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第13話

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 ルシファーの精液を飲んで、すっかり回復した眞央。
 が、他の七つの大罪に捕まる危険があるとして、ルシファーの意向でしばらく獅子緒組の別邸に居座ることに。
 ぶっちゃけここでの生活はニートの彼にとって最高なものだった。女物の着物を着せられてることを除いては。
 食事は美味しい、漫画は読み放題、テレビは見放題。
 自由はないものの彼は歓喜に満ちていた。 理想郷はここにあったのだ、と。

「あんたって本当にヤクザなのな、獅子緒組ししおぐみ若頭サマ?」

 座敷牢の中。布団の上で極道ものの漫画を読みながら寝転ぶ眞央は言った。
 とうの本人はダラダラする彼を微笑ましい表情で眺めている。
 若頭なだけあって、日中はずっと出ずっぱり。眞央に会いに来るのは明け方だけだった。

「王に比べれば爪の垢みたいなもんじゃよ」
「いやいや、そこまで謙遜しなくても。てゆうか俺にかまってないで早く寝た方がいいんじゃない?」
「わしにとって貴方と過ごすこの一時は、何物にも耐えがたい至福の時なのじゃ。許しておくれ」

(んなこといったってなぁ……あんた、血の匂いがプンプンすんだよ。目もすっげえクマできてるし)

 眞央は隅っこでちょこんと正座しているルシファーを見てため息をついた。
 見た目柔っこい印象の彼だが、明け方は狩りをしてきた獣のようにギラギラしている。


***


 --それから2日ほど経った明け方。
 珍しく眞央は夜更かしをしないで眠りについていた。

ガチャ…ギイイ……

 座敷牢の中にルシファーが入る。
 今日の彼はひときわ獣のようだった。
 いつもは眞央を怖がらせないために血のついた着物を脱いでいるのだが、そのままだ。
 濃い血の匂いを充満させた黒い獣は、ハァハァと肩で息をしながら、気持ち良さそうな寝顔をさらす眞央に忍び寄る。

「う~ん……」

 眞央がゴロリと寝返りをうつと、着物の裾から素足が露になった。
 ずっと引きこもりだったからか、透けるように白く滑らかな足。
 瞳孔が開いたルシファーの目がそれを捉える。
 理性を完全に失った彼は、あろうことか、その足にベロリと舌を這わした。

「ヒッ!!!」

 何事かと飛び起きる眞央だったが、強い力で肩を押さえつけられる。
 ルシファーは抵抗する眞央の上に股がって押さえ込む。

「おいっ! ルシファー! いきなり何すんだーーんん!!」

 吠えるその口を、ルシファーは自分の口で塞いだ。

「んん~~! ちょっ…あふっ……んんぅ」

 クチュクチュと口内を蹂躙するルシファー。
 ニートとヤクザの若頭では力の差は歴然だった。
 ルシファーは人指し指とと中指を自分の口に含み、たっぷりと唾液をつける。
 そしてそれは、眞央の着物の中をまさぐり、尻の穴に触れた。

「ちょっ……ウソ、だろ?」

 青ざめて問う眞央だが、ルシファーは無表情でその穴に指を挿入した。

「ーーーーアアッ!!!」

 ビクリと体を震わせ、甲高い声を上げる眞央。

ツプッ…ツプツプ……

(なんだ、コレ、気持ちわりぃ……)

「きっつい、のう……」

 やっと喋ったかと思ったら第一声がこれだ。
 ルシファーは口が裂けるのではないかってくらいに、口角を上げて喜んでいた。
 クリクリとほじくるように、優しさなど微塵もなく眞央のナカに侵入していく。
 その指の腹にシコリのようなものが触れた。

「アッ!!!」

 突如、電気のような刺激が眞央を襲った。

(目がチカチカする……!)

「フフ…マブい、マブいぞよ王。もっと快楽に溺れる様を、貴方の恥ずかしい所をわしに見せておくれ……!」
「やっ…やらぁ! あっあっ…アアッ!!!」

ぷちゃっ!!!

 執拗に前立腺を攻められ、眞央は痙攣しながら果ててしまう。
 朱色の着物に飛び散った精液は、白い斑模様と化す。

「ーー嗚呼、なんと美しい。貴方をわしの手で犯す日をどれほど待ち望んだことか」

 グッタリする眞央などおかまいなしに、ルシファーは自分の勃起した性器を、散々弄くりまわした尻の穴にあてがった。
 再び顔を青ざめて、眞央は半泣きで訴える。

「やっ…やだやだやだやだぁっ!!!」
「王の処女を貰い受けるのは右腕である高慢に相応しい……!」

 我慢汁が垂れた先端が、グチュリと尻の穴に吸い込まれようとしている。

「やめよっ! 堕天のルシフェル!!!」

 眞央の反射的に出た言葉に、ハッと我に返り、行為を止めるルシファー。

「わしは……わしは王になんてことを……」

 ルシファーはさっきまでのレイプ紛いな行動を思い出し、罪悪感に震えた。
 眞央はそんな彼の頬に平手を見舞いした。

「やっぱりあんたも他の奴らと同じだ。俺に触るなこの変態野郎」

 眞央の瞳は憎しみと敵意が混じりあっていた。
 そして最後に吐き捨てた一言が、ルシファーをどん底へと突き落とす。

「あんたなんて大嫌いだ」
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