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ソラが女子高校生だった頃。旧校舎の音楽室で…
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スゲェ…コイツの身体!なんて良い体型してんだよ。グラドルなんかよりずっとそそるぜ!
思春期真っ只中のマツダイラは、自らの反応に驚いている。
ソラはマツダイラのいやらしい目線に気付き、胸元を左腕で隠した。
ゴロゴロ
耳をつんざく雷鳴が轟き、雨は一向に止む気配がなくますます強まっていく。
傘を持たずに外出した街中を歩く人々は急いで家路へ向かっていった。
「雨の中、ここに突っ立っていても埒が明かないわよ!
コイツを連れて旧校舎の音楽室へ連れて行こう!」
ツインテールの女子生徒がみんなに大きな声で言った。
「旧校舎の音楽室?そんなとこ行ってどうするわけ?」
カチューシャをした女子生徒が疑問を口にした。
「説明なんてあとで!早くしないと風邪を引いちゃうよ!」
取り巻きに両腕を再びガッチリ掴まれ、ソラは旧校舎の音楽室がある方角へ連れて行かれた。
「放して!」
「黙って歩け!」
豪雨のなかソラは全身で精一杯の抵抗をしたが、5人の取り巻きに力で敵うわけがなかった。
旧校舎の音楽室へ向かう際、部活動をしている生徒が体育館付近を横切っていくのを目撃した。
取り巻き達は見られてなるまいと体育館裏へ行きやり過ごした。
「…アイツらもう行ったかな?」
ボブカットの女子生徒が目を細めて言った。
「まだいるみたいね…まぁいいわ。その間にさっきの説明をしてあげる。
みんなはさ、姫君学院の昔から伝わる伝統を知ってる?」
ツインテールの女子生徒が他の取り巻き達に話しかけた。
「はぁ?なによ、コイツを痛ぶろうって時に姫君の伝統がどうしたって?」
ボブカットの女子生徒がツインテールの女子生徒にイラつきながら返答した。
「今から行く旧校舎の音楽室くらいは知ってるよね?」
「新校舎を作るにあたって半分以上壊されて今では、離れにあった音楽室だけがなぜか残っているんでしょ?それがなんだって言うの?」
「痛い!」
「ウチらが話しているんだ。デカパイは黙ってろ!」
ボブカットの女子生徒は苛立ちが抑えきれず、無意識のうちにソラの腕を掴む力が強くなり二の腕に指を食い込ませている。
「実はさ、雷が鳴るくらい大雨が降った日の放課後、ウチらの学校の男子と女子がね…。」
「ええ?まさか幽霊でもでんの?」
話を遮ったボブカットの女子生徒がそう言って怖がると、他の取り巻き達も不安な表情を浮かべた。
「違うわよ、幽霊じゃないわ。
その、天候が悪い日って雨音や雷鳴で声や音が掻き消されるでしょ?」
「はぁ?意味がわかんない。もったいぶらないで、私達にちゃんとわかりやすく話してよ!」
ボブカットは強い口調で言った。
「…男女が裸で愛し合っているの。」
ツインテールの女子生徒は恥ずかしげに話す。
「おい、それって男女がスッポンポンでするアレか?」
ずっと黙っていた男子生徒のマツダイラが反応した。
5人の取り巻き達に、「表現が露骨すぎる」、「キモイ」などと散々罵倒されて、肥満体のマツダイラは泣きそうになっている。
「伝統って言ったのは、私らが生まれる前から代々、姫君の男女がラブラブする為に旧校舎の音楽室を利用していてそれが今も受け継がれているからなんだ。
ククク…私がここを選んだ理由は、雨風を凌ぐだけではないの。大嵐とマツダイラをマッチングさせちゃおうとひらめいたのよ…。どぉマツダイラ?」
「おおい、俺?もしや俺が大嵐と?」
「この学校一、スタイル抜群で巨乳ちゃんの大嵐とするチャンスなんだよ…って、ちょっとマツダイラ!?あんた興奮し過ぎだよ。」
「いや、これはおまえが煽るからいけないんだ…。」
マツダイラは前屈みになりながら両手で隠している。
大雨のせいで、びしょ濡れになった制服が不快であったが、それ以上に迫り来る最大の危機にソラはどうする事もできなくなっていた。
思春期真っ只中のマツダイラは、自らの反応に驚いている。
ソラはマツダイラのいやらしい目線に気付き、胸元を左腕で隠した。
ゴロゴロ
耳をつんざく雷鳴が轟き、雨は一向に止む気配がなくますます強まっていく。
傘を持たずに外出した街中を歩く人々は急いで家路へ向かっていった。
「雨の中、ここに突っ立っていても埒が明かないわよ!
