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軽トラで駆り出せ!いざ家電量販店へGO!
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トントントントン…
シャカシャカシャカ…
ジョワァァァ…
ウミは目覚めるとソラがキッチンに立ち、朝食を作っていた。
「いい匂い…。」
犬のように鼻でクンクン匂いを嗅ぐような仕草をしている。
「あら、おはよう。タイミングいいわ~。
ちょうど朝ごはんが出来るから起こそうと思っていたところだったの。」
フライパンを持ったソラはくるりと身体をキッチンに向き直した。
ウミは立ち上がり、二人が一緒に寝ていた布団と枕2つを押し入れにしまった。
「ねぇねぇ、ウミィ。ご飯ですよぉ。
早く顔を洗っておいで。」
「おう。」
ウミは洗面台の水で顔を洗い歯磨きを済ませて、部屋に向かうと既にテーブルの上には作りたての朝食が並んでいた。
白いご飯と味噌汁を除いて、卵焼きとシャケが食卓にのぼる事は引越してから初めての事だった。
「わぁ~美味そうなシャケだ!俺の好きな卵焼きもある。いただきまーす!」
ウミは茶碗を持ってガツガツ食べ始めた。
「ウミが頑張って働いて得たお給料が入ったからね。おかげでオカズが少し豪華になったわ。」
「へっへっへー!感謝しろよ!」
ウミは調子に乗りながら味噌汁をすすり米を流し込んだ。
いつものようにご飯をおかわりする際、ウミはソラの様子がおかしい事に気付く。
「あれ?どうしたんだ?体調でも悪いのか?」
ソラは箸に手をつけず、水ばかり飲んでいた。
「大丈夫…。」
「いや、ぜんぜん大丈夫じゃないだろ?ほんとの事を言えよ?
お腹でも痛いのか?」
「実は暑くて食欲がないの。」
ウミはソラの顔を見た。
「すごい汗だな。このままではいつか倒れちまうよ。
俺さ、おまえが水風呂に入っているのを知った時から早くエアコンを買わなきゃいけないって思っていたんだ。
思い立ったらキチビだっけ?
今日は仕事もバンドもオフだし、電気屋行こうぜ!」
「フフフ、思い立ったら吉日だよ。吉日。
でも、エアコンは高いからお日様がヤンチャを辞める季節がくるまで我慢する。」
「アイツ(太陽)はこれからが本番だぜ!
金の事なんざ、心配ご無用だっての。」
「でも、私、貯金したいの…。
だって将来、ウミの赤ちゃん欲しいから。」
ソラは髪を耳にかける仕草をして、上目遣いでウミを見る。
「おぅ…アレだ、ほら、今日は大変、お日柄も良くてだなぁ。
エアコン日和なわけよ!
ところでオヒガラってどういう意味なんだ?
さすがの俺も東大のテストに出るような言葉はわからねえ。
ハハハハ。」
「ウミ、話し方がおじさんみたい。本当に私と同じ18歳なの?」
ソラの漂わせる雰囲気に押され気味のウミは適当な話題もないので、味噌汁をわざとらしくすすった後、顔を真っ赤にしながら出かけるぞとソラに告げた。
****
新婚夫婦は軽トラックに乗って近所の家電量販店、高過木電気へエアコンを買いに出かけた。
あんなに遠慮していたソラが店舗に入店した途端、子どものようにはしゃいでいる。
ソラは繋いでいた手を離して白物家電売り場に小走りでかけていく。
「待てよ、ソラ。」
ソラを見かけた客や店員は、二度見をした後、ギョッとしてソラから離れた。
子どもを連れた親は見てはダメと叱るくらいだった。
ウミが遅れてやってくる。
「エアコンを買えるのが相当嬉しかったんだな。
それはともかく、暑くないか?」
ソラはゲリラのような特殊な黒いフェイスカバー、異様にツバの長い魔女のような帽子、小顔のソラの顔を覆う大きなサングラス、呼吸を行う際はガスマスク用のでかいポンプを上手にカスタマイズして着用していた。
「シュゴー、そんな事ない。外は暑いけど店内はエアコンが効いて涼しいから、シュゴー、我慢できる。」
「でもよ、そんなポンプだと息ができないだろ。」
「平気、平気。お構いなく。こないだから外出禁止令が廃止になったでしょ?
