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ソラが女子高校生だった頃。大嵐家へようこそ!
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「アハ、アハハ…お、おまえの家はけっこう遠いんだな。」
彼氏になってほしいと言われて、ソラから目を逸らしたウミは券売機の上に張り出されている経路図を見ている。
再びウミは話題を変えてきたが、ソラはウミの話に合わせた。
「シュゴー、そうだよぉ。毎朝、私は早起きしてウミに手作りのお弁当を作っているんだから。シュゴー。
冷凍食品を入れてないんだからね。」
「あの味は冷凍食品じゃないのは、俺にだってわかってるよ。
いつか恩返ししなきゃなんねぇなぁ。」
「ンフフ!ウミの恩返しはなんだろうなぁ!シュゴー、ウミの恩返しはなんだろなぁ!シュゴー。花束を持ったウミから愛の告白をされたりして!」
ホームで電車を待つソラはテンションが上がり、乳房を揺らしてピョンピョン飛び跳ねている。
「おいソラ、2番線に電車が来たぞ。危ないから黄色い線の後ろに下がれ!」
ソラのペースに嵌りつつあるウミは少しでも威厳を保とうといつもより渋い声で話した。
「何その声ぇー!ウミの顔、真っ赤っか!酔っ払ったおじさんみたい!シュゴー。」
「頼むから揶揄うのはやめてくれー!」
「シュゴー、わかった、わかった。あまりにもウミが可愛くてさぁ。」
ギターを破壊された青髪男子と、武装をした巨乳女子は下り電車に乗り込んだ。
ソラの地元に着くとウミは「おー!」と歓声をあげた。
「なかなか良い街に住んでいるんだな。」
「駅前は賑わっているよ!でもね、郊外に行くと閑静な住宅街かなぁ。」
「あっそうそう!」ソラはショッピングモールを指差した。
「あそこのモールに楽器屋さんがあるの!確か、インキュバス楽器ていうお店だったはずよ。
後ね、ウチの近くにはラモーンズ楽器もあってね、すごく背の高いおじさんが一人で切り盛りしているの!」
ソラはウミのブレザーの裾を掴みながら早口で話した。
「ギターか…。」
ウミは音楽スタジオで蹲まっていた時のように落胆している。
「シュゴー、あぁ、ごめんなさい。私、無神経だった。」
「楽器屋が2件もあるんだな?今度、俺を店まで案内してくれよ。」
ウミは精一杯笑って見せた。
「私、調子に乗っちゃった…。」
「いいんだよ。人間は調子に乗らなきゃ楽しくねえだろ?」
波乗りをするサーファーのようなポーズをとって戯けた。
「海はウミが好き?」
「母なる海は好きだぜ!泳ぎだってお手の物よ!」
「シュゴー、私はカナヅチだから泳げない。でも温泉みたいに浸かるのは好き。」
「なぁんだそりゃ!おまえ変わってるよな!」
「別にいいじゃん、人それぞれだもん。」
雨の中、2人は戯れながら歩いた。
彼氏になってほしいと言われて、ソラから目を逸らしたウミは券売機の上に張り出されている経路図を見ている。
再びウミは話題を変えてきたが、ソラはウミの話に合わせた。
「シュゴー、そうだよぉ。毎朝、私は早起きしてウミに手作りのお弁当を作っているんだから。シュゴー。
冷凍食品を入れてないんだからね。」
「あの味は冷凍食品じゃないのは、俺にだってわかってるよ。
いつか恩返ししなきゃなんねぇなぁ。」
「ンフフ!ウミの恩返しはなんだろうなぁ!シュゴー、ウミの恩返しはなんだろなぁ!シュゴー。花束を持ったウミから愛の告白をされたりして!」
ホームで電車を待つソラはテンションが上がり、乳房を揺らしてピョンピョン飛び跳ねている。
「おいソラ、2番線に電車が来たぞ。危ないから黄色い線の後ろに下がれ!」
ソラのペースに嵌りつつあるウミは少しでも威厳を保とうといつもより渋い声で話した。
「何その声ぇー!ウミの顔、真っ赤っか!酔っ払ったおじさんみたい!シュゴー。」
「頼むから揶揄うのはやめてくれー!」
「シュゴー、わかった、わかった。あまりにもウミが可愛くてさぁ。」
ギターを破壊された青髪男子と、武装をした巨乳女子は下り電車に乗り込んだ。
ソラの地元に着くとウミは「おー!」と歓声をあげた。
「なかなか良い街に住んでいるんだな。」
「駅前は賑わっているよ!でもね、郊外に行くと閑静な住宅街かなぁ。」
「あっそうそう!」ソラはショッピングモールを指差した。
「あそこのモールに楽器屋さんがあるの!確か、インキュバス楽器ていうお店だったはずよ。
後ね、ウチの近くにはラモーンズ楽器もあってね、すごく背の高いおじさんが一人で切り盛りしているの!」
ソラはウミのブレザーの裾を掴みながら早口で話した。
「ギターか…。」
ウミは音楽スタジオで蹲まっていた時のように落胆している。
「シュゴー、あぁ、ごめんなさい。私、無神経だった。」
「楽器屋が2件もあるんだな?今度、俺を店まで案内してくれよ。」
ウミは精一杯笑って見せた。
「私、調子に乗っちゃった…。」
「いいんだよ。人間は調子に乗らなきゃ楽しくねえだろ?」
波乗りをするサーファーのようなポーズをとって戯けた。
「海はウミが好き?」
「母なる海は好きだぜ!泳ぎだってお手の物よ!」
「シュゴー、私はカナヅチだから泳げない。でも温泉みたいに浸かるのは好き。」
「なぁんだそりゃ!おまえ変わってるよな!」
「別にいいじゃん、人それぞれだもん。」
雨の中、2人は戯れながら歩いた。
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