コイツを連れて旧校舎の音楽室へ連れて行こう!」
ツインテールの女子生徒がみんなに大きな声で言った。
「旧校舎の音楽室?そんなとこ行ってどうするわけ?」
カチューシャをした女子生徒が疑問を口にした。
「説明なんてあとで!早くしないと風邪を引いちゃうよ!」
取り巻きに両腕を再びガッチリ掴まれ、ソラは旧校舎の音楽室がある方角へ連れて行かれた。
「放して!」
「黙って歩け!」
豪雨のなかソラは全身で精一杯の抵抗をしたが、5人の取り巻きに力で敵うわけがなかった。
旧校舎の音楽室へ向かう際、部活動をしている生徒が体育館付近を横切っていくのを目撃した。
取り巻き達は見られてなるまいと体育館裏へ行きやり過ごした。
「…アイツらもう行ったかな?」
ボブカットの女子生徒が目を細めて言った。
「まだいるみたいね…まぁいいわ。その間にさっきの説明をしてあげる。
みんなはさ、姫君学院の昔から伝わる伝統を知ってる?」
ツインテールの女子生徒が他の取り巻き達に話しかけた。
「はぁ?なによ、コイツを痛ぶろうって時に姫君の伝統がどうしたって?」
ボブカットの女子生徒がツインテールの女子生徒にイラつきながら返答した。
「今から行く旧校舎の音楽室くらいは知ってるよね?」
「新校舎を作るにあたって半分以上壊されて今では、離れにあった音楽室だけがなぜか残っているんでしょ?それがなんだって言うの?」
「痛い!」
「ウチらが話しているんだ。デカパイは黙ってろ!」
ボブカットの女子生徒は苛立ちが抑えきれず、無意識のうちにソラの腕を掴む力が強くなり二の腕に指を食い込ませている。
「実はさ、雷が鳴るくらい大雨が降った日の放課後、ウチらの学校の男子と女子がね…。」
「ええ?まさか幽霊でもでんの?」
話を遮ったボブカットの女子生徒がそう言って怖がると、他の取り巻き達も不安な表情を浮かべた。
「違うわよ、幽霊じゃないわ。
その、天候が悪い日って雨音や雷鳴で声や音が掻き消されるでしょ?」
「はぁ?意味がわかんない。もったいぶらないで、私達にちゃんとわかりやすく話してよ!」
ボブカットは強い口調で言った。
「…男女が裸で愛し合っているの。」
ツインテールの女子生徒は恥ずかしげに話す。
「おい、それって男女がスッポンポンでするアレか?」
ずっと黙っていた男子生徒のマツダイラが反応した。
5人の取り巻き達に、「表現が露骨すぎる」、「キモイ」などと散々罵倒されて、肥満体のマツダイラは泣きそうになっている。
「伝統って言ったのは、私らが生まれる前から代々、姫君の男女がラブラブする為に旧校舎の音楽室を利用していてそれが今も受け継がれているからなんだ。
ククク…私がここを選んだ理由は、雨風を凌ぐだけではないの。大嵐とマツダイラをマッチングさせちゃおうとひらめいたのよ…。どぉマツダイラ?」
「おおい、俺?もしや俺が大嵐と?」
「この学校一、スタイル抜群で巨乳ちゃんの大嵐とするチャンスなんだよ…って、ちょっとマツダイラ!?あんた興奮し過ぎだよ。」
「いや、これはおまえが煽るからいけないんだ…。」
マツダイラは前屈みになりながら両手で隠している。
大雨のせいで、びしょ濡れになった制服が不快であったが、それ以上に迫り来る最大の危機にソラはどうする事もできなくなっていた。
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