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蟻の争い
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――一体ずつ魔法でも当てて確固撃破していくか?
いやダメだ。
兵隊蟻同士の間隔が開きすぎている。
威力を弱めて練り込む魔力の量を調整したとしても、そこまでの連射はできない。そしてしっかりと狙って撃つのにも時間がかかる。
数体撃破したところで、残った兵隊蟻に襲われるだろう。
――全力で魔法をぶっ放して全員纏めて消すか?
ダメだ・・・。
見える範囲の兵隊蟻全てを巻き込むほどの魔法を撃てば、周囲は焦土となってしまう。
俺たちの目的は『住みやすい土地に移る』ことだ。
植物も全部焼いてしまっては本末転倒だ。
しかも敵のほとんどは深い地面の中、地上の敵を全て殺したとしても、地中の奴らには効果は薄い。
そして最大の敵である女王は、更に深いところに居るはず・・・。
難しい・・・。
そこでふと俺は魔王時代を思い出していた。
あの時も同じように他の魔王軍の城だとかを攻めていた。
何度も何度も攻城戦は行ったが、思えばあの時の方が楽だったな・・・。
なぜなら、全部城は地上にあったから。
その上、別に周りを気にしなくてもよかったわけだし。
籠城されたら城ごと魔法で破壊もできたし、城の上空が手薄なら飛んで上から魔法で攻撃できたし。
「――戻りたいな」
『あらあ、兵士の数を見て辛くなったあ?』
心の声がアリアーデに聞こえていたみたいだ。
ああ辛いさ、今の状況は。
なんで俺が蟻の巣の駆除の方法を考えねばならんのだ。
クソ、こんな時にベリスが居れば・・・。
あいつは攻城戦を含め、戦術などを組み立てるのが上手かった。
俺のような魔力にものを言わせた戦い方ではなく、まるで人間のように――いやほんとに元人間だけど――兵隊、土地、目標を全て想定した戦略を組み立て戦っていた。
どちらも被害を最小限、戦闘を短時間で終わらせるという点では同じだったが、戦いの内容は真逆。
しかし、故にベリスの人望は厚かった。
味方を少しでも生きて返すという姿勢に、俺の配下のほとんどはあいつに崇拝に近い何かを持っていたに違いない。
――俺も他の配下、そして側近共とは違う存在だと思っていた。
なのに、何故この俺様を――。
――ん?
そうだ。何が『こんな時にベリスが居れば』だ!
こんな状況にした犯人は奴ではないか!
思い出したら腹が立ってきた。
さっさとこの巣の攻略法を見出して帰るぞ。
しかし――。
「どうしたものか」
攻略法も考えねばならないが、それより先に相手の戦力の確認だ。
『巣の周囲に居る兵隊蟻は、巣の中の蟻の数の何倍に等しい』というような法則でもあれば、戦力のだいたいが解るだろうが。
そんなものはないよなあ。
一応聞いてみるか。
「アリアンナお姉さま、いいですか?」
「なに?」
「今兵士が二十・・・、じゅうが二個分ほど見えますが、その数から巣の中の数が解ったりはしますか?」
「――あ!」
アリアンナは少し考えるように沈黙すると、急に驚いたというような声を上げた。
「な、え、どうしたのですか?」
「アンス! 数って凄いわね!? あなたが考えたの!?」
「え、あ、その、まあはい」
いや俺ではないけどな。
「私たちの家族には兵士はいないけど、同じように幾らかお姉さま方が外に居るの。 巣の入口周辺の警備や、餌の調達だとか、やってることはあの兵士たちと変わらない。 それでその数は、巣の中の一定の家族につき一人なの!」
なんだと?
「ということは私たちの家族の、その一定数というのが解れば・・・」
「お婆様の巣の中にどれだけいるか解るわ!」
素晴らしい。
数というものを教えたのは間違いではなかった。
「ではその一定数とはいくらなのです!?」
そう聞くと、アリアンナは口を紡いだ。
ひょこひょこと触角を動かして、明らかに動揺している。
まさか解らないとか言うのではあるまいな?
