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第2章「未か既か、そこが問題」
第11話「待ってろ、嘘つき不倫男!」
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(UnsplashのMark Timberlakeが撮影)
帰宅後、そんなことを考えてベッドでうとうとしていたら、深夜にメッセージが来た。スミレからだ。
『明日の朝十時に、ヤツの家に行ってみることにした』
ヤツ? あの嘘つきの既婚者のことか……。
明日は土曜日だから、相手は家にいるってわけね。
でも心配。だからすぐに返信した。
『一人で行かないほうがいいよ』
返事が来た。
『大丈夫、山中さんが一緒に来てくれるっていうの。
以前、カレの家に呼ばれて行ったことがあるんだって』
あたしはスマホを持って考えた。
スミレは頭がいい女だ。
だけど、どんなに頭がよくても、恋愛中の女子は通常バージョンじゃない。冷静になれないものだ。
そんなスミレが、よく知らない山中さんってひとと二人で、スミレをだましていた男の家へ行く。
いろんな意味でやばくない?
だからあたしは、スマホにこう打ち込んだ。
『あたしも一緒に、いく』
『むつみなら、そう言ってくれると思った!
じゃあ、名駅《めいえき》の地下で九時半にね』
返事は、ハートマークを送っておいた。
我ながら、ちょっとびっくり。
スミレとは仲がいいんだけど、あたしは友人関係が希薄な方で、だからこういうモメゴトには絶対に首を突っ込まないタイプなんだけど。
今回だけは、なぜか『他人事』のような気がしない。
……なんでかな?
ちょっとばかり、高瀬さんの行動力にあおられているのかな。
でも、それっていい事だと思う。
何もしないで傍観しているより、行動したほうがぜったいに良い。
自分がしたい、と思うことはやってみたほうがいい。
たとえどんな結果が待っていようとも。
今日のスミレを見て、そう思ったんだ。
賢い女は強い。
そして強いということは、一人じゃないってことだ。
よし、明日はスミレにとことん付きあおう!
そう決めたら、急に眠くなって、朝までぐっすり熟睡できた。
待ってろ、嘘つき不倫男!
三ツ星機械の精鋭女子ふたりが、殴り込みに行くからね!!
帰宅後、そんなことを考えてベッドでうとうとしていたら、深夜にメッセージが来た。スミレからだ。
『明日の朝十時に、ヤツの家に行ってみることにした』
ヤツ? あの嘘つきの既婚者のことか……。
明日は土曜日だから、相手は家にいるってわけね。
でも心配。だからすぐに返信した。
『一人で行かないほうがいいよ』
返事が来た。
『大丈夫、山中さんが一緒に来てくれるっていうの。
以前、カレの家に呼ばれて行ったことがあるんだって』
あたしはスマホを持って考えた。
スミレは頭がいい女だ。
だけど、どんなに頭がよくても、恋愛中の女子は通常バージョンじゃない。冷静になれないものだ。
そんなスミレが、よく知らない山中さんってひとと二人で、スミレをだましていた男の家へ行く。
いろんな意味でやばくない?
だからあたしは、スマホにこう打ち込んだ。
『あたしも一緒に、いく』
『むつみなら、そう言ってくれると思った!
じゃあ、名駅《めいえき》の地下で九時半にね』
返事は、ハートマークを送っておいた。
我ながら、ちょっとびっくり。
スミレとは仲がいいんだけど、あたしは友人関係が希薄な方で、だからこういうモメゴトには絶対に首を突っ込まないタイプなんだけど。
今回だけは、なぜか『他人事』のような気がしない。
……なんでかな?
ちょっとばかり、高瀬さんの行動力にあおられているのかな。
でも、それっていい事だと思う。
何もしないで傍観しているより、行動したほうがぜったいに良い。
自分がしたい、と思うことはやってみたほうがいい。
たとえどんな結果が待っていようとも。
今日のスミレを見て、そう思ったんだ。
賢い女は強い。
そして強いということは、一人じゃないってことだ。
よし、明日はスミレにとことん付きあおう!
そう決めたら、急に眠くなって、朝までぐっすり熟睡できた。
待ってろ、嘘つき不倫男!
三ツ星機械の精鋭女子ふたりが、殴り込みに行くからね!!
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