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第一章
第五話 飲み会の事実確認
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翌日。
雪枝は会社でパソコンと向き合いながら唸る。明日の調査についてだ。事実を確かめに行くにしても、流石に飲み屋街を一人で歩くのは躊躇いがある。万が一、善希に遭遇したら怪しまれるだろう。一緒に飲みに行ってくれそうな友人に声を掛けたものの、ことごとく予定があると断られたのだ。
さて、どうしたものか…。
その時、ふと後輩男子、仲田の姿が視界に入る。
仲田へと目を向けた事で、その視線に気付いた仲田も雪枝の方を見やる。バチッと目が合ってしまった。
(そうだ…!)
「ねぇ仲田君、明日の夜とか暇?」
「え?どうしたんです?急に。」
突然の問い掛けに仲田は目を丸くする。雪枝と仲田は仲が悪いわけではないが、頻繁に呑みに行くといった間柄でもない。故にそういった誘いで声を掛けられたとは思っていなかったらしい。
雪枝は少し慌てた素振りを見せながらもすぐに取り繕う。
「あ、あーいや、新商品会議も一回目上手く行ったし、軽く打ち上げでもどうかなーと思って。」
「おっ!いいですね~!行きましょう!」
(よし。)
とりあえず一人確保。雪枝は心の中でガッツポーズを作った。
◇◇◇◇◇
金曜日。
店は雪枝が探しておくと言っておいた。後輩である仲田は、気を遣って自分が探すと申し出たが、気になっている店がある等と適当に誤魔化してそれを阻止。善希の飲み会と同じ場所でも、遠く離れ過ぎても困る。雪枝はほどよく近い店を選んだ。
他の新商品プロジェクトのチームメンバーにも声を掛けてみたが、結局予定の都合がついたのは仲田だけだった。二人は仕事終わり、飲み屋街へと繰り出す。
「今日大丈夫だった?その、彼女さんとか…。」
仲田は稀に見る爽やかイケメンタイプ。絶対に彼女の一人や二人いるだろうと思い、その事を尋ねた。
もし彼女がいれば彼女持ちの男性を誘い出すのは気が引けたが、雪枝としても他に一緒に呑みに行く友人が捕まらなかった為、折角の同伴者を失うのは痛手だった。故に当日気付いたテイで訊いてみたのである。
雪枝の質問に対して仲田は笑顔で首を横に振った。
「大丈夫ですよ。僕、今フリーなんで。」
「そっか。」
もし仲田が彼女持ちで、万が一その彼女と遭遇でもしようものなら弁明に繰り出すぐらいの心積もりではいたが、いないと聞いて一安心だ。
そうして二人は雪枝の選んだ店で飲み食いし、店を出た。
「今のお店、良かったですね。美味しかったです。」
「ホント?それは良かった。けどなんかごめん、ご飯代多めに出してもらっちゃって。」
「良いですよ、これぐらい。お店の手配してもらいましたし。会計ぐらい、男の僕に格好付けさせて下さいよ。」
「ありがとう。」
仲田は一つ下の後輩。先輩後輩で言うなら先輩である雪枝がご馳走してやるべきではと思っていたのだが、仲田にそう言われた為、今回はお言葉に甘える事にした。
「次は役員達の前でのプレゼンでしたよね。」
「そうそう。緊張するな~。」
「海山さんなら大丈夫でしょ。」
「なに?人を緊張なんか知らない能天気女みたいに。」
「あはは、いや、そういう意味じゃなくて。普段からしっかり準備してるじゃないですか。そういう人に神様は味方してくれるもんですよ。」
「!」
仲田の台詞に目を丸くする雪枝。雪枝が言葉を失って目を瞬かせていると、それに気付いた仲田が雪枝へと視線を合わせた。
「? なんですか?」
「あ、いや、ごめん。仲田君の口から“神様”なんて言葉が出てくるのが意外で。」
仲田は今風の現代っ子。そんな彼から古風な発言が出てくるとは思ってもみなかったのだ。仲田は自分の見た目や他者からの印象を心得ているのか、雪枝の言葉の意味を瞬時に理解してハハハと笑い飛ばす。
「僕、こう見えて結構信心深いんですよ。一世一代のお願い事なんかは、ちゃんと神社に行きますから。」
「結局神頼みなだけじゃん。」
「そうとも言います。」
そんな他愛ない話をしながら駅の方へと向かう二人。
時刻は飲み会の一次会が終わる頃合。午後九時過ぎだ。
