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ソラが女子高校生だった頃。やっと友達になれたのに…
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「シュゴ、なにがオッパイよ。シュゴ、ウミは私の赤ちゃんではありません!シュゴ。」
廊下を走り抜けて昇降口で手早くローファーに履き替える。
校門まで元取り巻き達に揶揄われた恥ずかしさを紛らわせたくてソラは走った。
「あぁぁぁ!もぉぉ!シュゴ、シュゴ、シュゴ!」
大きな乳房を揺らして走るソラを見た下校中の男子生徒達は、顔を赤らめながら前屈みになってしまった。
校門を抜けてからソラは走るのを止めて、いつもの帰り道を歩く。
目の前には真っ白なリムジンが停まっていた。
「おっきなクルマ…。」
ソラはあまりの迫力のある車体を見て独り言を呟いた。
近くを通り過ぎようとした時、ガバッとドアが開いた。
「キャッ!?」
すぐ目の前でいきなりドアが開いた為、ソラは尻餅をつきそうになった。
「大嵐さん。驚かせてしまってごめんなさいね。」
車から出てきたのは、砂城院かつらだった。
「えっ!砂城院さん!」
まさか、ずっと学校を休んでいたかつらが乗っていた車だと思わなかったので更に驚いてしまった。
「久しぶりだわ。大嵐さん。元気にしていたかしら?」
「うん。私は大丈夫よぉ。砂城院さんはあれから…その、どう…?」
事情を知っているだけに、聞くのが辛かった。
「心配させてしまってごめんなさいね。
ワタクシの近況はというと、勉学の方は家庭教師から教わっているので特に問題ないわ。
ただね、どうしてもお世話になった大嵐さんには伝えておきいたい事があって。
ワタクシ…姫君を自主退学する事にしたの。」
「自主退学?なんで?砂城院さんが姫君を辞める必要なんかどこにもないじゃない!」
ソラはショックで返答する声が大きくなった。
担任の花見先生にも相談したらやはり止められてしまったわ。
でも私の決心は石のように固いのを知って了承をしてくれた。
両親もはじめは反対していたけれど、ワタクシの気持ちを次第に理解してくれて新たな学校へ転校する際の手続きを済ませてくれた…。」
「その説明だけでは私、納得できないよぉ!砂城院さんは辞めずに姫君に残らなきゃダメ!」
ソラはかつらに素直な気持ちをシンプルな言葉でぶつけた。
「ワタクシにも学校を辞めなければならない理由はあるわ。
なぜならワタクシは…大嵐さんに精神的苦痛を与えてしまったから…。
これはどんなに謝っても決して許される事ではないわ。
ワタクシが貴女にやってきた事をふまえて、少しでも罪滅ぼしができたら…。うぅ…そう考えて決断したのよ。」
かつらは涙を流して、ソラに心を込めて謝罪した。
「ごめんなさい。ワタクシが泣くなんて可笑しいわね。うぅ…うぅぅ…。
本当に泣きたいのは、ワタクシなんかではなく被害者である貴女なのですから。」
「砂城院さん、私はもう大丈夫。だから自主退学の件は花見先生に話してキャンセルしてきて!」
「大嵐さん本当にごめんなさい!
ワタクシの事なんか許さなくていい!
どんな罰でも受ける!
ただワタクシは貴女の心の傷が癒えれば、優しい貴女の心の傷さえ癒えれば…ワタクシなんでもする。」
かつらは涙と鼻水で気品ある綺麗な顔をグチャグチャにして号泣している。
罪悪感に苛まれ子どものように泣くかつらの手をソラは両手で握った。
廊下を走り抜けて昇降口で手早くローファーに履き替える。
校門まで元取り巻き達に揶揄われた恥ずかしさを紛らわせたくてソラは走った。
「あぁぁぁ!もぉぉ!シュゴ、シュゴ、シュゴ!」
大きな乳房を揺らして走るソラを見た下校中の男子生徒達は、顔を赤らめながら前屈みになってしまった。
校門を抜けてからソラは走るのを止めて、いつもの帰り道を歩く。
目の前には真っ白なリムジンが停まっていた。
「おっきなクルマ…。」
ソラはあまりの迫力のある車体を見て独り言を呟いた。
近くを通り過ぎようとした時、ガバッとドアが開いた。
「キャッ!?」
すぐ目の前でいきなりドアが開いた為、ソラは尻餅をつきそうになった。
「大嵐さん。驚かせてしまってごめんなさいね。」
車から出てきたのは、砂城院かつらだった。
「えっ!砂城院さん!」
まさか、ずっと学校を休んでいたかつらが乗っていた車だと思わなかったので更に驚いてしまった。
「久しぶりだわ。大嵐さん。元気にしていたかしら?」
「うん。私は大丈夫よぉ。砂城院さんはあれから…その、どう…?」
事情を知っているだけに、聞くのが辛かった。
「心配させてしまってごめんなさいね。
ワタクシの近況はというと、勉学の方は家庭教師から教わっているので特に問題ないわ。
ただね、どうしてもお世話になった大嵐さんには伝えておきいたい事があって。
ワタクシ…姫君を自主退学する事にしたの。」
「自主退学?なんで?砂城院さんが姫君を辞める必要なんかどこにもないじゃない!」
ソラはショックで返答する声が大きくなった。
担任の花見先生にも相談したらやはり止められてしまったわ。
でも私の決心は石のように固いのを知って了承をしてくれた。
両親もはじめは反対していたけれど、ワタクシの気持ちを次第に理解してくれて新たな学校へ転校する際の手続きを済ませてくれた…。」
「その説明だけでは私、納得できないよぉ!砂城院さんは辞めずに姫君に残らなきゃダメ!」
ソラはかつらに素直な気持ちをシンプルな言葉でぶつけた。
「ワタクシにも学校を辞めなければならない理由はあるわ。
なぜならワタクシは…大嵐さんに精神的苦痛を与えてしまったから…。
これはどんなに謝っても決して許される事ではないわ。
ワタクシが貴女にやってきた事をふまえて、少しでも罪滅ぼしができたら…。うぅ…そう考えて決断したのよ。」
かつらは涙を流して、ソラに心を込めて謝罪した。
「ごめんなさい。ワタクシが泣くなんて可笑しいわね。うぅ…うぅぅ…。
本当に泣きたいのは、ワタクシなんかではなく被害者である貴女なのですから。」
「砂城院さん、私はもう大丈夫。だから自主退学の件は花見先生に話してキャンセルしてきて!」
「大嵐さん本当にごめんなさい!
ワタクシの事なんか許さなくていい!
どんな罰でも受ける!
ただワタクシは貴女の心の傷が癒えれば、優しい貴女の心の傷さえ癒えれば…ワタクシなんでもする。」
かつらは涙と鼻水で気品ある綺麗な顔をグチャグチャにして号泣している。
罪悪感に苛まれ子どものように泣くかつらの手をソラは両手で握った。
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