この格好でスーパー行ったりしてるんだから。」
ソラは各社、売り出されているエアコンコーナーをキョロキョロ見て落ち着きがない。
「お客様、何かお探しでしょうか?」
売り場の店員がウミに話しかけてきた。
ウミは部屋の広さや予算を店員に伝えた。
「なるほど、それでしたらこちらの商品はいかがでしょう。
弊社は現在、キャンペーン期間中でして大変、お求め安くなっております。」
店員に促されたウミは何の疑いもなく勧められた商品に興味を持った。
「シュゴー、シュゴー!」
ウミと店員の側へソラが走ってやってきた。
「うわ!!」
店員はソラの風貌を見てその場でひっくり返りそうになった。
「店員さん!その製品は、こないだウチのポストに入っていた、チラシを見て知ったのですが、シュゴー、没多栗電気さんの方が安く売ってますよ。シュゴー。
もし他店より高かった場合は、シュゴー、値引きしてくれますよね?」
「ひゃ、さ、左様でございましたか、それでしたら、はい。お安くさせていただきます。」
「やったー!!良い買い物できたね!ウミィ!」
無事、エアコンが神園家に届いた。
これでソラは快適に夏をエンジョイ出来そうだ。
シャカシャカシャカ…
ジョワァァァ…
ウミは目覚めるとソラがキッチンに立ち、朝食を作っていた。
「いい匂い…。」
犬のように鼻でクンクン匂いを嗅ぐような仕草をしている。
「あら、おはよう。タイミングいいわ~。
ちょうど朝ごはんが出来るから起こそうと思っていたところだったの。」
フライパンを持ったソラはくるりと身体をキッチンに向き直した。
ウミは立ち上がり、二人が一緒に寝ていた布団と枕2つを押し入れにしまった。
「ねぇねぇ、ウミィ。ご飯ですよぉ。
早く顔を洗っておいで。」
「おう。」
ウミは洗面台の水で顔を洗い歯磨きを済ませて、部屋に向かうと既にテーブルの上には作りたての朝食が並んでいた。
白いご飯と味噌汁を除いて、卵焼きとシャケが食卓にのぼる事は引越してから初めての事だった。
「わぁ~美味そうなシャケだ!俺の好きな卵焼きもある。いただきまーす!」
ウミは茶碗を持ってガツガツ食べ始めた。
「ウミが頑張って働いて得たお給料が入ったからね。おかげでオカズが少し豪華になったわ。」
「へっへっへー!感謝しろよ!」
ウミは調子に乗りながら味噌汁をすすり米を流し込んだ。
いつものようにご飯をおかわりする際、ウミはソラの様子がおかしい事に気付く。
「あれ?どうしたんだ?体調でも悪いのか?」
ソラは箸に手をつけず、水ばかり飲んでいた。
「大丈夫…。」
「いや、ぜんぜん大丈夫じゃないだろ?ほんとの事を言えよ?
お腹でも痛いのか?」
「実は暑くて食欲がないの。」
ウミはソラの顔を見た。
「すごい汗だな。このままではいつか倒れちまうよ。
俺さ、おまえが水風呂に入っているのを知った時から早くエアコンを買わなきゃいけないって思っていたんだ。
思い立ったらキチビだっけ?
今日は仕事もバンドもオフだし、電気屋行こうぜ!」
「フフフ、思い立ったら吉日だよ。吉日。
でも、エアコンは高いからお日様がヤンチャを辞める季節がくるまで我慢する。」
「アイツ(太陽)はこれからが本番だぜ!
金の事なんざ、心配ご無用だっての。」
「でも、私、貯金したいの…。
だって将来、ウミの赤ちゃん欲しいから。」
ソラは髪を耳にかける仕草をして、上目遣いでウミを見る。
「おぅ…アレだ、ほら、今日は大変、お日柄も良くてだなぁ。
エアコン日和なわけよ!
ところでオヒガラってどういう意味なんだ?
さすがの俺も東大のテストに出るような言葉はわからねえ。
ハハハハ。」
「ウミ、話し方がおじさんみたい。本当に私と同じ18歳なの?」
ソラの漂わせる雰囲気に押され気味のウミは適当な話題もないので、味噌汁をわざとらしくすすった後、顔を真っ赤にしながら出かけるぞとソラに告げた。
****
新婚夫婦は軽トラックに乗って近所の家電量販店、高過木電気へエアコンを買いに出かけた。
あんなに遠慮していたソラが店舗に入店した途端、子どものようにはしゃいでいる。
ソラは繋いでいた手を離して白物家電売り場に小走りでかけていく。
「待てよ、ソラ。」
ソラを見かけた客や店員は、二度見をした後、ギョッとしてソラから離れた。
子どもを連れた親は見てはダメと叱るくらいだった。
ウミが遅れてやってくる。
「エアコンを買えるのが相当嬉しかったんだな。
それはともかく、暑くないか?」
ソラはゲリラのような特殊な黒いフェイスカバー、異様にツバの長い魔女のような帽子、小顔のソラの顔を覆う大きなサングラス、呼吸を行う際はガスマスク用のでかいポンプを上手にカスタマイズして着用していた。
「シュゴー、そんな事ない。外は暑いけど店内はエアコンが効いて涼しいから、シュゴー、我慢できる。」
「でもよ、そんなポンプだと息ができないだろ。」
「平気、平気。お構いなく。こないだから外出禁止令が廃止になったでしょ?
この格好でスーパー行ったりしてるんだから。」
ソラは各社、売り出されているエアコンコーナーをキョロキョロ見て落ち着きがない。
「お客様、何かお探しでしょうか?」
売り場の店員がウミに話しかけてきた。
ウミは部屋の広さや予算を店員に伝えた。
「なるほど、それでしたらこちらの商品はいかがでしょう。
弊社は現在、キャンペーン期間中でして大変、お求め安くなっております。」
店員に促されたウミは何の疑いもなく勧められた商品に興味を持った。
「シュゴー、シュゴー!」
ウミと店員の側へソラが走ってやってきた。
「うわ!!」
店員はソラの風貌を見てその場でひっくり返りそうになった。
「店員さん!その製品は、こないだウチのポストに入っていた、チラシを見て知ったのですが、シュゴー、没多栗電気さんの方が安く売ってますよ。シュゴー。
もし他店より高かった場合は、シュゴー、値引きしてくれますよね?」
「ひゃ、さ、左様でございましたか、それでしたら、はい。お安くさせていただきます。」
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