出た店から駅までの道筋に“魚王座”という居酒屋がある。もしも部署の飲み会というのが本当なら、店の前で団体がたむろしているはずだが…。
そうして魚王座前に差し掛かる。
そこそこの人数の団体が店の前に集まっていた。これは飲み会があった表れではあるが、善希の会社の飲み会かどうかは分からない。以前、善希に会社の慰安旅行の写真を見せてもらった事がある為、彼の会社の人間は何人か知っている。その顔ぶれを探そうと、横を通り過ぎる際にチラリと目を向けると…。
「あれ?海山さん?」
「! 森さん!」
「覚えててくれたんだ?」
「はい、それは勿論。」
森 健斗。善希の同僚、一番仲の良い同期だと聞いている。仕事終わりで善希と待ち合わせた際に何度か顔を合わせた事があり、その時に紹介してもらった。
森がこの場にいるという事は、善希は会社の飲み会に参加していたという事実が濃厚だが、雪枝は念の為に確認してみる事に。
「善希から聞いてます。部署の飲み会?ですか?」
「そうそう。永居、まだ中にいると思うけど呼んで来ようか?」
「えっ!あ、いえ…。」
どうやら部署の飲み会というのは本当だったらしい。森は気を利かせて善希を呼んでくると言っているが、今呼ばれては正直気まずい。店の名前を聞いていなかったとは言え、真意を確かめに来たのではと勘繰られればギクシャクしてしまう。
雪枝の頭の中には匂わせちゃんの事しかなかった為、その心配しか思い浮かんでいなかったが、森には別の懸念が過ぎった様子。森は雪枝の横にいる仲田へと目を向け、小さく「あっ。」と声を漏らした。
雪枝にとって仲田はあくまで会社の後輩。それ以上でも以下でもない。故に雪枝は森の心情には全く気付いておらず、きょとんとしている。一方、森の視線から誤解を読み取った仲田は、すぐさまフォローを入れるように笑顔で頭を下げた。
「初めまして。海山さんの後輩の仲田亮です。今日は僕らもチームの飲み会で、会議成功の打ち上げしてたんです。」
「ああ、そうなんだ。」
ホッと息をつく森を見ても雪枝は小首を傾げている。ちょうどその時、店から出てきた善希が雪枝達の姿を見つけて声を上げた。
「雪枝!」
「!? よ、善希…。」
(マズイ…!今私がこの場にいる事、変に思われちゃう…!)
内心冷や汗を垂らす雪枝。善希は眉を潜め、不機嫌な面持ちでズカズカと雪枝へと歩み寄った。
雪枝は会社でパソコンと向き合いながら唸る。明日の調査についてだ。事実を確かめに行くにしても、流石に飲み屋街を一人で歩くのは躊躇いがある。万が一、善希に遭遇したら怪しまれるだろう。一緒に飲みに行ってくれそうな友人に声を掛けたものの、ことごとく予定があると断られたのだ。
さて、どうしたものか…。
その時、ふと後輩男子、仲田の姿が視界に入る。
仲田へと目を向けた事で、その視線に気付いた仲田も雪枝の方を見やる。バチッと目が合ってしまった。
(そうだ…!)
「ねぇ仲田君、明日の夜とか暇?」
「え?どうしたんです?急に。」
突然の問い掛けに仲田は目を丸くする。雪枝と仲田は仲が悪いわけではないが、頻繁に呑みに行くといった間柄でもない。故にそういった誘いで声を掛けられたとは思っていなかったらしい。
雪枝は少し慌てた素振りを見せながらもすぐに取り繕う。
「あ、あーいや、新商品会議も一回目上手く行ったし、軽く打ち上げでもどうかなーと思って。」
「おっ!いいですね~!行きましょう!」
(よし。)
とりあえず一人確保。雪枝は心の中でガッツポーズを作った。
◇◇◇◇◇
金曜日。
店は雪枝が探しておくと言っておいた。後輩である仲田は、気を遣って自分が探すと申し出たが、気になっている店がある等と適当に誤魔化してそれを阻止。善希の飲み会と同じ場所でも、遠く離れ過ぎても困る。雪枝はほどよく近い店を選んだ。
他の新商品プロジェクトのチームメンバーにも声を掛けてみたが、結局予定の都合がついたのは仲田だけだった。二人は仕事終わり、飲み屋街へと繰り出す。
「今日大丈夫だった?その、彼女さんとか…。」
仲田は稀に見る爽やかイケメンタイプ。絶対に彼女の一人や二人いるだろうと思い、その事を尋ねた。
もし彼女がいれば彼女持ちの男性を誘い出すのは気が引けたが、雪枝としても他に一緒に呑みに行く友人が捕まらなかった為、折角の同伴者を失うのは痛手だった。故に当日気付いたテイで訊いてみたのである。
