上 下
64 / 275
ソラが女子高校生だった頃。大嵐ソラちゃんファンクラブ

63

しおりを挟む
さっそく自分の部屋のパソコンで大嵐ソラと検索した。

検索エンジンのトップに「⭐︎日本一可愛い美少女⭐︎大嵐ソラちゃんファンクラブ」がヒットした。

「なんだこれは!?」

一般人である大嵐ソラが、まるで国民的アイドルと遜色ない扱いをされている事に驚き、飲んでいたミルクティーを吐き出しそうになった。

「ゴホッゴホッ。さすがの俺も腰を抜かしそうになったよ。まさか、ファンサイトが開設されていたとはね。」


「⭐︎日本一可愛い美少女⭐︎大嵐ソラちゃんファンクラブ」を、はやる気持ちを抑えてクリックした。

画面のトップにタイトルが出てきて管理人のソラへの思いが掲載されている。

ボク達が愛する「♡日本一可愛い美少女 大嵐ソラちゃん♡」について。

どうも!管理人のボーフラです。
ここのサイトはボクが敬愛する美少女、大嵐ソラちゃんのファンサイトです。

ボクの弟が通う学校に奇跡的に可愛い娘がいる。
その名も大嵐ソラちゃん!
しかも幸運にもボクのご近所に住んでいた!
しかし、ボクは引きこもりだった事もありソラちゃんを知る機会に恵まれなかったが、弟のクラス写真で天使の存在を知った。

その日からボクは可憐な彼女に魅了された!
写真だけでなくリアルで動いている姿を見てみたい。
ソラちゃんと同じ空気を吸いたい。
その一心で、絶望に満ちていた引きこもり生活からボクは見事抜け出す事ができた。(その意味でも、ソラちゃんに感謝!)

そして今もこうしてほぼ毎日、ソラちゃんの写真を撮り続けている。
どんなに辛い事があった日でも、ソラちゃんを見て何度となく励まされた。

ボクは神様がソラちゃんを、このどうしようもない下界に送り込んだ天使なのではないかと本気で思っている。

そんな奇跡の美少女が放つ瞬間を、コチラのサイトにたくさん集めました。
ボクと同じくらい熱狂的なファンから、恥ずかしくて一歩踏み出せずリアルのソラちゃんを見た事がないファン、まだソラちゃんを知らない人達(県外にも名を轟かす存在ですが。)にも感動する写真を是非とも堪能してほしいです。

ボクはソラちゃんを独り占めしません。

なぜなら、夜空に輝く星と一緒で自分だけのものにするのは到底不可能だからです。
実際、ボクがソラちゃんを知る以前から既にソラちゃんフィーバーは巻き起こっていました。
で、あるならソラちゃんの情報や写真をはじめからオープンにして、みんなで美しいソラちゃんへの愛を語ったり可愛い写真で盛り上がったりする場を提供した方が建設的ではないのかな?という考えに至りました。

ボクの長ったらしい話はこれくらいにして、それでは「⭐︎日本一可愛い美少女⭐︎大嵐ソラちゃんファンクラブ」を楽しんでいってくださいね!


「…なんだコイツは。大嵐ソラに関するコイツの想いなんざ、俺には知った事ではない!」

宗成は管理人が掲載した文章には興味がなく素早くスクロールした。

画面下を見るとソラが登校する際の制服姿やプラベートで妹のセラとお店でクレープを食べる姿、公園で野良猫を撫でている姿が映し出され、その可愛さに宗成は息を飲んだ。

「やはり、俺の本能は正しかった!大嵐ソラは絶世の美少女だった!」

この写真をバックに文言が書かれている。

その下には、ソラの"プロフィール"、"壁紙"、"書き込み"が閲覧できるようになっていた。

一般人が作ったサイトである為、大手事務所のアイドルと比べればシンプルな作りだが、絶望した人生から生きる糧を見つけた男の手作りサイトだ。
管理人の熱量がビシビシ伝わってくる。

先頭にあるプロフィールをクリックした。

プロフィールには名前や年齢、学校名、自宅の住所から趣味、スリーサイズ(管理人の推定)まで掲載されていた。

「これは酷いな…。」

宗成はマウスから手を離して背もたれにもたれかかった。

「もしや、これが原因で大嵐は素顔を隠すようになったのかもしれない。」

一時的にマウスから手を離していた宗成だったが、ソラをもっと知りたいという要求が抑えられず姿勢を正して壁紙をクリックする。

制服
私服
お色気
があり、管理人が撮った写真はカテゴリー分けされていた。

女性経験が200以上を越え、1日に5人の女性と経験した事がある宗成だが、ソラがなぜ"日本一可愛い美少女"と言われているかが、ここでも思い知らされた。

「あぁ、美しい…。瞬きを忘れてしまっていたよ。」
宗成は写真を見る度にソラに魅了されていく。

制服姿、プラベートの写真を順に見た後、お色気をクリックした。

風でスカートが捲り上がり慌てた顔をしたソラがスカートを押さえているものや、妹のセラと戯れて互いの大きな乳房を触り合っているもの、棒アイスを舌で舐めているもの等、セクシャルな写真で溢れていた。