「ごめんなさいアンス。 解らないわ」
おい!
せっかく敵の戦力が解ると思ったのに!
どうしてくれるんだこの気持ちの高ぶりは!
「り、理由は?」
「理由は、私がまだ大人になって間もないから・・・。 外でご飯を取るのは、もっとお姉さまの仕事なの」
そういえばそういうことを聞いたような気がする。
確か、成虫となって間もない蟻は、巣の中の仕事を主に任されるのだったか。
女王や幼虫の世話、巣の増築というような。
そして成虫になって時間が経つと、巣の外の警備に始まり、餌の調達などを任される。
アリアンナは俺の一代先の世代。普通だったらまだ幼虫どもにせっせと餌を運んでるはずだ。
そうか、もっと上の世代――。
ん?そういえばアリシアやアリアーデはもっと上だよな?
「アリシアお姉さま、わかりますか?」
『解りますよ姫様!』
うるさいな。
「よ、よかった。 どのくらいです?」
『ええと、巣の周囲はだいたいいつも、よん、くらい居て。 交代できるように同じ数が巣に入ってすぐで待機しています。 ご飯を取りに行くのは、それらを合わせた数に近いです。 それで、それらの外の数はだいたい巣の中の数の・・・きゅう、・・・じゅう、なっ!? 姫様!』
そこでアリシアはまた大きな声を出した。念話だけど。
いったいどうしたのか?
もしや俺たちが居ることが奴らにバレたのか!?
いや、周りを一瞥するがそんな気配は全くない。
兵隊蟻どもはあい変わらずその辺を行ったり来たりしてるだけだ。
それとも先にお婆様との戦力差を理解してしまって声が出てしまったのか?
――だろうな。
周囲の兵隊蟻は二十数匹、アリシアの言っている通りに計算したとすれば、巣の中にまた二十数匹。更にその合わせた数、四十匹以上が常に餌を調達するため外に出ている。
きゅう、じゅうというアリシアの言葉。そのまま考えれば『巣の中の蟻十匹につき、外に一匹』ということになる。
軽く見積もっても、あの大穴の中には巨大蟻が八百匹以上。
ゾッとするな――。
しかしその計算通りでいけば、我らが巣の蟻も百匹を超えるということになる。
そこまで居るとは思っていなかったため、嬉しい誤算だ。
だが、その戦力差は雲泥。ただ数が五・六倍というだけではない。兵隊蟻がこっちの蟻数匹分もの戦力になるとすれば、その戦力差は十倍以上になるかもしれん。
しかも幼虫や蛹などの非戦闘員を除外していけば――。
クッ・・・。いよいよジリ貧だ。
「どうしましたアリシアお姉さま――?」
俺は恐る恐るアリシアに聞いてみた。
これに続いてまだ戦力差が出るようなことを言われたらどうすればいい。
アリシアは、真剣な面持ちでこちらを向くと、『よく聞いてくださいね』といわんばかりにはっきりとそれに答えた。
『じゅう、より上の数を教えてもらっていません』
「――あ、ああ。 そ、そうですね」
真剣な表情で言うのがそれか。
いや確かに教えてなかったけど。
あまりにすっとんきょーなことを言われたので反応が遅れたではないか。全く。
緊張を返せ。
そこで俺は、
「えっと――」
と、十以上の数を教えることにし始めたのである。
どこまでならすぐに理解できるだろうかと心配ではあったが、やはりこいつらの理解力は高く、百までの数なら即座に覚えることができた。
計算も自分たちで応用し使えてたので、せっかくだから二倍三倍といった同数を一度に加える計算方法も教えてみた。
もちろん教えた途端にこいつらはそれを理解し、なおかつすぐに応用の域まで達することができた。
とりたて俺の説明が上手いとかそういうわけではない。
『二倍というのは、同じ数が二つある状態のことです。 三の二倍だと、三が二つある状態なので、三と三を合わせる感じで六』程度の説明だ。
すると次の瞬間には、『アリシア、五の二倍の数から二の三倍の数を消して、それを二倍にして最後に二を合わせたらいくつになるう?』『十ね!』と自分たちで遊び感覚で計算をしていた。
