ウイロウ〜人狼ウイルスゲーム〜

【3】

3−6

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「テストプレイをしないと、まだなんとも言えないけど……」
「とりあえずはこれで良いんじゃ無いかな？」
「良いの？　今度こそ、良いの？」
「完成、だな」

「「「「やったああああああああーーー！！」」」」

　
　ラミネート加工された10枚の役職カード。
　ルールの書かれた外郎ノート。
　それらを大事に外郎ボックスに入れる。

「あ！　そういえば……コウちゃん、これあげるよ」

　ミホはスケッチブックの一枚を丁寧に破り、一枚のイラストをくれた。
　役職カードの【医者】に少し似ているが、別物だった。

　人相が悪く、顔に大きな眼帯と傷。
　ボロボロの白衣を着た男の絵だ。


「ああ。これ、俺がリクエストした医者のデザインじゃん！
　相変わらずうめーな、お前」
「えへへ……アオイちゃんと相談したんだけどね。
　これじゃー……まっど、さいえんテスト？　って言われて、没になっちゃったけどね。
　せっかく描いたから、あげるよ」
「ふーん。こっちの方が絶対カッコいいのにな。
　まあ、確かに……ヤブ医者っぽいよな、コレ」
「リクエストの、敵か味方かわかんない感じ出すの、難しかったんだから～！
　……私も、実は結構気に入ってたんだけどね」
「まあ、しょうがねえよな。
　医者は良い奴陣営だし……俺、絶対無くすからさ、外郎ボックスにしまっとこうぜ！」
「そんなのボツイラストだし、大事にしなくても……」
「良いんだよ！　あ……ありがとな！」
「……うん！」


ーー医者は良い奴。

　働く大人達は皆良い奴。
　良い奴陣営と呼んでたそれらを。

【社会人陣営】ーー敬意も込めて、そう名付けた。

　その時の俺達は何の疑問もなく、そう思い込んでいた。