3 / 94
序章
0-3.神界から異世界へ
しおりを挟む
五日目
いずれくるナディルの旅に備え、戦う術や世界の知識を順調に吸収していく修。最早元の世界に帰る気はなかった。
勉強も鍛錬もしっかりと取り組んでいるのは、楽しさ以上に、カレンのおかげだった。
カレンは美人で優しく、料理も教えるのもうまい。言葉をかわさなくても、目で追っていることも多い。
あくまで世界を救うかどうかを決める準備期間のはずだが、それを忘れてしまいそうなほど、カレンとの日々は楽しかった。
今日は鍛錬ではなく授業。主に旅の目的についてだ。
「ロウに会うには、特殊な力を持った仮面、『エモ・コーブル』を見つける必要がある」
「えもこー・ぶる……?」
「着けた人間を化け物に変える、恐ろしい仮面だよ。そしてそれを扱う者を『メオルブ』と呼ぶ」
「メオ・コーブル……エモルブ」
逆だよと言われ、正しく言い直す修。何故か置いてあったノートに単語を書いていると、カレンも黒板に仮面を描いた。絵と呼ぶには語弊があり、ただ楕円の中に「仮面」と書いただけのものが、何個か並んでいる。
「それらを集めることで、きっとあの子……ロウ様は姿を表す」
「ロウ様?」呼び方に引っかかり、聞き返す。次の瞬間、修は目を見開いた。
「おかしいか?」
聞こえてきたのは、カレンとは似ても似つかない低く渋い声。カレンも気付いたらしく、口を押さえていた。
「勉強はここまでにしようか」
まだ時間はあったが、カレンは修の言葉を待たずに教室を出ていった。
夕食の時間になる頃には、いつものカレンに戻っていた。その姿に安堵した修は、声のことには触れず、席についた。
「修くんは覚えもいいから教えがいがあるし、ご飯もよく食べてくれるから作りがいがあるよ」
五日目にもなると状況にも慣れ、居心地の良さを感じてくる。授業も鍛錬もこの時間も、全てが楽しい。
「誰かのお世話をするのって、結構楽しいね」
まっすぐ見つめられ、ドキッとする修。ごまかすように料理を口にするが――
「ぐげぇらっ!!」あまりの味に吐き出してしまった。ひたすらにしょっぱかったのだ。
「どうしたの!?」とスープを飲むカレン。口を抑えながらも何とか飲み込み「こんなはずじゃ……」と続けた。
「気にし、気にしないで……」
味よりも、自分の動悸を何とかしたかった修は、急いで夕食を食べ終えた。今度は修が逃げるように離席し、いつできたかも忘れた浴場へと向かっていった。
入浴を終え、眠りにつこうとした時、カレンがお詫びのホットミルクを出してくれた。夕食とは真逆の優しい味で、よく眠れそうだと思った。
カレンと別れ、ベッドに入る修。返事の期限はあと九日。帰ると言えば、記憶を消して元の世界へ。この能力も、カレンと過ごした日々も忘れてしまう。
「それは……嫌だな」
六日目
鍛錬を終え、食卓についた修はカレンの言葉を復唱した。
「明日からナディルに?」
頷くカレン。今日までの修を見て、そろそろ良いかもと判断したのだ。
まず能力を与えて使わせ、次に世界を見せる。知りもしない世界を助けたくないだろうという配慮と、力を使わせることで興味を湧かせるという思いがあった。
「あっちの空気も感じて欲しいからね」
期待を隠しきれていない修に言葉を返すカレン。修の頭には様々な妄想が浮かんでは消えていく。
興奮が収まらないまま就寝する修。楽しみで眠れない……ということはなく、鍛錬で疲れていたのですぐに眠りについた。
数時間後、不意に大きな物音が聞こえ、目を見開く修。状況を理解できないでいると、優しい声が聞こえた。
「ごめん、起こしちゃった?」
ベッドの近くに立っていたのはカレンだった。彼女は近づくと、修の頭を撫でた。