雪枝の質問に対して仲田は笑顔で首を横に振った。
「大丈夫ですよ。僕、今フリーなんで。」
「そっか。」
もし仲田が彼女持ちで、万が一その彼女と遭遇でもしようものなら弁明に繰り出すぐらいの心積もりではいたが、いないと聞いて一安心だ。
そうして二人は雪枝の選んだ店で飲み食いし、店を出た。
「今のお店、良かったですね。美味しかったです。」
「ホント?それは良かった。けどなんかごめん、ご飯代多めに出してもらっちゃって。」
「良いですよ、これぐらい。お店の手配してもらいましたし。会計ぐらい、男の僕に格好付けさせて下さいよ。」
「ありがとう。」
仲田は一つ下の後輩。先輩後輩で言うなら先輩である雪枝がご馳走してやるべきではと思っていたのだが、仲田にそう言われた為、今回はお言葉に甘える事にした。
「次は役員達の前でのプレゼンでしたよね。」
「そうそう。緊張するな~。」
「海山さんなら大丈夫でしょ。」
「なに?人を緊張なんか知らない能天気女みたいに。」
「あはは、いや、そういう意味じゃなくて。普段からしっかり準備してるじゃないですか。そういう人に神様は味方してくれるもんですよ。」
「!」
仲田の台詞に目を丸くする雪枝。雪枝が言葉を失って目を瞬かせていると、それに気付いた仲田が雪枝へと視線を合わせた。
「? なんですか?」
「あ、いや、ごめん。仲田君の口から“神様”なんて言葉が出てくるのが意外で。」
仲田は今風の現代っ子。そんな彼から古風な発言が出てくるとは思ってもみなかったのだ。仲田は自分の見た目や他者からの印象を心得ているのか、雪枝の言葉の意味を瞬時に理解してハハハと笑い飛ばす。
「僕、こう見えて結構信心深いんですよ。一世一代のお願い事なんかは、ちゃんと神社に行きますから。」
「結局神頼みなだけじゃん。」
「そうとも言います。」
そんな他愛ない話をしながら駅の方へと向かう二人。
時刻は飲み会の一次会が終わる頃合。午後九時過ぎだ。
出た店から駅までの道筋に“魚王座”という居酒屋がある。もしも部署の飲み会というのが本当なら、店の前で団体がたむろしているはずだが…。
そうして魚王座前に差し掛かる。
そこそこの人数の団体が店の前に集まっていた。これは飲み会があった表れではあるが、善希の会社の飲み会かどうかは分からない。以前、善希に会社の慰安旅行の写真を見せてもらった事がある為、彼の会社の人間は何人か知っている。その顔ぶれを探そうと、横を通り過ぎる際にチラリと目を向けると…。
「あれ?海山さん?」
「! 森さん!」
「覚えててくれたんだ?」
「はい、それは勿論。」
森 健斗。善希の同僚、一番仲の良い同期だと聞いている。仕事終わりで善希と待ち合わせた際に何度か顔を合わせた事があり、その時に紹介してもらった。
森がこの場にいるという事は、善希は会社の飲み会に参加していたという事実が濃厚だが、雪枝は念の為に確認してみる事に。
「善希から聞いてます。部署の飲み会?ですか?」
「そうそう。永居、まだ中にいると思うけど呼んで来ようか?」
「えっ!あ、いえ…。」
どうやら部署の飲み会というのは本当だったらしい。森は気を利かせて善希を呼んでくると言っているが、今呼ばれては正直気まずい。店の名前を聞いていなかったとは言え、真意を確かめに来たのではと勘繰られればギクシャクしてしまう。
雪枝の頭の中には匂わせちゃんの事しかなかった為、その心配しか思い浮かんでいなかったが、森には別の懸念が過ぎった様子。森は雪枝の横にいる仲田へと目を向け、小さく「あっ。」と声を漏らした。
雪枝にとって仲田はあくまで会社の後輩。それ以上でも以下でもない。故に雪枝は森の心情には全く気付いておらず、きょとんとしている。一方、森の視線から誤解を読み取った仲田は、すぐさまフォローを入れるように笑顔で頭を下げた。
「初めまして。海山さんの後輩の仲田亮です。今日は僕らもチームの飲み会で、会議成功の打ち上げしてたんです。」
「ああ、そうなんだ。」
ホッと息をつく森を見ても雪枝は小首を傾げている。ちょうどその時、店から出てきた善希が雪枝達の姿を見つけて声を上げた。
「雪枝!」
「!? よ、善希…。」
(マズイ…!今私がこの場にいる事、変に思われちゃう…!)
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