「フハハハ!大嵐ソラに纏わりつくモテないブンブンバエども!」

宗成はこのサイトの管理人や大嵐ソラのファンに対して呆れて笑った。

「とはいえ、コイツらクズのおかげで大嵐ソラの顔を見る事ができた。次元が違う美しさだな。
俺の気持ちはこれで定まった!
どんな手を使ってでも、大嵐ソラを手に入れてみせる。
情けないその他大勢のブンブンバエどもよ!
大嵐ソラは俺のものになるのを無力なブンブンバエ共は悔しがるがいい!フフフフフ…ハッーハハハハハハ!」

「あんのぉ~入浴のご準備ができました…。」

若い家政婦が開いたドアから申し訳なさそうに顔だけピョコッと出して宗成に言った。

「…ノックはしてくれよ。」

「ドアが全開だったのです~。」









































しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

今さら、私に構わないでください

ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。 彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。 愛し合う二人の前では私は悪役。 幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。 しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……? タイトル変更しました。

50代後半で北海道に移住したぜ日記

江戸川ばた散歩
エッセイ・ノンフィクション
まあ結局移住したので、その「生活」の日記です。

ふざけんな!と最後まで読まずに投げ捨てた小説の世界に転生してしまった〜旦那様、あなたは私の夫ではありません

詩海猫
ファンタジー
こちらはリハビリ兼ねた思いつき短編の予定&完結まで書いてから投稿予定でしたがコ⚪︎ナで書ききれませんでした。 苦手なのですが出来るだけ端折って(?)早々に決着というか完結の予定です。 ヒロ回だけだと煮詰まってしまう事もあるので、気軽に突っ込みつつ楽しんでいただけたら嬉しいですm(_ _)m *・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・* 顔をあげると、目の前にラピスラズリの髪の色と瞳をした白人男性がいた。 周囲を見まわせばここは教会のようで、大勢の人間がこちらに注目している。 見たくなかったけど自分の手にはブーケがあるし、着ているものはウエディングドレスっぽい。 脳内??が多過ぎて固まって動かない私に美形が語りかける。 「マリーローズ?」 そう呼ばれた途端、一気に脳内に情報が拡散した。 目の前の男は王女の護衛騎士、基本既婚者でまとめられている護衛騎士に、なぜ彼が入っていたかと言うと以前王女が誘拐された時、救出したのが彼だったから。 だが、外国の王族との縁談の話が上がった時に独身のしかも若い騎士がついているのはまずいと言う話になり、王命で婚約者となったのが伯爵家のマリーローズである___思い出した。 日本で私は社畜だった。 暗黒な日々の中、私の唯一の楽しみだったのは、ロマンス小説。 あらかた読み尽くしたところで、友達から勧められたのがこの『ロゼの幸福』。 「ふざけんな___!!!」 と最後まで読むことなく投げ出した、私が前世の人生最後に読んだ小説の中に、私は転生してしまった。

さよなら、英雄になった旦那様~ただ祈るだけの役立たずの妻のはずでしたが…~

遠雷
恋愛
「フローラ、すまない……。エミリーは戦地でずっと俺を支えてくれたんだ。俺はそんな彼女を愛してしまった......」 戦地から戻り、聖騎士として英雄になった夫エリオットから、帰還早々に妻であるフローラに突き付けられた離縁状。エリオットの傍らには、可憐な容姿の女性が立っている。 周囲の者達も一様に、エリオットと共に数多の死地を抜け聖女と呼ばれるようになった女性エミリーを称え、安全な王都に暮らし日々祈るばかりだったフローラを庇う者はごく僅かだった。 「……わかりました、旦那様」 反論も無く粛々と離縁を受け入れ、フローラは王都から姿を消した。 その日を境に、エリオットの周囲では異変が起こり始める。

死に役はごめんなので好きにさせてもらいます

橋本彩里(Ayari)
恋愛
フェリシアは幼馴染で婚約者のデュークのことが好きで健気に尽くしてきた。 前世の記憶が蘇り、物語冒頭で死ぬ役目の主人公たちのただの盛り上げ要員であると知ったフェリシアは、死んでたまるかと物語のヒーロー枠であるデュークへの恋心を捨てることを決意する。 愛を返されない、いつか違う人とくっつく予定の婚約者なんてごめんだ。しかも自分は死に役。 フェリシアはデューク中心の生活をやめ、なんなら婚約破棄を目指して自分のために好きなことをしようと決める。 どうせ何をしていても気にしないだろうとデュークと距離を置こうとするが…… まったりいきます。5万~10万文字予定。 お付き合いいただけたら幸いです。 たくさんのいいね、エール、感想、誤字報告をありがとうございます!

【完結】側妃は愛されるのをやめました

なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」  私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。  なのに……彼は。 「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」  私のため。  そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。    このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?  否。  そのような恥を晒す気は無い。 「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」  側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。  今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。 「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」  これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。  華々しく、私の人生を謳歌しよう。  全ては、廃妃となるために。    ◇◇◇  設定はゆるめです。  読んでくださると嬉しいです!

茶番には付き合っていられません

わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。 婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。 これではまるで私の方が邪魔者だ。 苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。 どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。 彼が何をしたいのかさっぱり分からない。 もうこんな茶番に付き合っていられない。 そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。

異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ
ファンタジー
主人公の沖 紫惠琉(おき しえる)は会社からの帰り道、不思議な店を訪れる。 その店でいくつかの品を持たされ、自宅への帰り道、異世界への穴に落ちる。 落ちた先で紫惠琉はいろいろな仲間と穏やかながらも時々刺激的な旅へと旅立つのだった。

処理中です...