「ごめん」の言葉どおり、物音の原因はカレン。修は何があったか聞こうと思ったが、撫でる手が気持ちよくて眠ってしまった。
完全に寝たのを確認したカレンは、自分の右腕を抑えながら、部屋を出ていった。
七日目
修が目を開けると、茶色の天井が見えた。体を起こし、部屋の中を見回す。茶色い床に壁、そして窓。修はいつの間にか、小屋へと運ばれていた。
机の上には書き置きと荷物があり、カレンの文字で『ナディルへよラこそ』と書かれていた。
ラの部分は癖字か?と思いながら荷物を開ける修。入っていたのは衣装だった。薄い橙の上着と群青の服。それに黄色いマフラーに、茶色のズボン。
「これは……」
このためだけにカレンが用意してくれた鏡で姿を確認する修。大きさもぴったりで、着心地も良かった。
着替えを終え、高ぶる気持を抑えながら扉を開ける。目に飛び込んできたのは、新緑の絨毯のような広大な草原。
風が草木を撫でる音に、真夏のような晴天。気持ちが良い。
感じる風も、見える景色も元の世界と変わらない。地表の七割が砂漠だと教わったが、とてもそうは見えない。
これまでが夢で、俺は今目を覚ました。そんな疑念がよぎるほど、ここは現実だった。
「あれは……」
辺りを見回してみると、うごめく光の裂け目のようなものが見えた。明らかに現実離れした何かだ。
「ここは出入り口だよ」裂け目から声が聞こえ、カレンが出てくる。今日は初日以来久々の、女神らしい衣装を身にまとっていた。
「いい世界でしょ?」両手を広げて風を感じるカレン。
「これが、なくなろうとしてるんだ。もう私じゃ、どうしようもできない」
右拳を強く握るカレン。その手はわずかに震えていた。
「カレン様……」
修は悲しさを感じて声をかけたが、続きが浮かばなかった。それを察したカレンは明るく言った。
「さっ、今日も鍛錬だよ。骨を埋めるつもりでかかってこいや」
「カレン様?」
「失敬」と短く返したカレンは衣装を変え、棒を構えた。
「組み手はしばらくお預けになる。この世界のことも色々教えたいからね。だから、全力で来てね!」
「骨、埋めないで拾ってくださいね」
かかってこいやと言ってのけた通り、今日のカレンは強く、早かった。
ボロボロにされた修はカレンの治癒を受け、小屋にあったベッドで眠った。
八日目
修は机に座り、羽ペンを握っていた。
「魔物も居るんですか?」異世界らしい要素に食いつく修。
「巨大で危険な魔物はほとんど消えたけど、新たな魔物も生まれている。仮面の近くでね」
机の前にある壁には、教鞭を持つカレン様の映像。今日は気分を変えて映像越しに授業をしようと言ってきたのだ。
「魔物は言い換えれば……仮面への目印になるというわけっぽい」
カレンの言動にところどころ違和感はあったが、気になるほどではなかった。
――普通じゃないと思ったのは、終わりの瞬間。
「今日のじゅ授業はここまで、後は自由にしていいよん。ここのこののせか世界にも慣れてもらわねーとな」
明らかにおかしいと思う修。口を開こうとした瞬間、カレンの右腕が黒く変色し、膨張した。反射的にまばたきをする修。すると、カレンの右腕は何事もなかったかのように元に戻っていた。
「大丈夫ですか?」
「つかれているから、今日は休むよ。またまたまた……」カレンが深呼吸をする。
「また、明日ね」
無理に作ったような痛々しい笑顔を最後に、映像が消えた。
カレンへ会いに行こうとする修。しかし光の裂け目は消えていて、代わりに夕食が置いてあった。
「カレン様……」
不安は募るが、こちらから伝える手段はない。連絡を待つしかないもどかしさを胸に、修は小屋へと戻った。
