見先生から聞かされました。」

「先生の鉄板ネタだったのね。」

話している間にエレベーターがやってきて、ソラとセラは自宅のあるフロアで降りて、男子2人は1階まで降りた。

「おまえばっか、お姉さん達と仲良く話やがって!」

トモキは逆水平チョップをユウシンの胸元に1発浴びせた。

「いて!仕方ないよ。お姉さん達から僕に話しかけてきたんだから!
そもそもトモキ君は相手にされないからという理由で2人を諦めたんじゃなかったの?」

「うるせえや!チャンスがあれば俺だってお姉さん達と話したかったぜ!」

「あっ?」

ユウシンが右手を後頭部に添えた。

「僕、うっかりエレベーターで1階まで降りてきちゃった。」





































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