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第21話 アルコールハラスメント
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レイフィス王国では18歳以上を成人と定めている。
俺もユフィーアもこの国ではお酒が飲める年齢だ。
トリトンさんに連れられてやってきたのは港町フェルトの裏通りにある酒場だ。
原作ではどの町の酒場も変わり映えがなくて似たり寄ったりだが、それはゲームの容量的なもののせいだったのだろう。
実際に来てみると王都の酒場とは全く雰囲気が違う。
ここは港町だけあってメニューには海産物が多い。
店内には巨大な水槽が置かれ、中にはマグロやエビなどが元気に泳いでいる。
「やあトリトンさんいらっしゃい。そっちのお二方はご新規さんですね」
頭にねじり鉢巻を巻いた粋な男性が出迎える。
「大将、聞いて驚け。理の勇者マールさんと、竜殺しの勇者ユフィーアさんだ」
「おお、お噂は色々聞いていますよ。特に勇者ユーフィアさんの武勇伝は枚挙に暇がない。私が好きなのは五年前の魔王海軍との戦いの話ですね。魔王軍の秘密兵器である黒鯨魔獣モビーブラックを水中で銛一本で仕留め、その髭を戦利品として持ち帰ったとか」
五年前と言えばゲームのプロローグより前の話だな。
俺はその出来事は知らない。
そもそもその頃はまだユフィーアは子供だ。
さすがに話を盛りすぎだろう。
俺は大将のジョークに愛想笑いをしながらユフィーアの顔を見る。
「あの時は大変でした。まさか鯨の魔獣が二頭もいるとは思いませんでしたから、途中で銛が折れた時はさすがにやられるかと思いましたよ」
……もっと凄かった。
俺は恐る恐る聞いてみる。
「銛が折れてどうやってモビーブラックを倒したの?」
「はい、あの時はまだあまり魔法が得意ではなかったので……こう……」
ユフィーアは拳を前に突き出す。
まさかの水中で徒手空拳である。
どんなバグよりもこの娘のフィジカルの方が遥かにバグってるよな。
「さあ、じゃんじゃん食べてってくれよ。今日は俺のおごりだ!」
テーブルの上には赤身魚の刺身や貝、蟹、ウニ、いくらなどの新鮮な海産物が所狭しと並べられている。
さすが港町の魚介類は絶品だ。
食べる料理に比例して俺とユフィーアの酒の量もどんどん増えてくる。
そろそろ頭がクラクラしてきた。
原作では各キャラクターがどれだけ酒に強いかという設定はない。
実際に試してみて初めて分かる事も多い。
今までの経験上、俺マール・デ・バーグは可もなく不可もなくといったところだ。
ユフィーアはどうなんだろうか?
ふと気になって横を見ると、空っぽになったジョッキがいくつも並んでいる。
「ザルか……」
そう思って視線を戻した次の瞬間だった。
ガシッ。
いきなりユフィーアに首の後ろから肩に腕を回す。
「マール様ぁ、ちゃんと飲んでますかぁ? コップが空ですよぉ? 大将、エールをピッチャーでマール様に!」
「いや、俺そろそろ限界……」
「はぁ? 私の酒が飲めないって言うんですかぁ? いくらマール様でもそれは許しませんよぉ」
そう言って俺の頭に腕を回し、ヘッドロックをキメる。
「いたたたたたた、ユフィーア、酔ってるのか!?」
自分の頭蓋骨が軋む音が聞こえる。
たまらずタップをするが、この世界にプロレスという文化は無い。
ユフィーアは構わずそのまま俺の頭部を絞め続ける。
このままでは俺は落ちるどころか、最悪死ぬ。
トリトン船長達に助けを求めようとするが苦しくて声が出ない。
俺はアイコンタクトを試みるが、当然誰ひとり気付くはずもなく──
「おーおー、あんなに身体を密着させて……見せつけてくれるねえ」
「ユフィーアさんってスタイルいいよね」
「お、俺もユフィーアさんに本気で頼み込めばああやって絞めて貰えるかな?」
などと人の気も知らずに呑気なものである。
そうしてる間に意識がフッと飛びそうになる。
脳裏に走馬灯が流れてきた。
このままでは本当にやばい。
何とかしてここから脱出しないと。
この際どんな手を使ってでも……そう、例えバグを利用してでも。
確かキャラクターを一瞬で街の外まで吹き飛ばすバグ技があったはずだ。
原作では狭い通路をNPCに塞がれた時に活躍するバグ技だ。
仲間にこのバグ技を使うのは心苦しいが、ユフィーアなら後で謝れば許して貰え……いや違うな、謝って貰うのは俺の方だ。
やり方はまず相手のへその下あたりを右手の人差し指で──
しかし次の瞬間、ユフィーアの腕の力が抜ける。
ユフィーアが酔い潰れたようだ。
「た……助かった」
「すぅ……すぅ……」
ユフィーアは俺の身体を抱きかかえるような姿勢のままで眠っている。
腕をどかそうにも全く動かない。
お前はクラーケンか。
一部始終を酒の肴に眺めていたトリトン船長が声をかける。
「ユフィーアさん、よく眠ってるね。マールさんは大丈夫ですかい?」
「頭が……痛いです」
「たくさん飲んでたからなあ、無理もないぜ」
いえ、痛いのは物理的な損傷です。
俺はこっそりと魔法の袋からエリクサーを一本取りだしでグイっと飲む。
こんなくだらない事でエリクサーを消費する人間って俺ぐらいだろうな。
宴は夜が更けるまで続いたが、ここから俺の記憶も曖昧になる。
気が付いたら宿屋のベッドで横になっていた。
どうやら俺も酔い潰れたようだ。
トリトン船長が運んでくれたんだろうか。
隣のベッドではユフィーアがすやすやと寝息を立てている。
昨日の事は何処まで覚えているんだろうな。
俺もユフィーアもこの国ではお酒が飲める年齢だ。
トリトンさんに連れられてやってきたのは港町フェルトの裏通りにある酒場だ。
原作ではどの町の酒場も変わり映えがなくて似たり寄ったりだが、それはゲームの容量的なもののせいだったのだろう。
実際に来てみると王都の酒場とは全く雰囲気が違う。
ここは港町だけあってメニューには海産物が多い。
店内には巨大な水槽が置かれ、中にはマグロやエビなどが元気に泳いでいる。
「やあトリトンさんいらっしゃい。そっちのお二方はご新規さんですね」
頭にねじり鉢巻を巻いた粋な男性が出迎える。
「大将、聞いて驚け。理の勇者マールさんと、竜殺しの勇者ユフィーアさんだ」
「おお、お噂は色々聞いていますよ。特に勇者ユーフィアさんの武勇伝は枚挙に暇がない。私が好きなのは五年前の魔王海軍との戦いの話ですね。魔王軍の秘密兵器である黒鯨魔獣モビーブラックを水中で銛一本で仕留め、その髭を戦利品として持ち帰ったとか」
五年前と言えばゲームのプロローグより前の話だな。
俺はその出来事は知らない。
そもそもその頃はまだユフィーアは子供だ。
さすがに話を盛りすぎだろう。
俺は大将のジョークに愛想笑いをしながらユフィーアの顔を見る。
「あの時は大変でした。まさか鯨の魔獣が二頭もいるとは思いませんでしたから、途中で銛が折れた時はさすがにやられるかと思いましたよ」
……もっと凄かった。
俺は恐る恐る聞いてみる。
「銛が折れてどうやってモビーブラックを倒したの?」
「はい、あの時はまだあまり魔法が得意ではなかったので……こう……」
ユフィーアは拳を前に突き出す。
まさかの水中で徒手空拳である。
どんなバグよりもこの娘のフィジカルの方が遥かにバグってるよな。
「さあ、じゃんじゃん食べてってくれよ。今日は俺のおごりだ!」
テーブルの上には赤身魚の刺身や貝、蟹、ウニ、いくらなどの新鮮な海産物が所狭しと並べられている。
さすが港町の魚介類は絶品だ。
食べる料理に比例して俺とユフィーアの酒の量もどんどん増えてくる。
そろそろ頭がクラクラしてきた。
原作では各キャラクターがどれだけ酒に強いかという設定はない。
実際に試してみて初めて分かる事も多い。
今までの経験上、俺マール・デ・バーグは可もなく不可もなくといったところだ。
ユフィーアはどうなんだろうか?
ふと気になって横を見ると、空っぽになったジョッキがいくつも並んでいる。
「ザルか……」
そう思って視線を戻した次の瞬間だった。
ガシッ。
いきなりユフィーアに首の後ろから肩に腕を回す。
「マール様ぁ、ちゃんと飲んでますかぁ? コップが空ですよぉ? 大将、エールをピッチャーでマール様に!」
「いや、俺そろそろ限界……」
「はぁ? 私の酒が飲めないって言うんですかぁ? いくらマール様でもそれは許しませんよぉ」
そう言って俺の頭に腕を回し、ヘッドロックをキメる。
「いたたたたたた、ユフィーア、酔ってるのか!?」
自分の頭蓋骨が軋む音が聞こえる。
たまらずタップをするが、この世界にプロレスという文化は無い。
ユフィーアは構わずそのまま俺の頭部を絞め続ける。
このままでは俺は落ちるどころか、最悪死ぬ。
トリトン船長達に助けを求めようとするが苦しくて声が出ない。
俺はアイコンタクトを試みるが、当然誰ひとり気付くはずもなく──
「おーおー、あんなに身体を密着させて……見せつけてくれるねえ」
「ユフィーアさんってスタイルいいよね」
「お、俺もユフィーアさんに本気で頼み込めばああやって絞めて貰えるかな?」
などと人の気も知らずに呑気なものである。
そうしてる間に意識がフッと飛びそうになる。
脳裏に走馬灯が流れてきた。
このままでは本当にやばい。
何とかしてここから脱出しないと。
この際どんな手を使ってでも……そう、例えバグを利用してでも。
確かキャラクターを一瞬で街の外まで吹き飛ばすバグ技があったはずだ。
原作では狭い通路をNPCに塞がれた時に活躍するバグ技だ。
仲間にこのバグ技を使うのは心苦しいが、ユフィーアなら後で謝れば許して貰え……いや違うな、謝って貰うのは俺の方だ。
やり方はまず相手のへその下あたりを右手の人差し指で──
しかし次の瞬間、ユフィーアの腕の力が抜ける。
ユフィーアが酔い潰れたようだ。
「た……助かった」
「すぅ……すぅ……」
ユフィーアは俺の身体を抱きかかえるような姿勢のままで眠っている。
腕をどかそうにも全く動かない。
お前はクラーケンか。
一部始終を酒の肴に眺めていたトリトン船長が声をかける。
「ユフィーアさん、よく眠ってるね。マールさんは大丈夫ですかい?」
「頭が……痛いです」
「たくさん飲んでたからなあ、無理もないぜ」
いえ、痛いのは物理的な損傷です。
俺はこっそりと魔法の袋からエリクサーを一本取りだしでグイっと飲む。
こんなくだらない事でエリクサーを消費する人間って俺ぐらいだろうな。
宴は夜が更けるまで続いたが、ここから俺の記憶も曖昧になる。
気が付いたら宿屋のベッドで横になっていた。
どうやら俺も酔い潰れたようだ。
トリトン船長が運んでくれたんだろうか。
隣のベッドではユフィーアがすやすやと寝息を立てている。
昨日の事は何処まで覚えているんだろうな。
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