いずれくるナディルの旅に備え、戦う術や世界の知識を順調に吸収していく修。最早元の世界に帰る気はなかった。
勉強も鍛錬もしっかりと取り組んでいるのは、楽しさ以上に、カレンのおかげだった。
カレンは美人で優しく、料理も教えるのもうまい。言葉をかわさなくても、目で追っていることも多い。
あくまで世界を救うかどうかを決める準備期間のはずだが、それを忘れてしまいそうなほど、カレンとの日々は楽しかった。
今日は鍛錬ではなく授業。主に旅の目的についてだ。
「ロウに会うには、特殊な力を持った仮面、『エモ・コーブル』を見つける必要がある」
「えもこー・ぶる……?」
「着けた人間を化け物に変える、恐ろしい仮面だよ。そしてそれを扱う者を『メオルブ』と呼ぶ」
「メオ・コーブル……エモルブ」
逆だよと言われ、正しく言い直す修。何故か置いてあったノートに単語を書いていると、カレンも黒板に仮面を描いた。絵と呼ぶには語弊があり、ただ楕円の中に「仮面」と書いただけのものが、何個か並んでいる。
「それらを集めることで、きっとあの子……ロウ様は姿を表す」
「ロウ様?」呼び方に引っかかり、聞き返す。次の瞬間、修は目を見開いた。
「おかしいか?」
聞こえてきたのは、カレンとは似ても似つかない低く渋い声。カレンも気付いたらしく、口を押さえていた。
「勉強はここまでにしようか」
まだ時間はあったが、カレンは修の言葉を待たずに教室を出ていった。
夕食の時間になる頃には、いつものカレンに戻っていた。その姿に安堵した修は、声のことには触れず、席についた。
「修くんは覚えもいいから教えがいがあるし、ご飯もよく食べてくれるから作りがいがあるよ」
五日目にもなると状況にも慣れ、居心地の良さを感じてくる。授業も鍛錬もこの時間も、全てが楽しい。
「誰かのお世話をするのって、結構楽しいね」
まっすぐ見つめられ、ドキッとする修。ごまかすように料理を口にするが――
「ぐげぇらっ!!」あまりの味に吐き出してしまった。ひたすらにしょっぱかったのだ。
「どうしたの!?」とスープを飲むカレン。口を抑えながらも何とか飲み込み「こんなはずじゃ……」と続けた。
「気にし、気にしないで……」
味よりも、自分の動悸を何とかしたかった修は、急いで夕食を食べ終えた。今度は修が逃げるように離席し、いつできたかも忘れた浴場へと向かっていった。
入浴を終え、眠りにつこうとした時、カレンがお詫びのホットミルクを出してくれた。夕食とは真逆の優しい味で、よく眠れそうだと思った。
カレンと別れ、ベッドに入る修。返事の期限はあと九日。帰ると言えば、記憶を消して元の世界へ。この能力も、カレンと過ごした日々も忘れてしまう。
「それは……嫌だな」
六日目
鍛錬を終え、食卓についた修はカレンの言葉を復唱した。
「明日からナディルに?」
頷くカレン。今日までの修を見て、そろそろ良いかもと判断したのだ。
まず能力を与えて使わせ、次に世界を見せる。知りもしない世界を助けたくないだろうという配慮と、力を使わせることで興味を湧かせるという思いがあった。
「あっちの空気も感じて欲しいからね」
期待を隠しきれていない修に言葉を返すカレン。修の頭には様々な妄想が浮かんでは消えていく。
興奮が収まらないまま就寝する修。楽しみで眠れない……ということはなく、鍛錬で疲れていたのですぐに眠りについた。
数時間後、不意に大きな物音が聞こえ、目を見開く修。状況を理解できないでいると、優しい声が聞こえた。
「ごめん、起こしちゃった?」
ベッドの近くに立っていたのはカレンだった。彼女は近づくと、修の頭を撫でた。
「ごめん」の言葉どおり、物音の原因はカレン。修は何があったか聞こうと思ったが、撫でる手が気持ちよくて眠ってしまった。
