ヴェネディクト王国

ピエロ

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図書館

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「お父様。またお仕事?」
「ごめんねマーミー。帰ってきたら遊んであげるからね。」
「…」
「ほらマーミー、お父様を困らせないの」
「だって…。お父様最近全然遊んでくださらないんだもの…」
「マーミー、帰ってきたら絶対遊んであげるからね」
「そんなこと言って帰ってくるのどうせ遅いくせに。」
「ははっ。ごめんよ」
そう言い去っていくお父様の背中は大きかった。
お父様のお仕事は大事で大変だって分かっているけど…
「マーミー、お裁縫をしましょう。」
「いやっ!」
お母様はいつもお裁縫をさせようとしてくるし、私はもっと楽しいことをしたいのに。そう、例えば街の図書館に行って本を読むとか。そっちの方が断然面白い。それにお裁縫みたいに針を指に指してしまうこともないから痛くもない。あぁでもたまに本の紙で指を切ってしまうことはあるけど。あれは針を指に指すよりも嫌い。すごく痛いから。お母様は私に図書館に行くなって、読みたい本があるならお父様にお願いして買ってもらいましょうって。でも図書館の方が自分で好きな本を選べるでしょ?それに図書館の匂いが好きだからお母様の言うこと破ってよく1人で行っていたの。それが私の命を救い、私を生き地獄へと突き落とした。
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