解ったことは、こいつらは単純に『頭がいい』
そしてその頭の良さに加えて、こいつらの吸収の速さにはもう一つ理由があった。
それは、娯楽の無さだ。
大昔どこかで聞いた言葉だが、『知恵の進化は、娯楽の進化である』というのを思い出した。
下等な昆虫などは、本能に従い、遺伝子の命令のまま動くが、知恵のある猿などの動物はそうではない。
石や木などを用いて遊びに興ずることがある。更に知恵の発達した哺乳動物や竜族に至っては、もっと高度な遊びを発明したりする。
知恵と遊びの質というのは比例するのだ。
それは肥え太った知識欲を満足させるためであり、更には社会性を持つ種では一種のコミュニケーションの一部として使われる。
遊びというのは、高度な知恵があってこそ成せる業なのだ。
しかしながら、蟻共はつい最近まではただの下等な虫であったため、遊びというものを知らない。
故に行き場を無くした高度な知恵は、妹を愛でるとかいうようなわけのわからん方向に使われていたが、ここで数と計算という燃料を投下されたことにより、遊びという形で蟻共の頭脳は更に燃え上がったのだ。
今まさに、蟻共は進化している。
これはこいつらに魔物として更なる力を与えることにもつながるだろう。
魔力は知恵と力を与え、知恵と力は魔力を呼び起こす。
数百を超える蟻の魔人の軍勢、夢ではないかもしれん。
ちなみにアリアンナが何故、巣の中の蟻と外の蟻との数に法則があるのかを知っていたかというと、お母様に聞いたらしい。
アリアンナは知っての通りお母様の側近みたいになっているので、色々話を聞いているそうだ。
果たして、新たに大きな数と計算方法を教えた俺は、今一度アリシアに件のことを聞くのであった。
いやダメだ。
兵隊蟻同士の間隔が開きすぎている。
威力を弱めて練り込む魔力の量を調整したとしても、そこまでの連射はできない。そしてしっかりと狙って撃つのにも時間がかかる。
数体撃破したところで、残った兵隊蟻に襲われるだろう。
――全力で魔法をぶっ放して全員纏めて消すか?
ダメだ・・・。
見える範囲の兵隊蟻全てを巻き込むほどの魔法を撃てば、周囲は焦土となってしまう。
俺たちの目的は『住みやすい土地に移る』ことだ。
植物も全部焼いてしまっては本末転倒だ。
しかも敵のほとんどは深い地面の中、地上の敵を全て殺したとしても、地中の奴らには効果は薄い。
そして最大の敵である女王は、更に深いところに居るはず・・・。
難しい・・・。
そこでふと俺は魔王時代を思い出していた。
あの時も同じように他の魔王軍の城だとかを攻めていた。
何度も何度も攻城戦は行ったが、思えばあの時の方が楽だったな・・・。
なぜなら、全部城は地上にあったから。
その上、別に周りを気にしなくてもよかったわけだし。
籠城されたら城ごと魔法で破壊もできたし、城の上空が手薄なら飛んで上から魔法で攻撃できたし。
「――戻りたいな」
『あらあ、兵士の数を見て辛くなったあ?』
心の声がアリアーデに聞こえていたみたいだ。
ああ辛いさ、今の状況は。
なんで俺が蟻の巣の駆除の方法を考えねばならんのだ。
クソ、こんな時にベリスが居れば・・・。
あいつは攻城戦を含め、戦術などを組み立てるのが上手かった。
俺のような魔力にものを言わせた戦い方ではなく、まるで人間のように――いやほんとに元人間だけど――兵隊、土地、目標を全て想定した戦略を組み立て戦っていた。
どちらも被害を最小限、戦闘を短時間で終わらせるという点では同じだったが、戦いの内容は真逆。
しかし、故にベリスの人望は厚かった。
味方を少しでも生きて返すという姿勢に、俺の配下のほとんどはあいつに崇拝に近い何かを持っていたに違いない。
――俺も他の配下、そして側近共とは違う存在だと思っていた。
なのに、何故この俺様を――。
――ん?
そうだ。何が『こんな時にベリスが居れば』だ!
こんな状況にした犯人は奴ではないか!
思い出したら腹が立ってきた。
さっさとこの巣の攻略法を見出して帰るぞ。
しかし――。
「どうしたものか」
攻略法も考えねばならないが、それより先に相手の戦力の確認だ。
『巣の周囲に居る兵隊蟻は、巣の中の蟻の数の何倍に等しい』というような法則でもあれば、戦力のだいたいが解るだろうが。
そんなものはないよなあ。
一応聞いてみるか。
「アリアンナお姉さま、いいですか?」
「なに?」
「今兵士が二十・・・、じゅうが二個分ほど見えますが、その数から巣の中の数が解ったりはしますか?」
「――あ!」
アリアンナは少し考えるように沈黙すると、急に驚いたというような声を上げた。
「な、え、どうしたのですか?」
「アンス! 数って凄いわね!? あなたが考えたの!?」
「え、あ、その、まあはい」
いや俺ではないけどな。
「私たちの家族には兵士はいないけど、同じように幾らかお姉さま方が外に居るの。 巣の入口周辺の警備や、餌の調達だとか、やってることはあの兵士たちと変わらない。 それでその数は、巣の中の一定の家族につき一人なの!」
なんだと?
「ということは私たちの家族の、その一定数というのが解れば・・・」
「お婆様の巣の中にどれだけいるか解るわ!」
素晴らしい。
数というものを教えたのは間違いではなかった。
「ではその一定数とはいくらなのです!?」
そう聞くと、アリアンナは口を紡いだ。
ひょこひょこと触角を動かして、明らかに動揺している。
まさか解らないとか言うのではあるまいな?
「ごめんなさいアンス。 解らないわ」
おい!
せっかく敵の戦力が解ると思ったのに!
どうしてくれるんだこの気持ちの高ぶりは!
「り、理由は?」
「理由は、私がまだ大人になって間もないから・・・。 外でご飯を取るのは、もっとお姉さまの仕事なの」
そういえばそういうことを聞いたような気がする。
確か、成虫となって間もない蟻は、巣の中の仕事を主に任されるのだったか。
女王や幼虫の世話、巣の増築というような。
そして成虫になって時間が経つと、巣の外の警備に始まり、餌の調達などを任される。
アリアンナは俺の一代先の世代。普通だったらまだ幼虫どもにせっせと餌を運んでるはずだ。
そうか、もっと上の世代――。
ん?そういえばアリシアやアリアーデはもっと上だよな?
「アリシアお姉さま、わかりますか?」
『解りますよ姫様!』
うるさいな。
「よ、よかった。 どのくらいです?」
『ええと、巣の周囲はだいたいいつも、よん、くらい居て。 交代できるように同じ数が巣に入ってすぐで待機しています。 ご飯を取りに行くのは、それらを合わせた数に近いです。 それで、それらの外の数はだいたい巣の中の数の・・・きゅう、・・・じゅう、なっ!? 姫様!』
そこでアリシアはまた大きな声を出した。念話だけど。
いったいどうしたのか?
もしや俺たちが居ることが奴らにバレたのか!?
いや、周りを一瞥するがそんな気配は全くない。
兵隊蟻どもはあい変わらずその辺を行ったり来たりしてるだけだ。
それとも先にお婆様との戦力差を理解してしまって声が出てしまったのか?
――だろうな。
周囲の兵隊蟻は二十数匹、アリシアの言っている通りに計算したとすれば、巣の中にまた二十数匹。更にその合わせた数、四十匹以上が常に餌を調達するため外に出ている。
きゅう、じゅうというアリシアの言葉。そのまま考えれば『巣の中の蟻十匹につき、外に一匹』ということになる。
軽く見積もっても、あの大穴の中には巨大蟻が八百匹以上。
ゾッとするな――。
しかしその計算通りでいけば、我らが巣の蟻も百匹を超えるということになる。
そこまで居るとは思っていなかったため、嬉しい誤算だ。
だが、その戦力差は雲泥。ただ数が五・六倍というだけではない。兵隊蟻がこっちの蟻数匹分もの戦力になるとすれば、その戦力差は十倍以上になるかもしれん。
しかも幼虫や蛹などの非戦闘員を除外していけば――。
クッ・・・。いよいよジリ貧だ。
「どうしましたアリシアお姉さま――?」
俺は恐る恐るアリシアに聞いてみた。
これに続いてまだ戦力差が出るようなことを言われたらどうすればいい。
アリシアは、真剣な面持ちでこちらを向くと、『よく聞いてくださいね』といわんばかりにはっきりとそれに答えた。
『じゅう、より上の数を教えてもらっていません』
「――あ、ああ。 そ、そうですね」
真剣な表情で言うのがそれか。
いや確かに教えてなかったけど。
あまりにすっとんきょーなことを言われたので反応が遅れたではないか。全く。
緊張を返せ。
そこで俺は、
「えっと――」
と、十以上の数を教えることにし始めたのである。
どこまでならすぐに理解できるだろうかと心配ではあったが、やはりこいつらの理解力は高く、百までの数なら即座に覚えることができた。
計算も自分たちで応用し使えてたので、せっかくだから二倍三倍といった同数を一度に加える計算方法も教えてみた。
もちろん教えた途端にこいつらはそれを理解し、なおかつすぐに応用の域まで達することができた。
とりたて俺の説明が上手いとかそういうわけではない。
『二倍というのは、同じ数が二つある状態のことです。 三の二倍だと、三が二つある状態なので、三と三を合わせる感じで六』程度の説明だ。
すると次の瞬間には、『アリシア、五の二倍の数から二の三倍の数を消して、それを二倍にして最後に二を合わせたらいくつになるう?』『十ね!』と自分たちで遊び感覚で計算をしていた。
解ったことは、こいつらは単純に『頭がいい』
そしてその頭の良さに加えて、こいつらの吸収の速さにはもう一つ理由があった。
それは、娯楽の無さだ。
大昔どこかで聞いた言葉だが、『知恵の進化は、娯楽の進化である』というのを思い出した。
下等な昆虫などは、本能に従い、遺伝子の命令のまま動くが、知恵のある猿などの動物はそうではない。
石や木などを用いて遊びに興ずることがある。更に知恵の発達した哺乳動物や竜族に至っては、もっと高度な遊びを発明したりする。
知恵と遊びの質というのは比例するのだ。
それは肥え太った知識欲を満足させるためであり、更には社会性を持つ種では一種のコミュニケーションの一部として使われる。
遊びというのは、高度な知恵があってこそ成せる業なのだ。
しかしながら、蟻共はつい最近まではただの下等な虫であったため、遊びというものを知らない。
故に行き場を無くした高度な知恵は、妹を愛でるとかいうようなわけのわからん方向に使われていたが、ここで数と計算という燃料を投下されたことにより、遊びという形で蟻共の頭脳は更に燃え上がったのだ。
今まさに、蟻共は進化している。
これはこいつらに魔物として更なる力を与えることにもつながるだろう。
魔力は知恵と力を与え、知恵と力は魔力を呼び起こす。
数百を超える蟻の魔人の軍勢、夢ではないかもしれん。
ちなみにアリアンナが何故、巣の中の蟻と外の蟻との数に法則があるのかを知っていたかというと、お母様に聞いたらしい。
アリアンナは知っての通りお母様の側近みたいになっているので、色々話を聞いているそうだ。
果たして、新たに大きな数と計算方法を教えた俺は、今一度アリシアに件のことを聞くのであった。
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