完全に寝たのを確認したカレンは、自分の右腕を抑えながら、部屋を出ていった。
七日目
修が目を開けると、茶色の天井が見えた。体を起こし、部屋の中を見回す。茶色い床に壁、そして窓。修はいつの間にか、小屋へと運ばれていた。
机の上には書き置きと荷物があり、カレンの文字で『ナディルへよラこそ』と書かれていた。
ラの部分は癖字か?と思いながら荷物を開ける修。入っていたのは衣装だった。薄い橙の上着と群青の服。それに黄色いマフラーに、茶色のズボン。
「これは……」
このためだけにカレンが用意してくれた鏡で姿を確認する修。大きさもぴったりで、着心地も良かった。
着替えを終え、高ぶる気持を抑えながら扉を開ける。目に飛び込んできたのは、新緑の絨毯のような広大な草原。
風が草木を撫でる音に、真夏のような晴天。気持ちが良い。
感じる風も、見える景色も元の世界と変わらない。地表の七割が砂漠だと教わったが、とてもそうは見えない。
これまでが夢で、俺は今目を覚ました。そんな疑念がよぎるほど、ここは現実だった。
「あれは……」
辺りを見回してみると、うごめく光の裂け目のようなものが見えた。明らかに現実離れした何かだ。
「ここは出入り口だよ」裂け目から声が聞こえ、カレンが出てくる。今日は初日以来久々の、女神らしい衣装を身にまとっていた。
「いい世界でしょ?」両手を広げて風を感じるカレン。
「これが、なくなろうとしてるんだ。もう私じゃ、どうしようもできない」
右拳を強く握るカレン。その手はわずかに震えていた。
「カレン様……」
修は悲しさを感じて声をかけたが、続きが浮かばなかった。それを察したカレンは明るく言った。
「さっ、今日も鍛錬だよ。骨を埋めるつもりでかかってこいや」
「カレン様?」
「失敬」と短く返したカレンは衣装を変え、棒を構えた。
「組み手はしばらくお預けになる。この世界のことも色々教えたいからね。だから、全力で来てね!」
「骨、埋めないで拾ってくださいね」
かかってこいやと言ってのけた通り、今日のカレンは強く、早かった。
ボロボロにされた修はカレンの治癒を受け、小屋にあったベッドで眠った。
八日目
修は机に座り、羽ペンを握っていた。
「魔物も居るんですか?」異世界らしい要素に食いつく修。
「巨大で危険な魔物はほとんど消えたけど、新たな魔物も生まれている。仮面の近くでね」
机の前にある壁には、教鞭を持つカレン様の映像。今日は気分を変えて映像越しに授業をしようと言ってきたのだ。
「魔物は言い換えれば……仮面への目印になるというわけっぽい」
カレンの言動にところどころ違和感はあったが、気になるほどではなかった。
――普通じゃないと思ったのは、終わりの瞬間。
「今日のじゅ授業はここまで、後は自由にしていいよん。ここのこののせか世界にも慣れてもらわねーとな」
明らかにおかしいと思う修。口を開こうとした瞬間、カレンの右腕が黒く変色し、膨張した。反射的にまばたきをする修。すると、カレンの右腕は何事もなかったかのように元に戻っていた。
「大丈夫ですか?」
「つかれているから、今日は休むよ。またまたまた……」カレンが深呼吸をする。
「また、明日ね」
無理に作ったような痛々しい笑顔を最後に、映像が消えた。
カレンへ会いに行こうとする修。しかし光の裂け目は消えていて、代わりに夕食が置いてあった。
「カレン様……」
不安は募るが、こちらから伝える手段はない。連絡を待つしかないもどかしさを胸に、修は小屋へと戻った。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる